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◆◇おひめさまのおまじない

 ( 書き捨て!小説 )
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@itxmm ★iPhone=uSyqKf7JNY



 お姫様は目覚めのキスなんてなくたって一人で起きられるの。

 魔女からの呪いなんてかかってない。
 お姫様なんて最初から居なかったの。


 −−−−お姫様の仮面を被った魔女は、貴方を縛る呪いを掛けたの。



*  *  *




 〒.自己満足な創作倉庫
 〒.同性愛+両性愛
 〒.血も出る


6日前 No.0
ページ: 1

 
 

@itxmm ★iPhone=uSyqKf7JNY















 A. 珈琲( 1 )




 やぁ、いらっしゃい。
 男性の暖かくて優しい柔らかな声が私の耳に心地よく響いた。男性の暖かくも優しくも柔らかい声は、私をどこか遠くへと誘っているようにも思えた。

 修学旅行。自由行動の時に本来班活動を義務付けられていたが、生憎厄介払いをされて単独行動を取っていた私は見事に修学旅行先での迷子になった。
 連絡を取れるような電子機器は夜中弄っていたせいで宿から出る時には既に充電がなくなっていたから宿に預けてしまったし、鬱蒼とした森に来てしまった私に行くも戻るもないんだということは直感した。
 しかし、いくら先も戻るもないと言えどもここでずっと立ってじっとしているわけにもいかない。
 怖くない、といえば嘘になる。恐怖心の方がずっと強い。けれど、この場にずっと居てはいけないと直感した。
 森の中、それも地図も携帯端末もない。北も南も東も西も分からない。この先をどう進めばいいのか分からない。どう戻れば良いのか分からない。
 キョロキョロとしてしまったせいでどこから来たのかすらあやふやになってしまった。
 私は取り敢えず、今向いている足と反対方向に足を向けて歩き出した。
 紅葉の季節、ガサガサと落ち葉を踏む音は森特有の音色を奏でているようだった。

 どれくらい歩いた頃だろうか。迷った時にはまだ高かった陽射しがもう沈もうとしているではないか。
 当然ながら、私は焦った。
 戻らなくちゃ。
 頭では分かっているのに、段々と足が重くなってきてしまった。足を動かす事に、苦痛を感じてきてしまった。
 森に生えた小さな草や木の枝が私のすねやふくらはぎに赤色の数をたくさん付けるから、足場の悪い道は何度も私の足を挫いたから。
 私もとうとう、その場に座り込んでしまった。
 座り込んでから時が進むのがとても早く感じた。日が沈んでいたのに、もう空には星が見え隠れし始めている。
 修学旅行場所という事もあり、どちらかと言えば都会地域だが、森の中では星を邪魔する光もいないので、星は無遠慮にキラキラと輝きを見せている。
 そんな無数の星を見たからか、中学の時、「人は過去の星を見ている」と先生が言っていたことを思い出した。
 過去の星。オリオン座の一部は本当は既に消えてるんじゃないかって最近聞いた。オリオン座は都会でも見れることが多いから私でもわかる。
 自然が美しい、と思った。

 星の美しさに目を惹かれていると、耳元に警報のようにパトカーの音が響いた。
 きっと誰かが呼んでくれたんだ!
 私はそう思うと、すぐにパトカーの音のする方へと走っていった。
 ヘトヘトだったはずなのに、足は痛くて動けないくらいだったのに、たくさんの怪我や傷を負ったのに、私の足はなぜかとても軽かった。
 ああ、それにしても、おなかがすいた。
 私が先を急ぐと、いつのまにかオレンジ色の灯る暖かそうなログハウスを見つける。
 きっと警察はすぐに来てくれるだろう。そうすればきっとこの家まで気付いてくれるかもしれない。それまで、あの人のお家で食事をさせてもらおう。
 私は、そう思って家に向かって足を踏み出した。


 ノックをしてみたが、なかなか人が出てこない。何度ノックをしたところで、中からの音も聞こえない。
 流石に外に放り出されたままも嫌だったので、木で出来た暖かなドアをそっと開けると、扉からはカランコロン、と綺麗な音が響いた。
 「やぁ、いらっしゃい」

 壁から天井までギッシリと一面に並ぶ本。暖かな橙色のシャンデリア。
 柔らかな男性の黒髪、そしてエプロン。
 木の匂いの中に、仄かにコーヒーの匂いがその場には漂っていた。













5日前 No.1

@itxmm ★iPhone=uSyqKf7JNY











 ( ※グロ。血が出る。 )

 1. 煙に巻く




 「なんやぁ、嘘つく悪い子には針千本、飲ませなあかんなぁ……? 」
 彼の黒い目が、妖艶に曲線を描いた。


 清華家は元々銃術として江戸の有名な道場であり、銃術を教える煙という最近元服を迎えたばかりの男は家の事を差し引いても特に有名だった。
 その名を清華煙。赤髪がかった結ばれた黒髪に、黒色の黒曜石のような瞳。常に上がった口角と薄い唇。家柄故の行儀作法、銃術から始まり体術、剣術、蹴鞠から茶道に華道までと多彩な才能。
 どれもが例え町衆の噂であっても、気にならない訳がないだろう。
 例えば、容姿端麗、とか。

 「な〜んもおもろい事あらへんのかいな」
 「煙さまぁ。お外行きましょうよぅ」
 「じゃ、お外出たらイトちゃんがおもろいもん見せてくれはる? 」
 「うっ」
 清華家、一室。
 一人、いや、二人であっても広すぎるくらいのその部屋に、煙は優雅に煙管をふかしながらつまらなさそうに口元を歪めていた。
 その側にいた背丈の小さい黄金の瞳が特徴的な茶色の髪を持つ「イトちゃん」と呼ばれた少年、清華糸もつまらなさそうに膨れっ面になりながら煙の側で足をパタパタと動かしていた。
 元服して間もないというのにも関わらず、随分となれた手つきで煙管をふかす煙の姿はもはや大人の男だった。
 「あー。つまらん」
 ふぅ、と煙管から口を離してそう言った煙。いつもの楽しそうに曲線を描く黒色の瞳は明らかにつまらなさそうにどこか宙を見ていた。
 煙の口から出てくる独特な話し方は共通性のない様々な国の方言が混ざっためちゃくちゃな言葉だった。
 この男、生まれも育ちも江戸である。

 「煙様、煙様にお会いしたいと申し出る女性がいらっしゃっていますが……通しますか? 」
 糸と煙の間に沈黙が流れていると、襖越しの男の声に煙は一度目を丸くした後に「ちょっと待ってなぁ」と返して暫し考える。
 本来はいきなり来るような無礼な女に会うような性格ではないが、煙はひどく暇を持て余していた。この際無礼も取り払って考えてしまおうと決めて一つ小さく頷いた。
 「おん。ええで、入れてやり」
 「えっ……!? 」
 「なんや、帰してしもたん? 」
 「い、いいえ! 呼んできます! 」
 襖越しの男の声は明らかに焦っていた。普段の煙であれば話を聞いた瞬間に突っ返す事もあり、何があったんだと襖越しの男は焦りながらも屋敷の外で待つ女性の元まで駆けた。
 隣にいた糸も煙の対応には驚いたのか、目を数度ぱちぱちとさせた後に首を柔く傾げた。
 「煙さま、ええと……私は蜘蛛になった方がよろしいですか? 」
 「余計な気ぃ遣わんでええの。ちぃとお話するだけやし、ヤラシー事は何もせぇへんで。あ、イトちゃん……見たいん? 」
 「ちっ、ちちちちち、違います! 人の情事など千年以上の妖である私は見慣れておりますが故!! 」
 今にも火が吹き出そうなほど真っ赤になった糸の顔に煙は面白がるようにくすくすと悪戯な笑みを浮かべて見せた。
 「え? 俺情事なんて言ってへんけど? 」
 「け、煙さま〜! 」
 ぷんぷんと怒った様子の糸の姿に、煙は声をあげて笑った。
 「イトちゃんはかわええなぁ」
 と、糸の頭を撫でてやりながら。

 トントン、と軽く二度襖を叩く音に「はぁい」と伸びた返事をする。
 煙は相も変わらずふてぶてしく肘置きに肘を置きながら頬杖をついて胡座をかいた様子だった。
 隣にいる糸はちょこんと礼儀正しく正座をして待っていた。
 襖がゆっくりと開けられたかと思えば、従者である男が女性を通すように手を差し出す。
 煙はその様子を目を細めながら見ていると、部屋に入ってきたのは美しく長い黒髪を持った……
 「はァ? 」
 醜女、だった。
 明らかに不機嫌そうなオーラを出しつつも、煙は普段のにこやかな表情を崩さない。隣で糸は絶句した後にこっそりと煙に「煙さま! 附子です! 」と何故か楽しそうに耳打ちした。
 「上げてくださり誠に感謝申し上げます、清華煙様。ずぅっと、お会いしたく思っておりました」
 頭を畳につけるほど下げながらそんな事を言った女の姿に、煙はすぐにパッと顔を明るくしてから「あは」と呟いて口を開く。
 「帰ってくれへん? 」
 「え……」
 ニコニコと笑ったままの煙の姿に女は絶句したようだった。
 煙はもう一度聞いてきそうな女の言葉を遮るように「だからぁ」と言ってもう一度口を開いた。

 「醜女に興味ないねん。帰れ、ドアホ」

 にこやかな表情のまま言い放った煙の言葉にクスクスと糸が隣で笑った。
 女は激昂したのか顔を真っ赤にさせて立ち上がると糸の方にズンズンと近付いて糸の首に触れた。
 瞬間に、女の手首が糸のようなものに絡みつく。
 「煙さま以外がイトちゃんに触んなよ。ブス」
 ブッ、と唾を女の顔に吐き出して糸は言い放つ。女は小さな悲鳴をあげて糸の絡みついていない方の手で顔を着物の袖で拭った。
 「な、何をするのです!! 煙様がこのような無礼な人だったなんて……会いたくなんてなかった……! 」
 「……悪いのはそんな汚いツラ見せて俺んとこ来たあんたやろ。そんな汚い手でイトちゃんに触るなんて失礼なんよ。イトちゃんに謝りや。……あ、ていうか、あんた今、嘘ついたやろ? 」
 泣きそうになる女の姿を見てクスクスと煙は言葉を返す。
 女はとうとう「う、うう……」と泣き出してしまい、煙はクスクスと笑ったあとに、目を細めた。

 「嘘をつくような悪い子には、針千本、飲ませてやらんとなぁ? イトちゃん、抵抗されたらめんどいしこの女の手首切ってええで」
 「はーい! 」
 煙の言葉が合図だったかのように、満面の笑みを見せた糸は女の手首に巻き付いた糸に力を込めると、女の両手首を切り落とした。
 ぼとり、と女の手首の先と血が落ちる。
 女は悲鳴すらあげられないのか、ガタガタと震えて煙と糸を見た。

 「イトちゃん、針持ってくるからここ、綺麗にしといてくれへん? 」
 「分かりました! やっておきますね! 」
 煙が立ち上がって女の横を通り過ぎると、糸はその場を片付け始め、女の手首より先を拾って処理に困ったので窓際に立てかけておいた。
 煙が戻ってくると、大きな箱を手にしていた。煙が大きな箱に手をかけると、その中には長さも太さも鋭さも違う千本以上の針が入っていた。

 「じゃ、針千本、飲んでもらおか」
 にっこりと笑って煙が言うと、糸が楽しそうにどれにしようかと歌いながら針を適当にとっていくと、恐怖で開いたままになっている女の口の中に突っ込んでいく。
 「あはは! うまいうまい、上手やで、イトちゃん」
 女は手首が切れた時既に意識が飛んでしまったのか、針を入れる度に小さな汚い悲鳴をあげるだけだった。

 「楽しませてもろたで、お嬢さん」
 千本目の太く鋭く長い針を無理矢理口に押し込んで煙は笑った。
 女の口に詰まった無数の針と、女の顔を貫通して畳に刺さる針。
 いつのまに夜が更けていたのか、糸は煙管から口を離して息を吐き出し、煙を巻いた。














4日前 No.2

@itxmm ★iPhone=uSyqKf7JNY











 ( ※そこまで血は出ないけど一応グロ。若干人食ネタ )

 1. イトを張る




 二十六夜の月が銀に輝く中、寺の本堂の前に座って空に向かって煙管の煙をふかす黄金の瞳が目を細めて輝いた。
 「……綺麗な月だねェ、坊ちゃん」
 ふっ、と柔らかな微笑みを落としながら黄金の瞳の持ち主はハスキーなテノールで今その場にいない主人に声を投げた。
 それに呼応するかのように、彼の煙管から出る煙は空へと伸びて、風に吹かれてはいずれ闇の中へと馴染んでいった。
 「御坊様、いらっしゃいますか!! 」
 慌てたような男の声に訝しげに目を細めると、煙管を咥えたまま声のした方に向かった。
 慌てた様子の男は寺から出てきた男の姿に一瞬目をぱちくりとさせた後、巨体に慌てた様子の男は怯んだ。
 「どうしたんだィ、兄ちゃん」
 二十六夜の月が、彼の黄金の瞳を確かに捉えた。


 「疫病……かァ」
 「はい、町衆はもうほぼ……妖の仕業ではないか、と噂されておりまして……」
 黄金の瞳を持つ男は顎に手を当てながら考えるように目を伏せながら茶を静かに啜る。
 「つまり……町を私に見て欲しい、ということでいいのかァ? 」
 「……はい、当然、報酬はお支払いします」
 「報酬はいらねェさ。連れてってくれ」
 「あ、ありがとうございます……! 」
 黄金の瞳を持つ男は、目の前の困った様子の男に気付かれないように柔く目を細めて曲線を描いた。
 もう一度二十六夜の月を見た後に、くく、と小さく声を漏らした。

 裸足のまま黄金の瞳を持つ男が町にやってくると、夜なのだから当然にしても、胸騒ぎのするような嫌な静けさがあった。
 黄金の瞳の男が煙管を一度ふかしてから状況を確認するように目を細める。
 「……妖の仕業だなァ、これは」
 眉を寄せながら顔を顰めて呟くと、黄金の男を連れてきた男は目を見開いた。
 「や、やはり、そうなんですね……。ど、どうすれば……!! つ、妻も疫病にかかってしまって……! 」
 縋るようにこちらを見つめてくる男の姿を一瞥した後に、黄金の瞳を一度光らせる。
 何か獲物の姿を黄金の瞳の中に捕らえると、不意に歩き出す。
 その後ろに黄金の瞳の男に助けを求めた男がついていくように歩いた。
 恐る恐る黄金の瞳を持つ男に「どこへ向かわれるのですか? 」と不安げに後ろを歩く男が尋ねると、黄金の瞳の男は喉をくく、と鳴らして笑った。
 「決まってるだろ、妖退治さ。

 ……なァ、僧侶殺しの妖さんよ」

 後ろを歩く男は、黄金の瞳の男の笑みに目を見開いた後に、ジリジリと後ずさった。
 黄金の瞳の男を見て、妖と呼ばれた男は耐えきれなくなったかのように脱兎のごとく逃げ出した。
 何の妖かは全く検討はつかなかったが、足の速さを見る限り風に関する妖なのだろう。緑色の瞳を見る限り鎌鼬が有力候補だろうか。
 黄金の瞳の男は、逃げ出す妖の姿を見て親指を噛むと、親指の先から白く細い糸を出して糸を投げる。
 指に投げた糸を巻き付けると、グッ、と力を込めて糸を引っ張った。
 どこか遠くで、男の叫び声のような悲鳴が聞こえたのを確認すると、黄金の瞳の男は指に巻きつけた糸を解いて糸の先まで歩く。
 糸の切れた先には、蜘蛛の巣に肉片が引っ付いていたのを目を細めて見た。

 「悪いねェ。慈善活動の趣味は無いが……ここは煙の坊ちゃんの敷地なのさ」
 妖の肉片を拾い上げて、鋭い歯を見せて黄金の瞳の男は肉片を噛みちぎり、何度か咀嚼した後に喉に流し込む。
 味の悪さに顔を顰めた後、ブッ、と赤色の混ざった唾を地面に吐き出すと、口の端についた血を着物の袖で拭った。
 その場に残ったただの赤色を確認すると、時が経てば自然と消えるだろうと黄金の瞳の男は裸足のまま肉片があった場所をグリグリと踏み潰した後にまた歩き出した。
 二十六夜の月が沈み、朝陽が昇るにつれ黄金の瞳の男は煙を出しながら巨体を窄め、朝陽が完全に昇った頃にはその辺にいる少年と瞳以外は何も変わらぬ姿だった。


 「煙さま、体調はいかがですか? 」
 「なんやぁ、ちょっと楽な気ぃするわ。まさか俺まで流行り病になるとはなぁ。遊んでやれなくてすまんな、イトちゃん」
 「いいえ、イトは煙さまには元気でいてほしいですから」
 「ははは! ほんま、ええこやなぁ。おおきに」
 とある屋敷の一室で、黄金の瞳の少年の目が柔らかな曲線を描いた。
 「完全に治ったわけとちゃうねん。うつると良くないし、部屋から出た方がええで」
 「いいえ、私はここに居ます。妖は病にかかりませんから」
 「……ま、イトちゃんの好きにしぃ」
 「はい! 」
 黄金の瞳の少年は、また静かに糸を紡ぐ。

 この主人のためにと、静かに、静かに、地の底へと巣を張っていく。
 細く白い、イトを。















3日前 No.3
ページ: 1

 
 
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