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甘い蜜のよう

 ( 書き捨て!小説 )
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@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「笑って死ぬのが私の夢なの、」

「愛してるなら殺して頂戴、」

「僕なんかただの失敗作だよ」


*駄文注意
*作者は文才の欠片もない人です
*思いついたら投稿します

1年前 No.0
ページ: 1

 
 

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

強盗、殺人、犯罪が平気で横行するこの世界で、僕は彼女に会った。


「今日も来てくれたの?嬉しいな、」

へにゃ、と顔を崩して、彼女は破顔する。
僕はいつも通り微笑んで言う。

「ええ。今日は薔薇を一本、」

彼女に最初に会ったのはいつだったか。
沢山の人混みの中、
古い街灯の下で彼女が
花を売っていた。

何故彼女に関わろうと思ったのかは
今でもわからない。
気づいたら名も知らない花を買っていた。
そのときの彼女の笑顔が、
初めて見る『本物』だった__

1年前 No.1

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「その胸につけてるそれはなんだい」

待ち合わせ場所の古びた酒屋に入ると、
彼は挨拶もなしに僕に声をかけた。
2ヶ月以上会ってなかったはずだが、
一見するとただの老人の彼は
何も変わっていなかった。

「ただの貰い物」

動揺を悟られないようそっけなく言った
つもりだったが、彼の目は誤魔化せなかった。

「またあの花屋か」

顔を顰めて彼は僕を睨みつける。

「別にお前が何をしようと勝手だが、
あんまり情を持つなよ」

「この街だっていつかは離れるし、」

「あの女だって依頼が来れば、」

その先の言葉が聞きたくなくて。
鋭く光る彼の目から視線を逸らす。

「わかってる。それで、



 今日は誰を殺すんだい」

1年前 No.2

削除済み @nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

【記事主より削除】 ( 2016/08/16 16:26 )

1年前 No.3

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

血飛沫が舞う。
僕のコートにも少し血が付着したようだ。
僕にしては珍しく長いこと使っていたのだけど。

「けっこう気に入ってたのにな、このコート」

まぁ買い替えどきだろう。
どうせいつかは捨てるものだし。
人にも物にも、愛着は持つべからず。

どくどくと鮮血が流れながら、
目の前のこいつはもがいている。
なぜか死んでない。
死に損ないのこいつは信じられないとでも
いいたげに顔を歪める。
口をぱくぱくと動かしてはいるけど、
声が出ないのだろう。

「貴方に恨みはないんですけど、」

頭を鷲掴みにして彼の首に
刃の切っ先をあてがう。

「貴方が死ななかった場合僕が怒られるので」

うっとこいつは最後に何かを言おうとした。
こいつなりの最期の反抗だったのだろう。

ぐっと右手に力を込める。
また血飛沫が舞って、
力なく横たわるこいつの目は、
もう生きてなかった。

「悪く思わないでくださいね」

この世界に正義などないのだから。

1年前 No.4

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「あら、コートまた変えたんですか?」

花屋の彼女は少し顔をほころばせて言う。
僕も笑って答える。

「前のが少し汚れてしまったので」

花屋の彼女。
僕は彼女のことを何も知らない。
きっと彼女も僕のことを
知らないのだろう。
『死神』としてそこそこ名の通ってる
殺し屋のことなんて。
知らない方がいいのだから。

「クロさんまたいらしてくださいね」

にこにこと彼女は無邪気に笑う。
「クロさん」は僕のあだ名だ。
いつも黒いコートを着ているから、らしい。

「勿論ですとも」

純粋で、ひたむきで、無垢な彼女。
僕にないものばかり持ってる彼女。

気づけば彼女に会うのが
楽しみになってる自分に気づく。

いつかは僕もこの街を離れなければならないのに。

1年前 No.5

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「最後の仕事だ」

前とは別の酒屋で、
やはり挨拶も何もなしに。
彼は口元をきゅっと吊り上げて
淡々と僕に告げる。

「これでこの街を離れるからな」

僕はその言葉を聞いてなかった。
何も聞こえなかった。
渡されたその写真には。
他でもない彼女が。
花屋の彼女が穏やかに
笑っていたのだから。

同業者の彼は、花屋の
彼女の顔を知らない。
僕がたまに話題に出す程度だ。
だから彼は知らなかったのだろう。
最後の標的が、よりによって
『あの花屋』であることを。

「この依頼は、誰から来たんですか」

僕のつぶやきとも知れぬ問いを
彼は聞き漏らさず。

「あ?お前がんなこと気にするの
はじめてじゃねえか」

彼は赤い目をぎょろりと
僕に向けて睨む。
また酔っているのだろうか。

たしかに、僕が依頼人のことを
問うのは初めてだった。
依頼人が誰だろうと僕は殺していた。
それが僕の仕事だから。

「この女、知り合いか」

睨みつけて数秒。
僕が黙っていると
まぁいいけどさ、と彼は
僕から視線を外して言う。

「依頼人は、この女の父親だ」

1年前 No.6

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「どうやらそこそこ地位のある親父さんで、」

「この女は外にできた女らしいねぇ」


走る。走る。
いつのまにか外はざあざあ降りで、
買ったばかりのこのコートも
濡れてしまったけどそんなことは
今はどうだっていい。
早く。彼女のところへ__


結局、僕はその依頼を断った。
僕が依頼を断るのはよくあることだったし、
彼も何も言わなかったけど、
私情で断ったのは初めてだった。

でも僕が断った仕事は別の殺し屋に回る。
僕が殺さなくても、別の誰かが殺す。
その前に彼女を__

「クロさん…?」

花屋の彼女は、まだ生きていた。
しかし、遅かったようだ。
彼女の近くには見たことのない別の殺し屋がいて、
彼女は血溜まりの中でうつぶせに倒れていた。

「あ?誰だお前、仕事の邪魔すんな、」

心底面倒だというように舌打ちをして、
そいつは銃をこっちに突きつけ__

「死ね」

そういったのは彼だったか僕だったか。
彼の頭から、首から、肩から、腕から、
胸から、腹から、足から。
血が一気に噴射して。
彼はその場に倒れ込み、
そのまま動かなくなった。
恐ろしい形相を僕に向けながら。

1年前 No.7

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

けれども。
彼が死んでも。
彼女が死なないわけじゃなくて。

「来てくださったのですね…」

彼女のところへ駆け寄り、
抱き起こしたけれど、
傷はどうやら浅くなくて。

彼女はいつものように、
否、いつものように振る舞おうとして、
弱々しげに微笑む。

「クロさん、最後に、お願いがあります、」

僕の目を見つめて、
花屋の彼女は言う。

「わたしを殺してください、」

「…っ」

彼女から血は流れ続ける。
この近くに医者はいない。
この血の量だと彼女はきっと長くない。

「僕にはそんなことできない」

視界がぼやけて。
彼女が見えなくなる。
必死で泣くまいとしている僕を
彼女はまっすぐに見ている。

「『死神』」

彼女は言う。
僕の通り名を。
彼女にだけは知られたくなかった、
忌まわしき僕の二つ名を。


「…知っていたんですね」

「有名ですから」

何の悪気もないように彼女は
顔をくしゃっとさせてはにかむ。

僕は、気づいた。
彼女の体から。
もう血が流れていないことに。

「殺されるなら、知らない誰かより、
貴方に殺されたいんです」

はにかんだまま、彼女は言う。


「殺してください」


「最後に一つだけいいですか、」

「ええ」

「僕は君のことが好きでした」

ふっと息を吐くように。
その言葉は出てきて。
なぜもっと早く言えなかったのだろうか。

彼女は驚いたように目を見張り、
直後、柔らかく微笑む。
僕の好きなあの笑顔で。

「わたしもです」

1年前 No.8

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

冷たくなった彼女は、
さながら眠っているようだったけど、
幾人も殺している僕にはわかる。
彼女がもう、生きていないことに。

穏やかに微笑んでいる彼女を、
僕はずっと見つめる。

相変わらず雨は降っていて。
僕の顔を濡らしていく。


「っはは、」

気づいたら僕は笑っていて、
笑いながら泣いていた。

もしかしたら。
もしもの話だけど。

彼女を連れてこの街を出て、
僕たちのことを知らない
どこか静かな街で、
彼女が花を売りながら、
彼女の花売りを手伝いながら、
静かに穏やかに暮らす。
そんな未来だって
あったかもしれない。

たとえ僕が死神で。
たとえ彼女が隠し子でも。



人のことを想いながら泣いたのは
初めてで、たぶんこれが最後だろう。


さよなら好きだった人。
君が生きられなかった今日を、
僕は明日も生き続ける。


1年前 No.9

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

外では雨が降り続けている。
窓を触ってみると、冷たい。
息を吹きかけると白くなる。
『外』は寒いのだろうか。

「お母様はまだかな…?」

思わず溜息が漏れる。
外の世界を、わたしは知らない。
だってお母様が、外は怖いバケモノが
たくさんいて、小さいわたしなんか
すぐに攫われてしまうって言うから。
お部屋の中はいつも本で溢れていて、
お母様はその中の一冊を毎日わたしに
読み聞かせてくれる。
そのうちわたしも本が読めるように
なったけど、知らない言葉が出てくると
お母様は優しく教えてくれる。
そしてお母様はいつも言うのだ。
この本は全て空想で、外には
綺麗なものなんて何一つないのだと。
お母様はわたしを守ってくれている。
怖くて寒い外の世界から。

1年前 No.10

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

ある日のある晩。
その日お母様はなかなか帰ってこなくて。
広いおうちでお母様が買ってくれた人形たちと
戯れたりしてみたけどすぐ飽きて。

「何してるのかな、」

つぶやいた、直後に。

バン、バン、バン、

激しく誰かが扉を叩いている。
反射的にヒッと声が漏れる。
誰だろうか。お母様、はそんなことしない。
誰。誰。怖い。怖いよ。
思い浮かぶのはお母様がいつも話してる
外の世界の「バケモノ」の話。
バケモノがきた。
早く。早く逃げなきゃ。
でも何処に。何処に逃げれば。

「お母様、早く来てよぉ」

突然。
バッと扉が壊れて開いて。
出てきた「バケモノ」はお母様と
同じ形だったけれど。
とても怖い顔をしていて。
部屋の隅で震えているわたしを見つけると
安心したように笑ってわたしに近寄る。

「もう大丈夫だよ」

何。何が大丈夫なのだろうか。
お母様はまだ来ない。
「バケモノ」は近寄ってきて
わたしを抱き上げる。
怖くて、身動きができない。

「さぁ、早く逃げよう」

逃げる?逃げるって何処へ?
お母様は。お母様は何処にいるの?
早く来て。来て。怖い。
バケモノに捕まっちゃったよ。
「バケモノ」は少し笑っている。
気づいたらポロポロを涙が出てきていた。
そんなわたしを見て「バケモノ」は
何かを言おうとしたけど、
バンッ。
誰かが来る音がした。
「バケモノ」の血相が変わる。
ドタドタと走る音がして。
お母様がすごい形相でこちらにきた。
「バケモノ」を睨みつけている。

「その子から手を離して、」

悲鳴ともつかないお母様の声。
こんなお母様を見るのは初めてだった。
「バケモノ」も顔を醜く歪めて
お母様を見ている。

ドンッ
すごい衝撃が体に来る。
これはなんだろうか。

直後に「バケモノ」は倒れる。
ドスッと物体が落ちる音が聞こえて
それっきり「バケモノ」は動かなくなった。
「バケモノ」から血が流れている。
赤い。紅い。わたしの血と同じ色の血。

お母様ははぁはぁと肩で息をしているけど、
わたしの姿をみると安心したように微笑む。

「大丈夫?怪我はない?」

いつもの甘い声。
いつもの優しい笑顔。
今日のお母様は少し疲れているけれど、
やっぱりいつものお母様。

お母様を心配させてはいけない。
思わず声を張り上げる。

「大丈夫だよ、お母様!今度からがんばって
わたしもバケモノ退治、自分でする!」


1年前 No.11

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

ハッピーエンドなんて望まない。君には何も求めない。最初からこうなることはわかっていたこと。そうでしょ?そんなありふれた戯言吐くくらいなら、死んでしまった方が楽だろうに。殺された方が、幸せだろうにね。

1年前 No.12

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

部活を少し早く切り上げて彼女に逢いに行く。「また彼女のとこ-?」「もち」「ほんと好きだよね-紹介しろよ」「や-だよ」だって彼女は僕だけのものだから。歩くこと30分。彼女は毎日場所を変えるからたまに会えない日はあるけど。今日の彼女は学校から徒歩5分。この時間帯になってくるとあたりが暗くなって道歩く人も少なくなる。だから彼女のことも見つけやすくなる。「みっけ」後ろから声をかけると彼女は無表情のまま振り返る。相も変わらず美少女だけど、目線は僕の方を向いていない。彼女の足元には誰とも区別がつかないぐちゃぐちゃの屍体。そして彼女の右手には包丁が。「ふ-ん」今回は刺殺か。ちょっと死体が乱れすぎて死因がわからないけれど。「それ誰?」「くれすめいと」人差し指から滴る血を舐めながら彼女は応える。知り合いか。珍しいな。いつもは知らない人だというのに。まぁ彼女にとって知り合いだろうと誰だろうと関係ないのだろうけど。「終わった?」見ればわかるけれども一応確認。彼女は焦点の合わない無表情のままこくりと頷く。ふうん。今回は見逃しちゃったか。「じゃね、ばいばい」軽く手を振って別れを告げると彼女が初めて僕を見た。今日は見逃しちゃったからね。君の一番可愛いところ。彼女が人を殺している瞬間が、僕は好きなんだけどな。

1年前 No.13

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

目が覚める。辺りを見回す。
霧で視界が霞んで、よく見えなかったけど、一面が屍の山だった。
どうやら僕は、奇跡的に生き延びたらしい。
目の前には、かつて隊長とみんなに呼ばれ親しまれていた男が物言わぬ死体となって転がっていた。
その横には、下っ端の僕のことをこき使っていた男が泡を吹いて倒れている。
僕がさらわれて二年、こいつらの名前は全員覚えたけど、
僕はこいつらになんの感情も持っていなかった。
それは彼らにしても同じだろう。
途中でひょんなことから生き延びた僕が旅の途中で死んだって、
誰も気づきやしないだろう。
嘆息。
と、突然霧の向こうに人影が見えた。誰か生きているのだろうか。
だけど、現れた少女は知らない人だった。
少女、と呼ぶほどに幼い体躯。
精悍な顔つきは美人と呼んで差し支えなかったけども。
背中に羽織る紺色のマントは血まみれだった。
両手に2本の刃を携えた彼女はおもむろに僕を見据える。
「お前、寝てるのか?」
咄嗟に目を閉じて死んだふりをしたのだが彼女には通用しなかった。
「起きてるなら返事しろ。
返事がなければ殺す」

「起きてます。一応」

気づいたら僕より幼い外見の彼女に敬語になっていた僕。
だがしかたのないことだろう。
生殺与奪の権利は彼女にあるのだから。
周りの様子を見れば、そして彼女の刃から鮮血が滴るのを見れば、
彼女が人を殺すのに躊躇いを感じないことくらいわかる。

「なんだ。起きてたのか」

殺すつもりだったのに、と彼女は物騒な
ことを呟く。
聞こえなきゃよかった。

「荷物係になるか、死ぬか。
今すぐ選べ」

荷物係?何故?
と思う間もなく僕は荷物係を選ぶ。
刃を首に突きつけられてるこの状況では
生き延びる方法はそれしかない。
僕は武器の類を一つも所持してないわけだし。

「あそ。そなた名前は?」

ぶっきらぼうに彼女は僕の名を問う。
名前…二年以上名前で呼ばれてなかったから、
あのとき名前は捨てたものだと思ったけど。


「レオ。僕の名前はレオ。君は?」

「馴れ馴れしくするな。我の名はスウ」

1年前 No.14

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「み-っけ」今日はそんなに時間がかからなかったからか、『儀式』が始まる前に彼女を発見することができた。よかったよかった。「うぅ…」目の前でうつぶせに倒れてるのは、声から判断するにどうやら女性のようだ。動けないところから察するに、一回気絶させられてたのかな? まぁ、たしかに彼女の体型からして、成人男性を運んだり殺したりするのは難しいだろうな。よく見ると、彼女の右手から紐のようなものがぶら下がってる。今回は絞殺かな。「…?」彼女はいつも通り何の感情も浮かばない顔をこちらに向ける。焦点が合わないのも変わらない。しばらくこっちを不思議そうに見てると、突然女性が金切り声を上たる。「何してるのよ…っ、はやく助けなさいよ!」目の前の彼女ではなく、僕を睨みつけて『それ』は叫ぶ。うるさいなあ。はやく死ねばいいのに。「……」彼女は虚ろな目で『それ』を見下ろすと、徐に『それ』の首に紐を巻きつける。『それ』は抵抗できず、ただ僕を恐ろしい形相で睨む。「そんな顔で見ないでくださいよ」にっと爽やかに笑ったつもりだったのだが『それ』の顔はますます引き攣った。ん-爽やか系はタイプじゃなかったか。

1年前 No.15

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

彼女が『それ』に馬乗りになって両手で紐を引っ張る。『それ』は時折呻き声を発したけど、彼女は無言のまま引っ張り続ける。「かわいいな-」思わず声に出る。彼女には聞こえてないだろうけど。人を殺してる瞬間の彼女は最高に可愛い。この一番可愛い瞬間は僕しか知らない。そう思うと少しにやけてしまう。「ん?」唐突に彼女は絞める力を緩める。どうしたんだろう。『それ』は喘ぎ声を漏らしながら、ときどき何かを吐き出す。と、彼女はまた引っ張る力をこめる。あ。そういうことか。すぐに死んでしまうといつもより殺す時間が短くなるから、彼女はときどき休みながらゆっくり殺すつもりのようだ。なんて残酷。そこがまた可愛いのだけど。『儀式』は30分に及び、その間『それ』は僕を睨み続けた。こっちを見るなっつ-の。「お前は、」すでに用無しとなった『それ』を冷たく見下ろしながら、彼女は喋る。「何しにここにくる」って、僕に話しかけたようだ。少し驚く。彼女が僕に話しかけるのは初めてのことだから。「君のことが好きだから」僕は彼女に言う。何回目になるかもわからないその台詞を。その言葉は彼女にちゃんと届いたのかはわからないけど、彼女は『それ』を見ながらこくんと頷いた。

1年前 No.16

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

解説のようなもの挟みます。

>>1 ~ >>9 は死神と花売りの話。
描いてるときは落ちも何も見えてなくて
ダラダラ書いてたけどこれはたぶん
リメイクするんじゃないかと思います。
一応起承転結のようなものはあるし。
見返すと文章酷いけど。

>>10 >>11
これはなんか誘拐犯に
攫われたけど気付いてない少女の話のような?
展開もなければ落ちもない。
なんか雰囲気で描いてみた模様。

>>13 >>15 >>16
珍しく設定がちゃんとあって、
無意識に人を殺す少女と、
そんな彼女に恋する少年の話。
少年、と呼ぶほど幼くはないはず。
たぶん落ちとかないっす。

>>14
一応続きはあるけどやる気が出たら
書きます。たぶん続きません。

1年前 No.17

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「そんで、お前はどこに向かうんだい?」
いつもの薄暗い酒屋で。
彼は濁った赤い目でグラスに注がれた
酒を飲みながら私に問いかけた。
彼の前に置かれたグラスの水面が揺れて、
映る彼の影もゆらゆら揺れる。
「わたしは、」
口に出してみたけれど、先が続かなくて言葉が詰まる。
わたしは。なんだろうか。
どこに向かえばいいのだろう。
彼は何も言わず、ただ先を促すように私を見る。
この男はいつだってそうなのだ。
突然現れて意味ありげに問いかけて
答えはいつも教えてくれない。

「わたしは、どこに向かえばいい」

「そんなこと言われてもねぇ」

彼はけけけと乾いた笑い声を出す。
店内には私とこの老人の二人きり。
いつのまにか店員も姿を消している。

うなだれるわたしを彼は面白そうに
しばらく見ると、唐突に席を立って
わたしの肩をぽんぽんを叩き、

「そのうち答えは出るさ」

彼が言い捨てた直後に顔を上げると。
そこにはもう誰もいなかった。

1年前 No.18

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

子供の頃から、上手く笑えない子だった。
なぜみんなが笑ってるのか、
なぜみんなが泣いてるのか、
わからないままで。
なんであの子は笑ってないの。
友達に指さされて問われたとき
自分がおかしいと幼心ながらに感じた。
それでもうまく笑えなくて。
みんなが笑ってる。
何故だろう。
わたしだけ、笑っていない。
ああ、笑わなきゃ。
変な子だって思われちゃう。
みんなが。みんなが笑うから。
わたしも同じように笑わないと。

子供の頃から、
そんなふうに自分を化かして、
自分自身さえ偽りながら
「わたし」は育っていった。
わたしは子供と呼ばれるほど幼くはないけど。
相変わらず上手く笑えない模様。

1年前 No.19

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

オリキャラ。
てか前に書いた死神と花屋の話。
ストーリー的にはわりと気に入ってるので。

「 諦めてください。人間であるうちには、人はいつか死ぬのですから 」
「 人を殺す理由ですか?それが仕事だからです。僕は普段平和主義者ですよ 」


通称:死神
名前:ない
職業:殺し屋。依頼がきた人間を殺す。
容姿:慎重派180cmを超える長身痩躯、だがいつも黒いコートを羽織ってるため痩せてる感じはあまりしない。夏でもコートを脱がない。黒い瞳。中性的な顔立ちをしていている。笑うとえくぼができるため、優しそうな印象を人に与える。自分の身なりに頓着しないからか、黒髪はぼさぼさで、跳ねている。血の気がないように白い肌は、夏でも焼けないため、病弱そうに見えるが、実はあまり風邪をひかない。腕や脚には、華奢であるように見えるが、ほどよく筋肉がついている。人が集まる場所では、顔を見せないためにマスクをすることも。
性格:柔和そうな顔立ちと反し、わりとサバサバしている。彼の中に良心、人情や義理というものが存在しない。それなりに人付き合いはあるようだが、自分に不都合が生じた場合は簡単に切り捨てる一面も。人と接するときはにこやかに笑いながら話しているが、心の底から笑ったことは一度もなく、そんな自分の笑みを彼は「偽物」だと思っている。同業者に中傷されても感情的になることはなく、そのためか同業者との付き合いは悪くない。自分の職業を天職だと思っているが、別に人を殺すことが好きではない模様。依頼された人間は人間扱いせず、『こいつ』や『あいつ』と呼ぶ。職業柄、人が死ぬのを幾度となく目の当たりにしているからか、いつか自分は知らない何処かで死ぬのだろうと心のどこかで割り切ってる節がある。自分自身にも執着がなく、瀕死の状態でも平気そうに振る舞う。地震のことを「平和主義者」と称し、プライベートでは殺人は犯さない。厄介ごとは嫌う傾向がある。同じ失敗は二度と繰り返さず、同業者の失敗から自分に当てはめる真面目なところもある。視力はかなりよく、遠目でも人の顔を判別することができる。一人称は「僕」。二人称は「君」「○○さん」。但し標的ではないときのみ。人と話すときは敬語を使う。あまり自分の周りに人を寄せ付けないようさりげなく排他的に接している。

1年前 No.20

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「また花を買いに来てくれたの?嬉しいなっ。何回も来てくれるから顔、覚えちゃった♪ 1日仕事お疲れさま。娘さんにプレゼントするんだよねっ。今日は何の花を買うの?」
「わたしは生まれたときから花屋さんなのっ。なーんちゃってね。えへへ。私の話より、お客さんの話が聞きたいかなー」


通称:花屋の彼女
名前:決めてない (((
職業:花屋
容姿:身長150cmくらい。死神さんと並ぶと身長差がすごい。仕事しているときは制服と薄桃色の水玉のエプロンを着用している。エプロンはどうやら気に入ってる模様。顔は、よく人に童顔と言われる幼い顔立ち。頬には目立たないが少しそばかすがついている。丸い瞳は薄茶色で、やや垂れ目気味。笑うと少し細くなる。小柄で童顔なため、お客さんに年下に見られることが多い。肩くらいまである蜂蜜色の髪はふわふわしていて、普段は一つにまとめてるが、その日の気分でおろしたり、お団子にしたりする。
性格:フレンドリー。聞き上手で花を買いに来てくれるお客さんと雑談したりする。ときに長話することもあり、彼女との話目当てのお客さんも多い。中には高位な者も。彼女のように快活な人は珍しいため貧民街に位置するこの界隈で彼女はわりと有名だったりもする。人と話すときいつも自然体で、顔が赤くなったり手で口元を隠したりと感情が顔や手で出てきてしまう。嘘がつけない性格。お客さんの話は聞いているが、自分の話をすることは少なく、あまり触れられたくないらしい。人の顔を覚えることは得意で、何度も来てくれる人は名前も顔も覚えている。勝手にあだ名をつけることもある。犯罪が平気で横行するこの世界では、中には表舞台に立てない仕事のお客さんも混じっているが、知らないふりをしている。愚痴や悩みを聞くことも。この世界で自分ができることは人を笑顔にすることだけだと思っている。古いエプロンを使い続けるなど、一度愛着を持ったものは使い続ける一面も。一人称「わたし」二人称「○○さん」「お客様」。

1年前 No.21

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

スウと旅して数ヶ月。
その間に、彼女のことがいろいろわかってきた。

まず、彼女にとって旅人は全員敵のようだった。
彼女と旅して、これまで会った人の中で
今日も生きてる人は一人もいない。
理由を尋ねると、
「当たり前だろ。この外見、
どうみても相手は殺しに来る。
殺されるくらいなら殺す」
と至極当たり前のごとく返答が返ってきた。
とはいえ、それは当たり前のことで。
この世界で旅するものは欲に忠実でなきゃ
生きていけなくて。
これまで僕が会った人も、
殆どの人は私利私欲のために動いていた。
殆どの人。そんな中で、
彼女だけは優しくて…。
「ぐずぐずするな。起きろ脳内お花畑」

11ヶ月前 No.22

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「あの子に会いたいの、「なんでって問われましても、あの子は友達でしたから「そうです、あの子は、あの子だけが友達だったのです、「人殺し?そんなのは、そんなことは些細なことです、関係のないことなのです「あの子に、あの子に会わせてくれませんか、?「いいえ、他の子は駄目です、駄目なのです「他の子は絶対にあの子にはなれないの、「あの子に会えば、あの子なら、「きっと私を殺してくれるのに」

8ヶ月前 No.23

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

耳を塞いでも、 あの歌はずっと聞こえてくる、 。

「______」

あの歌は、 頭から離れないあの歌は、
かつて生きてた彼女が歌ってたあの歌は、
ずっと私を縛り付ける。

「_________」


私を殺めるために、
殺すためだけに、

「_____」


「っつ……」

あの歌は流れ続ける。

「________」

「×××××」


視界がふっと真っ暗になる。
最後に彼女が、

笑ったような、
そんな気がした。

8ヶ月前 No.24

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

泣いたって僻んだって最低だって叫んだって繰り返される悲劇は止まらずに踊り続ける。狂ったように嗤う名無しさん。秩序と不秩序の交錯。歪んだ世界の「当たり前」。世界は案外簡単にできているのだ。笑え。わらえ。嗤え。「こんな世界」と願って消えてくれるなら、初めから願っていたのに。「ねぇ、「それならもう、
「終わりにしようよ」

8ヶ月前 No.25

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

死にたがりの少女は今日も死を求めて彷徨う。
自分の死を探しに。
自分の生を探しに。
生きる絶望を。
死ねる希望を。
求め。渇し。縋り。
死は彼女の荒廃した精神とは裏腹に
いとも簡単に彼女の間をすり抜け、
その度少女は世界なんて案外、と嗤う。
死ねない彼女は今日も生きる。
終わりを求めて。
最果てを望んで。
さよならというその日がくるまで。

8ヶ月前 No.26

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「生きてて、何になるんですすか、」
彼女は腕をかきむしる。
腕の傷を、広げるように。
腕が赤く染まっても、彼女は
気づいてないようだった。
「だって、わたしじゃ、」
わたしが生きてたって、
世界は変わらないのに。
彼女は涙を零しながら叫ぶ。
訴えるように。
僕の声はもう届かない。

ならば、僕にできることは一つしかない。



ふわり、。



彼女の細い体躯を抱きしめる。
細くて、脆いその身体は力を入れると折れそうだ。
彼女が驚く気配がする。
彼女の動きが止まったのを感じながら、
僕は静かに、ゆっくり言葉を吐き出す。

「生きる理由が、わからないなら、」


「僕のために生きて」


「僕のために、幸せになってほしい」


「……生きてていいの?」


体から力が抜けてく彼女から、
涙交じりの声が聞こえた。



「世界が変わらなくたって」

「僕が悲しむんだから、」

死ぬのは先にしてほしい。


我儘だけど。
自己勝手だけど。
それでも死にたがってる彼女に、
死んでほしくないと願う僕がいた。


7ヶ月前 No.27

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

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7ヶ月前 No.28

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「君は僕には笑ってくれないんだね」

僕はふうと体の力を抜いて、彼女に語りかける。
彼女は僕の方に顔を向けようともしない。
まあいい。僕は気にせず話し続ける。

「僕はこんなに君のことが好きなのに、
君は全然振り向いてくれなくてさ」

嗚呼。
胸元まで流れる綺麗な黒髪が、
白くて細長い指が、
髪から僅かに垣間見れる横顔が、
彼女の全てが好きだ。

「君にはひどいことしちゃったね」

僕は話す。
彼女は、何も言わない。

「ごめんね」


「殺す気なんてなかったんだよ」

6ヶ月前 No.29

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「私のこと殺してくれるなら、付き合ってあげてもいいよ」

それは、昼下がりの暖かい午後。
学校の昼休みのこと。
彼女を人気のないところへ連れ出して
つきあってくださいと頭を下げた僕に
彼女はいつもと変わらない笑顔でそう言った。

「……は?」
思わず声が漏れ出る。
と、彼女が苛立たしげに同じことを繰り返す。
「だーかーら、私のこと殺してくれるなら
おっけーするよって、」
「こ、殺すって……」
冷や汗がつーっと頬を流れる。
なんて物騒な。
思わず本音が飛び出そうになったのを
かろうじて理性が抑えた。
無言の僕らの間を初夏の風が吹いてゆく。
「ねぇ、帰ってもいいかな?」
彼女の瞳が僕をまっすぐに見つめる。
黒い瞳。
僕は、彼女の目が好きだ。

「いいよ」

僕は言う。
彼女が驚いたように目を見開く。

「僕が殺してあげる」

彼女の腕に残る無数の傷跡。
『そのこと』を知ったのは、
同じクラスになるずっと前から。

「だから自分で死のうとはしないでね」


6ヶ月前 No.30

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

教室に入ると駄弁ってた同級生たちが一斉に振り向く。
好奇の視線にはあえて知らないふりして、
少し早めの授業の準備をする。

「ねねね、」

「ん?」

仲のいい同級生に話しかけられる。
話の内容は彼のことだろうな、と
なんとなく予想しつつ応対する。

「××君に告白されたのってまじ?」

「あー、うん、まじ」

教室で騒がしい後方をちらりと横目で
窺う。集団の真ん中にいるのは彼のようで、
まあ特に口止めされてないから
嘘はつかなくていっかと適当に結論付けた。

まじ、と聞いた同級生の彼女は
えええと叫びながら顔を真っ赤にしてる。
きゃー青春ね、となぜか私より嬉しそうだ。


その後の彼女からの質問攻めを
適度にはぐらかしながら彼のことを
もう一度目で探す。
私のことを殺してあげると言い切った彼を。
見つけた彼はいつも通りの笑顔で話してて、
「なんだかなあ、」


他殺願望の私と、
遠い世界の彼の、
これが最初の会話だった。

6ヶ月前 No.31

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「はじめまして、僕の名前はナイトです。自分の紹介?んー、特にないかな。とりあえずみなさんよろしく」
「あー、ひさしぶりだね。卒業以来だっけ?それから君とは会ってなかったもんね…え?変わった?まああれから何年も経ったからねそりゃ人間いつか変わるよ、あはは。…似てるって?誰に?…気のせいじゃないかな」

名前:ナイト
容姿:全体的に線が細く、肌も白いため病弱そうだが、体力は人並みにある。ただ、一昔前は「別人」だったため運動に勤しむスポーツ男児だった。眼鏡をかけているが、視力は悪くないため伊達らしい。表情豊かで、笑うとエクボができる。身長は平均くらい。容姿に関してはまた後で考える。
性格:簡単に言うと、「自分」というものがない。感情というものが欠落しているため、人のために自分を尽くす「理由」がわからない。人とずれてることは自覚している。集団の中で生きていくには合わせることが必要だと気付き、「誰か」の性格を完全にコピーしてそのように振る舞うことにした。それ旧友だったり、昔死別した同級生だったり、その場にいない者をコピーすることが多い。その性格に飽きたり疲れると替えるため、周りから見ると文字通り「別人」に変わる。突然別人に変わると怪しまれることに気づいてから、クラス替えや転校など何かの節目まで待つ努力をするようになる。
今の性格では、一人称は「僕」、二人称は「君」。
備考:最近よく使う性格は「飄々として性格」で、これは小学校の頃の同級生の者だが、本人はかなりこの性格を気に入ってる。
また、両親の転勤の都合により、昔から転校が多かった。

6ヶ月前 No.32

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

「あーっと、はじめまして〜、マイって言いまーっす…え、もう話すことなくね?何言えばいいの?てかうちこういうのめっちゃ苦手なんだよね、かはは。人に苦手なことさせんなっつーの。」
「よーう、ひさじゃん、。いまのその性格は誰のもの?」


名前:マイ
容姿:肌の色は基本普通だが、夏になるとよく外に行くため黒くなる。小柄で、スポーツが好き。黒髪は基本短く揃えられていて、結べるくらいの長さになると切るらしい。精悍な顔立ちで、ややつり目。
性格:一言で表すとフランク。あまり緊張しない性格。つり目のせいで第一印象が怖いと言われやすいが、本人はあまり気にしていない。言葉遣いが荒くなることもあるが、人当たりのよさと裏表のない性格で、集団の中で浮くことはない。面倒といいつつも人のために動くことが多い。感情の起伏が激しく、激昂して上級生と大乱闘を繰り広げたこともある。文章を考えるのが苦手。成績もあまりよろしくないらしい。自分の力じゃどうにもできないとわかると切り捨てる冷たい部分もある。一人称は「うち」、二人称は「(名前)」「お前」。
備考:ナイトとは小学校の頃の同級生。転校したナイトと高校で再会したときその変化に気づいて問いただし彼の内面を知ることになる。唯一の理解者。ナイトは彼女の前では性格を作らない。

6ヶ月前 No.33

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

物心ついたときから、僕には感情がなかった。
そしてそれは、これからも僕に宿ることはなさそうだった。

20XX年5月__

「同じクラスのナイト君だよね?」

休日の昼下がり、やることがなかった僕は
とりあえず「僕らしく」本でも読もうと
商店街の古本屋へと足を運んだ僕に、
彼女は唐突に声をかけてきた。
どうやら同じクラスらしいが、正直あまりよく覚えていない。
それは「この性格」ではなく、元来の僕の記憶力の問題。
「えーと、君は、」
クラスの名簿を必死に思い出そうとするが、
そもそも同性のものすらまともに覚えてないのだ。
というか、「彼女」が同じクラスということしか覚えていない。
「その顔、覚えてないでしょ?」
ふふっと彼女は笑って、
「ミツキだよ、今度は覚えてね!」
改めて自己紹介をした。


「ねーねー、昨日ミツキとデートしてた?」
翌日、同級生の女子にだしぬけに聞かれた。
「え?」
「なんか商店街で二人目撃されてるよ〜」
情報が早い。
ふと、周りの同級生が聞き耳を立てていることに気づく。
同性の目つきが険しいことにも。
付き合ってないよ、と答えると周りの空気が
ふっと緩んだ気がした。
実際彼女とは少し立ち話をして、僕が手にしていた本と
同じものを買って帰っただけだった。
そっか〜と頷く彼女を横目に考える。
これは厄介だ。

6ヶ月前 No.34

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_YGE

彼と再会したのが3週間くらい前だったかな。
そしてその頃からうちの日常がおかしくなったようだ。


同日__


「ねーねー、お前彼女できたってまじ?」
図書委員で本を読みながら物思いに耽ってるナイトに質問。
しばらく自分の世界に入り浸ってた彼は我に返ると
やれやれというように首を振る。
どうやら今日だけで同じ質問を何度もされたようだ。
「なわけ」
「へえ」
風の噂によると名前はミツキ。
なかなか男子に人気があるらしい。
「僕のことは君が一番わかってるでしょ」
「お前に彼女ができるわけないもんな」
とはいえ、一番の理解者というところに否定はしない。
「物思いに耽る」も「我に返る」というのも全部彼の演技。
しかもよりによってベースとなってるのは__
「誰にでも優しい彼女と人当たりのいい僕なら、
どこか似てるんじゃないかと思った」
「彼女」が「ミツキ」のことと理解するのに数秒かかる。
考えるよりも早く言葉がついて出た。
「それは違う、
「彼女が優しいのは彼女がいい人だから、
「お前が優しいのは『元の人』がいいやつだからだ
「それはお前の優しさじゃない」
そこで彼は少し驚いたようだった。
そしてくすくすと笑い出す。
ああ、その笑い方も何もかもが似ている。
「怒った?ごめんごめん」
言われて初めて怒ってることに気づく。
いかんいかん。
読んでた本、「人間失格」をパタンと閉じると彼は何か言ったようだ。
小声すぎてあまり聞き取れなかったけれど。
「____」





可愛くて、誰にでも優しい彼女。
皆から好印象で、愛された彼女。
そのミツキが殺されたのは、翌週のことだった。

5ヶ月前 No.35

@nekozuki13 ★P5OM3y56Vz_SH7

「笑っちゃうくらいに最悪なお話を見せて頂戴聞かせて頂戴」「ハッピーエンドなんてつまらないわ、欠伸が出てしまいそう」「外の世界で人が何人死のうと関係ないと、貴方もそう思わない?」「駄目ですわ、今の話は中途半端で結末もありふれていて眠ってしまいそうでしたわ」「退屈すぎて死んでしまいそうなの…誰かわたしを殺してくれないのかしら」

2ヶ月前 No.36
ページ: 1

 
 
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