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ほしぞら夜想曲

 ( 書き捨て!小説 )
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はいむ ★iPhone=gnOry18hOL




「もう終わりにしよう」




ぽつりとこぼした誰かの言葉に、
みんな、うなづいて。


物語は、しずかに終わりを迎える。

2年前 No.0
メモ2016/05/26 23:52 : はいむ @neige★iPhone-2MiT2wRoZD

*不快な表現がありますので観覧注意です・ω・`

(R18指定のものはないです)

*ネガティブ注意報永久発令中

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はいむ ★iPhone=HtCIEkE1J2



先生は言いました。




「この絵は、綺麗すぎる」




生徒は、すこし笑って、うつむきました。


2年前 No.16

はいむ ★iPhone=danwF1l6xH




とーくへいきたい
もっと、ずっと、ずっと遠いところ。



2年前 No.17

はいむ ★iPhone=u4FcGRDyMp






買ったばかりのサイダーを一気に飲みほす。
喉が焼けるような炭酸に、涙が出た。




2年前 No.18

はいむ ★iPhone=x5K6yHXRO7



どこまでも穏やかな蒼い瞳に見送られて、わたしは。



「おいで。殺してあげる」



楽になれる、はずだった。



2年前 No.19

はいむ ★iPhone=n6av8CFRQe


とある研究室で、教授が新しい魔法の研究をしていたときに事件は起こりました。
窓辺に置いてあったハーブの花びらが教授の鼻をくすぐり、実験段階の魔法が暴走してしまったのです。実験台を買ってでた助手は、好きな人の声が聞こえなくなる魔法にかかってしまいました。彼女は大粒の涙を流しました。

「泣かないでくれ」

私が必ず治すから、という教授の言葉も、助手には届きませんでした。彼女の瞳には、困りきった顔で何かを言っている教授が映っていました。

2年前 No.20

はいむ ★iPhone=ovFt6klJcn



路地で拾ったシガレットケースからタバコを一本取り出して、火はつけず、指の間で弄ぶ。
窓を叩く雨粒を虚ろに見つめながら、意識は過去へと遡る。
止まない雨。廃れた郵便ポスト。いつかの約束は果たされない。
失くした絆に自嘲する夜、もう子どもではいられない。


2年前 No.21

はいむ ★iPhone=SiOPd9Floz







はじめは小さく話題になっただけだった。けれど今はもう、そのニュースを耳にしない日はない。

四角く切り取られた空。
わたしたちはどうしたって、その中を泳ぐことはできない。
あかるい絶望。






ふたつの世界がくっつきかけてる星の話。
境界線は空と水面。

・此方の世界
こっちの空は、あっちの世界の水中で、遠く高く泳ぐ魚のシルエットが見える。
くっついた影響で、こっちの世界に雨は降らなくなった。代わりに濃霧が発生して、そんな日の夜から明け方にかけてふたつの世界の境界線が曖昧になりやすい。たまに空から魚が降ってくる事件も起こったりする。

・彼方の世界
この世界の方が科学技術が発達してる。こっちの世界の海がもうひとつの世界の空と繋がってる。ふたつの世界の境界線は日に日に曖昧になっていって、プールや水たまりから下の世界に落っこちちゃう事件も起こるようになる。



2年前 No.22

はいむ ★iPhone=QdKblLgHjR







( その手を離せば、楽になれるよ )


( きみが必死にしがみつくような、価値のあるものじゃあないだろう)



その囁きに応えたら彼女は救われた?
柵と旧弊に囚われて、心はゆるやかに腐敗していく。

2年前 No.23

はいむ ★iPhone=jcNlQDTbCu





生きていてくれればそれでいいよ、はーちゃん。




( そんな願いすら、この世界じゃ叶えられない )

2年前 No.24

はいむ ★iPhone=kLM1zWAjim


○○×緋月
野球部の純情ボーイと、厭世的なお嬢さまの甘々少女漫画らぶ



( その笑顔がみられるなら、俺は、 )

○○(彼)
身長:176
容姿:色素の薄い短髪。中高野球部だったから日に焼けてる。大学ではもうちょっと髪伸ばす予定。でも短髪。顔は中の上くらいだけど脳内ではさわやか系イケメンのイメージ
性格:誰に対しても優しく誠実で、何事にも真剣に取り組む真面目くん。挨拶もお手伝いもしっかりするから近所の人たちからの評判も良い。
やればできるのにやらない人が嫌い。やるべきことをやらない人も嫌い。やれよ!って怒る。そこら辺ちょっと口うるさい。面倒見が良くて緋月の食生活にもかなり口出しする。
正しいことを正しい、間違っていることを間違っていると言える人。
備考:優しくて厳しい両親にまっすぐ育てられた彼。姉が3人いていつも振り回されてる末っ子男子。故に料理ができる。得意と言う程ではない。





( 愛されたい、なんて。わたしには、とても、 )

緋月
身長:158
容姿:黒髪ストレート。色白の美人さん。黒目ぱっちり。
性格:のんびり穏やかな女の子。好きなものはかわいい女の子と読書。お菓子づくりが趣味。ご飯食べることに全然執着がなくて食生活が超不規則。学校近くのマンションに一人暮らし中。
備考:家制度が嫌いで家ではぐったり無気力。消極的で厭世観の持ち主。両親の期待通りに振る舞う優秀な兄と比べられながら育ってきた。もうずっと親子の会話はなくてお金だけ与えられてる。彼女のいちばん欲しいモノはいつだって手に入らない。
愛されたい。けれど、自分にはその資格がないと思ってる。



*/血縁関係のない親戚で、お互いの存在は知ってるけど仲良くはないところからスタート。

*/かわいいけど消極的で厭世的な彼女のことが最初は好きじゃなかったけれど、街で友だちがたまたまナンパした女の子たちの中に緋月がいて、会話中にふいに溢れた笑顔にあっさり落ちてしまいましたとさ。

*/そこからちょくちょく話すようになって、気づけば視線が彼女を追ってる。でもまだ恋だと気づけない純朴ボーイ

*/彼の朴訥な誠実さに惹かれてる緋月は、完璧に信用して気を許してる。"家"でも彼の前だとふにゃって笑う。彼といるとすごく落ち着く。この気持ちは何だろう。まだ彼女は恋だと気づかない純情ガール。
先に気づいてもなかなか告れない純情ボーイ

*/高校卒業前の二月。卒業式までのお休み中、ふたりはよくデート(無自覚)をします。

(*/告白しーん未定)

大学生になってから本格的にお付き合いをはじめたふたりはいちゃいちゃしたりやきもち焼いたりいちゃいちゃしたりして同棲からのお嬢さんを僕にください的な王道を突き進んでいってくれるって信じてる。こどもは双子がほしい。因みに同棲するときの家具食器選びとかはふたりで買いに行って、真剣に悩む彼の隣で彼女はにっこにこ笑っててほしい。幸せをかみしめてほしい。幸せになってね
さて問題は彼の名前が決まらないこと。困ってる

2年前 No.25

はいむ ★iPhone=xi1CtGEMQB



泣いたってだれも助けてくれないこと、解ってる。
大人って大変。



2年前 No.26

はいむ ★iPhone=Bcgl9qdMPv




繰り返し繰り返し、夢をみる。場面は様々で、けれど決まって、最後は指切りで目がさめる。「生まれ変わったら、…」来世に託した約束は、百合の咲き誇る湖へ沈んで消えた。
生まれ変わったふたりが持つのは、夢の中の約束だけ。記憶も恋心ももうなくて、日常の中で気にもとめない、ただの夢だと思っていた、ある日。
目があった瞬間、ああこの人だ、この瞳だとわかる、ふたり。


*でもわかったところで記憶が蘇るわけでも恋に落ちるわけでもない。
*現世では初対面だし、いきなり「前世で私たち知り合いでしたよね」なんて言ったら不審者扱いされるとお互いに思って、でも相手のことも夢のことも気になるから、大学で同じ授業をとったり片方が参加するっていう飲み会に行ってみたりと、前世の話には触れずにじわじわ友人になっていく。



そのうち仲良くなって恋人になって、ソファでくつろぎながら「前世の約束が叶ったね」なんて、最初に思った通りこの人は前世の恋人だったんだって気づくのなんて平凡すぎてつまんない

1年前 No.27

はいむ ★iPhone=AuiClrWw9u



「この島の珊瑚はね、とっちゃだめなんだよ。
国から禁止されてるんだって。」


この島の珊瑚は、恋心からできているから。

1年前 No.28

はいむ ★rUJn3VpGD0_xKY




ごく一部の人間しか立ち入ることを許されない、この国でいちばん高い塔のいちばん上。
国のすべてを見下ろすことができるその部屋に、彼はいる。



#歴史に忘れられた王子様。



+/時間の外側を生きている、ずっと昔の時代の王子様。
+/光のような金髪で、息をのむほど美しい顔立ち。
+/ロココ様式の煌びやかな装飾が施されてる室内は、けれど侍女のひとりもいない。
+/彼の存在は国のトップシークレット
+/とっても偉い人達以外でその存在を知るのは、いつの時代もたったひとりの女の子だけ。
+/ずっと昔の時代のお姫様。
+/生まれ変わるたび、容姿も性格も違う。
+/何度生まれ変わっても、瞳だけは変わらない。
+/何度生まれ変わっても必ず彼を愛し、変わらず彼女を愛した。
+/永遠に彼女を愛することを誓った王子様と、人として生きることを選んだお姫様。
+/異なる時間軸を生きる、閉ざされたふたりの物語。

1年前 No.29

はいむ ★Ns3Ik5P0fg_xKY






   耳を塞いで目を閉じて、終わりにしよう、何もかも。





1年前 No.30

はいむ ★iPhone=afYey0jIZo



土葬
「俺は棺桶に入って埋葬された。今は墓の下だな。普通だろ。埋葬の仕方になんか興味ねえよ」
水葬
「私は溺死なんだけど、水葬ってことになってるってことは、あのあと弔ってくれたのかな」
火葬
「わたし?わたしは普通だよ。死んで、燃やされて、灰になったの。」
花葬
「俺の死体は花畑にあるよ。春から夏にかけて、ラベンダーがすごく綺麗に咲くんだ。俺が死んだらそこに埋めてくれって、頼んでおいたんだ。」
空葬
「おれの死体はもうないよ。鳥が食ったらしい」

1年前 No.31

はいむ ★iPhone=3a12hNpvMv



戦争の影響で時間の止まった黄金都市ベクライア。
永遠に年を取らない住人たち。大人になれない子どもたち。変わらない街並み。けれど終焉はある日突然、やってくる。身体中の水分が失われて砂になって崩れ去る。寿命は誰しも平等に。もうこの街に赤ん坊が生まれてくることはなくて、消えていく住人たちとともに、戦争の記憶も世界から失われていく。生き証人の街は、最後のひとりが消えたとき、歴史の闇に葬られる。

老いを知らない呪いの街、ベクライア。


1年前 No.32

はいむ ★iPhone=H5xgdaRxSU




みにょーん、という妙な効果音が似合いそうだった。

「みのむし?」
「いやトカゲだろう」
「ムカデじゃない?」
「ミミズだろ」

それを見た人々は口々に意見を言ったが憶測は憶測にしかすぎず、さらにその意見の中のどれにも的確なものはなかった。そもそもそれ≠ノ名前があるのかどうかすら怪しい。
村一番の昆虫博士を呼んで調べてもらったが正体は分からず、国一番の偉い博士から、果てには医者、動物学者、物理学者等等。しばらくみんなで話し合っていたのだが、結局、それ≠表現する言葉は見つからなかった。

「それでいいんじゃない?」

誰かがそう言ったのを切欠に、村人は納得して去っていきました。しかし学者達は納得しません。いつか必ず正体を突き止めてやる、とテレビで大大的に放送し、研究を続けました。



めでたしめでたし。




この文章に特に意味はない←
国民は大して関心ないことに学者さん達やメディアは熱心になるよねってゆーお話。
わからないならわからにでいいのに。

1年前 No.33

はいむ ★iPhone=iIcXLgtPPf



空を仰ぐ余裕もないくらい雨は勢いを増し、あっという間に服は水を吸って重くなる。踏み出す度に水の染み込んだ靴が不快な感覚を伴ってぬかるんだ地面に足跡をつけた。

「何、」

喪服に身を包んだ彼は、傘もささずに雨を全身に受けている。こちらを向いたその顔には余裕がなく、疲労が見て取れた。凄むような表情といつもより低い声のトーンは、今の彼の精一杯の威勢なのかのしれなかった。
口を開いて、紡ごうとした言葉をそのままのみ込んだ。彼が、泣いているように見えたから。

1年前 No.34

はいむ ★iPhone=iIcXLgtPPf





 どうにもならない強い力のまえでは子供は無力で、泣き叫ぶことしかできない。
 けれど、泣くことすら許されない場合はどうすればいいんだろう。


 はやく大人になりたかった、あの頃。




1年前 No.35

はいむ @neige ★Ns3Ik5P0fg_xKY





 「灰」色の「夢」と書いて、はいむなの。






1年前 No.36

はいむ ★iPhone=KfCqgRI1iM





久々に読み返してみても相も変わらずわたしはわたしで、それはきっと懲りずに同じ理想を追い続けているせいなんだろうなあって。


わたしの愛した子たち。いつかわたしの中から消えてしまっても、あなたたちが居た証を、言葉の中に印してあげる。
これはある種の弔い。



Thank you for 3clap.

1年前 No.37

はいむ ★iPhone=tUpk9zKWxL




ひとは死んだら星になる。
そんなお伽噺に縋って。夜空を見上げ続ける彼らは、朝がくるのを恐れてる。

東の空が白み始める頃、また、夜を想う。


#ほしぞら夜想曲

1年前 No.38

はいむ ★iPhone=qC4eB9Hvw8

相関図的な。




+緋月と徹は、いつかこの幸せを失う日がくるのを恐れるくらい毎日幸せで、やさしい関係を築いていって欲しい。

+紫華と雅は、そばにいなくても信頼し合っていて一緒に高みに上っていける相棒みたいなカップル。

+憂と灰斗は、一緒にいるのが当たり前で、穏やかに微笑み合ってるようなカップルでいて欲しい

+由美と乙樹は、どうしたら自分のことをもっと好きになってくれるかを日々考えてるようなかわいいふたり。




緋月…本家の生まれ。両親と家制度が嫌いで、半ば勘当状態で分家の家でお世話になってる。
紫華…孤児。緋月の代わりに本家に入る。家制度は嫌いだけどやる。守りたいものがあるから。
徹…分家の生まれだけど評判の良い子だから将来有望だと大人たちは目をつけてる。
雅…孤児だったけど幼い頃に本家に引き取られたのを知る者は少ない。家をより良く改革したいと思ってる。
乙樹…分家の下の方。能力は高いけど身分が低いから家制度からは遠い。あまり関わりたくないから力のないふりをしてる。
憂…家制度の中を上手く生きている。家を継ぐための勉強をしてる。
灰斗…憂と婚約中。次男だから憂の家を継ぐための勉強を一緒にしてる。
遥…分家。疎みながらも家制度の中で生きている。不良で脱走の常習犯。親に、美人だから本家の嫁にと考えられてる可哀相な子。
由美…ふつーの子。乙樹と付き合ってる。


家制度で大元は一緒だけど、紫華・雅・乙樹(由美)は同じ高校で道化師としてクラブ活動してる。
→憂・灰斗は同じ大学で違う学部。道化師出身。
緋月・遥は同じ有名女子高。仲良し。
徹は中の上くらいの学力の普通の高校に通ってる。
紫華と緋月の関係が微妙。


1年前 No.39

はいむ @neige ★Ns3Ik5P0fg_xKY

 別に、書きたいものがあったとか創り出したい世界があったとかじゃなくて。
 ただ、叫びたかった。


 *

 言葉にして伝える勇気がなくて、文字にして自分じゃない誰かに代弁してもらう。物語の逃避。弱虫の果て。

1年前 No.40

はいむ ★iPhone=lCsXEuH7I7



「解放と克服は同義だろうか」


1年前 No.41

はいむ @neige ★Ns3Ik5P0fg_xKY




「そして赤ずきんは美しい娘に成長して、王子様に見初められて結ばれるのよ」


この人は物語の結末をハッピーエンドに書き換える作業をしている。
僕が入部して早半年。先輩は今日も相変わらずだ。
書き終えた物語を丁寧な動作でホッチキスで纏め、本棚の中にしまう。僕らの部室は昔図書室として使われていた部屋で、沢山ある本棚は先輩の原稿用紙で七割方埋まっている。ちょっとした書庫だ。

「宮野くん、知っている?世界中の女の子はひとり残らず幸せにならなくてはいけないのよ。」

まるでそれが世界の真実であるかのように、確信をもって彼女は微笑む。
嗚呼、綺麗だと、純粋に思う。
僕は先輩が好きだ。あまりにも悲しくて、綺麗で、切ない物語のようで、目が離せない。
先輩がハッピーエンドに固執するのは、彼女自身が幸せになれないことによる代償行動だと思う。僕は先輩の個人的な事情は何も知らない。けれど、時折見せる魂の抜けたような表情は、なんというか、色が抜け落ちたような、そのまま消え失せてしまいそうなくらい儚い。
普段はおっとりしていて明るく微笑んでいる先輩は、原稿用紙を前にすると何かにとりつかれたように一心不乱に鉛筆を動かす。それは脅迫観念にも似た、ある種の精神疾患なのではないだろうか。きっと、彼女の理想郷は原稿用紙の中にしかない。呪いのようだと、たまに思う。

一冊の本を愛でるのと同じように、先輩を愛しく思う。
ひとりくらい、彼女のそばで、彼女の幸せを願う人間がいたっていいはずだ。
僕は祈っている。先輩の物語が、正しくハッピーエンドを迎えられますように。


1年前 No.42

はいむ ★iPhone=txoyftm3gB



その大国は、決して外部からの侵入を許さない。鉄壁を誇るその国は、上空から見れば巨大な円を描くように創られており、国土の全てがあるひとつの魔法陣になっている。
その国に生きるすべての魔法使いは魔法陣に魔力を捧げ、またその魔法陣の加護を受け生きている。この魔法の循環は建国当時からの習慣である。


(王宮のすぐそばに大きな公園がある。美しいことで有名で、四季の花々が同時に咲き乱れる、一年中枯れることのない魔法の園だ。
その一角に大きな噴水がある。待ち合わせの目印として多用されるその噴水は、中央にとあるひとりの魔女の像を据えている。今では誰も、気にとめることのない、実在した人物であることすら知らない、古い古い魔女の話)



彼女は生まれながらの天才だった。人並みはずれた魔力を持ち、それを使いこなせるだけの技量も持ち合わせていた。彼女は何だってできた。どんな難解な魔法だって使えた。彼女は自由を愛し、世界中を巡って魔法で人々を救った。もう彼女の名を知らぬ者はいなかった。そんなある日、彼女はある王と契約した。その国を支える魔法陣に魔力を捧げ国の繁栄に貢献するのだ。結果的に国は大いに栄え、長い長い歴史を刻む大国となった。けれど魔女は国外に出ることができなくなった。魔法陣は魔女の魔力の大部分を奪い、彼女はもう魔法陣の中でしか生きることができなくなっていた。国民は魔女を讃え愛した。魔女も国民を愛していたが、彼女はかつてのような自由を渇望していた。
最後までその願いは叶えられることなく、やがて魔女は衰え、国は喪に服すのだ。
国の犠牲となった、偉大なひとりの魔女のお話。

1年前 No.43

はいむ @neige ★Ns3Ik5P0fg_xKY




それは小さな和室だった。
記憶はどこか朱みを帯びていて、幼いわたしは痩せ細った指先を見ていた。カシャ、カシャ、カシャ、と規則正しい音を聞きながら、必死に手の動きを目で追っていた。真似をしようと真剣だった。
おてだま。着物を作るのにあまった布と小豆で作ってくれたそれが可愛くて、嬉しくて。
そのひとはわたしを抱き寄せて、手を重ねて一緒に投げた。ふと見上げると微笑むそのひとと目が合って、わたしはそれだけで楽しかった。
その日、そのひとはずっと笑っていた。


やがて成長するにつれ、そのひとが一族の長だと知った。気難しく、笑わないひとだとみんなが言った。わたし自身、長としての彼女を遠目で見たとき、その表情の厳しさに驚いたのを覚えている。
わたしがそのひとと会う機会はほとんどなかったけれど、わたしと過ごしたすべての時間、彼女は微笑んでいたように思う。
長として、だれにも隙を見せず、気を許さないことが彼女の矜持だったなら、忘れることは弔いだろう。





彼女の訃報を切欠に蘇った、幼い頃の数少ない優しい記憶。
ふたりきりのときしか笑わなかったおばあさま。自分のこどもにさえ厳しく、笑顔を見せなかった彼女は。本当は気を張り詰めていて、笑わないことこそが彼女のまとった鎧で、これこそが弱さだった。

彼女が唯一見せた本当の顔を、忘れることは弔いだろうか。
もう会って言葉を交わすこともできないのに、何ひとつ取り戻せないと知っていて、忘れることは弔いと呼べるのか。
ひづきだけは覚えていてあげた方がいいのかなーって。

(緋月が家をでることを決めたとき、実は引き取り先の家族に緋月をよろしく、とこっそり手を回していたりする。)


1年前 No.44

はいむ @neige ★Ns3Ik5P0fg_xKY





あの人の背負う、仄暗い雰囲気に惹かれて
あの子は今日も、ため息をついて見つめている。
それは恋というより、闇に対する憧れのようなもので
大切に大切に育てられた女の子の、無垢な無知。

綺麗だと感じる心が綺麗なのだと。


1年前 No.45

はいむ ★iPhone=6Bt5CxVn9B




ここはいつでも優しい。
自己陶酔で救われるなら、それで充分だよ


「どうか、しあわせに」



1年前 No.46

はいむ @neige ★Ns3Ik5P0fg_xKY






  >>31
 若くして散った英雄たち。けれど彼らは蘇る。国を守るべく育てられた彼らの魂は、死後も隷属される。

 「封水の魔女?え、あの伝説の?」みたいな、様々な時代で偉大な功績を残した者が呼び出される。
 個別設定は後で。
 初対面の子たちが組んでスーパーチームができあがる。


 *ある一定の水準を満たした魔術師は、国と契約を交わす。
  通常死後の魂は天に昇っていくが、彼らの魂は小さな水晶玉に封印されることになる。いつか国に危機が訪れたときのために。
  これは国家機密で、ずば抜けて優秀な魔術師にしか知らされない秘密。
  その数は決して多くはない。むしろほぼいない。彼らはふつうに生活している。とある薬売りや、魔術学校の教官にも蘇生した者がひとり。
  水晶は国の最深部にある部屋で幾重にもかけられた魔法の繭の中に保管されている。

 *契約後、蘇生されるのは若い魔術師だけ。
  年配の魔術師はその年を重ねた分の実力があるが、それだけの人物ならば生前、それに見合う地位にいたはず。
  蘇生後の時代の政治などなどに口出しされちゃ困るから。
  つまり扱いやすい(その時代にも順応できる若い)手駒しかいらない、って話。


1年前 No.47

はいむ ★iPhone=9w8Se1gFAG





戸惑い、悩み、立ち尽くして。

だけど、もう。
立ち止まることすら、限界だった。




1年前 No.48

はいむ ★iPhone=YpDW4n6Npq






世界の運命を背負った某少年とは違うから、わたしは逃げたっていいはずだよ。
例えいちばん大切な人たちを傷つけても。
これが甘えだって、わかってるの。
わたしがそれをわかっていることだけ、わかってほしい。
全部知ってて、捨てていくから。




なんでもない普通の日。失踪したひとりの女の子の話。
ともだちも、両親も、だれひとり、なにも知らない。あの子はだれにも、なにも言わなかったから。

1年前 No.49

はいむ @neige ★Ns3Ik5P0fg_xKY





 あの人は、綺麗な悲しみの中で生きている。優しいままで生きている。
 本当はわたしも、そうなれたらよかったのだけれど。ごめんね。あなたを愛せたならきっと私は幸せになれた。


「 ばいばい 」




1年前 No.50

はいむ ★iPhone=dJQVNYq5Ac



わたしは綺麗でいたかった。
綺麗なものを見て、感じて、微笑んで、綺麗なだけの世界で生きていきたかった。
守られていたやさしい場所にさよならしても、わたしはわたしのまま、綺麗なものを集めて生きていけると思ってた。
あれから何年か経って、きっとわたしはわたしのなりたくないものになってて、どこにもいけないまま、毎晩ひとりで泣いてる。
大人ってむずかしくて、すごくむずかしくて、脆弱なわたしは笑っちゃうくらいボロボロになってひざを抱えてる。

たすけ、て。
毎日こりずに馬鹿みたいに叫んでる。
中途半端な優しさじゃ、余計に悲しくなるだけって知らないの?

信号の赤色、黄色と黒の柵の中、屋上のフェンスの向こう側。

やさしくない世界。
綺麗じゃないわたし。


わすれてください、わたしのすべて。
そうすれば、思い残すことなくさよならできるから。

1年前 No.51

はいむ ★iPhone=IkSQSrsXmq




気付いてしまった疑念に、抗う術はなくて。
もう、知らなかった頃には戻れない。


この胸の中にある光は、神様がわたしにくれたなによりも綺麗でなによりも大切な宝物で、この光に守られてわたしは今日まで生きてこれた。あたたかくて優しい光。わたしは恵まれすぎた。

このまま綺麗に、生きていきたかったのに、ね。

1年前 No.52

はいむ ★iPhone=X2XFAtM2zQ



とても穏やかに笑う優しい女の子の話。
「綺麗」という呪縛に囚われたこの子は、いつも窓を見ている。ここではないどこかを。
美術部。
深い藍色のセーラー服にシルバーグレイのタイ。品行方正で女性らしさを謳う女学園。
遥と仲が良くて、後に緋月とも親しくなる。誰にでも優しいこの子は、自分にだけは優しくないから遥が心配してる。
しとしと降り続く6月の雨みたいな女の子。

1年前 No.53

はいむ @neige ★Ns3Ik5P0fg_xKY



 死にたがりの咆哮。ばかだよね、わたしたちは今日もこりずに叫んでる。
 みんなが愛を求めてて、みんな優しさを知ってるやさしい人だから苦しんでる。

「 …… 」

 慟哭の中でしか分かり合えないわたしたちは、優しいだけの対話に意味がないことを知っている。
 救われたい楽になりたい苦しみたくない。

 死にたい。

 半分本気で半分嘘。
 甘ったれたわたしたちの戯言は、いつだって死という着地点で完結する。それは王子様とお姫様が結ばれるくらいの必然性で、けれど蓋然性は極めて低い、


 どこにもいけないわたしたちの咆哮は、より孤独を知るだけだと先生は言った。




1年前 No.54

はいむ ★iPhone=qn9EOKcERf




愛、してみたいし、されてみたい。

ぼんやりそんなことを考える国語の時間。
平和で楽しくて退屈な日々。
愛があれば、なにか変わる?
/緋月

1年前 No.55

はいむ @neige ★Ns3Ik5P0fg_xKY





「 良かったですよ。やさしくて、なにもなくて、いつも何かに飢えていて、それでいて満たされていて。あそこはあれだけで世界が完結してて。
  まあつまり、平和ってことですね 」



田舎。

1年前 No.56

はいむ ★iPhone=LQ3TznGl4g




「優しくしたぶん、優しさが返ってくるわけじゃない。報われないよ。それでもいいの?」

丁寧に人とかかわって、平穏に生きたいと望んだ優しい子。自分が優しさをもって接したら、人からも優しさが返ってきて、優しい世界で生きていけると信じていた。優しくて綺麗で、悲しい子。


1年前 No.57

はいむ @neige ★Ns3Ik5P0fg_uiD




 才能というのは確かに存在している。好きという気持ちの強さや努力の量、よりも前に、アンテナの感度のようなものが人より秀でている。感性やセンスなんて学んでいくうちに磨いていけるものだと思っていた。けれどそこにこそ天才と凡人を隔てる壁のようなものがあって、例えばこの咲き誇る紫陽花の庭園について、綺麗だという感想しかもてない僕は凡人でしかない。ただ僕に才能に焦がれるほどの熱意はなく、持っている彼女を、すごいなあ、なんて遠巻きに思っているだけだ。
 天は平然と人に二物を与える。彼女の才能は絵だった。僕たちは美術部で、月に一度、男子校と女子校の合同練習会が開かれる。それぞれ人数の少ない美術部員たちが視野を広げるためだそうだ。もう五年前、中学に上がってはじめての練習会で、彼女を知った。
 最初に描いたのはライラックだったように思う。そのときは僕自身が幼かったせいもあって、先輩と比べても見劣りしなかった彼女の絵を単純に上手い≠ニしかとらえられなかった。練習会を幾度となく繰り返していくうち、わかってきた。
 あれは叫びなのだと。
 彼女の絵はとても静かだ。彼女自身が派手なことを嫌う、温和でひたむきな性格が表れているのかと思っていたけれど、それだけではなかった。合評で先生が言っていた。彼女の絵は綺麗すぎると。

「 わたしの絵は、理想なの 」

 その言葉は答えだった。
 絵を描くのはひたすらに自分と向き合う作業だ。僕は作品を我が子のように感じる気持ちはわからないけど、作品の中に、いわゆる心や魂のようなものが込められていくのは必然のように思う。
 あの四角いキャンバスの中。彼女の描いた三枚目のライラック。三度目の春。きっと蟻の一匹もいない、まるで無菌室用のように潔癖に美しい絵。それが彼女の理想郷。
 悪いものなんてひとつもない、ただひたすらに綺麗な世界。

「 わたしは綺麗に、生きたかった。もっと優しく、純粋なままで 」

 不意にこぼれた彼女の言葉は油絵の具の匂いに溶けてなくなる。
 おしとやかで品行方正、いつも穏やかに微笑んでいるような彼女は。僕には十分、綺麗に見えるけれど。

 早く大人になりたい、なんて言えるほど僕たちは子どもじゃなかった。世界はきっと綺麗じゃなくて、辛いことは今と比べ物にならないくらいあるんだろう。探さなくてはいけない。黒や茶色じゃなく、ライラックを綺麗に汚す方法を。進路希望は白紙だった。僕も彼女もエスカレーター式に高校に上がり、変わらずこうして描いている。答えを見つけられないまま、彼女の絵は美しいまま、問題を先送りにして。それは惰性なのかもしれなかった。

「 わたし、美大に行こうと思うの 」

 スケッチする手を止めて、こういう風にしか生きられないから、と諦めたように笑って見せる。
 絵を描くことでしか世界と関われない彼女。








>>53 の子。
 彼と彼女が結ばれて、彼女の空ろをほんの少しでも埋めてあげられますように。空白の向こう側の、光を一緒に見つめてゆけますように。
 彼女が彼の憧れである限り、彼が彼である限り、雨が緑を豊かにし、ふたりの世界を照らしますように。




1年前 No.58

はいむ ★iPhone=2MiT2wRoZD


なりそこない。現実は理想に届かなかった。

泣いた。久しぶりにあんなに泣いた。
声を殺して泣いていたけど、込み上げてくる嗚咽はどうしようもなかった。ああいうのを慟哭っていうのかなってふと思った。
解ってほしい。のに、話そうとすると頭から言葉が消える。もう病気なんじゃないかってくらい真っ白。
何も話さないくせに、理解して救ってほしいなんて馬鹿げてる。たとえ話せたとしても立ち去る以外の選択肢はなくて、結果的に人は人を救えない。ごめんね、すきだよ。
自己顕示欲がないわけではないし、承認欲求は人並みにある。はず。興味がないから思考を放棄してるけど、最近たし算とかわり算がまともにできなくてもう末期。
夢なんてなかったけど、ひとつだけそれに似てるものがあったことに最近気づいた。わたしはいい子になりたかった。だけどごめんなさい。なれなくて。人に頼って迷惑をかけながらしか生きていけない。そっかだから辛いんだ。やっと理解できた涙のわけ。ばか。
成人式も済ませたし、きっとわたしはもう大人なんだろうけど、全然大人になれないね。大人にも未来にも希望を持ったことなんてなかったけど、これは思ってたより断然酷くて笑っちゃう。
最近素直に怒れる人に憧れる。もう何が正しくて間違ってるのかわからなくなってきて、ただただ悲しくなって泣きそうなの我慢して1日が終わる。
わたしの人生設計ではあと5年くらいが寿命だけど、別に今晩でも明日の朝でもいいよって思いながら毎日生きてるよ神さま。わたしなんかお側にいらないかもしれないけど、この世界にもわたしはいらないから、どうか慈悲でそちらに呼んでください。

きっと、わたしはわたしに失望している。

1年前 No.59

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「 だれもしあわせになれないね 」



1年前 No.60

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あの日の悲しみを、あなたは覚えているだろうか。何も知らないみたいに笑って、何事もなかったかのように過ごす事が、あるいは弔い、あるいは免罪符。
あの日の痛みに、君は苦しんでいるんだろう。拭いきれない悲しみが、瞳に深い影を落としているのを知っている。
あの日の悲しみの、傷がもう癒えていますように。記憶の破片は小さな小さな欠片になって、片隅にどうかしまいこんで。いつものように微笑んで。
あの悲しい出来事から、みんなが救われていますように。今も苦しみ続けているなんて、そんなの、哀しすぎるから。
あの日、彼らをおそった悲しみは、彼らにどんな変化をもたらしただろう。旅立った鳥たちは、雛鳥の頃を夢見るのだろうか。
あの日の悲しみに、囚われているのは。悲しみは怒りに色を変え、くすぶる炎は爆ぜるときを待っている。
あの日の悲しみを、誰が覚えているだろう。誰も、覚えていなければいい。記憶の片隅においやって、もう思い出さなければいい。だって、もう、だれにも。
みんなどうか、しあわせに。



それぞれが抱える、「あの日」。
切り離せないのはきっと、わたしの弱さなんだろう。

「さよなら」、もう二度と。
繋いだ手のかすかな温もり。失うことを、一体なぜ、そんなに恐れるというの。


さよなら雛鳥。飛べない鳥は、落ちて死んでしまうね。せめて最後は、しあわせな夢を。

11ヶ月前 No.61

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「 永遠に愛してる、って、遺書みたいで素敵だと思いません? 」



11ヶ月前 No.62

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たった3文字の謝罪の言葉が、言えなくて。
口にしてしまえば、なにもかもが終わってしまう気がして。
もうどうしようもないことはわかりきっているのに。

4ヶ月前 No.63

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「 大丈夫、まだ大丈夫 」
そう言ってねえ、あなた。


もうそんなところまで、



19日前 No.64

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これでやっと、解放されるのね――…


魔女を滅ぼすといわれるその剣は、彼女の豊かな胸に深々と突き刺さり、しなやかな身体に大輪の紅い華を咲かせていた。
――それは、一見して高度な魔法のようだった。
淡くやわらかな光が身体を包み込み、毒々しいはずの紅さえ神聖な美しさを称えているようだった。
彼女は笑った。
至高の祝福を受けた少女のように、この上ない愉悦を瞳に宿して。
其処には信じたものに裏切られた絶望も、死に逝く者の悲哀さも存在してはいなかった。
喜びだけが彼女を満たし、輝かせていた。

触れれば消えてしまいそうな儚さとは裏腹に、光は次第に強くなっていく。
強い光はやがて眩いばかりの閃光となって、空を突き抜けた――。



その日、伝説の魔女が死んだ。


19日前 No.65
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