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甘ったるい妄想劇はきみの脳内にて。

 ( 書き捨て!小説 )
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櫻木孤白@syeru ★jm2QN7681CQ

 はい、こんにちはです。
 主になんかぐだぐだーっと小説ネタを考え、ぐだぐだーっとルーズリーフに書き込んでいるものです。

 今回は、ここにわたしのなんかよくわからんネタたちを無理やり詰め込んでいこうと思います。
 ネタばれ注意、そして書きこみは御遠慮ください。

 ってなわけで、ぐだぐだーっと孤白のペースで書きこんでいこうと思います。

2009/05/01 22:16 No.0
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しぇる@syeru ★UIzt2S0dlV_Xrw

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7年前 No.604

しぇる@syeru ★UIzt2S0dlV_Xrw



 きゅっと握った手のあたたかさを、あたしは今でも覚えている。あたしのとは違うとはっきりわかる、ごつごつした、おっきい男の子の手。
 無駄にあったかくて、冷え性なあたしにはそのあたたかさが心地よくて。なのにこのままこの時が永遠に続けって願う前に手をふりほどかれた。
 ぽかん、ってただきみの顔を見るでもなくふりほどかれた手を名残惜しそうに見るきみはただ顔を真っ赤にしながら言ったんだ。

「期待させるようなことっ、すんじゃねーよばかやろー!」


 ++


 コーラ味のチュッパチャップスをぺろぺろと舐めながらわたしは自分の手を見つめる。

 なんできみの手って、あんなにごつごつしてるんだろ。なんであたしの手はこんなに柔らかいんだろう。なんできみの手はすっごいあたたかかったのに、あたしの手は冷たいままなんだろう。

 ぺろ、カチ、ぺろ、カチ、ぺろ、カチ。

 時計の針の音と比例させるようにあたしは口の中で甘ったるいそれを転がす。ほんとはコーラ味じゃなくてサイダーな気分だったんだけどな。まぁ、ランダムで出てくるヤツだから仕方ない。

 オレンジ色の光が差し込むあたし以外誰もいない教室。いつもならSHRがおわった途端にあたしは即教室を出るんだけど、今日はカレシに「一緒に帰ろ」って言われてるから教室で待ってるのです。うあーい、これこそカレカノみたいでテンションあっがるー。いや、まったくあがらないけど。

 なんであたしのカレシさんは図書委員がある日にわざわざ一緒に帰ろうなんて誘ってきたんだろうか。あたし的には、早く家に帰りたいんだけれども。でも、まぁたまにはいっかなーなんてそんなことを思いながら窓の外を見る。

 一人で、ペースを崩すことなくグラウンドをぐるぐると走っている姿を見つけて一人でなんとなく満足。目が悪いせいかよくは見えないけど、でもなんとなくきみだって思ったり。
 というか、陸上部の長距離の選手なんてそんなに人数いないし。それ以前に、陸上部今日は顧問いなくて早くおわったはずなのに、一人で走ってるなんてそんなばかきみぐらいしかいないし。

 ぺろぺろと無意志のうちに動く舌に舐め取られるくどい甘さ。オレンジの中で一人だけ真剣に走るきみ。これって、なんの一場面なのよなんてふと思って何故か笑いがこぼれた。


 と、その時だったろうか。

 閉じていた扉ががらりとひらく。くるりと白いそれの棒を手に取り、口の中から出してあたしは「よっ」とかるく手をあげた。

「なに、見てんの」
「なにって、濱田が走ってるの見てた。ヒマだったから」

 そう完結に答えればカレシさんはそれをきいた途端に顔をしかめた。はて? あたしは何か悪いことを言いましたかな? 「どしたの」なんてわけがわからず首を傾げカレシさんに問いかければカレシさんは一気にこちらに寄ってきた。ツカツカと響く足音には、どこだか怒りがこもっているような気がして。おもわず、後退りしたがそれを隔てるのはただの窓。

「あのっさ、そんなにミキは濱田のことすきなわけ?」
「え、別に濱田は濱田っしょ? すきとかきらいとかそれ以前の問題だし……った」

 逃げられないように腕を捕まれて、爪を立てられる。おもわず顔をしかめるがカレシさんはそれすらも気にしていないようでにこりと穏やかに笑いながらこちらに顔を近づける。

「ミキは知らないでしょ。ミキが俺に濱田の話するとき、俺の中がどれだけぐっちゃぐちゃになってるのとか、ミキをどれだけ独占したいかって俺が思ってるのとか。
 ミキの彼氏は俺で、俺の彼女はミキっしょ? ミキもすきだから俺のすきってのオッケーしてくれたんだよね? ねぇ……?」

 ぎりぎりと食い込む爪が痛くて、目の前の人が怖くて。つかんでいるチュッパチャップスの棒を必死でつかみながら痛いと必死に訴える。
 じわりと目尻に涙がにじむと、おもわずぎゅっと目をつぶった。

 するとはっと目の前の人が息をのんだのがきこえて、それから気まずそうな「……ごめん」という小さな声がきこえた。

「俺、さぁ、わかるんだよ。ミキのことすきで、ミキのことばっか見てるから。だから、ミキが濱田を見る目と俺を見る目が違うなってこととか濱田のこと話す時のミキの表情がすっごいやわらかくてやさしいのとか。
 俺ん中、ミキでいっぱいだからさ。ミキが俺から離れちゃったらどうしようって、そればっかなんだよ」

 ずるりと目の前の人の身体から力が抜けて、そのままそれが自然であるかのように彼があたしの肩に顔を埋めた。びくんと身体が揺れて、それで何も考えられなくなる。

 なんだなんだ、とか思いながら未だに捕まれている腕と彼を見ながらあわあわとしていれば彼はそっと顔をあげ、そして口をひらいた。

「なぁ、ミキはさ、濱田がすきなんだよな? じゃあさ、なんで俺とつきあってんの? やさしさとか? だったら、それってすっげー残酷だよ」

 傷ついた彼の表情を見て、ずきんと胸が跳ねた。こんな表情を見るのは初めてで、どうしたらいいのかわからない。

 というか、あたしが濱田のことをすきってどういうことだろうか。というか、すきってなんだろうか。
 今まで、意識したことのない感情を示し出されてぐちゃぐちゃといろいろなものがあたしの中で混ざってゆく。わけがわからない。なんで、こんなに一気に出てくるの……?

「ごめ、あの、すきとか、よくわかんない。けーたがそやってやさしさとか、残酷とかいうの、あたしわかんない。けーたとつきあってても、そゆのわかんない」

 ゆっくりと息を吐き出しながら、ぜんぶの言葉が飛び出てこないようにセーブしながら途切れ途切れにそう言えば彼は不思議そうにあたしを見た。そして、「あぁ、そっか」なんて納得したようにさっきの笑みとは違う笑みで、やさしく笑う。

「わかった、俺、なんか勘違いしてた」

 え、と呟くあたしを彼はぎゅっと抱きしめる。その力に抗えずにぽかんとしていれば彼はあたしをまるで宝物みたいに、本当に愛おしそうに言葉を紡いだ。

「俺、ミキをすきになったんだから。そんなミキをすきになったのに、なんで忘れてたんだろうな」

 意味が、わからなくてただただ彼を見る。彼はやさしく笑いながら「濱田んとこ、行きなよ」とあたしを解放し、そして言った。その笑みはどこかあたしにとっては自嘲のようにも見えて。

「俺は、ミキがだいすきだよ」

 そう言って彼はすっとあたしの背を押した。教室から出て行くようにと、抱きしめた時のようにやさしくあたしに触れる。ちらりと彼の顔を見た時に、あの笑みにきらりと反射したアレは気のせいではないと頭の隅で肯定した。


 ++


 彼に言われたように、きみの元へ行こうととりあえず下駄箱へと行ってみた。ローファーをかたりを無造作に投げ出し、今まで履いていた上履きを靴箱へといれる。そしてローファーを履いていれば、頭上から「あ……」なんてどこだか気まずそうな声が降ってきた。

「あ、濱田じゃん」
「……おまえ、彼氏は?」
「え、カレシに濱田のとこ行けって言われた」

 淡々と言うあたしにきみは「は?」と怪訝そうな顔をしてきく。

「なんかね、けーたはあたしに離れてほしくないんだって。でも、よくわかんないあたしのことをすきになったから、あたしを濱田のとこ行かせなきゃいけないんだって。だけどけーたはあたしのことすきなんだって」

 そういうことです。

 今さっきあったことをあたしなりに簡単にきみに話す。するときみは長く深いため息をつき、「アイツいいやつすぎんだろ」なんて呆れたように呟いた。

 意味がわからないあたしはきみを見るだけ。するときみはきゅっと唇をつぶり、そしてしっかりとあたしの目を見た。その視線はいったいなんだ? なんてきょとんとしているときみは一つ息を吸って、

「オレ、おまえのことすきだわ」

 その、よくわからない感情を吐き出した。

 また、その言葉か。というかあたしはどうやって反応すればいいのよばか。

 黙ったままで何をするべきかを見つけられないあたしを見て、きみはどこかおかしそうに吹き出した。「は、なんなの一体!」なんてあたしが言えばきみは楽しそうに、とびっきりの笑顔で言ったのだった。

「オレは、そんなおまえがすきなんだよ」

 その一言はあたしの中にふわりと落ち着いて落ちて、ぴたりとはまったパズルのピースのようにすっと綺麗に収まった。
 でも、あたしの中にはきみからもらった言葉を返す言葉は存在してはなくて。てくてくときみのそばまで行くとぎゅっと、あの時の彼があたしにしたようにあたしはきみに同じことをする。

「あいじょーひょーげん?」
「おまえ、言葉ってもんを知らねーの……?」

 そんな憎まれ口を叩きながらもあたしを抱きしめ返してくれる彼がもっと欲しくて、これが"すき"なのかな、なんて思いながらそっときみの身体に顔を埋めた。


( すっごい突発^p^ まじ、けーたくんが不憫すぎてどうしよう← )

7年前 No.605

しぇる@syeru ★UIzt2S0dlV_Xrw

..

[ 元告知めんばーみんなで同時期連載できるかな、これ! どうしよう、本当に楽しみ(*´ω`*)! ]


たとえばきみが消えたとしてもわたしにはなにもすることはできなくてっていうかどうしようもないからただ泣くか呆然とするかしかないんだろうなぁって思ったら今を大切にしたくなったけどめーるする勇気もないしでもお話はいっぱいしたいしであれ結局しぇるはどうしたいんだろうってなって影からきみのことこっそりのぞいてよかったまだいてくれたって勝手に安心して少しでも話しかけてくれたら勝手に有頂天になってうれしくなってにやにやしちゃってでもきみがほかの人と話してたりすると嫉妬して勝手にずとんって一番下に落ちちゃってばかじゃないのって思うけど這い上がるにはきみの手が必要で必死に手を伸ばすだけの毎日でどうしようもできなくてきみに会いたいな会いたいなでもそんなこと言えないよばかやろーでも会いたいんだよお話したいんだよきみが大切すぎてどうしたらいいかわかんないんだよばかだいすきだみんなみんなだいすきだよばかやろーなんてぼそりとつぶやきながらついったーやめびやらでみんな見るとついうれしくなっちゃうそれがしぇるだったりします。

( 大切、いこーる、だいすき! きみ、いこーる、みんな!)
( みんなみんなしぇるにとっては大切なの! )

     ...思考回路はいつもごちゃごちゃ黒いピンク色! なしぇるです(`・ω・´)

 りんく...++

http://mb2.jp/_auth/syeru/d-429 ...きみとわたしを繋ぐ赤い糸?(しぇるのぷろふぃーる)
http://aurasoul.mb2.jp/_one/view-syeru-all-1.html  ...紡いだ言葉をかき集めて、(まいろぐ)
http://mb2.jp/_auth/syeru/d-615 ...しあわせを詰め込んだらほら笑顔!(合作相談所)
http://aurasoul.mb2.jp/_ste/577.html  ...いくらばつ印を書いたって、それが消えるわけじゃなくて(かきすて)
http://aurasoul.mb2.jp/_sss/665.html  ...個人的には大嫌いで大好き(たんぺんしゅう)
http://aurasoul.mb2.jp/_css/1046.html  ...きみと一緒、いこーる、しあわせ(中級者/オレンジ)

http://twitter.com/syeru1207 ...伝えたいこと、ぜんぶ伝えられるかな?、(ついったー)

( 星屑きゃんでぃ、/因幡 涙兎/JUGEM )( こえ部/しぇる )( 青空アンブレラ*/しぇる )
すかいぷはやってたりするんでもしよければ声かけてください(・∀・)ノ


..


ぷろふぃーる保存・ω・´

7年前 No.606

しぇる@syeru ★UIzt2S0dlV_Xrw



( 題名こーほ )

考えてたのが今更あわない気がしてきたので←


*../思いつく単語。
月/輝く/竹/平安時代/夜空/日本最古/

…(^ω^)?
あれ、おかしい。単語とか思いつかねぇよwww


とりま、題名考えてみよーか。


*)月の光はすべてを包み込む 〜The lamp of hope came from the moon.
*)きみはそうして砂糖菓子を撃ち抜く
*)月と輝く
*)月空サイコロジスト
*)月空コントラスト

サイコロジスト-心理学者
コントラスト-ある注目物体とそれ以外の背景とが区別できるような視覚的な特徴の差のこと

7年前 No.607

しぇる@syeru ★UIzt2S0dlV_Xrw




( きみの脳内劇場、三月一日 )

 うーん、やっぱり童話ものってパロディとかいいなぁって思うのよね。ちょっと、そんな変な顔してないでちゃんときいてって。え、変な顔じゃない? 何言ってるのよ、アンタの顔は元々そんな変な顔じゃな……あらやだ、失言だわ。
 でね、とりあえず今わたしの頭の中で繰り広げられているのはね、まさに修羅場なのよ! 白雪姫は毒林檎を食べるんだけど王妃さまがおばかだったおかげで毒がその林檎にははいってなかったの。で、まぁ白雪姫はけろっとしてるんだけどね。そしたらそこに王子さまがきて白雪姫に一目惚れして求婚するんだけど、白雪姫は断るのね。そしたら王子さまとぼとぼと帰っていって、そしたらお城前に硝子の靴が落ちてるのね。そこにシンデレラがやってきて王子さまに愛の告白とかしちゃうわけ。ん? どっかできいたことのあるような話ですって? あわてずに最後まできいてったら。でね、王子さまはどうしようってなってたところに白雪姫が王子さまを追ってくるの。つまり白雪姫はツンデレってことなのよね。で、王子さまがあわあわなってるうちに二人ともいらいらしてきちゃって「どっちを選ぶの!?」って修羅場なわけ。でも王子さま優柔不断だから何にも言えなくて、最後には二人にビンタされて、それでおわり。


「……なぁ、それって今日の俺だよな」
「あれ、先輩よくわかったね? 先輩はもってもてだからーかっこわらいかっことじ」
「うわっ、思い出したらなんかほっぺたいてぇし……!」


( きみの脳内劇場、三月十四日 )

 ホワイトデーのお返しって特別な意味を持つものがあるのよね。先輩、知ってた? キャンディーはつきあおうでクッキーは友達のままがいいでマシュマロはごめんなさいなんだって。で、やっぱりあたし的には考えちゃうわけですよ。あの人があたしにキャンディーくれるのをね。
 いつも廊下とかですれ違って一言挨拶するだけのあの人をただ見てただけだったのに、廊下ですれ違った時に「こっち来て」って腕引っ張られてさぁ。屋上まで連れてこられて少し頬を赤くしながらあの人が「はい」って檸檬味のキャンディーを一つくれるの。それであたしおもわず泣いちゃったりしてね、あの人がやさしく抱きしめてくれてー……。
 あー、あの人あたしにキャンディーくれないのかなぁ……。


「妄想劇中悪いが、おまえ誰にもチョコあげてねぇし俺以外にそんな廊下ですれ違うだけのヤツいないだろ」
「どうでもいいけど、先輩はあたしにお返しないわけ?」
「おい、まったくのスルーだな。俺お前からチョコもらってないんだけど」
「……あら、そうだったかしら?」


( おれときみの屋上にて 四月一日 )

「遅ればせながらそつぎょーおめでとーございます、先輩」
「ほんとに遅ればせながらだな。卒業式三月五日だったんだけど」

 顔をしかめる俺に彼女は無表情のままでケータイをいじりながら言葉を吐き出した。マンションの屋上はいつもとは違い今日は柔らかい風が吹いている。
 俺はポケットの中に入っているものを手の中で握りしめると一つ息を吐き出した。

「先輩、いつ引っ越しでしたっけ?」
「あー、明日。大学の入学式十日だからな」
「ふぅん」

 カチカチと彼女のケータイをいじる手は止まらない。日の当たる端っこの定位置に座り込んでいる彼女の横が定位置という俺もそれはいつもどおりで。
 欄干にもたれかかって空を見上げた。何もいつもと変わらない。このまま続く気がする日常は、明日でおわるというのに、そんな様子も何もない気がした。

 よし、と心の中で呟き自分落ち着かせる。なぁ、と彼女を見、声をかければ彼女はちらりとこちらを見た。
 そっと彼女の腕をつかみ、彼女を立たせれば別に彼女は抵抗するでもなく立ち上がる。

「先輩、なに?」

 怪訝そうな顔をして、ケータイを開いたまま俺の顔を見る彼女。
 そっと手の中のそれを確認してから、彼女になにくわぬ顔で「はい」と彼女の手にそれを握らせた。

「……檸檬味、の飴? え、急になに……」
「三月十四日、ホワイトデーの妄想」
「は?」

 今日ホワイトデーじゃないんですけど。

 そう呟いた彼女は手の中に握られているそれと俺の顔を見比べている。一体なんだコイツ、なんていう目をしている彼女を俺はじっと見つめた。
 ……なかなか、妄想通りにはいかないもんだよなぁ。

「いいから、泣けよ」
「は!? 何言ってんのこの人。え、なに、きもちわるっ!」

 うわ、本気でひいてるよコイツ。
 頭の中で繰り返した妄想劇。元は彼女の妄想劇だけれども、その妄想劇は俺の頭の中にもしっかりと刻み込まれていた。あの修羅場な童話も、ホワイトデーも、ぜんぶぜんぶ彼女からきかされてきた妄想劇はすべて彼女の言葉だ。
 だから彼女が忘れていようとも俺にとってはショックだけれどもでもそんなもの関係ない。

 未だつかんだままの彼女の腕をこちらに引き寄せれば、思っていたよりもずっと簡単に彼女は俺の胸にぽすんと顔を埋めた。あれ、コイツってこんなにかるかったっけ、なんて。

 ほうっと彼女の身体を離さないように、だけれども彼女の華奢な身体が折れてしまうことがないように彼女を抱きしめる。頭の中は真っ白で、何も言えずにただ腕に力をこめる。

 すると当然抵抗するであろうと思っていた彼女がぽつりと呟いた。その声は聞き取れないほど小さくて、なのに俺の耳には確かにしっかり残っていて。「――行かないで」そのただ一言が何故か頭の中で響いた。

「あのね、遠くへ行くってあの人に言われたの。あたしは本気で心配して行かないでって泣きそうになるとね、あの人が今日はエイプリルフールだよって言ってくれるの。だから本当は遠くへ行かないんだ、騙してごめんねって。
 あたしそれで安心したのかわかんないけど泣いちゃって、そしたらあの人がやさしく抱きしめてくれて。ばかってあたしが言うとすきだよって言ってくれるの。エイプリルフールでしょ、ってあたしが言い返すともう十二時過ぎてるからって」

 彼女の、最後の妄想劇。「ほんとにしてよ」というくぐもった声に俺は小さく首を振るとそっと口をひらく。

「ごめん、行かなきゃ、いけないから。でも、すきなのは本当だから。二人の女子に告白されて修羅場になっても、バレンタインにお前にチョコもらえてなくても、ホワイトデーに何もあげられなくても、ただお前だけを見てたから。本当に、すきだから」

 きゅっと言葉がおわる前に抱きしめ返された気がした。
 ふわりと風が通り抜けて、優しく頬を撫でる。

 時刻は十二時過ぎ。彼女の泣き声だけがただきこえていた。


『 甘ったるい妄想劇はきみと俺の脳内にて。』

7年前 No.608

しぇる@syeru ★UIzt2S0dlV_Xrw

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7年前 No.609

しぇる@syeru ★UIzt2S0dlV_Xrw




 すうすうと小さくきこえる寝息と共に上下する身体。見た目、本当に平安時代のお姫様だよなぁ……。現代でこんな髪長くしてる子とかいないし、ましてやこんな十二単みたいな着物着てる子なんてもっといないし。

「いやぁ、ほんと、お姫様みたいだよねぇ」

 よっこいしょとパイプイスに座った店長がぴりぴりとおにぎりのビニールを剥きながらそんなことを言う。うお、店長と同じこと考えてたわ。そのことに若干の危機感を持ちながら俺も店長の向かい側にパイプイスを持ってきて座った。

 向こう側からは小さめにセットされているBGMと「いらっしゃいませー」というバイト仲間の声がきこえる。ふと時計を見れば時間はもう十時を少し過ぎていた。
 本来ならばもう着替えてとっとと帰るのだが、この子のことを放っては帰れないだろう。一番最初に見つけたの俺だし、店長に任せるとあれやこれやと心配だし。

 白いみんなの私物が置いてあるテーブルに頬杖をつきながら女の子を横目で見る。やっぱ、綺麗な顔してんだよな。肌とか本当に白いし、それに映えるさらさらとした長い手入れされた黒髪。目もたぶんぱっちりとした感じだろうし、これでもう少し歳近ければ好みなのに。

 小さい大和撫子か。そう勝手に納得していれば、もぞりとその子が丸まるように動いた。顔をしかめ「んぅ……」と小さなうめき声を吐き出す。

「お、起きたかな?」

 おにぎりのビニールを剥ぐ作業をやめて店長がソファーへと目線を移す。

 すると女の子は小さく口を開けたままでむくりと起き上がった。まだとろんとしたままの目をこすり、きょろきょろとあたりを見回す。そしてすたりとソファーから降りると最初に手に取ったのは、店長がビニールを剥き終わったおにぎりだった。

 そっと小さくぷくぷくとした手で海苔に包まれたそれを不思議そうに女の子は見る。女の子はちらりと俺と店長を了解をとるようにみてきた。それに合わせて俺も店長を見る。

「いいよ、食べて。おれの奢りだから」

 そうへにゃっと店長が言うと、その言葉がストッパーであったのかなんなのか。ばくりと、その小さな口におにぎりを突っ込む。そしてどんどんビニールの剥かれたおにぎりをつかみ取る。

7年前 No.610

しぇる@syeru ★UIzt2S0dlV_Xrw



( 名前考える← )


男か女かよくわからん名前を使ってみたいです(`・ω・´)
というわけで、ちょっと今までの名前とか色々書き出してみる。

+/しぇる(―――) 一番最初から使ってるHN。そして一番使ってるものです。愛着とかわきまくり。この名前しか使ってなくて逆にこの名前以外で出現するの難しくなった←
+/哩舞 華(りまい はな) 短編集で使ってる。一回"はな"っていう名前を使ってみたかったのと名字は感じ的になんか←
+/櫻木孤白(さくらぎこはく) 書き捨てで一番最初に使ってた名前。今使ってないけど。っていうか、なんか漢字ごつい(笑)

+/甘埜くぴん(あまの―――) バレンタインデー限定の名前。"くぴん"を並び替えると"ぴんく"になる。え、どうでもいい?←
+/雪白きゃんでぃ(ゆきしろ――) ホワイトデー限定の名前。キャンディもらえたらつきあおって意味なんだぜ!
+/桃枝 雛(ももえ ひな) 雛祭り限定の名前。とにかく可愛いのがつくりたかったんだと思う。
+/黒華 せい(くろはな ――) 七夕限定の名前。せいは星って書きます、たぶん。

+/だうと!(―――!) アカウント気まぐれねーむ。この頃ライアーゲームやってたからその影響←
+/ねむあ(―――) アカウント休止中ねーむ。受験時によく使ってた。
+/和唄 けう(わうた ――) アカウント気まぐれねーむ。なんとなく気に入ってる←

+/舜音 そぷらの(しゅおん ――――) みゅりのちゃんからの頂き物、だと思う。アカウントとかで気まぐれに使ってました。
+/夢綿 紫依(ゆめわた しい) 幸愛からの頂き物。"しい"って響きが気に入って、その頃のキャラの名前は危うく全員"しい"って名前になるとこだった


やっばい、名前ありすぎるwww
とりま、これで一旦保存。

7年前 No.611

しぇる@syeru ★UIzt2S0dlV_Xrw



 それからは、ひたすらその繰り返しだった。十個ほど適当に店長が棚から取ってきたのであろうおにぎりは、女の子の止まらぬ手と口によってあっという間にその小さな身体の中へと消えた。ただぽかんとその様子を見ている俺とは違って店長はどこか満足げにその様子を見ていたけれども。

 そして最後のおにぎりを飲み込んだあと、女の子はおにぎりの横に置いてあったペットボトルのお茶を黙って飲み込む。こくこくと一気に飲み干しているせいか、お茶の減り方が尋常じゃない。
 ぷはっとペットボトルを口から話すと一回だけあたりを見回してから店長にぺこりと頭を黙って下げた。それから先ほどまで自分が寝ていたソファにぽすんと座る。

 店長は女の子が座ってからにこりと笑い「ねぇ」と声をかける。すると女の子はきょとんとした風に店長を見た。

「きみ、名前は? こんな夜中にどうしたの?」

 俺もパイプイスに座り直してから女の子を見る。女の子はふと一瞬だけ何かに迷ったようだったが案外簡単に口を開いた。

「我の名は輝夜(かぐや)じゃ」

 ん、輝夜って、容姿だけじゃなくて名前もかぐや姫みたいだな。世の中には不思議な親もいるもんだ――。

「実はな、月から牛車に乗って来たのじゃが途中で牛のやつが腹を空かせてしまってのう。いらいらしてしょうがないから牛車から飛び降りてみたのじゃ。元から地球にやってくる予定だったんじゃからいいじゃろって思ってな」

 そう、その輝夜と名乗る女の子は、確かにそれが当たり前であるかのようにどこか偉そうに言った。

 ――は?

 ん? と意味が分からずに店長のほうを見れば店長は相変わらずにこにことしていた。「そっかぁ」なんて言いながら相づちまで打っているというこの始末。まさか、本気にしてるワケじゃないっすよね……!

「だから、飛び降りてそのあたりをうろうろとしておったんじゃが、周りは真っ暗じゃろ? 歩いているうちにおなかがすいてきて歩けなくなったから木の椅子に座っとったんじゃが何か汚れたけったいなやつが来てのお。こちらをじろじろと見てくるもんじゃから気味が悪くて歩いてそのうちここにたどり着いたのじゃ」

 えへん、と胸を張るこの子はこんなホラ話を本気で話しているらしい。
 いったいどうしたものか……。俺は立ち上がり机の上に置いておいた自分のバックの中からケータイを取り出しコンビニの制服のままでポケットの中に突っ込む。「交番行って、お巡りさん連れてきます」と店長に言えば店長が答えるよりも早くどこか焦った表情の輝夜がこちらを向きふるふると首を振った。

7年前 No.612

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_dzh




 体に鈍い痛みを意識の隅で感じ、頭が覚めてゆく気がした。あー、なんでこんな身体痛いんだろうか。確かに俺んちのベッドはそこまでいいやつじゃないから固いけど、ここまで寝心地悪くはなかったよなぁ……。

「おいっ! お主、起きるのじゃ!」

 かわいらしい女の子の声がきこえてこれは夢じゃないかと頭の中で判断する。一人暮らしで彼女もいない俺んとこに朝から女の子がいるなんてシュチュエーションあるわけないもんなぁ。やっぱ、彼女ほしいよなぁ……。
 ごろりと寝返りをうち、また夢の中へと意識を飛ばそうとしたときだった。

「おっきっるっのっじゃ!」

 ばしんと、顔面に、枕をたたきつけられた。

7年前 No.613

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_dzh



 ぼくにはたいせつなひとがいます。やさしいその笑みと、"だいすき"という言葉がよく似合う人です。昔はずっと一緒にいて、その人はよくぼくを抱きしめてくれました。
 だいすき、なんて言葉を満面の笑みでいうその人にぼくもだいすきと言葉を返すのが当たり前の日常で、何も変わらないのだと思っていました。
 しかし、月日は止まることはなく自然に流れてゆくものです。人の都合など何も気にせず、ただ規則正しくそれが自分の使命であるかのようにカチリカチリと一秒一秒を刻んでゆきます。
 そしてそれに抵抗することなくぼくもその人も日常を過ごしてきました。その結果が、今なのです――。


  ++


 リビングのソファでおとなしく座っていたぼくは、開いたリビングの扉にぴくりと反応しました。ただいま、という昔よりも高くなった変わらぬ声がきこえてぼくの心臓が飛び跳ねます。
 どきどきと勝手に喜ぶ胸を押さえつけながら扉へと目線を向けていれば、そこには見慣れた制服に身を包んだおねえちゃんの姿。おかえり、とぼくが言えばおねえちゃんはにこりとぼくを見て笑います。

 おねえちゃんとぼくは、血がつながっていません。でも、おねえちゃんはぼくのおねえちゃんなのです。お母さんから生まれて、小さい頃からずっと一緒にいて、たぶんおねえちゃんのことを一番よく知っているのはぼくだろうと断言できるほどに、ぼくとおねえちゃんは仲良しなのです。それほど、ぼくにとっておねえちゃんはたいせつなひとなのです。

「腕のところ、なおってるね。よかった」

 おねえちゃんはてこてことぼくの横へやってきてぽすんと座ります。にこりと笑いぼくを膝の上に乗っければ、ブレザーのポケットに手を入れ淡いピンク色のケータイを取り出します。
 パカリとひらいてカチカチとやるおねえちゃんを見ながらぼくはゆっくりとおねえちゃんにもたれかかります。あぁ、あったかいなぁ。さっきもお日様の光があたっててきもちよかったけど、今は安心感もある感じ。やっぱりおねえちゃん、だいすきだなぁ。最近はおねえちゃん、ぼくにだいすきって言ってくれなくなったけどでもこういう風にしてればおねえちゃんのきもちが伝わってくる気がするからぼくは十分なんだ。

 そして、カチコチと静かに進む秒針とあたたかさのせいでうとうととしていたときでした。ピンポーンと静かな空間に不似合な音が響きます。
 おねえちゃんはやさしくぼくを膝から降ろすと玄関の方へと歩いていきます。誰だろうな、宅配便さんかな。それともおねえちゃんの親友のはぁちゃんかな。はぁちゃんとはぼくもよく仲間に入れてもらってよく遊んだし、はぁちゃんに会うのも久々だから楽しみだなぁ……。

 そんな、また前みたいにおねえちゃんとはぁちゃんと遊べるのかと思いわくわくしていたぼくの耳に入ってきたのは聞きなれない男の人の声でした。「おじゃまします」なんて、お父さんとは違う男の人の声。だれだろうか。おねえちゃんが男の子の友達を連れてくるなんて、今じゃありえないのに。

「今日、夕方まで誰も帰ってこないからリビングでもいい? 部屋まだ妹と一緒だから散らかってるんだよね」
「うん、別に大丈夫。じゃあ、部屋はまた今度だな。楽しみにしてるから」
「楽しみって……。別に何もないよ?」

 会話をしながら入ってきたのは、おねえちゃんよりも背の高いぼくの知らない男の人で。きょとんとしながらぼくは男の人を見ているけど男の人はぼくには気づいてないみたいです。

「ソファ座ってて。コーヒーでいいかな?」
「そんな気ぃつかわなくていーよ」

 キッチンに向かうおねえちゃんに男の人は遠慮したように言いますがおねえちゃんはどこがイタズラでもするこどもみたいな笑顔を浮かべて「気ぃ遣わせてくださいよ」なんて言います。それを見た男の人はただおねえちゃんが愛しいみたいな風に笑って、その笑みがいつかのおねえちゃんに重なった気がしました。

 ソファに座った男の人は、横に座るぼくに気づきました。ぼくを抱き上げて何かを考えるようにぼくを見つめます。その視線がぼくにとってはなぜだかきもちわるくて、目をそむけたくなりました。

「あ、その子かわいいでしょ」

 おねえちゃん!

 ぼくの心がぱぁっとあかるくなり、ぼくはおねえちゃんを目で追います。湯気の出ているコーヒーカップを机の上に二つコトリと置くとおねえちゃんは男の人の横に座ります。

「わたしのね、宝物なの。小さい頃からずっと一緒なんだよ」
「へぇ、確かに、こういうのすきそうだよな」

 そう男の人は言うとぼくをそっと元座っていた位置におろし、おねえちゃんが淹れたコーヒーを一口飲みます。おねえちゃんはミルク入りのコーヒーを飲んでからそっとコーヒーカップを机の上に置きました。えへへ、なんて少し照れたように笑いながら男の人の肩に頭をのせます。
 男の人もおねえちゃんの頭をぽんぽんとやさしく撫でながら微笑んでいて、ぼくはここにいていいのだろうかなんて違和感を覚えました。


 おねえちゃんが男の人にもたれかかっています。 ――ねぇ、その人は誰なの?
 おねえちゃんが男の人にだいすきといいます。 ――ぼくには言ってくれないのにその人には言うの?
 おねえちゃんが男の人に微笑(わら)います。 ――ぼくに笑いかけるよりもなんでやさしく笑うの?

 おねえちゃんがおねえちゃんがおねえちゃんがおねえちゃんがおねえちゃんがおねえちゃんがおねえちゃんがおねえちゃんがおねえちゃんがおねえちゃんが。


 ぼくの足が動かない、ぼくの手が動かない。
 それは、時間が流れるのと同じであたりまえのことなのです。

 今更になって、おねえちゃんのそばにいるのはぼくじゃないということを思い知らされます。だって、おねえちゃんのそばにいるのはずっとぼくだと思っていたから。これまでがそうだったから、これからもそうなると思っていたから。
 微笑い合うおねえちゃんと男の人がぼくの目にきれいに映りすぎて、でも視界がぼやけることはありませんでした。
 おねえちゃんが悲しい時は目から水があふれるはずなのにね、なんでだろう。なんでもぼくの目からは何もでてこないんだろう。なんでぼくの足はおねえちゃんの元へと走っていくことができないんだろう。なんでぼくの手はおねえちゃんへと伸ばすことができないんだろう。


「だいすき」


 おねえちゃんのあまいふわふわとした綿菓子みたいな言葉が浮かんで、でもその言葉はぼくへの言葉じゃなくて。男の人が照れくさそうに微笑いました。

 カチカチと秒針が音をたてて進んでいきます。その音をきいているのはきっとぼくだけでしょう。
 ふわふわと浮かんだ言葉を手が動くはずのないぼくが捕まえることができるはずもなく、ぼくはただソファに座って流せない涙を体の奥から出そうと一生懸命にこらえました。


  ――――だってぼくは人形だから!

7年前 No.614

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_qfk



 ( おりなり めも )


 ――たとえば、もう出会えないであろう大切な人にもう一度触れられるとしたならば?


とりま、せつない感じの恋愛推薦スレでいくわ。れっつ日常!(笑)


三年前、たいせつな恋人を亡くした主人公。
たいせつで、たいせつで、ずっと一緒にいることを約束して、そして約束を守れなかった。それでも、最後に微笑んだそのきれいな笑顔をどうしても忘れられなくて。
今でも口に出すことはありませんが、主人公はその恋人のことを割り切れられません。
今でも、できることなら会いたいと思っているのです。会って、抱きしめたいと願っているのです。

そんなある日のことでした。
主人公は、学校帰りに小さな少女と出会います。「おにーちゃん、これあげるっ!」と無邪気に笑って手渡されたものは眼鏡。なぜこんなものを思い顔をあげて女の子に返そうとしましたが、そこに女の子はもうすでにいません。
不思議に思いながらもそのもらった眼鏡を手に取り、家へと帰りました。

家に着き、ふと眼鏡の存在を思い出した主人公は、せっかくなんて思い眼鏡をかけてみます。
どうやら度は入っていないらしく、視界は普段と変わりません、ただ一つを除いては。

思わず、息をのみました。
確かに、そこにいるのです。いつかの、愛しい彼女が。

主人公は息もできぬまま無意識に彼女を抱きしめようとしましたが、彼女に触れることはできずに手はむなしく空をきるだけ。

しかし、その時主人公は十分にしあわせだったのです。
主人公は、小さな声で彼女に云いました。

「おかえり」




的な、ね!←
っていうか、これ小説で普通に書いた方がいい気がしてきたww
いあ、しかしおりなりやりたいぞ…!


とりま、設定だけたててみよーか。

7年前 No.615

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_qfk


 ( じんぶつ )


/眼鏡の男子...高校2年生
過去にだいすきでたいせつな「恋人」を亡くした。それから、口には出さないが今でもその「恋人」のことを想い続けている。なので他の女子のことは目に入らないよう。
一途で自我の強いところがある。

/幽霊な恋人...中学二年生(亡くなった時)
三年前事故で亡くなった女の子。現在は幽霊として「眼鏡の男子」のそばについている。今でも「眼鏡の男子」がだいすきでたいせつで、できることなら一緒にいたいと思っている。

/一途な幼馴染...高校二年生
「眼鏡の男子」の幼馴染の女の子。昔から「眼鏡の男子」がすきだが、自分のきもちを伝える気はないらしい。「眼鏡の男子」が今では「恋人」の他では唯一心を開ける相手。

/一番の友達...高校二年生
「眼鏡の男子」の友達。「彼」とは高校からの友達なので、過去のことはあまり知らないらしい。やっぱり「眼鏡の男子」がたいせつで、今まで会ってきた中で一番の親友だと思っている。「幼馴染」に一目惚れし、ただ今アタック中。

/寮母のお姉さん...22歳〜
キャラたちが住むォの管理人さんであるお姉さん。ちなみに大学卒← 寮生たちのことをよく見ており、よい相談相手になってくれたりする。寮生全員にとってお姉さん的存在。「先輩」のことを特に気にしていたりなんだり。

/内気な妹...高校1年生
「友達」の妹。内気であり他の人とあまり話すことはないようだ。しかし、自分の兄の周りの人たちと「お姉さん」は平気らしく彼らとはとぎれとぎれながらもよくしゃべっている。お兄ちゃんっこでよく「友達」のそばをうろちょろしているのを見かける。

/馬鹿正直な少年...高校1年生
「お兄さん」の弟。馬鹿正直で言われたことは大抵信じるヤツ。周りの人からすかれるタイプで、裏表がない。「妹」のことがすきでしかし「妹」の前に出ると顔を真っ赤にしているのはよくある光景である。

/カフェのお兄さん...20歳〜
ォの目の前にあるカフェでバイトをしているお兄さん。ちなみに「少年」の兄であり彼らが通う高校の卒業生でもある。「お姉さん」のことがすきでよく一緒にいるところを目撃されるがどうやらまだ想いは通じないようだ。

/面倒見のよい後輩...高校一年生
「妹」と「少年」の友達。「眼鏡の男子」の中学の時の後輩でもあり、よく「お姉さん」と一緒に彼らの世話を焼いている姿が見れる。「少年」の恋路を応援しているのだが、どうやら自分自身が「少年」のことをすきなことには気づいていないらしい。

/秀才な先輩
テストでは学年一位とか全国でもうんたらくんたらとかとにかく頭のよい先輩。ただ人付き合いはいいのでいつ勉強しているのかとかよくきかれるようなタイプ。彼らとは仲がよく「眼鏡の男子」「友達」と一緒に遊びに行ったりしている。「後輩」のことは中学が一緒だったこともあり仲が良く、恋愛面でもすきらしい。

7年前 No.616

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_qfk



( あらすじ )


ある日「眼鏡の男子」が道端で出会った女の子から眼鏡をもらいます。え、と返そうとはしますがもうすでに女の子はそこにはいらっしゃらず。
ぽかんとしていましたがこのままでは仕方ないのでォに帰りました。

そして自分の部屋に入り、そういえばなんて思い眼鏡をかけました。
度は入っていないのか、視界はぼやけた様子もなく特に変化はありませんでした。
ただ、一つを除いては。

眼鏡をかけて見えたのは、三年前に事故で亡くなっただいすきでたいせつな「恋人」。そして「男子」はもう「恋人」を離さないことを心に決めます。


その頃、ォのフロアでは見慣れた仲間たちがそれぞれ話をしたり勉強を見てもらったりと楽しく過ごしていました。
いつも通りの変わらない風景の中で一つだけ異質な人がおりました。その人物に気付きみんな一気にその少女を見ます。

「あの男の人がたいせつならば、現実を見させてあげて。もう、夢を断ち切ってあげて。そうしなきゃ、いつまで経ってもあのひとは夢にとらわれたままだわ」

少女がいうには、「男子」のそばには「恋人」の幽霊がついており、その「恋人」は早く成仏させてあげなければ物の怪へと変化してしまうらしい。そして、「男子」がかけている眼鏡も人間にとっては有害であり、このまま書き続ければ彼にも害が出てしまうと。

半信半疑の仲間たちだが、「男子」の様子を見るにどうやら話しは本当らしいと「恋人」を成仏させることを決意する。

タイムリミットは30日。いったい彼らはどういう選択肢をとるのだろうか。

7年前 No.617

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_qfk



( あんないず )

+/天野ヶ丘町(あまのがおかちょう)


//天野ヶ丘高校(あまのがおかこうこう)
キャラたちが通う高校。部活が強いわけでなく特に頭がいいわけでなく、ふつうの高校。

//天野ヶ丘高校ォ(あまのがおかこうこうりょう)
高校の生徒たちが住むォ。
一階:フロア、食堂、共同風呂、寮母さんの部屋
二階:1号室〜35号室、(男子部屋)
三階:36号室〜50号室(女子部屋)

//tea and happiness
ォの目の前にあるカフェ。よくォの生徒たちが利用している。ケーキとかおいしいです←

//ラルーシャ
駅前にあるショッピングセンター。この町で大きなショッピングセンターといえばここなのでよくデートスポットや友達と遊びに行くといえばここだ。学生が多く利用している。
映画館もあったりと結構大きい。

7年前 No.618

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_qfk



( るーる )

//めびりんのるーる、基本的はマナーはしっかり守りましょう。

//恋愛、友情推薦すれです。切なめ施行です。ギャグとか全然おkですw
//同時刻に何か所にも表れるのは禁止でお願いします。どっぺるげんがー…?

//キャラの過剰な美化設定、完璧設定はやめてください。人間少し欠点あったほうがおもしろよ!←

//小説風すれです。基本的な小説のルールは守ってください。(「☆」「^^」などの記号は使わない。「・・・」は「…」に直すなど)
//基本的に初心者さんも大歓迎です。ただしルールはしっかりと守る方向で。

//キャラリセは基本的に不定期です。すれ主の判断で行わせていただきます。

//基本的に参加者みなさまで楽しんでやれればと思いますので楽しんでやりましょうっ!

7年前 No.619

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_qfk



( ぷろふぃーる )


++キャラ名

「キャラに合ったセリフを/二つほどどうぞ」

名前:(和名でお願いします)
フリガナ:

性別:
年齢:

性格:なるべく詳しく。他の方とかぶらないようにお願いします。

容姿:上記同様。

備考:何か他にあればどうぞ


「じんぶつ」を参照にして書いていただけるとうれしいです!

7年前 No.620

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_qfk



(  >>0  めも )


 ――たとえば、もう出会えないたいせつでだいすきなひとにもう一度出会えたとしたら。


 (会いたかった……っ!)
   「早くしないと彼女は今の姿でいられなくなる」

 (これからはずっと一緒だ)
   「彼も、影響を受ければただでは済まないわ」


 (ぼくの、だいすきでたいせつな人…!)
   「タイムリミットは30日よ。彼が大切ならば、彼女を成仏させて」


 それは不思議な時間。
 ずっと会いたかっただいすきでたいせつな人と出会った彼は彼女からもう離れないと心に誓いました。透明な彼女はただ悲しそうに、でもどこかうれしそうに微笑みます。

 カチリカチリと動き出さない時計はなぜ動かないのか。それは、必要な歯車がかけてしまったから。
 しかし長い月日が経った今、ぎこちなく回りだした歯車たちを直すにはどうしたらいいのでしょうか。それは、他の歯車たちも狂わせてしまえばよいのです。

 少女は亡くした歯車を埋めるためにいったん中心である歯車を壊しました。

 そして、もう一度直そうと。

 タイムリミットは30日。その間に歯車たちは正常に動き出すでしょうか。
 こうして、歯車たちはぎこちなくまわりはじめたのでした。


『 しあわせ日和 』

7年前 No.621

スレ主、@syeru ★uo28DaYb9D_sY7

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7年前 No.622

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_sY7



 雨の音で、目が覚めた。
 ざぁっと窓の外からきこえるどこか心地よい雨音。いつから降り出したんだろう、なんて少し痛む背中をさすりソファから起き上がる。
 手元には読みかけの本とケータイ、机の上には友達からもらったクッキーともう冷えているであろう紅茶。まだ完全には覚めていない頭を無理矢理に起こすように乱暴に頭をかいた。

 あーあ、ほっぺに跡とかついてないよね。まあ、誰に会う予定もないしいいか。

 ふわーあ、とあくびをしながら紅茶を入れ直そうと立ち上がる。と、それを遮るかのようにケータイが聞き慣れた音楽と一緒に震えた。小さなディスプレイに現れた名前を見て、思わずマグカップを持ったままケータイを慌てて手に取りパカリとひらく。

 電話、なんて珍しい。どうしたんだろ。

 小さく息を吸って、そっと通話ボタンを押してからそれを耳に押しつけた。少しくぐもった雨の音が耳に入り込んできた。

『おー、俺だけど』
「なに、どしたの?」

 どきどきしている心臓を落ち着けるように、電話越しの彼にばれぬように小さく深呼吸をする。彼はたいしたことじゃないんだけど、とどこかそわそわとした様子で言う。

『あのさー、そっち雨降ってんの?』
「うん、降ってるよ。なんで?」
『そっち、雨の音きこえないから』

 ああ、そっか。そっちにまでは雨音きこえないんだ。じゃあ、なんで電話越しに彼の雨音はあたしにきこえるのだろう。

 そっとマグカップを机の上に置き、窓際まで足を進める。
 窓にあたる透明のしずくは遠慮なく降り続く。いつもなら鬱陶しいその光景も、なぜだか今だけは安心できた気がした。

「部屋の中だもん。きこえないでしょ?」
『あ、そっか』

 こっち、窓開けてるんだよな。

 今更気づいたかのように彼は言う。何で窓なんてあけてるんだろうか。この雨じゃあ、部屋の中にはいってきちゃうかもしれないし何よりも外の空気は寒いだろうに。風邪、ひかないのかなぁ、なんてふとそんなことが頭の隅をよぎった。

「なんで窓あけてるのよ」
『なんとなく。ちょっと、雨音ききながら話したかったから』
「意味わかんない」

 彼の言葉がうれしくて、くすりと笑ったあたしに彼も小さく笑ったようだった。

 話したかっただって。それは、あたしに向けてってことでいいんだよね? 誰でもいいんじゃなくて、あたしと話したかったって思っちゃってもいいんだよね? あたし、うぬぼれちゃいますよ?

『で、あのさー』
「んー? なあに?」
『すきなんだけど』

 くぐもった雨音に紛れ込んだ言葉を、頭の中でつかみ取ろうとした。

 その彼の言葉は義務連絡のようにそこに存在するのが当たり前かのように紛れ込んでおり、下手したら気づかなかったかもしれない。

 電話越しにきこえるのは決してやさしくはない雨。
 一つ、息を吐き出して窓に手をあてた。

「……ほんとに?」
『……ほんとに』

 こういう時、案外冷静になっている自分がいてなんとなく驚く。
 オウム返しに返された言葉に「そーですか」とつぶやけばあたしは窓を開けた。冷たいしずくが、何も身につけていない足下を冷やしていく。

『雨音、きこえてきた』
「ん、きもちーね」

 ぼそりとした彼の言葉と、雨の音。
 その空間が心地よくて、何も考えずとも頭の中にすっと浮かんできた言葉をあたしは電話越しの彼に言った。


 雨音に紛れたとしても、彼はきっとつかみ取ってくれるから。
 小さく、彼が笑ったのがわかった気がした。


( 電話越しの雨音、 )

7年前 No.623

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_sY7



 /六月八日 午前十時十五分

 いつも通りの眠たい授業の中、あくびをしながら黒板に書いた内容を説明する先生をぽけぇっと見ながらあたしは頬杖をついていた。黒板に書かれた内容は、濃度とかmolとかよくわからない化学の公式であり、大切だから覚えとけとか先生は言っているが、あたしの場合は右から左にきれいに流れてゆく。
 眠気を押さえて寝ないようにするだけの授業に何の意味があるのだろうか。否、そんなものはない。だったら、眠気を覚ませばいいじゃない!

 ふわぁ、ともう一度あくびをし、あたしは机の右上にさらさらと書いた。

 『化学わかんない!』


 /六月十日 午前十時

 その二日後、また眠い化学の時間はやってきた。
 化学の時間は移動教室なので、いつも過ごす教室とは別だ。しかも化学の授業をとっている人自体が少ないので、教室には机が普通にあまっている。
 この状態で寝たらばれるよなあ、なんて。
 働かない頭でもどうにか動かそうと宿題の答え合わせのための解説を赤のボールペンをいじりながらきく。もう半分ぐらい先生の解説は暗号のようになっているが、それでもきくのときかないのとでは大違いなことぐらいわかってる。……ただ頭に入らないだけで。

 しゃっと、答えが合っていたので丸をつければふと、机の右上の方が光って見えた気がした。そういえば、この前なんか書いたんだっけ? そんなことを思いながら目をこらし見れば、最初に見えたのはあのときに書いた愚痴。消さなきゃなー、とか思えば、その横に見慣れない文字が書いてあった。

 あれ、他の人の落書きかな?
 いや、しかしこれは……。

 『こっちは英語がわかんない』

 勝手な脳内変換。
 これは、あたしへの返信、でしょうか。

 あわてて見直せば、そこには何も変わらない文字が書かれているだけだ。

 あたしが書いたものの周りには、その文字以外に書かれているものはない。そんなことを確認したらなぜだか無性にうれしくて、楽しくて。変ににやにやしながらあたしはその下に返信となるであろう言葉を書き込んだ。

 『化学も英語もわかんない!』


 /六月十日 午前十一時五分

 四時間目の授業は、英語だ。英語の時間は、テストの成績によりクラス分けされるため、必然的に移動教室となる。なんの偶然だか知らないが、英語の教室も化学の教室と一緒なのだ。だからこその楽しみもあるわけで。

 ちらりと、化学の時間に自分が座っている席を見る。そこに座っているのは同じクラスの男子。ちなみに名前は……なんだっけ。

 CDから流れる単語の後に続いて単語をはき出す。

 そうだよなあ、簡単に返信くれた相手が見つかるわけはないよなあ……。字ぃきれいだったし、きっと女の子が返信くれたんだろうし。こいつのわけがないもんなあ。

 口先だけの発音をしながら頭の中でそんなことを考える。
 見つからないかなあ。できることならば、返信してくれた人の姿を見てみたい。それで、直接お話はしなくてもいいから、このままの関係を続けてみたいなんて。そんなこと思ったら引かれるかなあ……。

 ノートに落書きをしながらそんなことを思い、もう一度化学の時の自分の席を見て、そして、

「は、い……?」

 思わず、声がもれた。
 小さなつぶやきに前の席に座る友達が振り向く。あたしはあわてて首を振ると、もう一度ちらりとそちらの方を向いた。

 その男子が、机の右上に何かを書いていた。内容を何か考えているみたいで、さらさらと机に何かを書き込んでいる。

 え、ちょ、まさか、え……?


 次の化学の時間は、来週だ。あたしはそっとシャープペンを机の上に置くと黙って黒板を見つめた。
 次にの化学は眠くならないかな、なんてことを思いながら。


( 電波発信中 on the desk )

7年前 No.624

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_sY7




 キーボードで打ち込んだ文字を読み直して、そしてデリート。
 そんなことを何回繰り返しただろうか? イヤホンから流すすきなはずの音楽も頭の中にはいってこなくて、ただ流しっぱなしにするだけだ。
 ただどうしようもできなくて、言えない言葉を消してゆく。

 あぁ、また一分経った。

 ただ自分のきもちを言いたくて、でもそれにはストッパーがしっかりとはめられている。



( 書けない・ω・` 何が書きたいかわかんない。お話ししたい。ただそれだけなんです、 )

7年前 No.625

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_Owh




 ありもしないキセキばっかり信じて、特に努力はしない。
 前に進む勇気なんてないよ、なんてそんなことをボソリとつぶやいてみたが目の前にいない彼に届くはずなんてなく、その言葉は宙にきえさった。

 ただ持っているだけになっていたシャープペンを机の上に投げ出して、一つ息をつく。あーあ、テスト勉強なんてやってられるか。そもそも二週間前から勉強なんて、あたし普段勉強なんてしないのに。なのにそんなに長い期間勉強しなきゃいけないなんて拷問ですよ、あたしにとっては。

 やめやめ、なんて思いながらベッドの上に投げ出しておいたケータイ電話を手に取る。パカリとひらけば、そこにはメール一件受信なんて表示されていた。



( 最近、めーるでしかときめきがないのでりある的な物体がわかりません←
 っていうか、誰かネタくれよおおおおおおおおおお! )

7年前 No.626

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_Owh



 高校とは、まったくもって不思議な場所だ。中学とは違い、なんなんだろう、このよくわからない毎日の生活に潤いがあります、な感じが溢れかえっているのものは。中学の時は、結構男子女子関係なしにばかなことをしていたのに、高校に入ってからはそういうものにはうといわたしの耳にもよく「山崎くんがかっこいいの!」とか「宇田くんとね、メールしてねー!」なんていうピンク色一色な言葉がはいってきていた。
 そんな中、わたしは相変わらずソレがよくわからず人の話をきくばかりだけれども。

「今日ねー、彼氏とデートなの!」
「彼氏、他校なんだっけ?」
「そー。先輩!」

 わたしの机の周りできゃっきゃと楽しそうにその彼氏さんとやらの話をする友達二人。プラス、いつも通りついて行けないわたし。なんだかなあ、普通の話をする時はこの二人とも気が合うしだいすきなのに、こういういわゆる"こいばな"とかいうやつになるとわたしは一気に蚊帳の外だ。
 頬を蒸気させ、うれしそうに彼氏の話をする友達はかわいい。ついでにその話をきいてうらやましそうにしている友達もかわいい。元々かわいいのに、恋する乙女はかわいくなるなんて言葉はほんとうなのね、なんて頭の隅っこでふと思った。

 わたしも恋とかしたらかわいくなるのかなあ、なんて。

「ところでさぁ」

 会話一端中断。くるりと顔を見合わせていた友達が振り向く。「ん?」と頬杖をついたまま小さく返事をすれば一人がにやにやしながら口をひらいた。「ルイはさぁ、すきなひととかいないの?」
 ……思わず、ため息。

「恋ってなんですかー、おいしーのー?」
「ほらぁ、やっぱルイにはまだだって」
「えー、もったいないじゃんかそんなのー! 高校なんて恋愛楽しむためにあるとこなのに、恋愛しないなんて。ルイ実はかわいーのにさ!」

 実は、とか失礼な。まあ、そんな目立つわけじゃないし、実際かわいくもないけどさ。



( ネタをまじで誰かwwwww ちょっと本気で思いつかないとか^p^ )

7年前 No.627

しぇる@syeru ★DOCOMO=BeTdJuVj4h



たぶん、それはものすごく周りの人から見たら滑稽な姿なのだろう。ケータイを両手で握りしめて、ただ画面を見つめているだけ。カタカタと小さく、細かく震える自分に大丈夫と何度も言い聞かせる。

大丈夫、大丈夫。
ただメールするだけだもの。送信ボタンを押したらそれで終わり。だから、大丈夫。

すぅっと息を吸って、ボタンの上に親指をかざす。大丈夫、ともう一度心の中で呟いて指先に力をいれた。――が、まったく動かないこの指をあたしはどうしたらいいのだろうか。


( ケータイから投稿。ちなみに今こんな感じすぎてしにそう^p^ )

7年前 No.628

しぇる@syeru ★DOCOMO=BeTdJuVj4h




ゆらゆらと揺れる煙草の煙を見つめながら、わたしは今までいじっていたケータイをカチリと閉じた。少し伸び過ぎたあなたの、元々色素の薄い淡い茶色の髪がふわりと揺れてあなたが首を傾げる。

わたしが黙って小さく首を振れば、あなたはどこか曖昧に笑ってその細く白い煙草に口をつけた。すぅっと息を吸い、吐き出す。その様子がなんだが似合っていて、妙にいらついた。

「それ、おいしいの?」
「大人の甘さ」

静かな声で答えたあなたはまた煙と一緒に酸素を体内に取り込む。
前に一回だけ、あなたにお願いしてそれを吸ってみたことがあったけれども、わたしにはよくわからなかった。涙が出るほどに苦くて咳き込む中にほのかに香るベリーの甘さをよく覚えている。それが、何故だが少しだけ心地よかったのも。



( めも程度にケータイからw 家帰ってからちゃんと書く! )

7年前 No.629

しぇる@syeru ★uo28DaYb9D_Owh



 ゆらゆらと、煙草の煙が視界の端で揺れた。

 いつの間にかその格好があなたの当たり前になっていて、少し前までは煙草なんてあなたは似合わないと思っていたのに、ぴったりとパズルがはまるかのようにあなたの細く白い指にあるなんて。そんな事実がなぜだが信じられなくて、でも受け入れている自分もいて少しだけ驚いた。

 あなたが煙草を吸い始めたのは、いつからだったろうか。でも、ほんの少し前。あぁ、確かあなたが二十歳になったばかりの頃だった気がする。最初は「大人になったら一回は吸ってみたかったんだよな」なんて少し照れながらそれを咥えてどこか得意げにしていたのをよく覚えている。
 あたしもそのあなたの様子に惹かれて、一回だけそれを吸わせてもらったことがある。でも、それが決しておいしいものとは思えなかった。ただ涙目で咳き込むほどに苦くて、でもその中に淡く広がるベリーの甘さがなぜだか心地よくて、どこだか癖になってしまいそうで、怖かった。
 ただ、それだけのものだった。


 「今年、受験だっけ?」
「うん、そう」
「勉強しなくていいの?」

 淡々と交わされる会話からは、あなたがあたしに興味なんてないということを知らされる。指先で淡く赤い火のついた煙草を玩(もてあそ)びながらあなたにあたしは「うん」とだけ小さくうなずいた。そんなあたしをちらりと見てからあなたはふぅん、と興味がなさそうな相槌を打ち煙草を咥え、白い煙をゆっくりと吐き出した。

 女子高生と、社会人。年の差四歳差。
 この関係を世間の人たちはどう思うのだろうか。少なくとも、変な方向に噂する輩はいることだろう。まあ、別に噂されたって痛くもかゆくもないしいいのだけれども。

「あのさぁ、お前絶対損してるからな」

 溜息混じりのあなたの言葉に、あたしは何も言わない。この後くる言葉なんてもうわかりきっている。
 あなたは、煙を吐き出すように自然に言葉を続けた。

「俺なんか相手にしてねーで、もっといいやつ探せよ」

 にへらと笑ったあなたにあたしも「わかってます」とだけ言ってにこりと曖昧に笑った。

 あ、やばい、泣きそう。

 この言葉がくることだってもうわかっているはずなのに、何度も言われ慣れているはずなのに、なぜだか胸がずきずきと痛んだ。見えない針で、チクチクと見えないはずの感情を遠慮なしに刺される。でも、あたしは怒らない。不思議と怒りは沸いてこないのだ、ただ悲しいだけで。

「受験生っつったって、女子高生なんだからさ。こんなの相手にしなくてももっといいやつたくさんいるだろ?」
「うーん、よくわかんないですクラスの男子の名前とかよく覚えてないし」
「じゃあ、バイトでもしてみたら? 出会いあるんじゃん?」
「それは、彼女募集中のリョウさんにこそ必要なんじゃないですか?」

 小さく笑ったあたしにあなたも笑った。「彼女ほしーなあ」なんて呟くように言うあなたから視線をそらす。
 彼女がほしいなら、あたしを彼女にしてくださいよ。あたしの知らない女の人を彼女にしないでください。あたしと違う、大人の女の人を彼女にしないでください。


( ちょっと待って、これはちょ^p^ なんだろうな、でも書き上げる! )

7年前 No.630

しぇる@syeru ★cDzjKZXKO7_Owh




( めもりーぬ )


人魚/夜の海/田舎

女の子..都会の人/19歳/大学生
男の子..地元民/16歳/高校生

男の子→女の子

めーるは時々してた。でも会いたくない、みたいな。
小さい頃からの幼馴染。

7年前 No.631

しぇる@syeru ★cDzjKZXKO7_Owh




 ゆらゆらと、煙草の煙が視界の端で揺れた。

 いつの間にかその格好があなたの当たり前になっていて、少し前までは煙草なんてあなたは似合わないと思っていたのに、ぴったりとパズルがはまるかのようにあなたの細く白い指にあるなんて。そんな事実がなぜだが信じられなくて、でも受け入れている自分もいて少しだけ驚いた。

 あなたが煙草を吸い始めたのは、いつからだったろうか。でも、ほんの少し前。あぁ、確かあなたが二十歳になったばかりの頃だった気がする。最初は「大人になったら一回は吸ってみたかったんだよな」なんて少し照れながらそれを咥えてどこか得意げにしていたのをよく覚えている。
 あたしもそのあなたの様子に惹かれて、一回だけそれを吸わせてもらったことがある。でも、それが決しておいしいものとは思えなかった。ただ涙目で咳き込むほどに苦くて、でもその中に淡く広がるベリーの甘さがなぜだか心地よくて、どこだか癖になってしまいそうで、怖かった。
 ただ、それだけのものだった。


 「今年、受験だっけ?」
「うん、そう」
「勉強しなくていいの?」

 淡々と交わされる会話からは、あなたがあたしに興味なんてないということを知らされる。指先で淡く赤い火のついた煙草を玩(もてあそ)びながらあなたにあたしは「うん」とだけ小さくうなずいた。そんなあたしをちらりと見てからあなたはふぅん、と興味がなさそうな相槌を打ち煙草を咥え、白い煙をゆっくりと吐き出した。

 女子高生と、社会人。年の差四歳差。
 この関係を世間の人たちはどう思うのだろうか。少なくとも、変な方向に噂する輩はいることだろう。まあ、別に噂されたって痛くもかゆくもないしいいのだけれども。

「あのさぁ、お前絶対損してるからな」

 溜息混じりのあなたの言葉に、あたしは何も言わない。この後くる言葉なんてもうわかりきっている。
 あなたは、煙を吐き出すように自然に言葉を続けた。

「俺なんか相手にしてねーで、もっといいやつ探せよ」

 にへらと笑ったあなたにあたしも「わかってます」とだけ言ってにこりと曖昧に笑った。

 あ、やばい、泣きそう。

 この言葉がくることだってもうわかっているはずなのに、何度も言われ慣れているはずなのに、なぜだか胸がずきずきと痛んだ。見えない針で、チクチクと見えないはずの感情を遠慮なしに刺される。でも、あたしは怒らない。不思議と怒りは沸いてこないのだ、ただ悲しいだけで。

「受験生っつったって、女子高生なんだからさ。こんなの相手にしなくてももっといいやつたくさんいるだろ?」
「うーん、よくわかんないですクラスの男子の名前とかよく覚えてないし」
「じゃあ、バイトでもしてみたら? 出会いあるんじゃん?」
「それは、彼女募集中のリョウさんにこそ必要なんじゃないですか?」

 小さく笑ったあたしにあなたも笑った。「彼女ほしーなあ」なんて呟くように言うあなたから視線をそらす。
 彼女がほしいなら、あたしを彼女にしてくださいよ。あたしの知らない女の人を彼女にしないでください。あたしと違う、大人の女の人を彼女にしないでください。
 胸の中でそんないやな感情がぐるぐると渦巻いてどうしようもなくなる。

 ぐるぐる、ゆらゆら、ぐるぐる、ゆらゆら。

 あなたの煙草からのぼる煙みたいに、この感情も空へと消えてしまえればいいのに。

「リョウさん、煙草、ください」
「え、別にいーけどおまえ前吸った時めっちゃ咳き込んでただろ? 大丈夫か、未成年」

 少し顔をしかめながら、あなたはソファに投げ出してあった煙草の箱を手にとった。一本だけ細めのそれを取り出し、「はい」と手渡ししてくれる。
 そっとそれを口に咥えれば横からあなたがライターを差し出してくれるのが見えた。カチッ、と音がして、火がつく。それを煙草の先端に当てればほんのりと火と同じ色に煙草の先端が染まった。

「あんま無理すんなよ」

 あなたの言葉にこくりとうなずき、すぅっとそれを吸った。
 途端に喉の奥にくるのは、やっぱりあの苦味とほのかな甘さで。

「ほら、やっぱ無理すんなって。大丈夫か?」

 咳が、止まらない。涙目になりながらも必死にそれを吸って、吐き出してを繰り返す。そんなあたしをあなたは仕方なさそうに見て、背中をさすった。
 なんで、そんなやさしくするの。すきじゃないならやさしくしないでよ。


( おう、わけわかんなくなったぞwww )

7年前 No.632

しぇる@syeru ★cDzjKZXKO7_Owh




書いてた文章消えてショックでどうにもなんないwww
とりままとめるだけまとめようか、まじないわ^p^wwwww



ケータイ握りしめて寝る
→元彼の時からの癖。夜メールしてて、すぐにそのメールに反応できるように、電話に反応できるように。ただ元彼の言葉がいとおしくってすぐに反応したくて話してたくて。そんな思いから、自然とそれが彼女の癖となった。


そんな理由を聞かれて話すと(元彼のことは伏せて)主人公をすきな相手さんは期限が悪くなります。
いっつ自暴自棄!笑

相手のことを主人公もすきなので、結構ごちゃごちゃーっとなりながらも言いかえして。
まぁ、そんなこんななことやってればいいんじゃないかなもうわけがわからないよ!←


なんかもうね!
文章消えたからどうしようもなんないきもちでいっぱいなんだよ! 近いうちに書くよたぶん!

うあー、なんかもうなあ。
りあじゅーしたい(笑)

7年前 No.633

しぇる@syeru ★Qts2ekxkQl_Owh




 コツコツと、わざと音を響かせながら暗く細い廊下を歩く。シィンと静まり返った空間が不気味で大嫌いだった。けれども、進むことはわたしの義務であり、進まなくてはいけないう理由があった。
 薄暗く、少しだけ奇妙な臭いが鼻をつく牢獄。ちらりと横目で牢屋の中へと目にやり、ただ歩く。もう慣れたこの作業も今日だけは違った。どくどくと心臓が脈を打つのが早くなる。怖い、本当だとは思いたくない。間違いであって。
 頭の中でそういくら願っても、あの顔を見間違えるわけがない。わたしは足を止めると小さく息を吸ってからきっと牢の中をにらみつけるようにその人の前へと立った。心臓がどくんと飛び跳ね、そして身体が落下する。

「やあ、久しぶりだね、スミレ」

 「あ、あ、」と嗚咽が漏れ、わたしの中の感情が爆発する。必死になって涙を流すのを我慢するのに、目の前にいる薄汚れた囚人服を着た彼は昔と変わらない笑顔で言った。

「最後に、スミレと会えてうれしいよ」



 時は明治。明治天皇が即位され、江戸が東京と改められ、明治維新が起こった頃。わたしは父の跡を継ぎ、この監獄の監視長となっていた。本来ならばこんな仕事女がするものではないし、母さまにも大反対されたが、わたしはこの仕事に誇りを持っていた、最初は。
 世の中の秩序を乱し、人々を傷つける奴らは成敗するべきだ、と。この場所でならそういう悪い奴らは罰を与えられるし、それが正義なのだと思っていた。

 そんな変わらない日々の途中で、彼はここへとやってきた。それは絶対にありえないことで、信じたくないのにわたしの目はしっかりと彼を捉えていた。
 何も映っていないうつろな目は彼のものとは思えなくて、でもその姿は確かに彼だった。屈強な男二人に腕を捕まれ、何の抵抗もなしに牢へと入っていく彼をただ茫然と見ていた。
 昔からの幼馴染。何も知らない無垢な時から一緒にいて、ずっとすきなひと。もう会う資格すらなくて、昔に戻れたらと願うことしかできなかったそのひと。どうして、と小さくこぼれた言葉は誰も拾ってくれずに地面へと落ちた。



 なんで、とわたしはつぶやくように言う。なんで、なんで彼がこんなところにいるの、ねえ。なんで、なんで。
 ぐるぐると頭の中を回る言葉に答えはなく、座り込むわたしに彼は平然と言った。

「すきなひとを、殺したから」

 その言葉は彼にとってはなんでもない言葉のようで、変わらない笑顔でそう平然と恐ろしい言葉を彼は言った。「すきな、ひと……」と顔を上げたわたしに彼はうん、とうなずく。
 目にたまった涙を撚れた袖で拭い、「なんで」ときけば彼は「ははっ」と笑い口をひらく。

「殺してくれって頼まれたんだよ、その人に。わたくしはもうだめです、こんな生活耐え切れません、どうか貴方様の手で殺してください、って。僕は迷ったけれどさ、でもすきなひとが涙を溜めて言うんだよ。貴方様に殺されるならばわたくしは本望でございますって。だから、殺してあげたんだ」

 彼の笑顔は、変わらない。ただどうしようもなく彼から紡がれるこれまでをきくわたしを彼はちらりと見る。

「最期はあの人、笑顔だったんだよ。だから、僕もこれでよかったって思えた。このままであれば僕は処刑されてあの人との距離は少しだけ近くなるかもしれないけれど、でも怖いんだよ、なんでだろうなあ」

 暗がりの中で、彼が不思議そうに首をかしげる。あぁ、わたしの声はたぶん彼に届かない。彼には、その人の声しかきっと届かない。
 彼を、遠いところへと行かせたくないと思うのに、わたしの身体は動こうとしなかった。処刑されてしまえば、もう彼に出会うことはないのに。牢に縋り付くわたしはただ何も言えずに唇を噛む。じわりと、鉄の味がした。
 ぽろぽろとこぼれるそれを拭うこともせずに、ただ何も言えずにわたしは届かない彼へと手を伸ばすことができない。こんなに近い距離なのに、鍵を開けてしまえば彼は自由になれるのに。わたしの中の正義が、わたしを止める。お前の仕事はなんだ、正義を貫くことじゃないのか。なあ、なあ? チャリンと、ズボンについている鍵が揺れた音がした。

「僕は、スミレが僕を殺してくれるならいいよ」

 その言葉は、彼が昔言う「大丈夫だよ」という言葉に似ている気がした。

「いや、やだ。遼くんのこと殺さなきゃいけないなんて、やっと会えたのに、なんで、なんで、忘れようとしてたのに、なんでこんな最期なの。いやだよ、ねえ」




( 囚人と監視長のお話。悲恋ものが書きたかった )

7年前 No.634

しぇる@syeru ★cDzjKZXKO7_Owh




( ちょっくらまとめてみる )


時代は大正か明治。
個人的には監視長さんと囚人さんの話書きたいけど、そうすると袴もブーツもおっきいリボンも出てこないんだよね困ったわ…←


・監視長/
おにゃのこ。若くして亡くなった父を尊敬しており、父の意思を継ぐために監獄の監視長となった。
昔からの幼なじみであった囚人のことが今でもすきであり、しかし今の仕事のために会う資格はないと思っていた。
「正義」という言葉に敏感なのは正義感あふれる父の背中を追っていたためであり、行動的。今の仕事に就くことには母は大反対であったが、一人娘なせいか甘いため今の仕事にも就けている。

・囚人/
男子さん。いつも穏やかににこにこと笑っており、殺人を犯すような人には決して見えない。
監獄にいれられた理由は、恋人に「殺してくれ」と頼まれたから。暗い監獄にいても優しく笑っており、周りの人たちには少し気味悪がられている。


監獄でのお話。
ある日、監視長さんが管理する監獄に囚人さんがやってきたのだけれど、監視長さんはそれを信じずに囚人さんに会おうとはしなかった。
しかし、死刑が決まりその前の晩、やっと監視長さんは囚人さんに会いに行く。

罪の理由をきき、泣き崩れれば囚人は言う。
「ねえ、僕はきみが殺してくれるならそれでいいよ」

しかし監視長さんにはそんなことはできなくて。しかし、死刑の際に使われる断頭台の指示を出すのは彼女であり。


次の日、何事もなく死刑は執行された。
彼女が何も変わらずに、振り下ろす合図をして、刃が勢いよく落とされて。



「正義」ってなに、って葛藤させたいです(・ω・)
なんか、すきなひとを死刑にしてまで守らなきゃいけないものなのかって。そうやって悩んで失恋してぼろぼろになって、でも前を向く監視長さんが書きたいです。

7年前 No.635

しぇる@syeru ★cDzjKZXKO7_Owh



 人魚は、空に憧れていた。水とは違う、深く暗い青ではなくただただどこまでも続きそうな明るい青がすきだった。しかし、人魚が海から出ることは不可能だ。だから青に身を沈め、毎日頭上に浮かぶ空だけを見ていた。そんな人魚を、ぼくは陸からただ見つめていた。


 やっぱり、すき。
 そう目の前にいる彼女は自分でもその言葉を確かめるようにもう一度言った。「空也がすきなの」と。何の迷いもなく彼女から出されたきもちをぼくはどこに放ることもできずにただ「へぇ」とだけ曖昧に笑いながら相槌を打ち、端っこの方へと置いた。

 七海、空也、陸。ぼくら三人は小さい頃からの幼馴染で、決して交わることのない三人だった。名前からしても、これから目指す場所にしても、三人の持つものはまったく違って、だからこそ三人で今まで仲よくいられたのかもしれない。
 七海は海にすむ人魚、海の自然を守りたいと笑いながら言う。
 空也は空を自由に飛ぶ鳥、パイロットになっていろんな場所へ行きたいと。
 ぼく――陸は地上に住むサカナ、行きたいところにも行けず、何も見つからずに地上で息も絶え絶えにバタバタしている無力なもの。


( 突発的にいってみたけどなんも書けないww ネタを誰かくれww )

7年前 No.636

しぇる@syeru ★DOCOMO=BeTdJuVj4h




/
きみと一緒にいたかった、だなんてそんな嘘みたいな言葉を吐き出して、終わらせたフリをする。本当は、今だってこれからだって一緒にいたいのに。


/
きみのすきなひとは誰ですか。
あたしじゃないことなんて、もうわかっているのにもしかしたらを捨てきれない。きみのそばにいたい。きみだけを見ていたい。きみだけを考えて、毎日を生きれたらいいのに。


/
きみからのメールが途切れて、きみとの繋がりも途切れた気がして。
きゅっと握りしめたケータイが震えるのをただ待つ。きみにとって迷惑かもしれない、なんて逃げはきみのためなんかじゃなく自分のためなのに。
傷つくことよりも、このまま忘れていくことの方が楽だってわかっている。ばかだなあ、なんて嘲笑うようにため息をついた。

7年前 No.637

しぇる@syeru ★1o08ZrFrTi_Owh



 ――あなたはどちらへ向かうのですか?

 そう、俺に訪ねてきた女の人は変な人だった。どこが変って、一発で言ってしまえばその首から胸に下げている小さな、古びた白黒テレビ。ほっそりとして、大和撫子みたいな風貌をしているのに、そのテレビだけが異様な雰囲気を醸し出しているのにせっかくの美人が台無しだ。俺はただ、その人がぶら下げているテレビに茫然としてしまい、何も言いだせずにいた。というか、いまいち質問の内容がよくわかっていない。俺に道を聞いているんじゃないか? いや、でも先ほどの質問じゃあ、何かが違う気が……。いまだにテレビにばかり目を向けていれば、女の人は先ほどよりもはっきりとした口調で、ゆっくりと言った。

「あなたは、どちらに向かうのですか?」

 意味が、わからない。
 時折ジジッと音を立てる白黒の、液晶画面の中でたつ波を見ながらそうぼんやりと思った。肩に無造作にかけている、何も入ってやしないスクールバックがなぜだが急に重くなった気がした。


( あ、これ長編じゃないと書けない気がしてきたぞww うーん、SSネタ思い浮かばない・ω・` )

6年前 No.638

しぇる@syeru ★1o08ZrFrTi_Dz8




 ふぅん、なんて思った。体育館裏の本当に隅っこで、キラリとピアスが揺れる。小さなダンボール箱の前でしゃがみこみ笑顔の彼女の手の中で優しく抱かれているのは小さな子猫。にゃあ、と小さな声で甘えるようになく子猫を彼女は本当に愛おしそうに撫でる。
 そんな、どこかありがちな光景になぜか目が離せなくなっていた。窓辺に頬杖をついていたままで、無意識のままに昼休み終了のチャイムをきく。その音に反応したらしい彼女がすくりと立ち上がると子猫をそっとダンボールへと戻した。一度子猫を見て微笑んでから、彼女は短いスカートを揺らしながらぱたぱたと走ってゆく。それを見てから、俺はよし、と立ち上った。今日も、晴天だ。


 ++


 「あのさあ、お前もう少しキチンとしようって気持ちはないわけ?」

 はあ、と諦めたようにあたしの顔を見た幼馴染のそいつは話を聞く耳を持たないあたしにもう一度わざとらしく溜息をついた。しつこいなあ、もう。あたしの素行なんて、アンタにとっちゃどうでもいいじゃないの。あたし自身はそうは思うのだが、彼はそうはいかないらしく「おまえはなあ……」なんて最終的には仕方なさそうに笑った。

 栗色に染め、先をくるくるとまいた髪。メイクはふつうにしていて、極めつけにはキラリと耳で光るピアス。授業は気分が乗らなきゃまあ、たまにはサボるしこんな見た目だからなんだかんだで変な悪い噂もくっついてくる。おっさんとエンコーしただとかどっかの不良グループのボスの彼女だとか。まあ、こんな見た目だしあたし自身もそんなのはしょうがないとかは思うけれど、まあ気にしない。面倒なヤツはこの恰好でいた方が突っかかってこないから楽なのだ。そんな学校でも有名な問題児のあたしは、学校で一番優秀な幼馴染のコイツとつきあっている。

「ねえ、大輝。ひま」
「ひまって、おまえなあ……」

 俺が仕事してるの見えないのか、と苦笑いをしながら生徒会長である彼は机の端に置いてあった資料をぱらぱらとめくる。なんか、新入生に配るパンフレットの最終チェックだとかどうとか。まだ一月なのになんでつくるの、なんてきいたら業者に頼むから早めに作らなくてはならないのだと、そう言われた。

6年前 No.639

しぇる ★1o08ZrFrTi_Dz8



  *../エピソード1 (迷子的感情論、)


 あたしだって、恋愛経験が豊富だったのならばこんなことにはいちいち悩まない。いや、悩むべきじゃあないのだろう。しかし、そんなこと言われたってあたしの頭は混乱するばかりであり自分じゃあどうにもできない。
 そんな窮地と言ってもよい状態にあたしは今いた。

「オレとつきあいなよ、雨宮サン?」

 にっこり。そういった表現が似合いそうな笑顔で目の前の彼は言う。いったいどういうことだ、っていうかこの男は何がしたいんだ。ぽかんとしているあたしにこの学校の生徒会副会長、


(しったがきー。新作投稿した!! よ!! 違う名前で!←)

6年前 No.640

しぇる@syeru ★DOCOMO=BeTdJuVj4h



/どうしようもない感情はどこに行き着くのだろうか。あたしにはきっと、一生わからないのだろう、だなんて。
ひとりぼっちで沈むベッドは何時もより広くて、知らない場所みたいだった。
いつもならきみがいるのにね、なんて一人で笑うけれど答えてくれる人はいない。ばかみたいに手を伸ばしたってきみは応えてはくれない。



文章書きたいけどなー。
書く暇ないとかまじね(´・ω・`)


..

6年前 No.641

しぇる @syeru ★DOCOMO=BeTdJuVj4h



/
きみが手の届く距離にいたのならば、もう少しだけがんばれたかもしれない。でも、きみが手の届く距離にいたのならば、今より素直になることなんてなかっただろうなんて。
小さな画面の向こうにきみがいて、この無機質な文字がきみを知るための精一杯の手がかりで。きみからのメールを消すことすらもできずに、保護メールを見ては苦しくなって泣きたくなる。どうしようもできなくなる。
きみの今の一番はいったい誰なんだろう。なんできみなんかがすきなんだろう。いっぱい、いろんな感情が頭のなかをぐるぐると駆け回る。


..

6年前 No.642

しぇる @syeru ★DOCOMO=BeTdJuVj4h



きみの頭のなかを覗きこむ/わたしだけでぐちゃぐちゃにしてやりたい/わたしのことしか考えられないようにできればいいのに


青い薔薇/「キセキ」/存在しないもの


花言葉/きみに送る/空へのぼれ


..

6年前 No.643

しぇる @syeru ★1o08ZrFrTi_KMC



 いつからか、きみと手をつながなくなった。いつからか、きみとお風呂にも入らなくなった。いつからかきみが怖いからと言って夜にあたしのベッドに入りこまなくなった。いつからか、きみとあたしの間には薄く透明な壁ができた。いつからか、いつからか、全部、いつからだろう。

 「いってきまーす」とローファーを履きながら大きな声で言う。玄関にある全身鏡で服装チェック。ゆるめのリボンに少しだけ短いスカート。ふわりと巻いた肩までの髪にほんのりと色づいた唇。いつもどおりのあたしだ。何も変わりはしない。
 重い鞄を肩にかけ直し、ガチャリと扉を開けた。今日もいい天気だなー、なんて思いながら徒歩で通えるほどの、見慣れた道を伏せ気味に歩き出す。

 いつもどおり、いつもどおり。

 背後から迫ってきた自転車の気配を感じるのもいつもどおり。その自転車があたしになんて見向きもせずに走り抜けていくのもいつもどおり。あたしはちょっとだけ伏せていた顔をあげれば、遠くなった彼の背中が見えた。彼はあたしの弟だ、義理の、だけれども。

 彼との出会いは、あたしが六歳の時だったと思う。あたしはまだ小学生になったばかりで、お母さんにいつもは絶対行かないようなちょっと高そうなレストランで、知らないおじさんに連れられた彼を見た。昔はほんとに可愛くって、「おねーちゃん」なんて言いなれない言葉で少し恥ずかしそうにあたしを呼んでいた。あたしもその時はちょうどお姉ちゃんぶりたい年頃だったし、きょうだいができたことがうれしくって、彼と手をつないで一緒に遊んでいたのだ。
 すぐに仲よくなったあたしたちに安心したのか、お母さんとお父さんは結構早くに結婚した。それで、月日は過ぎて、いつから彼とあたしは今みたいな関係になってしまったのだろうか。

 はあ、とそんなことを思えば学校へと向かう足も重たくなってくる。
 サボってしまおうか。そんなことを思ったが真面目なあたしがそんなことできるはずはなく…もない。少しだけ足を止めて方向転換。学校とは逆方向へと歩きだす。


 坂道をのぼって、あがった息を落ち着けて額にういた汗をぬぐう。五月とは言ったって、もう初夏だ。ふつうにしてるだけで暑いのに、こんな坂道を上がれば誰だって汗ぐらいかく。ふぅ、と息をついてその目の前にある小さな公園に足を踏み入れる。荷物を足元に置いて、ブランコに座った。直射日光があたってあつい。

 昔はよく、彼とここで遊んだ。近所の子たちはこんなところまでめんどくさいからこないのに、なんであたしたちはこんな来るのにも面倒くさい場所に来て遊んでいたのだろうか。キィキィとブランコを小さく揺らす。



( 久々に書くとわけわかんねww )

..

6年前 No.644

しぇる @syeru ★1o08ZrFrTi_nXr





 『If I am water, it can get used to a part of your body for a moment also!』
  (もしわたしが水だったのならば、一瞬でもきみの体の一部となれたのに!)


 いつのことだっただろうか。そんなことを言ったある有名なひとがいたらしい。僕にはさっぱりわからないけれども、でも彼女が言うのだから間違いないと思う。彼女は今日も、湯船の中で揺れる。今日は、十七歳のきみ。

「今日も来てくれたんだねー」

 そう笑ったきみに僕もかるく笑い返しながら、小さな戸棚の上に置いてある花瓶に花を生ける。真っ白な病室は、ただ一つを除けば他の病室とは変わらない。ベッドがある位置に、湯船がおいてさえいなければ。
 体が水になる原因不明の病にかかった僕の幼馴染で、すきなひと。二十歳の誕生日に、彼女からあたたかさが失われた。いくらあたためても彼女の体は水のようにひんやりとしていて、それでも心臓は正常に稼働する。そして少しずつ、水が染み出るようになってしまった。ついでに、年齢まで戻るなんてそんなまか不思議あるものか。
 しかし、彼女は確かに二十歳の彼女から十七歳の、高校生のときのきみになってしまっていた。だんだんと若返るペースが速くなってきているような気がして、でも彼女はいつもと変わらず笑顔だった。彼女の足元で、彼女がぴちゃりとはねる。

「ねえねえ、今ならもっかい制服着れるんじゃないかなー。女子高生もう一回やりたいなあ」
「そうだねー。今度制服持ってくる?」
「え、やだやだ! やっぱり恥ずかしいですし!」

 変わらない笑顔とほんの少しずつと染み出る水。この湯船が半分になってしまう頃には、彼女は何歳になっているのだろうか。今の僕にはそれはわからない。


 ++


 四分の一まで、きみが溜まった。

 今日のきみは、十四歳のきみ。中学生のきみは、ずいぶんと幼く、だけれどもいつもよりも知的に見えた。そういえば中学生のときは眼鏡をしていたんだとそんなことを思い出す。今はコンタクトもしていないはずだから、きみから僕はぼんやりとしか見えていないんじゃないだろうか。

「ねえ、中学生だってさー。



(下書きー。途中までw)

6年前 No.645

しぇる @syeru ★DOCOMO=BeTdJuVj4h




それでもきみのことがすきだって、わかってるんだ。

憎らしいほどに君は愛らしく笑う。僕をどれほどまでに君は狂わせて、おかしくさせてしまいたいのだろうか。溢れ出した感情は止まらずに、脳から身体全体へと流れ出す。グツグツと煮えたぎるような感覚。頭のなかを掻き回してしまいたくなる。



..

6年前 No.646

しぇる @syeru ★P8e6pCn9Ob_atp



 ちらりと隣の席に座るあいつを見る。「これからもお友達でいましょう」それはなんて都合の良い言葉だろう。あいつは、そうやっていつも笑ってあたしの言葉をなかったことにする。きみはいつでも、あの子のことしか見ていなくて、それでいてあの子に近づきさえしない。なんてばかみたいなんだろう、あたしが。
 授業中、あいつはあの子ばっかり見つめている。前まではあいつがこっちを向いてくれるようにすることで必死で、あいつがあの子を見ていたことなんて知るよしもなかった。
 さわさわとカーテンが揺れる。夏の終わりの、暑い毎日にふわりと涼しい風が入り込む。ああ、きみがこっちを向いてくれたらいいのになんて思うあたしは未練がましい。

6年前 No.647

しぇる @syeru ★DOCOMO=BeTdJuVj4h



いつまで経っても何も変わりやしない。
久しぶりに会った、高校の同級生を見てまず思ったことがそれだった。いつまでもふわふわした甘ったるい綿菓子のような雰囲気を彼女は身に纏い、そしてやさしく笑う。もう社会に出て三年も経つのに、七年も会わないままだったのに、彼女は、俺の記憶の中の彼女のままだった。
「久しぶりね」
「久しぶりだな」
そんなお決まりの挨拶を交わして、声さえも変わっていないことを確認する。ほんの少しだけ大人びた気はするが、だけれども鈴が転がるようなかわいらしく凛としたその声は変わっちゃいない。
ああ、どこも変わらないものだと思っていたのに。気づかなければよかったと後悔するのは、彼女がまだ俺の隅っこの方に悠々と居座っているからだ。
「結婚、したのか?」
「んー、来年するの」
彼女の左手の薬指に輝き主張するそれに視線を向ける。いいでしょ、と左手を顔の横に持ってきて見せびらかすように笑う彼女に「おめでとう」と笑った。上手く笑えたかさえもわからないけれども。
「ゆうは結婚しないの?」
「相手がなあ、今いないから」
「あら、ゆういい男なのに。周りは見る目がないのね」
ふわりと笑う彼女に苦笑いしか返すことができない。
彼女がたまらなくすきで、大切にしていたのに、そんないい男を振ったのは誰だよ。……おれも、見る目がないなあ。

6年前 No.648

しぇる @syeru ★DOCOMO=BeTdJuVj4h



(きみはただ笑う!、)


彼女をどう表現しようか。薔薇のように美しく氷のように鋭い冷たさを持ち、天使のようにすべてを包み込むふりをしながら心中は自分が世界の中心であると悪魔のようにせせら笑う。一言で言うならば、彼女は女王さまなのだ。

「荷物、重い」

そう彼女はおれに当たり前のように荷物を差し出す。

6年前 No.649

しぇる @syeru ★DOCOMO=BeTdJuVj4h



..

イヤホンを耳に差し込んで、ふわりと身体が浮き上がる。わたしだけの世界に、わたしと浮かび上がるのはすきなものだけ。周りの雑音は全部塗りつぶして、ぜんぶぜんぶ消してしまって。
目を閉じればふと浮かんだのはきみの笑顔で、ぱちんぱちんとわたしの周りからすべてが消え始める。ぎゅっと音量を上げてふわりとまた浮かんで、ぱちんと消えた。

「きみがすきです」

その言葉は宙に浮いて消える。言い損ねた言葉はもう掴めない所まで浮かび上がってしまって、諦めじゃなくて、未練だけがきみへ残る。

あの時、きみにすきだと言えたのならば、きみはあの笑顔で笑ってくれたのだろうか。

5年前 No.650

しぇる @syeru ★k6RW7Rg0ta_atp




 気が付いたら高校を卒業していた。

 楽しかった高校生活も終わって、卒業式を無事に終えて、桜の花ももう散ってしまったある日のこと。バイトもせずもうすぐ始まる大学生活に対しても不安しか抱けないこの状況で、俺は何もせずにぐだりぐだりと家で毎日を過ごしているわけだ。自分でも非生産的なことをしているとは思うが、何に対してもやる気は出ないしこのままニートまっしぐらな生活もいいかもしれないなんて思ってしまう俺は終わっていると思う。
 いい加減外へ出ないと本当にこのままじゃもやしみたいなニートになってしまう。
 そういえば、この間あの漫画の新刊が出たんだっけ。そんなことを頭の隅で思い、よっこいしょ、ベッドからと起き上がる。適当な洋服に着替えて、久しぶりに玄関の扉を開けた。


 キラキラとあたたかな日差しが俺を照りつける。久々に浴びる日光としては少し刺激的すぎるぐらいだ。自分の白い掌を見つめて、顔をあげた。なんとなく、あの子を思い出して表現できないようなもやもやが広がる。あの子は変わらないんだろうな、なんて言葉を吐き捨てたくなって笑う。まだ家の前なのに、すでに逃げ戻りたい衝動。きらいだきらいだ、とつぶやいて、反抗するように本屋までの足を進める。
 あの子が悪いわけじゃない、悪いのは俺だ。だから、きらいだ。
 ひらひらとほんの少しだけ残ったピンク色が俺の頬をかすめる。思い出すな思い出すな、自己嫌悪。もう忘れたはずだろう? 柔らかなピンク色が、彼女が、ひらひら揺れて、コンクリートへと落ちる。落ちる瞬間を見たくなくて、目をそむけて早歩き。

 そんな時だった。ふわり、ピンクが揺れる。


「ひなた、くん?」


 思わず、踵を返してダッシュで逃げ出そうとする。「待ってよ!」なんて悲鳴のような、そんな彼女の声にびくりとなって足が止まった。きらいだきらいだきらいだ、だい、きらいだ。だから、だから。
 久しぶりだね、なんてぽつりと落ちた彼女のたどたどしい社交辞令に俺もそうだな、なんて消え入りそうな声で応える。冷や汗が出て、振り向けない状態で、あの子の声をきく。震えている声に、罪悪感。あのね、なんて一生懸命に何かを話すように、何を話せばいいかわからないように、彼女は曖昧に言葉を選べずにいる。
 そんな風に困らせたいわけじゃなかったのに。ただ、彼女がもう俺のことなんて忘れてこのまま新しい人と出会って恋をしてくれたら満足なのに。彼女の中に居座りたいわけではない、きっと、そう思わなくては。だから、きらいだと俺は俺に言い聞かせ続ける。

「ごめん、なさい」

 ぽつり、ふわり?
 彼女の口から零れ落ちた言葉に、思わず振り向く。それは、俺が言うべき言葉なのに、泣き出しそうになって、はっとして、彼女を見つめれば、彼女も俺ときっと同じような顔をしていた。二人して向き合って、今にも泣きだしそうな顔で二人してぎゅっと掌を握りしめる。


 ++


 すきだと、確かにあの時言えたはずなのに。言えなかったのはきっと俺が意気地なしだったせいと、無駄な裏井戸のせいだと。

「すき、です」

 彼女からの一生懸命な告白。真っ直ぐに、俺が後ずさりしてしまいたくなるほどに射抜かれそうなきらきらとした瞳がこちらを見ていた。

5年前 No.651

しぇる @syeru ★Android=MSR8FbOJpr



“すきだよと、今日も言えないまま、見送った。今まで一緒にいたのに。”

久々にきいた何気ない曲に、ふと胸がしめつけられる。まだ、この曲がわたしの弱点だったのかなんて笑っちゃうぐらいに、ずっと前のことなのに。

“会いたくて、きみのすきな歌を繰り返し、口ずさんだ帰り道。”

きみと出会ったのはいつのことだっただろうか。もう、覚えていない。ただきみのことがすきで、きみと話すことにいちいちどきどきして、全部、することはきみと一緒がよかった。ただ、そんな記憶だけが鮮明に残っている。

5年前 No.652

しぇる @syeru ★k6RW7Rg0ta_ZrX



 ふと目が覚めた。厚いカーテンの隙間からはまぶしい日差しが差し込み、目に突き刺さる。今は何時だろうか。なんだか、寝すぎた気がする。
 まあ、たまの休日だ。時間を無駄に使うことも小市民たるわれらの役目、なんてね。いつか読んだ本の内容が頭に浮かんでふとそんなことを頭の中でつぶやいた。さて、それにしてもよく寝たわりにはあまり目覚めはよくない気がする。なんでだろうか。そう考えてから、少しだけ頭によぎったのは懐かしい人の顔。ああ、さっき、見た気がする、夢で。

 夢でみてしまったのは、懐かしい人だった。その片鱗をつかんでしまうと、一気に思い出してしまう。苦しいぐらいに甘く鈍い痛み。

 彼と最後に話したのはいつだっただろうか。彼からのメールを読み返さなくなったのは、いつだったからだろうか。

4年前 No.653
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