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泉のようで海である

 ( 書き捨て!小説 )
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雪灰 @wintersnow☆cqmsYOo.BLQ ★QAxiiR3yZS_UHY

瞬きの間、現実逃避しようかな。

 ***

小説というものに憧れてしばらく経つ。
がっつり書くのは荷が重いと思い知り、少し書き捨ててみるのもいいかも知れないと考えることにした。
深夜テンションの3日坊主にならないことを祈る。

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雪灰 @wintersnow☆cqmsYOo.BLQ ★QAxiiR3yZS_UHY

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15日前 No.1

雪灰 @wintersnow☆cqmsYOo.BLQ ★QAxiiR3yZS_UHY

 メロディを仕切りなおすように、トンと一音。
 その瞬間が、とても好きだ。
 仕切りなおされた音の奔流が走り出す。向こうに届いたら、きゅっと踏みしめて返ってくる。
 それは音楽共通の感覚かも知れない。

「今日のライブ、めっちゃ良かったね!」
「確かになあ。俺間違えたけど、お客さんに笑われておしまいだったわ。それまでがマズかったら真顔でスルーされんのによ」

 バンドのメンバーが機嫌よく喋っているのを聞きながら、私は心地よくぐったりとしていた。
 今日のライブは楽しかった。ミクロン単位のバンドなれど、うまくいく時はうまくいく。ライブは心地よい疲れに浸るまでがライブだ。ギターやベースのような細かい動作による疲れはないけれど、ドラムというのは単純に疲れるのだ。だから、疲れるまでが一連の流れ。

「なあ、今回のヴォーカル、良かったよな」

 うちのバンドにはヴォーカルが居ない。いつもヘルプを募るのだが、確かに、今回のヴォーカルは今まででもぶっちぎりだった。私も出来ることならこのバンドに居着いてほしいと思う。しかし、

「でもさ、あの人、自分は流れ者だーって豪語してるじゃん」
「んんん……」

 ちろりと見遣ってそう言うと、2人は唸って黙ってしまった。
 アマチュアバンドの世界では、実力のある流れ者が少なくない。真面目に働きつつ、趣味でバンドの世界に入り浸り、バンドの勧誘を蹴り続けているうちにそうなってしまう。そんなパターンが多いらしい。今日のヴォーカルも、今回限りという約束だった。……だったのだが、

「あまりにも……惜しい」

 そう、本当にそうなんだ。

15日前 No.2

雪灰 @wintersnow☆cqmsYOo.BLQ ★QAxiiR3yZS_UHY

 ――東京駅。新幹線から降りると、冷たい風にさらされた。
 冬の関東の風は冷たい上に乾燥しているが、それに気付くのは明日になってからだろう。乾燥にやられて水っ洟が止まらなくなるには、大体いつも一日を要している気がする。今日はマスクでもして寝ようか。
 地方で一人暮らしを始めてから、東京に帰るのはこれが初めてだ。身体があちらに慣れてしまったのか、こちらの空気は少し煤けた感じがする。雪がない分、余計にそう感じるのかも知れない。

(千代田線は、っと)

 地上の駅から地下に潜り、ちょいと電車を乗り継いだ先にある、私の家。
 最寄駅から家までは、歩くには少し遠い距離がある。けれどそれも、懐かしさにかかればどうということはないらしい。思ったより変わりのない家々を眺めながら歩いてしまえば、実家のあるマンションはもうすぐそこだった。
 ごつい鍵を差し込んで回す。身体が小さかった頃の感覚に戻ってしまったのか、うっかり身体全体でドアを開けてしまった。

「……ただいまー! ドーナッツ買ってきたよー」

 初めての里帰りだっていうのに、その間抜けな挨拶はどうにかならんのかい。
 ツッコむ母は、それでも笑っていた。

14日前 No.3
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