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RED CRAY4 -

 ( 書き捨て!小説 )
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あかぎ氏 @akagi11 ★Smart=FzpKxfg8Ym


まだ内部機構の構想段階の頃、お腹を開かれた状態で、真白なベッドに寝かされてた事を覚えている。


「さあ、此奴は難題だなあ、このゴチャゴチャ複雑怪奇な臓物の数々を、こんな小さな容れ物に収めろだなんて馬鹿げた事を上は言う。けれどもね、要求が馬鹿馬鹿しく、道理と物理からかけ離れてる程、わたくしどもの煩悩的欲求も満たされると言う事実あり。まあ要するに性癖ですよ性癖。好きでやるんです。ああ、果たしてどんな風に詰め込んでやろうかなあ」


などとまくし立てながら、ただ目の前の楽しいプラモデルをどうやって組み立てようか、そればかりにウズウズしている、実験好きの大きな子供たち。彼等の蒼白な無表情を薄目で眺めながら、無邪気が狂気を産むのだなと、朦朧と霞む脳味噌で、僕も子供ながらに納得したのである。


街、空、見える物全てが真紅に塗りたくられたのはその僅か一ヶ月後であり、その後世界が灰色に沈黙するまでに更に一ヶ月要した。羨望と期待を背負って送り出された僕は、速やかに、言われた通りに引鉄に指を掛け、言われた通りに引き、言われた通りに破壊活動を繰り返し、言われた通りに燃やして、言われた通りに一つの街が破滅するまでの始まりと終わりを見届けた。あんまり長い期間働いたので、破壊活動が収束に近付く頃には、身体の彼方此方で熱暴走や劣化や腐敗が進んでいて、それ以上人の役に立つ事は難しくなって居た。街の崩壊に連れて僕も壊れて行く事を知って居たのか、誰も僕を迎えには来なかった。僕は要らない子になってしまった。一面灰と瓦礫と悲しみに覆われた大地に独りぼっちになってしまった。


あれから君と偶然出逢うまで一体何日掛かったのか、記憶装置が半壊して居て数える事が出来て居ないが、あの時僕はなんと無しに、瓦礫の間に草の芽を見た気がする。灰色に死に絶えた破壊の跡にも、春が来て居たんだね。



「僕が壊れ尽きるまでは、僕は君と言う個体と友達で居続けるだろう。君の友達で居続けられる定義が、君の言う様に、君の側に居続ける事なら、もし君が死んで中身の無い死体になってしまって、それが腕や頭だけの元の君とはかけ離れた物に変わって居ても、僕にとっては間違い無く君と言う個体の存在は不変的なものであるから、僕が壊れ尽きない限りは、君の死体の側に居続けるよ」



[RED CRAY4]
クリック感謝です。鬱厨です。過去ログに格納されてた我が黒歴史の世界観を流用しました。厨二は変わって無いです。同性愛や類似表現やエログロナンセンス、ぶっ壊れ人物設定注意。閲覧は自己責任で。みてくだされば総じて歓喜でちゅが。

メモ2017/04/20 01:31 : あかぎし @akagi11★Smart-FzpKxfg8Ym

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あかぎ氏 @akagi11 ★Smart=FzpKxfg8Ym






「とてつもなく綺麗で、病的に恐ろしいモノ」



「対象」について脳裏に深々と刻み込まれたイメージ。鮮烈なる記憶を深紅に彩る、身震いする程完璧なうつくしさと恐ろしさ。「対象」が無情の破壊者である事は明確であるが、逆説的なコジツケをするならば「対象」は破壊者であると同時に創造主だ。「崩壊」と言う、特定的であり実に洗練された事象を「破壊」と言う方法を用いて起こし、速やかに、丁寧に、それで居て確実に「壊滅」に導いたのだから。

爆炎と共に押し寄せた熱を帯びた煙に巻かれて右眼を潰し、ガラス片を踏みながらも死に物狂いで「施設」から抜け出し、方角も現在地も分からないまま、半狂乱で逃げ惑って居る最中、ぬるりと滑る液体に足を取られて転び、鉄の匂いの池に体を投げ出した。――バキバキと生々しく響く音を頭上に聞き、仰いだ。「対象」が立って、じっと無機質に俺を見下ろして居た。その細い両の手に、嘗て人間だった筈の肉片と骨組織が、原型を留めないただの「物体」となって握られて居た。自らの喉が引き攣り、瞳孔がかっと開くのが分かった。ああ、なんて綺麗な純白の悪魔。視てはならなかった存在。計り知れない恐怖と同時に体中を襲った底知れない憧憬に似た感情。清いモノ程狂気的に恐ろしく、それで居て妖美なのだと知る。

轟轟と巻き上がる炎を背景にして、淡い陽炎の様に揺らめいて居た銀白色のシルエット――。肉片の浮かぶ血の池に足を汚しながら、取り囲む炎が反射して緋色に染め上げられた瞳。「対象」を見た時、僕は無意識に、未だ見ぬ「天使」とか「悪魔」だとか言うフィクションを、「対象」の姿に重ね合わせて居た。目を反らす事はおろか、指先一つ動かす事が不可能だった。「対象」の存在は、俺にとって余りにも非日常的でアブノーマルな現実となって、弾丸の如く脳味噌を貫通した。釘づけだった。血みどろなのに血の気の無い無表情で、ぼうっと此方を見詰める真赤な眼が、俺の心臓を捕えて弄び、離さないよと澄んだ声で囁いて居た。

猛火の中、目前まで近付いた「死」から逃避したい余りに、「恐怖」が脳内で良いように解釈され、姿を持たされ、幻覚となって現れたモノが「対象」だったのなら――、余りに真実味を帯びた「見間違い」だ。一方で「それはきっと幻覚を見たんだね。可哀想に。恐かったろう」や「ああ、それは恐らく敵方が導入した新型兵器、ヒューマノイドだろう」等と意見申し立ててくれる人間が周りに生存して居るわけでも無く。戦火に爛れた顔の傷だけが、「対象」と言う、天使の姿をした破壊者が、確かに存在した可能性を俺に示唆する。何故「対象」は俺を殺しはしなかったのか。「対象」と遭遇してからの記憶はどうも曖昧だ。気が付けば俺は、其処かしこに落ちて腐乱して居る肉片を集めて、瓦礫の間に挟まった焼死体達を引っ張り出して、葬っている作業に熱心に取り組んで居た。


灰の間から、僅かだが植物が芽吹いて居る。あれから一体幾日過ぎたろう。俺は生きて居る。きみに生かされた体で。


6ヶ月前 No.1

削除済み @akagi11 ★Smart=FzpKxfg8Ym

【記事主より削除】 ( 2017/04/20 00:47 )

6ヶ月前 No.2
ページ: 1

 
 
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