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あれこれ

 ( 書き捨て!小説 )
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バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

基本診断メーカー『マフィアになるぞ』の設定で書きたいあれこれを書き捨てます。

基本的にほのぼの書きたいけど唐突に鬱書きたくなるかもしれない。見切り発車気味にぼちぼちと。

関連リンク: ねこみみ 
ページ: 1


 
 

バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

組織の創始者って自動的にトップになるらしい。どうしよう。

積もりに積もった書類に目を通しつつ、世の中の社長だとか会長だとか、いっそ首長だとか言う人間は本当に凄いのだなと、つい思考の隅で現実逃避する。
と言うかアレだ。高々十だか二十だかの小娘にやらせる内容だろうかコレは。勝手にマフィアって無法者の集まりだと思っていたが、しっかり事務仕事も必要だったらしい。

「あーーーーー…」

少し休憩、と自分に言い聞かせ、椅子の背もたれに寄りかかる。疲れた。難しい言葉が多くて頭がぐわんぐわんする。本当は一秒でも無駄にするべきではない。だがそれにしても疲れていたのだ。辞書片手の作業は脳を疲弊させる。幾ら義務感が早く作業に戻らねばと訴えていようが、疲弊した脳は鈍る。鈍った判断は組織を殺す。多分。きっとそうだ。だからこうやってサボ、もとい休憩をとるのも立派な仕事のうちなのだ、そうに違いない。
言い訳込みで自分を誤魔化していたが、しかし現実問題休憩と言うのはやはり大事らしい。無駄に『あ』を量産しながら息を声と共に吐き出している内に、段々と疲れも吐き出されている様な気分になってくる。そうだ、私はなにか色々と考え過ぎていたのかも知れない。こうやって思考を休ませねば気付かなかったことが、気付かなかった案が次々と湧いて出てくるようだ。
五分ほどその様に、ぼんやりと無為に時を過ごして、よし、と起き上がる。いい感じにリフレッシュ出来た。これならこの後の書類とも戦える。

「……………とりあえずサイン書きまくるか…」

そう、この短い休憩の中、私は徹夜二日目にして漸く真理に気付いたのだ。この書類、何も私しか確認しない訳ではない。つまり…そういうことだ。
難しい言葉が脳を疲弊させるならば、難しい言葉など見なければ良いのだ。うん、真理。流石私。天才かもしれない。
持つべきものは頭の良い友人だろう。明日の朝にきっと快く書類を押し付けられてくれるだろう彼を思い、人のいない部屋で一人ふふふ、と笑う。いやはやありがたいことだ。

(よーし、これが終わったら寝るぞー)

とにかくもう寝られたら良いのだ。翌日恨めしげに見られようが心配されようが構うまい。ガイアが私にもっと眠れと囁いている。
寝るぞー寝るぞー、と思いながら、誰かに見られたら心配されそうなくらいにやにやしながらに記名欄に名前を書き続ける。こうして一人のいたいけな少女の夜は更けていくのであった。眠い。



コードネーム:スモーカー
役職:諜報員(元創始者)
役目:主に司令塔。ファミリー全体の指揮を取る。
武器:鞭(乗馬用)
性格:ちゃらんぽらん
髪色:金
目色:緑
特技:散髪

8ヶ月前 No.1

バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD


「それで。この書類どういうこと?」
「…人間にはそれぞれ限界値と言うものがあると思うんだよな。そんな中で助け合い精神と言うのは欠かせないものだと思うんだが、どうだろう」
「言い訳はそれでいいんだね?」

はぁ、と思ったより大きな溜息がつい零れる。何故に彼女はキメ顔をする時ほど意味の解らないことを言うんだろう。
山のような書類に書かれたサインは了承の意はなく、一旦先に書いておこうと言う事でしかないらしい。その上それを一応は部外者の私に把握させようとしているらしい。マフィア関連の書類を、だ。一介の大学生には荷が重すぎる。
と言うかそれで私まで危険に晒されるのは困るのだけど。晒されるかも知れないと思うのだけど。その辺は一体どう言うふうに飲み込んでいるのか。それでも構わないとか思われているんだろうか。考えるのが辛くなってきた。

「ダメか?」
「逆にさ、良いって言われると本気で思ってたの?」

ちょっと不安そうに小首を傾げられても頷けないことはあると思う。幾ら何でもね、出来ることには限界があるって自分で言っていたじゃない。私にもその理論を適用してほしい。

「と言うかお前は私に全てを任せるような暴挙に出てもいいのか?」
「ん?なんで私が脅されてるのかな?そういう場面だったっけ?」

一瞬揺らいでしまったじゃないか。勘弁して欲しい。

「確かにこの場で突き放すのはひとつの手段ではあるだろう…だがそれは果たして正解なのか?獅子が子を千尋の谷に突き落とすノリにしても些かお粗末過ぎやしないか?それで本当に私がどうにか場を乗り切れると思うか?乗り切れたとして、それが回り回ってトラブルとして我が身に振りかからないと言い切れるか?…答えは出ているはずだ。」

…どうしよう。本当に揺らいでしまった。
なんで自分のことをここまで下に的確に捉えられるんだろう。本当にその先のあれやこれやな嫌な未来が一瞬見えた気がした。そして頼んでいる側の態度とは全く思えないこの自信に満ちた言葉はなんなんだろう。答えは出ているはずだじゃないよ。
呆れ半分諦め半分でじとりと見れば、一応少しは後暗い所はあったらしい。さりげなく逸らされた視線にまた溜息が出そうになった。

「…ダメか?」
「…はぁ…」

伺うようにもう一度、同じ言葉で聞いてくるから、卑怯だな、と思う。そうされたら私に拒否権なんて、有って無いようなものなのに。

「もっと早くに言ってね…あと、なにかあったらちゃんと守ってね」
「ああ、当然だ。」

もう何事も無かったかのようにしれっとした顔で頷くのが少し腹が立つ。私なんて責任感とか色々なもので胃が重くなった気がするのに。
意識せずに浮かんでくる失敗があった時の想像を、できるだけ頭の隅に負いやって、溜息を吐いた。この数十分の間に私は一体どれだけ幸せを逃がしたんだろう、なんて益体のないことを考えながら、その書類の山と向き合う。



名前:しらゆき
コードネーム:ローズ
役職:幹部(右腕)
役目:主に情報仕入れ係。敵組織や周囲の情報を集める。
武器:鞭
性格:ネガティブ
髪色:朱色
目色:白
特技:金魚すくい

8ヶ月前 No.2

バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

別に、マフィアになるつもりなんて全く、これっぽっちもなかった。だって、怖いじゃない。
確かに昔からの友達がそんなものになると聞いた時は心配したし、出来ることなら助けてあげたいとも思った。…でも、出来ることなら、は本当に『出来たのであれば』であって、問答無用で命を張って、とまでは…ねぇ…。流石にちょっと…まあ、考えちゃうよね。
事情を聞けば確かにサポートくらいなら…安全なら…と思わなくも無かったけど、組織の中に入るかまで考えると、それは無理。それ死ぬよね、私。喧嘩もした事ないんだよ。貧弱なんだ。拳銃ドンパチなんて次元が違うよね。
彼女自身もそこまで求めている訳ではなくて。むしろ中途半端に干渉して来る癖に、どっかよくわかんない所で線を引く。それはほんの少しだけ寂しかったけれど、大事な事だと解るから、少し有難くもあって。
だからその分の彼女の気遣いも含めて、せめてまともな職業に就こうと。そうすることで今とは違う形になったとしても、それはそれで仕方ないことだと。そう思っていた。
…思っていた時期が、私にもあったなぁ。

「…ねぇ、これさ…これ…肖像権の侵害じゃないかな…」
「落ち着け。とりあえず深呼吸をしよう。」

傍若無人な普段の態度からは想像もつかないほど優しい声で、大丈夫大丈夫、と背中を撫でられた。
見ているのは今日の新聞の2面、3面。載っているのは就活中に私を襲った昨日の事件についてと、何故かその事件の当事者らしき人物達からめちゃくちゃ守られている、と見てすぐ解る、その写真。1面には全体図も含めた写真が載っていたし、誰から見ても私が関わっていることは一目瞭然だろう。
誰だろう、この写真撮った人。今ならその人のことを本気で呪えると思う。だってついさっきそれでほぼ内定の決まっていたはずの会社から門前食らったからね。びっくりしたよ。

「いや…正直言ってすまんかった。こんなことになるとは」

遠い目になっていただろう私に、本当に珍しく申し訳無さそうな顔で謝ってくるから、思わず唸ってしまう。
昨日の一件を思い出す。それはさて、これから面接に行くぞと気合を入れていた時だった。なんか急に黒服の大人達に拉致されそうになった。
そう、本当に急にだ。しかも確実に私を狙っていた。突き付けられた銃の冷たさは思い出すだに寒気がする。
それだけに助けて貰った時は涙が出そうな程安心した。本気で感謝したし、守ってくれる相手がいる心強さに恐怖をほんの少し忘れることも出来た。…出来たのだけど。

「…これさ…原因、アレだよね」
「…アレだろうなぁ。」

そんな相手にこんな事を言うのもどうかと思うのだけれど、普通に一般人として暮らしていた私に、理由もなくこんな事が起こるはずがないというか。順当に考えて、私単体にそれ程の価値はないというか。となるとどういう風に価値を見出されて拉致されかけたかと言うと…無難な所で、人質。
一応中小レベルとは言えマフィアのボスの友人だ。そういう意味で言えば、狙われた理由はほぼほぼ彼女のせいとも言えてしまえる。
確かに感謝すべき恩人であるのだけど、それと同時に元凶と言えないこともない。だから、まあ、謝られて「いや君は悪くないよありがとう」とは、ちょっと言い難い。

(まあ、私の認識が甘かったということも、ある訳で。)

当初まだ警戒心をちゃんと持っていた時期にも言ってた気がするけど、私は手伝いを引き受ける条件として、「ちゃんと守って」と言うようなことを挙げていた、と思う。とすると今回の件は確かにその約束は果たされていて、それを責めるのは筋違いだろう。
けれど、けれども。それでも思うことと納得することは決してイコールではなくて、もやもやが残る。

「…こんな状態じゃ、就活なんて出来ないよね…」
「…いやぁ…まあ…、…ちょっと厳しいだろうな」

最大のネックに、口を濁しながらも実態を隠さずに告げる言葉に、段々と諦めと苛立ちが同時に湧いてくる。
ここまで大きく取り上げられてしまうと、もう流石に私を積極的に雇いたい会社はないだろう。積極的にマフィアのどんぱちに関わりたい企業なんていないだろうし、そんな企業私が怖い。それこそ遠く遠くに拠点を移せば話も変わるだろうけど、そうすると守ってくれる相手から離れる分私の安全性が下がる訳で。確実に相手方が私を狙うことを止めたと言えもしない状況でそれは、遠慮したい。もう二度とあんな事態起こって欲しくない。
そして万が一、あんな記事は気にしないと豪胆にも思って下さる会社があったとしても、結局また狙われる危険性があることには変わりない。つまり、どう転ぼうが私の就職活動は暗雲立ち込める方向にしか行かないのだ。辛い。

「………はぁ。解った。うん。解った」
「…あの、大丈夫か?」

諦めとそれが最高潮に達したのは同時。もうなんか良いや、という気持ちと、もう一つ。

「私、君の所に就職するよ」

微笑みながら、え、と固まる彼女に履歴書を渡す。
単純な気持ちだ。簡単な気持ち。久しく忘れていた様な、子供の頃に置いてきたような純粋な気持ち。

「私弱いから、守ってね。書類仕事なら君より内情解ってるから。即戦力だよ。やったね」
「これ以上ないくらい堂々とした自己PRだな…」

呆然とした様に履歴書に視線を落とす彼女に。平和な日常をぶち壊してくれた黒服さん達に。私の就活の全てを無駄にしてくれた全てに対して。この気持ちを表すとしたら、この言葉に尽きるだろう。めちゃくちゃムカつくー。
訳わかんないよねほんと。今までのアレとかコレとかソレとか諸々含めた努力を一瞬でめちゃくちゃにされるとかね。もう色々馬鹿らしくなるよね。やってられない。

「え、いやこちらとしてはそれはまあ助かるんだが、いいのか?その場のテンションに任せると後で泣くぞ?」
「私としては今泣きたいんだけどね?と言うか君がそれを言うかな。先にその場のテンションで書類仕事押し付けてきたの君じゃない」

かと言って無職で穀潰しをするには私のメンタル強度が足りなくて。とすると、じゃあ、どうするか。半元凶に責任取って貰うしかないんじゃないかな。
仕事は体力仕事でも無ければ出来るだろうし、自信はある。どうせこうなると縁を切るなんて出来ないし、なら近くで守ってもらうに越したことは無い。何より。他に就活先が見当たらない。

「じゃあ、そういう事で。今後ともよろしくね」
「…知らないぞ?ほんと…」

微妙な表情で、半ば無理やり頷かせる形になったけれど、こうやって私は職場を得てマフィアになった。

まあ当然、翌日にはなんで変なテンションのまま行動しちゃったかな、とめちゃくちゃに後悔したんだけれども。

7ヶ月前 No.3

バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

友人に半ば押し付けられた履歴書を見る。
なんちゃら大学何年度卒業予定。なんちゃらの資格所有。なんちゃら検定うん級。とりあえず凄いらしいことは解った。

(…そうか、従業員になるには履歴書がいるのか。)

当たり前の事ながら今まで考えもせず、とりあえずうちに来い、で終わらせていたあれこれそれを思い出す。まあ、うちにいるのは私も含め学歴もろくにないガキばかりだから、書けと言って書けるものでもないだろうけれど。
住所と連絡先もいるのか、なんて思いながら流し読んで、志望理由で目が止まる。

「…まあ、一般職目指してた訳だしなぁ。」

難しい言葉の並び立てられたそれは、当然の事ながらうちに向けてのものではない。その裏の就職浪人はしたくないという意志だけは、これでもか、という程伝わってくるのは、まあ、長い付き合いだからだろう。

(…悪いことをしたな…)

甘く見ていたんだろう。私も、あいつも。思った以上にその身柄の需要は高かったらしいことに気付かなかった。
私からすれば文字の羅列でしかないような、丁寧に書かれたその紙には、それだけの時間が積み重ねられているのに。勝手に油断して、こんな事件を起こさせて、最初の約束も守れなかったのだから、情けない。
かと言って、これが今手元に残っている、という事がどれだけ益になるか、解ってしまうのだから複雑だ。正直な所遠慮を脇に退けてしまえば、あいつを取らない手はない。能力有るし。いてくれれば楽だし。頭良いし。時々めんどくさいことを除けば百点満点だ。

「…まぁ、守れば良いんだろう」

ひとりごちてそれを新しいファイルを探し、しまう。
そうだ、今度こそちゃんと守ろう。こっちに来れば守れないということは、もう次がないということだ。
どうせ明日にも後悔するだろうあいつも、ネガティブな癖に変な所豪胆な奴だから、どうせすぐ開き直るのだろう。私ばかり悩んだままでいるのは面白くない。

「…難儀な道を選んでしまったなぁ」

私も、あいつも。
こんなふうに悩むなんて、キャラじゃないんだがな。本当ならば、むしろあいつはいい所に就職さっさと決めて、私はその日暮らしで大変だなぁと他人事の様に嘯きつつも眺めたり。
順当に生きていたのなら、割りとそんな感じの人生だったんじゃないかと思うのだけど。気が付いたら私もあいつも仲良くマフィアとか、なかなかに不愉快な流れになってしまっている。本当にままならない。
ああ、明日が来なければ良いのに。なんて、そんな、現実逃避だとして、思わずにいられなかった。

7ヶ月前 No.4

バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

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6ヶ月前 No.5

バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

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5ヶ月前 No.6

バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

#いつかの新年

一月三日
「あけましておめでとう、おはよう」
「おはよう。明けられておめでとう。よく寝れたようで何よりだよ」
「…お前は寝てない様に見えるが、寝てないのか?寝てないんだな?」
「え?寝たよ?書類整理が終わってから割とすぐに…三…四時間くらい?」
「大体仮眠レベルじゃないか。四十八時間働けたんだからもっと寝ていいんだぞ。それこそ丸一日寝てしまっても構わん。私が許す」
「状況が許さないんだよねぇ。まあ、このレベルの睡眠時間よくあることだし。年末年始がハードになるのはどの企業でも一緒でしょ?」
「そんなどブラック企業扱いなのかうちは。流石に不眠不休を部下に強いるつもりはないぞ」
「だから、ほら、寝たし休んだよ」
「人間の睡眠時間の理想は八時間程度だった気がする。その換算で行くとお前は理想の半分以下だぞ。これを休むと言えるか」
「…いや、まあショートスリーパーって言う存在もあるから、ねぇ。あくまでも八時間は平均の話だし」
「ここ三日の累計睡眠時間をそれだとすると一日あたり一時間〜一時間二十分だぞ。平均を大いに逸脱し過ぎてるぞ。お前のいうショートスリーパーは人外か」
「…まあ、まあ。」
「とりあえず寝ろよ」
「これが終わったらね」
「いつからお前そんなワーカーホリックになったんだ」
「多分ここに正式に就いてからだね」
「まじか。尚のこと改善せねばならんな。寝ろ」
「これが終わったらね」


ーーーーー
書類に埋もれて新年直ぐに明けられなかった人達。
このあと(も)めちゃくちゃ書類した。

5ヶ月前 No.7

バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

「さて。本気で入ると決意を固めてくれたことは解ったが、…どうした?顔が死んでるぞ」
「いや…子供って怖いなってだけだよ…うん、気にしないで」

目を離した一時間、二時間程度の隙にハイライトの消えた友人に、首を傾げてしまう。なんだろう。グラハムがなにかやらかしたのかもしれない。
あいつはすぐに調子に乗るからなぁ、なんて思いつつ、さてどうしたものかと思案してしまう。いや、まあ、どうせこうなったら本気で来るだろうなと思ってはいたけれど。
しかし、それにしても。…配属とかどうしたもんだろう。
正直組織内でも部署とか、ぼんやりとした区別しか未だない中で、私の友人と言うだけのこいつを今の修羅場っている書類担当組に適当に投げるのも、結構な問題かもしれない。書類組の方からも彼からも文句を言われそうだ。…いや、別にさっきめちゃくちゃ追求されたことでビビったわけではない。断じて。
かと言ってそこ以外に連れて行っても戦力外。論外だ。が、実情を概ね把握してる上にオールマイティになんでもこなすタイプだから、書類的には本気で即戦力ではある。のだが、それがかなりガチというか。下手に紹介すると取り合いで戦争が起こりかねない。大学を卒業してることなんてバレてみろ、血を見ることになるかもしれない。
つまり何が言いたいか。扱いがとても難しい。こう、まろやかに、差し障りなく、上手いこと仕事に入れる位置が思いつかない。

「…あのさ、」
「ん、ん?なんだ?」

内情がバレたか、と少しビビりつつ聞き返す。しかしどうやらそういう訳ではないらしく、むしろあっちの方がなにかにビビっている様子ですらある。なんだろう、と思えば少し狼狽しつつ、彼は言う。

「そのさ…まさかと思うんだけど…組織全員が戦闘員ってことはないよね…?」
「なんだその世紀末」

恐ろしい。本心から漏れた感想にあからさまに安堵しながらそうだよね、普通そうだよね、と何度も頷いている様子からすると、なにやら誤解があったらしい。酷い偏見だ。
確かに戦闘力というか、それ専門というか、それしか出来ないというか、そんな人員は多い。多いが、流石に全員はない。こいつじゃないが、どうやって運営するんだ、そんな組織。

「じゃあ次に、その、私も戦闘員に回される可能性ってある?1ミリでも存在しちゃう?」
「もしかしてお前はマゾなのか?無理だろ」
「前半部余計だけどよく解ってくれていて安心したよ」

流石に配属先を直前まで決めかねている私でもそれはしない。宝の持ち腐れってレベルじゃないぞ、そんなの。
そんなのはあれだ。金がないとか言いながら当選している宝くじでケツを拭くレベルの暴挙だ。そしてそのまま肥溜めに捨てるレベルの愚行だ。言わせてもらうが流石にそこまで馬鹿じゃない。

「既に知っているだろうがな。うちには本気で頭脳労働要員が少ない。学校に通っていたと言うだけで頭が良いと錯覚するぐらいだ。解るか?この絶望が」
「その絶望に触れたから入る決意を固めた訳だけどね…。と言うかいるんだね、学校通ってた子」
「二人だけな」
「うわあ。」

絶望じゃない…と軽く目が死ぬこの友人は、そこまでの惨状を今まで見たことがなかったのだろう。羨ましいことだ。
うちは、言ってしまえば、スラムの居場所のない奴らの寄せ集めの進化形態だからな。学校なんて、私達の認識からすれば世界が違う。
それでも頭のいい奴や小器用な奴は簡単な読み書きは出来たが、それだけだった。何人かが小難しい書類を片付けられる様になるまで、本当に大変だった。それはもう大変だった。一般人の友人に書類を手伝わせるくらいに大変だった。今では少し後悔しているが、そうでもしないとどうしようもなかったと今でも思っている。

「まあ自衛のための訓練くらいはしてもらうつもりだがな。だが、戦闘員は無い。絶対に無い」
「うん…ありがたい…けどお手柔らかにお願いします」

流石に四六時中見てられる訳でもないし、と考えて、ふと降りてきた天啓に目の前が開けた。

「まあ、あれだ。これから数日は体力作りをしてもらう。」
「え、初っ端から?あー…まぁ、了解。」

そうだ、先に書類組の中で決着を付けてもらおう。その間にこいつを軽く揉んで、ちょーっと逃げ回れるくらいにしておいて、それから決着のついた配属先(勝利者)の元にぶん投げればいいだろう。うん、名案。
仕事しながらだから三、四日はいるだろうし、そこで体力作りコースを覚えさせれば、あとは自分からやってくれることだろう。その間私も新人育成と言う大義名分の元サボ、もとい休みが取れる。一石二鳥、三鳥くらいありそうだ。

「じゃあ早速行くか」
「んんっ、今から行くんだね、唐突に凄いスピード感…」

青い顔ながら愚痴りつつ素直についてくる彼に、少し機嫌が良くなってにこりと笑ってみせた。ら、ドン引きされた。解せぬ。

4ヶ月前 No.8

バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

まず最初に向かったのは山だった。
山だった。大事なところだからもう一度言おう。山だった。
しかもランニングで向かわされた。何キロ走ったか解らないけれど、初心者に優しくない仕様だ。まあ、その分何度も休憩させてもらったけど。
次に山の山頂付近に着いて、そこにあったでかい施設で拳銃を持たされた。重いなぁ、と思っているのがバレたのか、そもそもが想定済みなのか、それはただの重石で撃つ必要は無いことを告げられた。ごっつい重石だ。
そしてまた本部の方まで休憩しつつ走って、今度はまた山に向けてランニングをしている。今ここだ。

「…、…、…ね、これ…、…必須?」
「休憩挟みまくってバテてる様子を見ると必須だなぁ」

世知辛い。こんなことならちゃんと、少しでも業界研究をして覚悟しておくべきだった。まさかこんなことになるとは夢にも思わなかったから、マフィア業界なんて全くノータッチだったのが痛かった。
もうね、膝がガクガク震えてて足が棒のようだ。山登りするなら言って欲しかった。初日で服装指定もなかったもんで、浮きすぎない程度に畏まっておこうかな、とカジュアルスーツに就活用の靴で来ちゃったから尚辛い。
でもそうでもなければこの頻度で休憩出来たかどうかは、定かではない。薄らなんとなく気遣っている空気も見えるから、多分加減はしてくれているんだろうけど。

「へろへろだな。」
「…、…走って、るよ…いちおう…」

歩きと速度は大差ないけれど、一応ランニングという体はギリギリで保っている。確実に明日は筋肉痛来るんだろうな、足ぱんっぱんになるんだろうな、なんて思いながら、足と腕だけは頑張って持ち上げている。

「じゃあひとまずあのベンチのとこまで頑張れ。」

視界には見えないけれど、一度往復した場所だからそのベンチがどのベンチかは解って、とりあえず黙ってそこを目指す。まだ結構距離あるし、喋りながら走るのは辛い。
どうにかベンチまで辿り着いて膝をついた。自分の運動不足がいかに深刻かが解った。帰りたい。

「20分休憩を入れるか。ほら、水」
「…ぁり、がと…」

20分と言われると長いような短いような、なんとも言えない休憩時間だなと思う。その後またひぃこら言いながら走らなければいけないことも考えると、私からすればあまり長くはないかもしれない。
喉を通る水を嚥下しながら、その冷たさと心地良さに目を細めてしまう。飴と鞭ってこういうことを言うのかもしれない。とても安っぽいけれど。

「今日の所はまた、行って戻ってで終わりにするか。」
「、え、待って、まだ走るの?…って言うか、え、明日以降はもっと酷いの…?」

やっていける自信がなくなりつつある。元々大して無かったのに。

「いや、明日は違う方向で攻めるつもりだ。だって明日絶対筋肉痛だろ、お前」
「そりゃ、まあ当然、そうなるよね」

随分ぶりの運動がこんなにハードならまあ、筋肉痛は確定だろう。そう思いながらも、結局どんな方向で来るのだろう、と遠い目になるのを自覚した。だって彼女が主動で動くとか、嫌な予感しかしない。
その思いが思ったよりも露骨に顔に出たのかもしれない。失礼なことを考えているな?と些か不機嫌そうに彼女は眉を顰めた。

「別にただいじめるつもりじゃない。いざと言う時限界を超えて逃げるだけの根性と体力を持ってほしいだけだ」
「それが初日じゃなければ、もしくは告知してくれてれば心に染みたかもしれない。」

前日、せめて走る前に言ってくれたなら良かった。意味もわからず言われたまま走るよりは、やや精神的にマシだったかもしれない。

「でも自慢じゃないけど、私最低でも明日はろくに動けないよ。どうする?」
「限界を超えろ」
「わぁー…」

コネ入社は大変なんだなぁ…。知りたくもない事実に打ちのめされながら、その十数分後にまたひぃこら走り出す。
翌朝。やはりと言うか、当然の如く酷い筋肉痛に襲われた。辛い。

4ヶ月前 No.9

バケツ @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

#バレンタイン()
2月19日


「ねえ。君さ。毎年のことだけど貰ったチョコ他人に食べさせるのどうかと思うよ。」
「大分今更だな。今年も五日間もそもそ合間合間に食べてたくせに」
「うん、五日間食べさせられてたから言うんだけどね?なんでこんなに量貰うの?年々増えてるよね。断りなよ。食べ切れる量じゃないでしょ」
「手作りは断っている。市販は微妙に断りづらいし断りにくい所から義理が来るんだ」
「いや、むしろ手作りの方が断りにくくない?…まあそれはそれとして、なんで毎年私の所に持ってくるわけ?」
「気兼ねしない仲で一番チョコに辟易していなさそうだなと」
「喧嘩売ってる?買うよ?」
「売ってない売ってない、唐突に攻撃的にならないでくれ」
「…まあ私が今年もひとつもチョコを貰わなかったのは事実だけどね。かと言ってチョコに飢えてると思われるのは大分心外だよ」
「飢えてるとまでは思っていないが。…え、貰ってないのか?ラミエルとか用意してそうなのに」
「ないよ?欠片も。義理も。」
「そうか。じゃあまだ食えるな」
「自分に都合の良い変換するのやめてよ。だからさ…」
「まあまあ」
「まあまあじゃなくて」
「イライラしてる時は甘いものを食べればいいと思う」
「口元に運ばないでよ。ちょっと。聞いて。」
「まあまあまあ」
「ほんと…あの…私ひとつも貰ってないのにこの時期だけ太るんだよ…勘弁してよ」
「まあまあまあまあ」
「だから聞けってねぇ、ちょっ」


ーーーーー
その後ややお腹ぽっちゃりした気がして珍しく自主的に山登りする。
因みにラミエルちゃんがチョコをあげなかったのはバレンタイン後、彼がチョコ三昧の日々を過ごすことになると知っていたからという。

3ヶ月前 No.10

しおり @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

朝。ちゅんちゅん、と雀の囀りが聞こえ、カーテンの隙間から陽の光が射し込む、これ以上ない程朝らしい朝だ。
ちらりと視線だけベッド脇のテーブルの上にある時計を見る。六時半。そろそろ動き出した方がいい時間だろう。

(…どうしよう。足が。痛い。とても。痛い。)

やっぱり申し訳程度のストレッチとお風呂じゃ無理だったらしい。それはそうだ。だってあれ、アレ。アレだもん。新人の心を真正面から砕くスタイルだもの。何アレ。思い出したらふつふつと不条理さに怒りが沸いてきた。
限界は越えるものでも超えられるものでもない。文字見てみて。『世界の限り』だから。その先何も無いから。その先に飛び出してハッスルしていいのは物語の登場人物だけだから。
普通の人間がそこを越えようとしたらどうなるか。その結果が今の私だろうと思う。うん、無理。
むしろあれだよね。走りきったことが驚異だよね。よく出来たよ私。びっくりした。
現実逃避をしながら指先をぴくぴくさせる。休みたいなぁ、休みたいなぁ。ダメかな?常識的に考えて二日目から来ない新入社員とか論外だろうけど、あそこ常識外なんだもの。あー休みたいなぁ。
うだうだと考えながら起き上がろうとした時、ノックの音が部屋に響いて、そのまま返事を待つことなくドアが開いた。

「おはよう」
「なんで君ここにいるの?」

…えっ、なんで彼女がここにいるんだろう。
無意識に声に出した思考が数秒遅れで舞い戻ってきた。今何時だと思ってるんだ、とか、ここ私の実家…って言うか、まあそんな感じなんだけど、とか、そもそも場所教えたことあったっけ?とか。

「昨日余りにもしんどそうだったからな。来れるかどうか聞きに来た。初見で迷わなかったことを褒めてもいいぞ」
「あーそっか。履歴書渡したね。お願いだから連絡頂戴。」

いや、私から連絡…ああいや、連絡先聞いてなかった。うん、やっぱり連絡して欲しかった。朝からこんなドッキリ要らない。
しかし返事がない。何故かきょとん、とした顔をしている。何か私おかしな事を言っただろうか。

「…」
「…」
「…流石に一般連絡に使える回線はないんだが」
「いや、え?回線?携帯とか、そう言うの…え?ないの?」
「…」
「…」

え?
まさかそこで常識の相違があると思わずに困惑してしまう。えっ、だってそんな、業務連絡とかどうするって言うんだ。
その困惑を見て取ったのか、彼女は一つ頷いて言った。

「うちの連絡手段は、組織間回線と秘匿回線、あとは足しかない。」

金がないから。言い切られた言葉が、心に重くのしかかる。
…え、だって、私…え、お給料出るよね?

3ヶ月前 No.11

しおり @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

結局動けない私と、私の不信感を感じ取ったのか焦った彼女とで、今日は後回しにしていた待遇確認をする段取りになった。それで聞いてみたら給料に関しては問題なさそうだ。
と言うか雇用形態の確認とかまず真っ先にすべきだよね。思い返してみると自分が実に血迷っていたことが解る。命の危機やらなんやらで思考回路がトチ狂ってたのかもしれない。

「…って言うか基本給これだけ出れば別に携帯くらい買えるんじゃない?」
「あー。それには色々と苦労があってだな。」

初任給の額とか確認すると、今まで見てきた企業と比べても遜色ない。むしろいい方だ。やはり危ない職業なだけあるんだろうか、と思い聞くと苦い顔をされた。なんだろう。問題でもあるんだろうか。

「ここは近々お前にも関わるかもしれんし言うが、うちの給料形態はほぼほぼ上…親組織依存なんだ」

なんで仮定なんだろう。え?もしかして周知されてないの?お給料の話でしょ?突っ込みを飲み込みながらそ、そうなんだ、とだけ返す。この組織よく成り立ってるな、なんて口が裂けても言えない。

「まあそれで一人頭役割に応じての基本給+ボーナス、と言った形なんだがな。それに更に個々人のアルバイトのようなものが入るんだがな。」
「アルバイト?副業可なの?」

なんでマフィアがアルバイト…と思って聞いてみる。もしかして思った以上に暇なんだろうかこの組織。
しかしそれについてはそうじゃない、と首を振られ、なんと言うべきかな…としばらく唸ってから彼女はぽん、と手を打った。

「あの…あれだ、あれ。前にお前の兄が寄越してくれたゲーム。の、クエストみたいなものだ」
「なにそれ初耳。なんで君兄さんからゲーム貰ってるの?え、どっち?心当たりが全くないんだけど」
「上の方だ。酒を奢ってもらえる上に勝負に勝てばなんでもくれると言われてな。ちょうどうちのガキどもが欲しがってたんだ」

なにをやっているんだろううちの兄は。とてもじゃないが理解できない。酒?勝負?何をしているんだろうあの人。
ややブラコン気質のあるうちの長兄を思い出しながらも困惑する。日本に住んでいるから、年に一度か二度帰省する時にしか会わないけれど、そういうことをするタイプだったろうか。
しかも彼女がお酒が飲める歳ってことはそう昔でもないだろう。最近来てたっけ。ダメだ思い出せない。少なくとも前にこっちであったのは五年近く前のはず。わざわざ会いに来てたんだろうか。そんなに仲が良いのか。なんでだ。

「話が逸れたな。まあそんな感じで、うちで幾つかバイトの斡旋をしているんだ。」
「どんな感じかよく解らないけど解った。組織ぐるみな訳だね」

頷きながら、今度会った時に何をしているのか問い詰めよう、と心に決める。別にうちの兄が誰と仲良くしていようが知った事ではないが、彼女となると話は別だ。彼女が絡むと放っといたら何が起こるか解らなくてとても怖い。

「えっと…それで結局なにが大変なの?」
「うん。まあなんて言うかな。幾つかでかめの出費があるんだ。家がない奴が多いから、衣食住最低限賄う施設作ったりとか、昨日行った訓練施設とか、その維持費とかな」

話を最初の方に戻すと、苦い顔をしながら、まあこれは安くはないがそこまでかつかつになるほどでもない、と彼女は言う。

「問題がな。知っての通りうちは高戦力が売りの奴が多いということなんだ」
「ん、知らなかった。そうなの?」
「そうなんだ」

真剣な顔で頷かれるけれど、昨日改めて見た限りでは年下の子ばっかりで、私より年上の人はそう何人もいなかったと思うのだけど。年齢が問題じゃないってことなんだろうか?実際彼女らの戦闘を見たのはこの前が初めてだったし、その時は怖くて見学しようなんて気も起きなかったから解らないだけなのかな。
でも子供が多いのにマフィアなんて世界で高戦力を売りに出来るとか、なんか危ない臭いが漂ってきてとても穏やかじゃないな。恐ろしい。守ってもらう立場からすると有難いけど、そうでもなければちょっと距離を開けたくなってしまう。

「まあぼかしても仕方ないから言うが、設備がごく頻繁に壊れるんだな。戦闘の余波で。」
「なにそれ怖い。」

設備が壊れるってどういうことなんだろう。拳銃とかそういう武器が壊れる、なら解るんだけど。え、もしかしなくとも近くで戦闘が起こるってこと?しかも極頻繁に?怖い。
と思っていたら全くだ、とため息混じりに彼女は続けた。

「奴ら、言っても言ってもすぐ喧嘩するからな。給料天引きしてオカズ抜きにして、その上書けないだろう反省文無理やり書かせてもあちこち壊していくから…」
「なにそれ怖い。」

喧嘩で壊れる設備って、耐久性がどうしようもなく低い場合でも設備を壊すレベルの喧嘩って意味でも恐ろしい。

「とにかく、頻繁にある事で、且つうちの不始末だから上から金を取れなくてな。仕方なくどうにか運営費なんかを切り詰めて修理費に当ててるんだ。だから月々にかかる費用を増やすのは不安が残ってな」
「へ、へぇ…。途中からてっきり、単純に契約とか面倒がってるんじゃないかと思ってたよ。ごめん」

彼女の事だから細かい利用規約とか説明書とかを読むのが嫌で…、なんてことも有りうるかな、とお給金見た辺りで結構本気で思っていたのだけど。意外と切実な理由でちょっと申し訳ない気分になってきた。
が、彼女は文句を言うでもなく微妙な愛想笑いを浮かべながら黙っている。…これはもしや。

「…」
「…ソンナコトハナイサ」

そんな事もあったらしい。

2ヶ月前 No.12

しおり @azalia0607 ★iPhone=PhNv1neWcD

思ったよりも居心地のよかった友人宅から出て、大きく背伸びをする。よく晴れた天気の下、こうして散歩…もとい、外回りに出るのもいいものだ。
最初こそその友人の不信感の籠った眼差しが心に刺さったが、なんとなくで雇用形態その他の解説を忘れていたのだから、それはまあ仕方なかったということにしよう。

「しかし…携帯、なぁ…」

あった方がいいと横たわりながら力説されてしまったが、はてさてどうしたものか。そんなにいいものだろうか。だってアレGPS?とかそう言うの怖いじゃないか。
それはまあ、離れた場所から連絡を取れるのは魅力的だが、今の所無線で事足りてるしなぁ。作戦レベルに切羽詰まった内容でもなければ、足で充分な気もするんだが。駄目だろうか。

(情報伝達の時間短縮という面で見ると導入も考えるべきなんだろうが…持たせても壊しそうな奴らが多いんだよな…そこで赤出しても嫌だし。)

先月の設備修理費用の欄を思い出しながら、更にウン万ウン十万とマイナス額が積み上がる想像が浮かぶ。…勘弁して欲しい。本気で有り得そうだから勘弁して欲しい。
壊しそう筆頭のグラハム…ウリエル率いる3人組辺りは、なんだか壊してもしれっと報告してきそうで嫌だ。なんかこわれちゃったーみたいな軽いノリで来そうだ。
それだけで済めばいいが、硬いからとか言って胸ポケットに入れて「ケータイがなければそくしだった…」ごっこを始める奴もいそうだ。壊そうとしてなくとも、転んで見事にピンポイントでそれだけ壊す、なんて曲芸披露しそうな奴もいる。他にも会話の最中握り潰しそうな奴もいるし…。

(…またの機会でいいか。)

奴も、そう言えばあいつも、と壊しそうな相手の想像がうちのメンバー半数を超えた所で思考を切り止める。まだ奴らに高い機械を持たせるのは早い。スタンガンとか拳銃とかでもう充分だろう。
まあ、とは言え、全体導入はしないまでも、一部上層部(精神的に大人組)には持たせてもいいかもしれない。その辺は…うーん…誰か、ラミエルら辺にでも検討を頼んでおくか。
うん。そんな感じでいいだろう。出来れば私は持ちたくないが。

1ヶ月前 No.13
ページ: 1

 
 
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