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私と秘密と想いの欠片。

 ( 書き捨て!小説 )
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夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐たくさんの秘密、想いの欠片が花になる‐

私の世界は少し変わっていて。
想いが、花言葉として、花になって現れてしまう。

手からあふれたり、口からあふれたり、溢れ方は様々で。
溢れるのを制御できる人もいて、制御できない人もいる。

そんな世界に生まれた、1人の少女。
何処にでもいる、普通の少女。
ただ、他の人よりも秘密がたくさんあるだけの少女。

そんな少女は何かを探す。

「君と私の××....何処にあるの」と、探す。

「掴んだのに、××が見つからないの」と、声を漏らす。

少女はただ、平凡に、平穏に生きたいだけ、唯それだけ。

‐説明‐

*この小説を見て下さり、ありがとうございます。
 何かあれば、サブ記事にてお願いします。
*この小説は、恋愛系です。
*更新速度はまちまちです。

‐‐‐‐

宜しくお願いします。

メモ2017/01/05 16:11 : 夕凪 @bird★oykEYoC5Rl_Niz

‐重要登場人物‐


*泡沫 陽花 (うたかた はるか)

15歳の女の子。7月6日生まれの双子の妹。

たくさんの秘密と想い。そして想い人。


*泡沫 昴 (うたかた すばる)

10歳で消えてしまった男の子。

(8月21日に亡くなる:心臓病)

7月6日生まれの双子のお兄ちゃん。


*空野 晴明 (そらの せいめい)

18歳の青年。陽花と同じクラブに通っている。

皆のお兄ちゃん的存在。

陽花の事情を知っている1人。


*日暮 龍也 (ひぐれ りゅうや)

陽花のトモダチだった少年。

10歳にて消えてしまった。

(3月11日に亡くなる:事故)

陽花が好きだった人。


*先島 竜 (さきしま たつ)

15歳の男の子。身長が高い。

陽花と今現在同じクラス。

陽花が好きになってしまった人。


*佐野 灯雨夜(さの ひうや)

陽花の幼馴染、15歳の男の子。

陽花の事情を知っているうちの1人。

…続きを読む(6行)

ページ: 1


 
 

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐epilogue‐

変わらない日々。変わってほしくない日々。

学校は楽しくて、でも授業は嫌いで。
勉強も勿論嫌いで。

好きな人ができて、同じクラスの先島竜くん。私は「先島」と呼んでいる。
自分を、ありのまま出せて。思ってること、喋れて。
こういうのを「気が合う」っていうんだなぁ、と思った。

そして、告白されたんだ。好きな、先島に。
私は、少し考えらせて、とお返事を最初にしたんだ。
何故か?それは、私が先島を幸せにしてあげれるか、わからなかったから。
でも、苦しんでまでの好き。それが叶う。
私は、「好き」と、伝えたんだよ。無事、恋人同士になって。

私は、本当に先島が大好きなんだよ。
だからね、少しの別れも、すごく怖くなってしまうんだ。

「消えないで」私は涙を堪えて心の中で思ったの。
笑った私の映った写真と一緒に飾っている彼岸花と勿忘草を見ながら。

8ヶ月前 No.1

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐夢.00‐

「陽花ー!昴ー!」お母さんが私たちを呼ぶ声がする。
私の双子のお兄ちゃん、昴が上のベットから降りて、下のベットに居る
私を起こしに来る。
「陽花、起きろ」と、私と似ていて似ていない、安心する声がする。
私は、「んー」といつも通り唸りながら起きる。朝にはすごく弱いんだ。

そんな私の手を握って、一緒に階段を下りる。
その先には、おいしそうな朝ごはんとお母さんがいる。お父さんは仕事だ。
いつも通り、いただきますと手を合わせご飯を食べる。

この日は長い長い夏休みもそろそろ終盤時な頃。
ちゃんと宿題を終わらして、残るは遊ぶだけという夢の日課だ。

という空想を私は浮かべていた。こんな日があればいいのに、と。

実際、お兄ちゃんは...昴お兄ちゃんは、白い部屋の中に、ベッドで1人きりだ。
私よりも身長は高いくせに、息は弱弱しくって。
肌の色も、同じ白色なのに、少し違う青白さがあって。
同じ双子なのに、同じ体じゃない。私は健康なのに、お兄ちゃんは病気だ。

いや、訂正しよう。私にも小さな病気はある。でも、お兄ちゃんのはくらべもの
にならないくらい苦しい病気だ。

私は、部屋で1人きりになって、手の平を見つめる。
その手のひらに落ちたのは、透明な涙だ。その涙を反対の手の指先で触ると
「薊」という花に変わる。花言葉は、とても強気な言葉だった気がする。

強がる自分、そして強がるお兄ちゃん。

眩しい光で目が覚めた。ああ、もう朝が来たのか。もう少し寝かせてよ。
私はそう思いながら、中学校に行く支度をする。

8ヶ月前 No.2

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐日常.過去‐

「お兄ちゃん!きったっよ!」私は、明るく努める。だって、何にも悲しいことなんてない。
でも、お兄ちゃんはそんな私のこと、わかっちゃうんだ。
テレパシーなんかじゃない、確かに、「えっ」ってなるくらい、テレパシーとかあるかもしれない。
けど、お兄ちゃんは、人の感情に敏感なんだ。

「何かあったのか?」お兄ちゃんは私に聞く。お兄ちゃんは、とっても大人びていた。
それはきっと、私と違って色々知っているからだ。
外の世界のことは、私が教える。本の世界のことは、お兄ちゃんが教えてくれる。
白い部屋、シンプルすぎる部屋のベッドの上で、座ってお喋りをする。

学校の制服のままの私は、若干幼く見えちゃう。白い服を着たお兄ちゃんは、大人っぽいのに。
「学校ね、楽しいけど、楽しくない」私は正直に言う。
お兄ちゃんは、幼稚園から、小学校まで行っていない。
だからみんな、私にお兄ちゃんがいることを知らない。お兄ちゃんは、病気だから、病院の外に
滅多に出れないの。

だから、私は頑張って学校に行くの。学校がどんなところか、教えてあげるために。
「勉強じゃなさそうだけど」お兄ちゃんは心配そうに私を見る。
うん、お勉強じゃないよ。寧ろお勉強はちゃんとできているよ。

「トモダチと、うまくいかないの」トモダチとの付き合い方が分からない。
だって友達は、すぐに裏切っていくから。
「大丈夫だよ」お兄ちゃんは私の頭を撫でてくれる。細い腕で、優しく。
私は、トモダチが必要って思うわけじゃない。ただ、明るく笑ってすごすしかなくって。
無表情で居たら、気味悪がられる。だから、学校での私を作って演じちゃうんだ。

「お兄ちゃんは、味方だから」お兄ちゃんはそう言ってくれた。
私が泣きたいときは、何時でもお兄ちゃんが傍に居てくれた。
私が泣いたら、お兄ちゃんは私を撫でてくれた。その手の温度が、私は大好きなんだ。

8ヶ月前 No.3

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐日常.いつも通り‐

学校が終わったら、ランドセルを急いで置き、そのまま財布とか最低限のものが
入ったポーチを手で持って家を出る。勿論鍵を閉めて。
だから、私は放課後の友達の付き合いが悪い。だって、友達よりも会える時間が
限られているお兄ちゃんの傍に居たいもん。

偶に、お兄ちゃんの病室に泊まれることはある。ケドそれは偶にで。
お兄ちゃんは、1人で寝るのにももう慣れたって笑ってるけど、そんなの私がいやだ。
だって、どうしてお兄ちゃんだけって思っちゃうんだ。
同じお腹にいて、同じ時を過ごして、同じように生まれるはずだったのに。
私にも、半分くらい分けて生まれてきてもよかったじゃん。

そんなことを考えながらも、私はいつも通りカウンターに挨拶をして、すれ違う
看護師さんに挨拶をする。走らないように、早歩きでお兄ちゃんの病室まで行く。
お兄ちゃんの病室について、私はノックもなしに開けて、「おにーちゃん!」と
お兄ちゃんに抱き着く。お兄ちゃんは仕方のない妹だというようにいつも撫でてくれる。

兄弟とか、普通に学校に通っているのを見ると少し羨ましく思う。
私たちも、そんな風に一緒に学校に通いたいのに。
すると、お兄ちゃんは笑いながら私の頭を撫でてくれる。お兄ちゃんには御見通しらしい。

そんな小さな日常が、普通に倖せだった。いっつも笑って、にこにこしちゃって。
学校で少しくらい浮いていても、なかなか馴染めなくっても、少し意地悪とかされても、
存在が薄くなってしまっても、どうだってよくなってしまうくらい、お兄ちゃんと
一緒に居る時間は楽しかった。

面会の時間ぎりぎりまでいたいからと、宿題をもってきて病院でやることは当たり前。
たまには友達と遊びなさいというお兄ちゃんの叱咤を守りたまには友達と放課後に遊ぶ。
一緒におやつのゼリーを食べたり、ゲームをしたり。
なんて楽しいんだろう。此処に、御友達がいればいいのにな。

私たちにはお友達がいる。遠く離れた、なかなか会えないお友達がいる。
その友達は、長い休みに遊びに来てくれることもあるけど、基本的に私が遊びに行く側。
お兄ちゃんは、幼馴染のような存在だと言っていた。私もそう思う。

お兄ちゃんは、私が帰るときに必ずいうコトがあるんだ。
「陽花にとって大切な人に、何時かちゃんと会えるから」って。
私は、お兄ちゃんがいるだけで、遠くにいるお友達がいるだけで、倖せなんだよ。
私の手のひらから1つの花びらが落ちる。
「桜」の花びら「枝垂桜」の花びら。花言葉は....「ごまかし」。

私は、辛いことがあっても、「誤魔化す」。お兄ちゃんの傍に居たら、それだけで本当に倖せだから。

8ヶ月前 No.4

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐小さい思い出‐

「よかったね!外出許可が取れて!」私はお兄ちゃんの傍でお兄ちゃんよりもはしゃぐ。
「そうだな、俺も陽花と一緒に居れて嬉しいよ」とお兄ちゃんは私の頭を撫でてくれるの。
その様子を見て、お母さんもお父さんもにこにこしてるの。きっと、倖せなんだろうな。

「ていやー!」いつも通り、大声を上げる私。お兄ちゃんと一緒に公園でバレーボールをする。
お兄ちゃんは、よく病室でボールを持っていたり、上に向かってぽんぽん投げたりしてるから、
意外と上手だった。好きなバレーボールをお兄ちゃんとやれるなんて本当にうれしい!

おひるごはんは、お母さんと私で作ったサンドウィッチ。それに、林檎とかイチゴとかの果物。
「いっただっきまーす!」と両手を合わせる私に、「いただきます」と行儀のいいお兄ちゃん。
色んなおしゃべりをしながら食べたご飯はおいしかった。

あっという間に夕方になって、お兄ちゃんは病院に戻る。
「楽しかったね」私はえへへ、と顔がにやけそうになるような感じを覚えた。
「そうだな、すっごい楽しかった」とお兄ちゃんは笑う。

その夜、私は家に帰り、自分の部屋に行く。そして、日記を書く。
楽しかったこと、辛かったこと、全部、書く。私だけの秘密の日記。

だけど、そんな楽しい時間なんて、消えてしまった。

8ヶ月前 No.5

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐現実.過去‐

現実は、とてつもなく冷たくって、世界なんてただただ残酷で。
何で、さっきまで、昨日まであんなに元気だったのに、どうして目を閉じているの?
どうして、無機質の中に眠っているの?心電図に苦しくなって、一定になる電子音が怖くて。

「ねぇ...早く、起きてよ?」私は、必死で言うんだ。
夏休みも終盤のころ。宿題も終わって、たっくさんお兄ちゃんの傍に居れて、楽しかったのに。
お兄ちゃんは、うっすらとしか意識がなくって。細い糸が、もうすぐ切れちゃいそうで。
「馬鹿っ....また明日ねって、約束したじゃん...」私の目から透明なモノが伝う。透明な涙は
シロツメクサに変わる。「シロツメクサ」の花言葉は「約束」。
私たちは、帰るたびに「また明日」って指切りをするの。約束だよって、小指を結んで。

お兄ちゃんは、うっすらとした意識の中、小さく言葉を放つ。
「うん....あ、える...よ。ま..た、」途切れ途切れに言う声は、すごく苦しそうで。
「じゃあ眠らないで!」眠ったら、会えなくなるような気がして怖かった。
たくさんの機会があって、音が鳴って、そんな閉じ込められたような部屋にいるお兄ちゃんの手を
ぎゅっと私は握りしめる。その体温は、温かくって、ちゃんと生きていて。

私の涙とシロツメクサが、病室を覆いつくす。透明な涙が、お兄ちゃんの手に落ちていく。
お兄ちゃんは、手を動かす元気もなくって、ほんの少しだけ、強く握り返してくるだけで。
昨日私の頭を撫でてくれた手は、とても強かったのに。

昨日の夜に、バイバイをして、また明日ねって約束して。
今日は本屋さんに行ってから行くねって、夕方くらいに行くことになってたのに、
私の馬鹿。何で、今日に限って本屋さんになんかいったの。
お母さんが、本屋さんに迎えに来て。「お兄ちゃんが大変なの」って、すごく慌てていて。
そして来たらこんなことになっていて。

私たち、何にもしてないのに。ただ、頑張って一生懸命生きているだけなのに。
心臓が苦しくなっていく。お願い、消えないで、消えないでよ...。

8ヶ月前 No.6

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐現実.過去01-

「消えないで!!消えちゃ駄目なんだから!」私は、泣きじゃくる。
泣きじゃくる事しかできなくって。溢れる、たくさんの涙があふれだす。
お兄ちゃんは、苦しいはずなのに。
「きっ...え、ない...よ」って、大丈夫って私をあやすように言ってくれた。

弱弱しい鼓動、私の鼓動を分けてあげたいくらい、小さくって。
幼くってバカな私にもわかった。お兄ちゃんは、ねむってしまうんだって。
でも、そんなの認められるわけないじゃん。ずっと、一緒がいいのに。

私とお兄ちゃんは、ずっと手を繋いでいて、皆それを見守っていて。
お兄ちゃんは、「わ、ら、って」と、言って本当に小さく頑張って笑っていた。
私は、「笑う!いっぱい笑うから!生きてよぉ!」と小さく叫ぶ。そして、ボロボロと
零れる涙なんて気にせずに笑う。精一杯、笑う。

「またっ、バレー、しよーよ...!」私は、泣きながら、そうやってお兄ちゃんを
困らせるんだ。
お兄ちゃん、お願い、ずっと一緒がいいよ。神様、いるんなら願いを叶えてよ。
どうして、双子を引きはがすの?駄目だよ、私はお兄ちゃんがいないとダメなのに。

世界は残酷だ。

「陽花....ま、たあ、える...お、れ、は...きえ、ない」とお兄ちゃんは最後に言った。
聞こえないくらいの声で、言った。それが最後の言葉になった。
お兄ちゃんは、静かに眠ってしまった。
「いや、ねぇ..起きてよ、ねぇ!お兄ちゃん!いや、いやあああああッ!」私は、馬鹿だから。
ただ、泣いちゃうんだ。泣き叫んで、これでもかってくらい泣きわめいて。
「ばか!ばかぁ!会えるって!消えないっていったじゃん!ど、して...なんで、約束なのに!
約束は破っちゃダメなんだよ!だから起きてよ、う、うわあああっ!」と、いっぱい言って
泣く。現実がそうそう受け止められなくって。

お兄ちゃんの体はだんだん冷たくなっていく。電子音も聞こえない。
心電図も真っ直ぐの棒。それがあらわすのは....お兄ちゃんは、起きないんだってこと。

だから、白い病室は嫌いなんだ、こんな無機質な部屋も、たくさんの機械も、電子音も、
全部、嫌い。

私の一番の大切が、消えてなくなった瞬間だった。

8ヶ月前 No.7

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐現実.過去02‐

消えた、片割れが、大切が、消えてしまった。
陽花は、お兄ちゃんの握っていなかった方の手に赤い花と白っぽい花を見つける。
その花を見た瞬間陽花は酷く悲しい顔をした。

「ばかっ...!」その花は、「彼岸花」と「勿忘草」。彼岸花は「別れ」、勿忘草は「忘れないで」を
表す花言葉だったはずだ。
「別れって...!また会おうって!、消えないって...なのに、別れって...」
きっとお兄ちゃんは、自分が消えてしまうコトが分かってしまったんだ。
そして、忘れないで。「忘れられるわけないじゃん!」私はただただ大粒の涙を流す。

それから私は、少し塞ぎ気味になった。学校でも、明るいキャラだったが、暗くなってしまった。
いじめっぽいものもあったが、そんなのにかまってる暇なんてない。
「化け物」ふいに、そんな声が聞こえた。笑わない、喋らない、唯机に座って本を読むだけ。
明るい小学生、同級生からしたら不気味だったのだろう。その不気味が言葉を変えて「化け物」になったのだろう。

別に、どうも思いはしないけれど。いや、悲しいよ、大切を失った痛みが、もっと痛くなる。
そして、うわさが飛び交う。「くだらない」私は、そう吐き捨てた。
そう、くだらない、ありもしない噂を流し、それを楽しむ。なんて、愚かでくだらないんだろう。

そう思うと、学校に行くのもくだらなく思えてくる。私は今、なんのために学校に行っているんだろう。
あ、そうだ、義務教育だからだ。だからなんだ、別に休みたいわけじゃない。

家に帰ると、ぽつりと1人きりの空間がある。そして私は宿題をさっさとすませて布団にもぐる。

8ヶ月前 No.8

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐想いの欠片たち‐

「ねぇ...私、馬鹿だ」家にいるぬいぐるみに私は話しかける。
虚しいやつとか思わないでほしい、ただぬいぐるみは黙って話を聞いてくれるから。

「好きになっちゃった、先島のこと」私は、嗚咽を漏らすまいと唇をかみしめる。
出会ったばかりで、でも、いつの間にか好きになっちゃってて。
認めたくなくって、でも好きが大きすぎて。
「私、好きすぎて、痛いよ...」私は大粒の涙を枕の上に零す。

私なんかに好きになられたら、きっと誰もが困るのに。
我儘で、寂しがり屋で、甘えたがりで、人見知りで、秘密だってたくさん持っていて。
「でもね、大好きなの...」あふれる涙を拭うこともしないまま私は呟く。

優しくて、世話焼きで、偶に毒舌で、でもその毒舌で傷つくことはなくって。
泳ぐのが早くて、短距離走も早くて、身長も高くて、勉強はそこそこで。
そんな先島に、いつの間にか惹かれていって。
「私...この気持ち隠したいよ...」そう、誰にも気づかれないようにそっと蓋をしたい。

「私ね、好きな人に幸せになってほしい」先島は、幸せになるべき人だ。
なのに、何で私は好きになっちゃったの?苦しい、海に溺れているみたい。
「好きだよ、」ぽつりと、言葉を漏らす。好きすぎて、本当に大好きなんです。
こんな秘密ごとばかり持ってる私が、好きになってしまった人。

「ごめんね、でも好きなの...」だから、思うことだけは許して。
布団の中で、静かに泣く。夜が明けて、綺麗な朝焼けの景色がカーテン越しから
私を包み込むように、照らしていた。

8ヶ月前 No.9

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐ひとりぼっち.想い‐

「痛い、ひとりぼっち...」私は泣く。ふたりでひとり。そう思っていた。
なのに、ふたりいたところが、急にひとりしかいなくなって、ひとりぶん空いてしまった。

そして、月日は流れる。中3、好きな人ができてしまって。
好きって伝えて、その先どうなるの?好きっていったら、変わってしまうのかな。
変わりたくないな、好きだっていったら、変わらないのかな。
変わるのか、変わらないのか、わからない。

「怖い、変わりたくない、」私は言う。変わりたくない、身長が伸びて、少しくらいは大人に
近づいたと思うんだけど、これ以上変わってしまうのは嫌だよ。

「ひとりぼっち、だけど...これ以上変わってしまいたくない」
想いも、全て変わってしまいたくない。時が止まった大切な人が一生変われないでいるのに、
私だけ変わっちゃうのは嫌だ、怖いよ。
ずっと一緒に居たんだよ、なのに私だけが変わってしまうなんて許されるわけない。

でも、好きなんだよ、ひとりぼっちの私が、好きになってしまったんだよ。
ごめんね、好きなのに...完全に好きになれない私がいる。
いや、それはそれで、君の幸せになるかもしれない。私が君の幸せを壊しちゃうのかもしれない。

「先島...」想い人、変わってしまった想い人。
私が守りたい人。馬鹿、私の馬鹿。きっと、大好きを通り越すくらい大好きなのに。
大好き以上に好きなのに、言えない。

「変わりたくない」やっぱりこの想いが、一番強いんだよ。

8ヶ月前 No.10

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐夢.ソラ‐

夢を見た。まるで、自由で、温かくて、ありえないような幸せな夢。

ふわふわとした浮遊感。飛んでいる、空気と一緒に。陸から足が浮いている。
でもそれが怖いだなんて思わなくって。このまま、空の彼方までいけるかななんて考えて。
少し漂ってみる。夢じゃない見たいに、体が自由だ。

「君も、こうやって飛んで行ったのかな」昇って、たくさん昇って空の彼方までいったのかな。
空の彼方って神様とかいるのかな。天照大神様とかは太陽に住んでいそうだけど。
なんてお子ちゃまな考えをしている。

ソラは心地よかった。なんの障害物もない。ただ、自分の思うままに漂っていられる。
何物にも邪魔されず、両手を広げたり、宙で回転してみたり。

「ふはっ!」思わず笑いが零れる。声になって、陸へと落ちていく。
久しぶりに声に出して笑った。泣きもしない、笑いもしない。ただ、無感情。
笑うといえばアニメとか、動画とか。違う次元を見て、安心できるって笑っていた。
安心できるのは、違う次元だから。私の考えを読まれない、私に実際会わない。それだけで、安心する。

でも、夢には終わりがある。いつ、終わっちゃうんだろう。
ただ1人の世界、私しかいなくて、私だけが漂っている夢の世界。
終らないで、って私は望みはしないけど。だって、この夢が終わらなかったら、私は違う次元へと
過ごすことになる。今の次元から、違う次元を見てるだけだから安心するんだ。違う次元へ、すんじゃ意味がない。

ふと、景色が薄くなっていく。泡のように、電子のように少しずつ溶けるように消えていく。
夢が終わるらしい。私は、夢の世界に小さく手を振ってみる。

目を開けると小さなあかり、そして見慣れた天井。自分の部屋。目が覚めたことが伺える。
「今日の夢は、綺麗だった」なんて、そっと隣に置いている写真をなぞっていってみたんだ。

8ヶ月前 No.11

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐水底.消えない音‐

忘れたい、なのに忘れられない音。私が大嫌いな音。
静かな空間で、大きく鳴り響く音。一定だったり、不安定だったり、最後には真っ直ぐになってしまう音。
それは電子音。
耳障りな音、私にとっては。生きてる証、大事な音かもしれない。けど、私は嫌いな音。

何で、2つで1つの音が、片方消えたの。
そんな私の嫌いな音が、耳鳴りとして現れる。大きかったり小さかったり、それはまるであの日の音で。
水に潜っても、音は響くばかりで。

消えたいって願った。死にたいんじゃない、消えたいって。
やりたいことはいっぱいあるし、言いたいこともいっぱいある。でも、君がいない世界は、色褪せてしまった。
そのまま中学生になって。受験生になっていった。

家族が信頼できるなんて、そんなはずもなくって、先生も信頼できなくって。
クラスメイトも、勝手に敵とみなしてしまう。敵じゃないかもしれない、けれど、ただの他人に思えてしまう。
そんな他人が私の悪口を言っても、どうも思わないんだ。だって、その悪口は戯言だから。

そうやって、心を閉ざしたままで。
中1のころは、まだ笑っていた。お友達ができて、笑っていた。でも、心からは笑えなくって。
そのまま中2になって、とうとう不登校になってしまった。
人が怖い、そう思うと学校に行くのスラ億劫になってしまった。
人は信用できない、悪口ばかり言う、私が大切に思う人の悪口まで言う。
小学校のころ、多少あったいじめ。そのいじめは中学校で体験することはなかった。

けれど、人が怖い。ヒトの「目」が怖い。私を、「変なモノ」と見る目が怖い。
そして、ある日言われた言葉。遊んでいた時に言われた言葉。
「陽花って『化け物』だよね」その言葉は、鋭利すぎるほど鋭く私の心に突き刺さっていった。
人の心が読めるわけじゃない。ただ、少しわかってしまうだけ。雰囲気、表情、目でわかるだけ。
その言葉は、今でも深く刺さったままで。

学校に行こうとすると、お腹が痛くなったり、頭が痛くなったり。
恐怖で体が動かなかったり、ひどい時は発作になることもあった。
私は、家でただ静かに過ごした。

そんな私を、一番近くで見ていてくれたのは、誰なんだろう。
女の子。女の子の幼馴染。同じマンションに住む幼馴染は、私が学校に行けなくなってからも
ずっと迎えに来てくれた。夜、学校から帰って宿題を終わらせると、私と一緒にお喋りしてくれた。
私は、その幼馴染になら話せた。怖いと。でも、その幼馴染にすら、大切な秘密を話せなかった。

やがて、3年生になった。始業式。怖かったけれど、私は頑張ろうと思った。
女の子の幼馴染の手を掴み、歩き出す。震えていた私に女の子の幼馴染...純玲は撫でてくれたり
大丈夫だって言ってくれた。純玲...私は「すー」と呼んでいる。すーと同じクラスだって知ったときは
本当にうれしかった。

8ヶ月前 No.12

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐有難うって言いたい‐

私の前に現れたキミ。私が巡り合ってしまった君。
私は、君の「名前」を呼ぶたびに、君を呼ぶたびに何処か、救われているんだ。
__先島。

何時か君を、下の名前で呼ぶ日が来るのだろうか。きっと、来てほしいな。
ずっと、3年生になってから、ずっと見つめていた。
いつの間にか、恋に落ちていた。私は、この好きを、必死で隠していたんだ。
好きは、苦しくて、痛くて、辛くって。

君と付き合えて、夢なんじゃないかって思った。
私は、君を守る。少し自己犠牲な君を、ちゃんと愛されてる君を、私は必ず守る。
倖せに、なってほしい。私といることで幸せになってくれたら、それは本当にうれしいこと。
私は君の傍に居れるだけで本当に倖せだから。

綺麗な君。私は先島からたくさんの想いを教えてもらった。
だから、もう君を失いたくないって気持ちが生まれてしまった。
消えないで。そう言った私に君は消えないって。まだ読みたいラノベとかあるって笑ってくれた。
私、安心したよ。けれど、やっぱり怖いんだ。

約束は、強い。でも、脆いんだ。
君を幸せにしたい。だから、私の秘密がいまだに言えないままで。
言いたいって、それは私の我儘で。言ってどうなるのって、考えればわかってしまう。
言わない方が、いいこともあるって。

私が、生きたいって、思ったのは先島がいたから。
先島を見ていた。私なんかより背が高くって。それはまあ身長差が恐ろしいほどで。
毒舌で、でもその毒舌が私にはやさしさに思えてしまった。
優しくって、温かくって。先島の手は、冷たいのに安心して、温かいと柔らかい笑みを浮かべれる。

私を撫でる先島の手は大きくって。私は思わず先島を撫でてしまうんだ。
大丈夫、君は愛されているよ、と込めて。
秘密ごとがあって、自分に正直になれない私と、君とでは大きく釣り合わない気もしたよ。
でもね、好きの気持ちは、君にも負けないから。

有難うって言いたいの。言いたい、思いっきり。有難うって、笑うよ。

8ヶ月前 No.13

夕凪 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

‐秘密.願い‐

「ねぇ...」会いたいよ。私はぬいぐるみを突っつきながら先島に会いたいと願う。
会えないのはしょうがない。テストもあるし、受験がある。

でも、会いたいって思ってしまう心はそう簡単には止められない。
声を聴きたい。でも、君の迷惑になるかもって思うと電話もかけられないんだ。

この前いったペットショップのウサギに、私と一緒だねと言ってしまうくらいに。
寂しさで死んでしまう。そんなウサギに自分を重ねる。

「馬鹿だなぁ、私」少し自傷気味に私は笑う。
いつの間にか増えていった傷。自傷行為なんてしない。したって、たぶん無意味だから。
でも、耳鳴りがうるさい時は耳を塞いで、強く塞ぐから爪で傷つく。
そういったことはあるし、寝ていたのに泣いているなんてよくあることだ。
でも、確実に痛く広がっていく傷。心の傷だ。空間のある心が、痛いって叫ぶ。

眠くなる、眠れなくなる。過眠症と不眠症。
私は過眠症だ。だから、昼間に眠くなったりする。仮眠程度の眠りに落ちることもある。
夜眠れないこともある。これは、自分の精神状態と夢のせいだ。
怖い夢、見たくない夢、聞きたくない声。それが怖くってなかなか眠れない。

喘息や過呼吸も偶にある。普段は薬で押さえているが、精神状態が不安定になると出る。
主に夜。その時は必死にタオルで口元を押さえる。そして、必ず近くに置いておく薬を飲む。

他にも、秘密はある。ありすぎだろって言われるくらいの秘密の数。
君は、受け止めてくれるのかな。こんな秘密の迷惑を、受け止めてくれるかな。
喋りたい、叫びたい、泣きたい。思いっきり、先島の前で。
でも、できない。億劫なんだ。私は、臆病なんだよ。君に嫌われるのが怖くて、言えない。

ウサギ。私の愛するもの。私と一緒、似た者同士。ウサギの赤い目が、私を見つめる。

「ホントニ、ソレデイイノ?」ウサギから、そう聞こえた気がした。

8ヶ月前 No.14
ページ: 1

 
 
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