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問わず語りのキャットタワー

 ( 書き捨て!小説 )
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椎名 @teheronn☆Ul7sqa2iQzIm ★Android=dcoJXxZW8y

「昨日、妙な夢を見たんだ」
それが夢だったのか現実だったのか分からないまま目が覚めなかったんだ。


----------*
適当に書き捨てていきます。

3年前 No.0
メモ2013/12/30 12:12 : 椎名☆vEvBw4ZWC2s @teheronn★Android-dcoJXxZW8y
関連リンク: 猫の塔 
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椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

「高橋さんには、翼が生えてるの?」
汗まみれの、敗北感で一杯になっている私は、涼しい顔で汗を拭う彼女が憎たらしくて、憎たらしくて。
彼女は一瞬虚を突かれたような表情になって、でもすぐにそれは消えて、少しだけ笑った。
「違うよ」

3年前 No.82

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

 最近の僕は、頭がおかしい。

 ぽちゃりと金魚が足元で跳ねて、ぽちゃりとアスファルトに消えていった。鯉がぱくぱくと空気を求めてるのを跨いで、僕は歩く。

 地面の下では、魚が泳いでるんだよ。
 悪だった僕らは、魚になって、人間になって、やっと善になれた後また魚に戻るんだ。
 小学6年生の時に転校していってしまった守屋君の言葉を、思い出した。

3年前 No.83

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

「私は神になれないけど、神も私にはなれない」
「唯一無二の存在?」
「そう」

3年前 No.84

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

「科学と宗教は同列なんだ」
頭のおかしい守屋君は言った。僕はメロンパンを齧った。
「肉体と心が別物であるように」
守屋君は一歩僕に近付いた。僕はいちごミルクでメロンパンを流し込んだ。
「だからもし君の肉体が死ぬのなら」
守屋君は僕の目の前に立った。僕は後退したかったけれど、後ろのフェンスがそれを阻んだ。
「君の心は僕の元へ戻る」
守屋君は両手をこちらに伸ばして、そして。

3年前 No.85

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

「君がいる世界は外陣」
「守屋君がいるのは?」
「内陣だよ」
「何も区切りは見えないけれど」
「僕は結界なんだ」
「君の中にいるの?」
「そう」
「開けてもいい?」
 守屋君は両人差し指でバッテンを描いた。私はその交差点に左の人差し指を当てる。
「33歳になったら、いいよ」
「それまで知り合いでいられるかな」
「もし他人になってたら、僕を探して」
 守屋君は私の人差し指を押し返してから、バッテンを解いた。
「君がいないと開かないから」

3年前 No.86

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

私を満たす唯一の存在、そうそれはチョコレート。

3年前 No.87

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

僕達は遊んだ。野原を駆け回って、森の中でかくれんぼをして、川でザリガニとりをして、疲れて帰って、でも次の日にはまた駆け回った。
「俺、こんな楽しい夏休み、初めてだよ!」
君の死体はどこ。

3年前 No.88

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

私は包丁を構え、大きく息を吸って、吐いた。
「こわいの?」
彼女が私の硬く握り締められた指に触れる。
「冷えてるね」
私は下唇を噛んだ。
「大丈夫だよ」
私は包丁を前に構えたまま小さく踏み出す。
「あなたの選択は正しいから」

3年前 No.89

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

弟の宗介は、三ヶ月前に死んだ。交通事故だ。
あの日は、梅雨の終わりかけた蒸し暑い日だった。一人暮らしをしている私の元へ、母親に頼まれて夕飯のおかずを届けるはずだったらしい。いくら経っても帰って来ない宗介を心配した母親が、私の元へ電話を掛けたが、私の家のチャイムは鳴らされていなかった。

3年前 No.90

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

弟の宗介は、私の部屋にいる。あの日、私が発見したのと同じ姿で。はねられた後その車に潰された私の弟は、見るに無残な肉塊となってしまっていた。
一週間前から、弟は私の部屋の隅に現れた。ちょうど私がベッドに寝転がって、壁と反対側を向くと正面になる位置に。驚いて起き上がると弟は見えなくなった。疲れているのかと思ってもう一度寝転がって、見えない事を確認して、スマホを目の前に持ってくると、見えた。驚いて、本当に驚いて、その内に気付いた。スマホを使っている時の後ろ側のぼやけた焦点の合わない世界でしか、弟は姿を現さない。
弟が見えている時、私の耳にはごく小さいキーンとした音が流れる。けれどこの音は、午前零時になった瞬間だけは止むのだ。その瞬間、弟はぐちゃりと音をたてて移動している。ほんの僅かに、けれど私に向かって。

3年前 No.91

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

エレベーターに乗った。扉を閉める。表示の数字はぐんぐん、上がっていく。もしもこの中に閉じ込められたら、どうしようか。機械の故障で、このエレベーターが止まってしまうのだ、……うん、十分ありえる。やっぱりまずは、この電話マークのボタンを押すべきだろう。そして助けを求めて、待つのだ。冷静さを保って。

3年前 No.92

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

「先輩」「また来たの、貴方」「暇人なんで」「引きこもりのクズニートのくせに」「先輩の話が聞きたくなったんです」「……物好きね」

「今日は空の話をしましょうか」「先週は星でしたね」「そう、……じゃあ先週の復習から。私達が見ることの出来る幾万もの星には、それぞれに何かが住んでいるのよ。そしてその星々の橋渡しをするのが?」「鳥です、そして宇宙は空」「そう。全ての鳥は毎日宇宙へ飛び立っているの。けれど勿論、鳥達とコミュニケーションをとれる人じゃないと、他の星のものたちと通信さえ出来ないわ」「先輩は毎日、オウムを使って言葉を送りあってるんですっけ」「そうよ。オウムが翻訳して伝えてくれるから、貴方も今日送ってみる?」「遠慮しときます」「ふふ」

「それで、空の話」「はい」「空は海なの」「空には魚が泳いでいるとでも言うんですか」「ええ、そうよ」「僕には見えませんがね」「私には見えるわ」「ほー」

「空の魚は、少し優しいの」「人間が優しくないみたいな言い方ですね」「人間は優しくないわ、貴方も知っての通り」「……」「空の魚は、可哀想な人の所へ寄って来るのよ。そして、人間が自分を嫌う気持ちを食べてくれるの」「……僕の周りには、空の魚はいますか」「ええ、いるわよ。たーくさん」「……見えません」「貴方の周りには金魚がいるわ、小さな小さな金魚がたくさん」「弱そうですね」「ええ、弱いわ。けれどその金魚がいるお陰で、私は貴方の顔が見えないの」

3年前 No.93

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

「マヨネーズ、かけすぎじゃない?」
僕がサラダを食べる時、アキはいつもそう言う。


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最近よく規制がかかってしまっていたようなので、18禁にしました。内容が理由という訳ではないようでしたが、念のため。

2年前 No.94

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

学校で、椅子に座って授業を聞いていると、右斜め後ろに私が立っているのを感じるんです。私にはノートをとっている私が見えます。うっすらと笑って、私の事を眺めているのです。(10/29 柴本唯のカルテ)

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また、一日間だけ制限されていました。制限理由の使えない接続元というのがよく分からないので、誰か教えて下さい。せつじつ。

2年前 No.95

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=H3tZ9n9jyT

あのね、黒い影が見えるの。最初は開いたドアの向こう側とか、窓の外とかとかに、スッと影が通るだけだったんだけど。最近ね、立ってるの、黒い影。庭先とか、玄関とか、廊下の向こう側とか、私の部屋の前とかに、立ってるの。先生、こわい、こわいよ。(12/14 楠実月のカルテ)

2年前 No.96

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

「馬鹿にしないで!」
甲高い声に危険を感じて、顔を守るように反射的に両手を上げた。手では防ぎきれなかった水が頬にかかった。
「馬鹿にしないで」
僕の前の彼女は一瞬前まで水の入っていたコップを落とす。がしゃんという音と共にガラスは割れた。
「私だって、ピーマンくらい食べられるもん」
ガラスの破片の飛び散った床に、彼女は座り込んだ。短パンから覗く真っ白な足は、ほとんど隠されていない。次第に床は赤く染まった。彼女はナメクジみたいに私の中に戻った。

2年前 No.97

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

「よく思い出して、昔の君が何を感じていたか」
あの頃の自分とちょうど同じ年代である少年の言葉に、私は首を振った。
「何度聞いても同じだよ」
覚えてないんだ、と続けようとした言葉は爆発音に掻き消された。

2年前 No.98

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

先生、聞いてください。私、盗聴されているんです。え?いえ、部屋に盗聴機があったとか、そういう訳じゃありませんよ。実は昨日、隣の席の笹本さんの机にぶつかって、誤って消しゴムを落としてしまったんです。本当に本当に謝ったんですけれど、口では良いと言っていても、彼女は私のことを許していないんです。私は知ってるんです。彼女が本当は宇宙人で、テレパシストで、私の頭の中へ侵入してくる事を。嘘な訳ないじゃないですか、現に、だってほら。(妄想スレト)

2年前 No.99

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

(私の二重化)
(幻視)

2年前 No.100

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe


・解離性同一障害
・解離性健忘
・体外離脱症状
・気配過敏
・対人過敏
・自生思考
・幻聴

・安心安全安静(予測可能性準備)
・複数人格の交流
・記憶の物語化
・日常的生活の回復

2年前 No.101

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

解離性障害の能力もの。もう一人の自分を存在させる力、見ている幻覚を視せる力、妄想を実現化する力、影を操る力、あらゆる可能性を見る力、色々。本拠地は病院。人間固有の種による様々な弊害を取り除こうとする組織。

2年前 No.102

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

今日、私は死にました。私のもう一人の私は死にました。昨日まで一緒に居たのに、あいつのせいで消えてしまいました。許さない。

2年前 No.103

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

「あのね、私、本当は人間じゃないのよ」
私のクラスメイトの夕暮ちゃんは、放課後の教室でそう言いました。
私はそうなんだ、と答えました。また夕暮ちゃんの戯言だと思いながら。
「信じていないでしょう」
夕暮ちゃんは少しむくれたように両頬を膨らませました。私は夕暮ちゃんのその表情が好きです。そう言うと、夕暮ちゃんは顔をほんのりと赤くしました。
「私はね、ナメクジなの」


---
遅くなりましたが、いいね8個目9個目ありがとうございます!
最近、飼っている猫がよく膝に乗ってくれるようになったので幸せです。猫可愛いよねこねこ。

2年前 No.104

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

僕は、ひとよりも少しだけ時間に置いていかれる。いつもいつも、少しだけ置いていかれている。
皆の動きは、どう見ても少しだけ早送り。少しだけ高く聞こえる、皆の声。皆は、僕の声を低いって笑うんだ。
どんなに僕が急いだって、皆は僕のことを鈍臭いって笑ってる。僕は、すごく、すごく急いでいるのに。

2年前 No.105

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

もしも自分以外の人が世界から消えてしまったら。そんな妄想、多分誰だって一度はしたことがあると思う。でもまさか、本当に起こるなんて思っていたら、そいつは頭がおかしいに違いない。
僕の頭はおかしくなかった。

(世界で一人きりになってしまった話)

2年前 No.106

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

Q.自分以外の人が全て世界から消え去ったら、どうしますか?
A.自分以外誰も存在しない世界に、生きていく意味なんてあるんですか?

2年前 No.107

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

目が覚めた僕は、いつも通りギリギリの時間まで布団にくるまって、7時くらいにやっとこさ二階の自室からリビングに降りたんだ。
驚いた。誰もいない。誰もどころか、飼っている猫すら消えている。

夜逃げ?僕だけを置いて猫を連れて?そんな馬鹿な。

2年前 No.108

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

田舎/女の子/お菓子/漠然とした不安/将来の夢がない子供は20歳になる前に死ぬ
死んだ女の子が猫になっちゃったんだって/知性のない生物たちの中で唯一の不幸
銃で敵を打つ/地下/犬と敵/死ぬと消える
---
「東雲」
小さなご主人の声に、私は振り向いた。

---
昔と今を行ったり来たり/敵には丸いものと袋がある、それが力/敵には2人/力はシャボン玉/敵のは黒い、ふわふわ上に上がる/それに当てると無効化/後ろ辺りの高いところに立ってる
/小さな子供が最後に転がした先に/小さな子供は前の時に話した/実際は攻撃してない/何か今に活かせないかと質問する/ホームレス/誰が多く指名をとれるか、そんなレポート

2年前 No.109

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

そこにあるのは、大きな大きな木。大きいと言ってもそんなに太さがある訳じゃない。僕が4人くらい居れば優にその木を抱え込める。

2年前 No.110

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

「私の言うことを復習してください」「はい」「花」「はな」「雨」「あめ」「苺」「いち、ご」「走る」「は…」「走る」「は、しる」「掃除機」「そ…?」「掃除機」「すみません、分からないです」

2年前 No.111

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

「貴方の名前は何ですか?」「貴方の名前は、佐藤です」「貴方はどこ出身ですか?」「あ」「関東?」「え」「関西?」「丸い」

2年前 No.112

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=Tub9AX1hYe

夕顔は狐であった。白狐であった。常に人間を憧憬していた。狐であるが故に名前は無く、名付けられる事を憧憬していた。最初の男に付けられた常夏という名を、夕顔という名よりも好んでいた。けれど、常夏が狐の身を守る事はなかった。いづれか狐なるらむな。白露の光に見抜く力はなかったが、ただただ当たってしまった。共に居ることは許されない事であった。某の院での一夜は、夕顔にとって最後の一夜であった。忘れられてしまわぬようにくだくだしきことも強調した。かの高貴な女性を夢に出した。狐は狐であるからして容易であった。遺体は秘密裏に埋葬された。秘密裏に生かされた。右近もまた狐であった。白露と別れた後日々は平坦に過ぎる。しかしてつまらない。三歳の女児は夕顔であった。狐は白露の元へと戻る。

2年前 No.113

椎名 ★iPhone=MdnyssmF72

何も足りない。今の自分には何も足りない。何も満たされてない。何もない、訳ではなくて、中途半端なだけだ。やりたい事が分からない。嫌いなものも好きなものも分からない。気になるものがない、訳ではなくて、世の中全てが気になって、世の中全てが気にならない。一歩踏み出した勇気は、一日で消滅した。責任転嫁したくても、どう考えても自分のせいだ。消えたい、という訳でもない。自己主張したい、という訳でもない。私は足りない。

2年前 No.114

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72

春ですね。誰かがそう言った。まだ春一番も吹いてないのに、春なの?春一番が吹かないと、春は運ばれて来ないものね。でも私達は春を感じてる。ざわざわ。これは春じゃないよ。誰かがこうも言った。これは春の気配だ、春じゃない。じゃあ春は今、何処に居るの?ざわざわざわわ。もう、すぐ其処に居るよ。飛んできた小さな雀が言った。僕、見てきたもの、春。

2年前 No.115

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72

数日続いていた雨模様が、まるで嘘だったかの様な快晴。登校の道程の最中、自然と浮かんでくる鼻歌を隠す事もせずに垂れ流していた。前を歩く人影が見知ったものである事に気付く。
「くーわむら、」
ぽん、と肩を叩くと、過剰な程に上体を跳ねさせる。
「ーーなんだ、遠森か。びっくりしたー」
相手が驚くのを見ては満足げににひ、と笑いかけた。

2年前 No.116

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72

ごろん、ベッドの上で寝返りを打った。
彼と親密になりたい、好かれたい、そう思っているのは俺だけでは無い筈で。酷く醜い、蛇の様な独占欲が首をもたげて来るのを抑える術を、まだ知らぬ若い夜。

2年前 No.117

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72

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2年前 No.118

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72

「俺は全部忘れられない」
フェンスの向こう側の少女は振り向いて、その無感情な、冷たい瞳を見上げる。
「君が明日忘れてしまう全て、俺が教えてあげるよ」
本当、と呟いた少女の声は、飛行機の轟音に吸い込まれて消えた。

2年前 No.119

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72

先輩の突然の言葉に、僕は落としていた視線を上げた。
普段と違って何とも真面目な表情で此方を見つめる先輩の瞳は、普段と同じように綺麗。じゃなくて。

「何を言ってるんですか」
「だってほら」


---
「自分がその人の事を好きなのか知るには、その人が死んだ時の事を考えればいいらしいですよ」
「へえ?」
---
「君が死んだら、私は悲しい。もしかしたら、親が死ぬよりも悲しいかもしれない」
「それじゃあ先輩は、僕の事が好きなんですよ」
「さっきからそう言ってるじゃない」
「確かに」
---
「キスをして上げても、よくって」
「ここは教室ですよ」
「ふふ」

2年前 No.120

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72


僕の中には何かがいる。何がいるのか、それが分かるのは僕の友達の山本君だけだ。山本君は僕の唯一の友達で、僕にとても優しくしてくれている、らしい。誰かが誰かにそう言っていた。僕には僕の中の何かが分からないから、山本君に尋ねてみたのだけど、山本君は何も答えずただ笑っているだけだった。

山本君はいつも笑う、僕の中の何かを見ていつも笑う。僕には僕の中の何かが見えないから、僕はとても焦る。焦った僕は掃除用のバケツの水をひっくり返して転んだ。汚い水が教室の中を汚染していく。あれ、あれ、あれれ!今は掃除の時間なのに世界が汚れていくのはおかしくないか、おかしくないのか、そんな事に疑問を持つのは僕と委員長の鈴木さんだけなのだけど、鈴木さんは付和する雷と同じだから。

鈴木さんは僕の事を見て笑わない。山本君は僕の中の何かを見て笑う。それ以外の人は僕の事を見て笑うのだけど、それには耐えられる僕でも、僕の中の何かを見て笑う山本君に僕は耐えられないから、僕は今日も今日とてバケツの水を被る。いや、バケツの水を被るのは嫌いじゃないんだ、嫌いじゃないんだけど少し寒さを感じるだけで、僕は君達の事が大好きなんだよ。君も、そこの君も、僕の事を見て笑っているだろう。僕の中の何かではなく。そんな君達が僕は、大好きだ。

僕は山本君が嫌いだ、そう、嫌いだ、大嫌いだ。他の人は良いんだ、山本君は僕の中の何かを笑うから。山本君に僕の中の何かが何なのかを聞いてみてもやっぱり山本君は笑う。だから僕は山本君の中の何かを刺した。刺して刺して刺しまくった僕は、いつの間にか真っ黒な砂糖にまみれていた。そんな僕を見て鈴木さんは笑う。笑っている。あはは。きっと、察するに、僕の是非を採点してくれる人はいない故に。

2年前 No.121

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72

僕は何故生きているのか。生に対する存在価値という物は何処に存在するのか。what、where、why。僕の隣の席に座る鈴木さんは答えた、「お母さんの頭の中にあるのよ」と。僕ではない、母親の頭、父親ではない、母の頭の中に僕の存在価値は。そう言った鈴木さんはチョコレートを僕に勧めるが、既に形を無くしたそれを食べる気は僕に起きなかった故に、ポケットに仕舞い込んだ。存在価値を探す旅に出たい、そう言った僕に鈴木さんは不思議そうな視線を向けたが何も言わずにチョコレートを食べた。母を訪ねて三千里。存在価値は四千里。教室に誰かが見知らぬ物が侵入して来て、僕等は無言になる、教室は有言になる。

2年前 No.122

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72

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2年前 No.123

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72

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2年前 No.124

削除済み @teheronn ★iPhone=MdnyssmF72

【記事主より削除】 ( 2015/08/27 16:01 )

2年前 No.125

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=MdnyssmF72

記憶が手の平から滑り落ちていく。昔から覚える事は苦手だった。けれど高校の電話番号だけは今でも空に言える。これが意味することは私だけの秘密。
私の記憶が滑り落ちていく。覚える事を苦手とするようになってから、ひどく共感をするようになった。涙脆く感じやすい。感受性が高い。誰かの歌に、メロディに、共感出来るようになった。けれどお気に入りの歌は出来ない。私の記憶は滑り落ちる。
滑り落ちた。元々、話す事は苦手だ。今まで居た狭い世界から広い世界へと出て、更に苦手になった。昔は得意だと思っていた、試さないだけだと思っていた。
無。整理をする事が苦手になった。私の中の全てが乱雑として飛び回る。全てがある、けれど何も取り出せない、故の無。真っさらになった私は、新しい人生を、始める。

2年前 No.126

椎名 ★iPhone=xeEwRt4h2B

恋心とは何か。人を好きになる気持ち。友情との違いは。

何でも知ってる猫さんは言った、恋は甘い甘い砂糖菓子。友情は爽やかな蜜柑の実なのよ。リスさんは尋ねる。蜜柑の実を、砂糖漬けにしたら、それは恋なの?猫さんは笑った。そう、そうよ、それは恋なの。そして、どんな物でも砂糖漬けに出来るのよ。砂糖が漬かるのに、とっても時間がかかる物もあるけれど。リスさんは首を傾げた。わたしは甘い苺ジャムが好きだから、3つ隣の木陰の木苺を砂糖漬けにしたいなあ!猫さんの髭が風になびいた。ええ、行ってらっしゃい。あなたに素敵な恋が待っていますように。

1年前 No.127

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★b9iuVYcwUV_ZFe

ただ許されたいと願う人生でした。生まれながらにして罪を抱いていた人生でした。ただ一心に目立たぬように生きていました。世界という理に、自分という矮小な存在が影響を与える事が耐えられませんでした。もちろん、影響も与えられない程にちっぽけな存在だと知っていました。違うのです。怖いのです。影響を与えられないと分かっていれど、私が存在した確かな証が、この強大な世界に残るのが怖いのです。許してください。誰か、こんな私を許してください。もちろん、誰も私を見ていない事を知っていました。ただ怖くて逃げていたら、誰からも求められないことを知っていました。それでも誰かに許されたいのです。許されたいのです。私はこれからも、誰でもない誰かに許しを請うて、死ぬ。


---
とても久しぶりな気がします。書き捨ての汎用性にどっぷりと浸かっている。
冬になると、猫との距離が縮まるので好きです。

1年前 No.128

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★iPhone=ErVsYl15T4

 まだ、とろりとした眠りが歩き出す先にいた。隣にある同じくらいの温かさは、僕の領域を広げてくれているようで、心地良かった。ね、と声をかけられて、視線を交える。
「私、死ぬとしたら、あなたを殺してから、一人ぼっちで死にたいな」
「……どうして?」
 春日とのピロートークは、大抵こんな話だった。死と、家族と、愛と、生きる上で幾らでも出てくる煩わしい事。そんな事を、僕達は取り留めもなく語り合う。主に僕は聞き役だったけど、春日の話はいつも唐突で、複雑で、僕は彼女にしか道の分からない迷路に迷い込んだ気分になった。答えは至極単純な迷路に。
「肉体と概念と、どちらも消滅する事が私の死なの。概念の消滅は、全てから忘れられる事でしょう。誰もいない所へ行って、私は緩やかに忘れられていって、緩やかに死ぬのよ」
 こちらを向いた、普段以上にくっきりとした二重になった目元が愛しくて、遮るようにそっと口付けた。そのまま少しばかり小鳥の真似事をして、密やかに笑う。
「……でもね、あなたは私の事を忘れられないでしょう」
 腕を回すと擦り寄ってくる春日を、猫のようだと思った。ただひたすらに本能的で、魅惑的で、純粋。彼女がそう言うなら、本当に僕は殺されるのだろう。彼女が緩やかに死んでいく前に、必ず。
「僕が死ぬとしたら、君に殺されて死にたい」
 そう言う僕を見上げた、春日の蕩けそうな表情を、決して忘れない。


---
いつの間にか春ですね。

1年前 No.129

削除済み @teheronn ★iPhone=3jOED2hvj8

【記事主より削除】 ( 2016/06/25 22:54 )

1年前 No.130

椎名 @teheronn☆hV7FzkQlVMI ★mqPCIPXiD4_Nu2

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6ヶ月前 No.131
ページ: 1 2

 
 
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