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黒猫が集う、幻想の世界を。

 ( 書き捨て!小説 )
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Koyomi。+@tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★ZDcXzn2z8k_smD

ようこそいらっしゃいました!
お早う御座いますこんにちはこんばんは、そして、初めましての方は初めまして。お久し振りの方はお久し振りです。
此処ではKoyomi。+(こよみぷらす)と名乗らさせて頂いております、祷月常磐(いのりづき ときわ)です。

最近ではめっきり創作意欲を無くして廃人の如く生活していました、まあ冗談ですけど。
廃人というのは嘘ですが、創作意欲が減退していたのは事実。なので、前記事を流してしまいました、記事や閲覧して下さった方に申し訳ない限りです。
今回はこの記事を建てるにあたり、少しずつ創作する楽しさを思い出していきたい、なんてさえ思っております。どうか之を見ている其処の貴方様、温かい目で見守って下さると嬉しい限りにて御座います。

題名に見合うほどの幻想的なる世界を作っていければなあ、なんてさえ思っております。けれどやはり断片的なるものであり、書き捨てていくものなので、お目汚ししてしまうものも有るかもしれません。其処はご了承ください。
また時折過去説などのSSを書かさせて頂く場合も有りますが、一つの作品として連載することはないと思います。飽くまでも、書き捨てとして書かさせて頂く所存で御座います。

また、更新は不定期ですが、文章や内容などの感想やアドバイスなどを私のアカウントにメッセージや伝言板などに書いて頂けたら嬉しいです。拍手なんて頂けると嬉しすぎ……いえ、なんでもないです。

最後になりましたが、どうぞごゆるりとお寛ぎ下さい。


( わたしが紡ぐ偽善(にせもの)の欠片を、とくとご覧下さいませ )

7年前 No.0
メモ2014/09/18 01:28 : Koyomi。+☆keIKSoWF8Tc @tokiwa★DoD54cDcbh_mgE

▼2014/09/18、いいねをいつのまにやら12も頂きましたっ!本当に有難うございますっ、恐縮です……!++ Thanks!(*´ω`*)


・いいねを押して下さった九人の名無しさま

/まとめてしまって大変申し訳ありませんっ、しかしこうして読んで頂けてしかもいいねも頂けて本当に本当に感謝の思いでいっぱいです!(*´∀`*)ありがとうございますっ、どうぞこれからも宜しければお暇なときにでも覗いていって下さいね!(*´ω`*)ほんとうにっ、ありがとうございます!


・埜國 瀧汰さま

/拍手とコメント有難う御座いますっ!(*´ω`*) 白兎ww彼は一番の常識人で一番の苦労人だろうと思われw素敵だなんてとても恐縮ですっ、ありがとうございますw

・マムさん

/そういって頂けると嬉しいです、拍手お気遣い超絶に有難う御座います!  

・あてねちゃんらびゅ((Σ

/うわわわっ、拍手有難うっ!++ すすす素敵だなんてとんでもないっ!((ガタガタッ 駄文でお目汚し申し訳ない……! けれど、そういってもらえるとめっさ嬉しい(*´∀`*)有難うっ!*


最近はアカウントのほうにばかり籠っておりますので更新のスピードが劣りつついますが、これからも精進して参りたいと思います。之からもどうか宜しくお願いします!

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Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_rRN

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4年前 No.112

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_rRN

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4年前 No.113

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_rRN

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4年前 No.114

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_nb8

榮月袮澄
所属:帝國直属軍事特務機関REST総本部、統轄指揮官
異能:無し("眠れぬ羊に良い夢を/Hello-Hello,GoodBye-SHEEP")
性別:男
年齢:27歳
誕生日:3月24日

初冷鶴綺
所属:帝國直属軍事特務機関REST総本部、統轄副指揮官
異能:"刃向う剣の総ては我が手中に有り/Turn-STING-Return"
性別:男
年齢:27歳
誕生日:1月11日

恋日永司
所属:帝國直属軍事特務機関REST総本部
異能:"稀代の奇術師/CRAFT=SORCERY(仮)"、"君と契し悠久の奇跡/Endless-GIFT(仮)"
性別:男
年齢:22歳
誕生日:4月3日

絃告ゼン
所属:帝國直属軍事特務機関REST総本部
異能:"因果応報/LAW-Of-KARMA"("巣食う悪意/What Malice?" )
性別:男
年齢:22歳
誕生日:2月1日

弋ヶ禝マナ
所属:帝國直属軍事特務機関REST総本部
異能:""
性別:女
年齢:22歳
誕生日:12月5日

エストヒュード・ハウゼン
所属:帝國直属軍事特務機関REST総本部
異能:""
性別:男
年齢:25歳
誕生日:9月13日

キト・センプヒェン=カートレット
所属:帝國直属軍事特務機関REST総本部
異能:"囀る世界に朽ちた花冠を/(仮)"
性別:男
年齢:23歳
誕生日:8月10日

樹蜜天璃
所属:帝國直属軍事特務機関REST総本部
異能:""
性別:男
年齢:21歳
誕生日:10月23日

甘欺杏都
所属:帝國直属軍事特務機関REST総本部
異能:""
性別:男
年齢:21歳
誕生日:4月5日

色部氷奉
所属:帝國直属軍事特務機関REST総本部
異能:"純粋にして生粋なる風/Giselle"
性別:男
年齢:21歳
誕生日:11月29日



++

ちょっと時間空いたから軽くメモ。
それぞれの年齢は氷奉が加入時点でのもの。仮表記と無表記の異能欄はまたいずれ。
若いなー。

3年前 No.115

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_nb8

壱寿冠解
所属:帝國直属特殊精鋭部隊UNLIMITED第三班『百鬼』首領
種族:狗神
性別:男
年齢:25歳
誕生日:8月25日

栢菱逝々
所属:帝國直属特殊精鋭部隊UNLIMITED第三班『百鬼』副首領
種族:白澤
性別:男
年齢:25歳
誕生日:7月12日

志礫屑雷
所属:帝國直属特殊精鋭部隊UNLIMITED第三班『百鬼』副首領補佐
種族:雷獣
性別:男
年齢:22歳
誕生日:12月31日

椥辻鄰
所属:帝國直属特殊精鋭部隊UNLIMITED第三班『百鬼』
種族:麒麟
性別:男
年齢:16,17歳前後
誕生日:6月1日

託ヶ前黎旭
所属:帝國直属特殊精鋭部隊UNLIMITED第三班『百鬼』
種族:八咫烏
性別:男
年齢:22歳
誕生日:1月1日

椎祈稲銀
所属:帝國直属特殊精鋭部隊UNLIMITED第三班『百鬼』
種族:九尾の妖狐
性別:男
年齢:14,15歳前後(冠解の術式で身長などが左右されるため一概に年齢を特定できないが一応デフォルトがこの年齢)
誕生日:9月22日

梭鳫夜鳥
所属:帝國直属特殊精鋭部隊UNLIMITED第三班『百鬼』
種族:鵺
性別:女
年齢:19歳
誕生日:1月28日

解時矩鎚
所属:帝國直属特殊精鋭部隊UNLIMITED第三班『百鬼』
種族:覚(サトリ)
性別:女
年齢:20歳
誕生日:5月29日


++

そして百鬼の加筆修正〜
年齢は全員は外見からのおおよそ。
いい加減、喰~と番傘と識~もかためたいよね。

3年前 No.116

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★Android=S1chW0D1S2

「――――いつだって、俺のせかいは闇だった」

「くろくて、くらくて、きたなくて、いきぐるしくて、しめつけられそうで、おしつぶされそうで、のみこまれそうで。俺のこの双鉾(りょうめ)に映る世界は、晴れて日が照っても、電気のついた明るい部屋に居ても尚、常にどこまでも漆黒(くろ)かった」

「くろくてくらくて……、けどそれをだれにも、いえなかった。言えるはずもかった。だって言ったところで、誰も何も俺の世界を理解できない」

「嘘と悪意と疑心と嘯いた好意とに満ち満ちたその黒い煙は生み出したそのひとさえも呑み込んでいく。あれは狂気であり、凶器だ」

「吐き気がするほどの気持ち悪い世界。いなくなってしまいたいと思いもした、醜い世界」

「――でもそこに、おまえが現れたんだ」

「はじめて、だった。はじめて、きれいだと思った。纏う白銀色、降り注ぐあたたかいひかり。まぶしいくらいのひかりが射し込んで、そしておまえは俺を、掬い上げてくれた。闇から。漆(くろ)から。きたなくて、くらくて、……こわいこの世界から」

「――ねえ、えいじ。俺はおまえがいたから


3年前 No.117

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★Android=S1chW0D1S2

「おまえがいたから、きっと、俺は今ここに立っていられるんだ」


3年前 No.118

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_8QL

「"外"、ねぇ」

 溜息混じりにゆったりと呟いたチェシャの言葉に、御灯は洋書へと向けていた瞳を軽く逸らして首をかしげた。大広間ではまだまだ皆が騒ぎ酒を煽りと宴の真っ最中であったが、そんな中、御灯はそれに自ら混じるわけでもなくもくもくと読書にいそしんでいたところであった。読んでいたところのページにそっとしおりをはさみぱたりと本を閉じると、その本の控え目ながらもうつくしい外装が目をひく。だが御灯もチェシャもそれには見慣れており、特に意識を向けない。代わりに御灯はチェシャの先ほどの呟きに、苦笑まじりにちいさく笑った。

「突然どうしたのです? 外へのことはもう決まったことなのです。それに、わたしは副長補佐という立場もあるから仕方のないことなのですよ。文字通り、ふくちょーを補佐することがわたしの役目なのです。ふふ、外になんて、一歩でも一秒でも出ることなんて望んじゃいなかったですけどね」
「……僕はね、おとび。僕は、……僕たちは、君が幸せでいてくれることが一番の願いで、望みなんだ。だからあの時、あの日。君から幸せの一切を取り去り、君の心を踏みにじって挙句の果てには棄てた、あいつらの事が許せないんだよ。赦せるわけがないんだ。憎い、といってもいい。だから今回が少しでも、掌を返して君という蜜を極限まで吸い取ろうと企んでいるであろうあいつらが、君に接触できる機会を与えてしまうことに結果的になってしまう事態を、快くは思えないんだ。それがたとえ、仕事だとしてもね」


++

ちょっとパソコン開いたからちょっとだけ〜ちょっとちょっと〜

3年前 No.119

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

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3年前 No.120

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

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3年前 No.121

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

「"――それで、呉祇くんは体育祭の練習しなくてもいいの?"」
「なんだ突然」

 豊かな風が吹き廻る屋上からは、四方視界が開けているためにこの緑青学園で学園生活を送る生徒たちの様子を一望することが出来る。そして勿論、此処から眺めることのできる太陽や夕暮れや月や星が光る遠い向こうには聳える黒い壁が立ちはだかり、ずっと眺めているとなんとなく迫ってくるような、そんな感覚にたまに陥ることがある。しかし今気にするのは、気にすべきところはそこではないのだ。鈴を転がすような少女の澄んだうるわしい声色が緩やかな風にのって鼓膜を震わせる。相変わらずのバランス感覚でフェンスの上に座っては脚を組む余裕さえ見せつつも、下方に広がるグラウンドを見おろしていた。時期にして、秋口。夏も終わりを見せ、後は冬へと一直線に差し掛かろうという手前。太陽のじりじりとした夏特有の暑さも少しずつであるが和らぎ、吹き抜ける風が涼しくなりつつある季節。そろそろ緑青学園にも体育祭という大きなイベントの一つが日にちを追うごとに刻一刻と迫りくるためか、放課後のグラウンドではいつも陸上部が練習している傍らで、体育祭で其々が出場する種目の練習が行われているようであった。ただ何を考えるわけでもなくその様子をただ眺めていただけであったが、どうやらジゼルは呉祇が無類の運動好きと知っていて、けれどそれに混ざらない様子に純粋たる疑問が浮かんでしまったようだ。別段呉祇は"楽園"を束ねるトップという座に居るから一匹狼などという気取ったポジションに居るわけではない。呉祇自身、昔はそうでもなかったが今はそれなりに友人もいれば学園生活も安界楽園を抜きにしても恐らく過ごしやすい環境に現在居る。授業こそたまにサボっては屋上にいるか、教室で眠っているかのどちらかではあるが、しかし彼にとって"楽しい"と思えるイベント事は率先して参加する傾向にある。それはこの体育祭も例外ではないのであるが、ジゼルは呉祇のなんとなくやる気のない様子を不思議に思うばかりだ。

「"だって体育祭よ? 呉祇くんのことだから絶対張り切ると思っていたの、でも違ったみたい?"」
「……いや、別にそういうわけじゃ」
「"ふふ、あ、そうそう! あのね、呉祇くん。呉祇くん確か800メートルリレーに出るでしょう?"」
「まあな、勝手に決められただけっつうか、知らない間になってたっつうか。……やるからにはそれなりにするけど、今のとこあんましやる気も起きねえつうか、なんつうか」
「"ふふふっ、じゃあこのジゼルさんが特別情報を教えてさしあげましょうっ! なんとこのリレーn"」
「ん、黎二」

 ジゼルの言葉を思わず遮ってしまった呉祇の目線の先には、グラウンドにある水飲み場の近くに居る黎二の姿。隣には誰かいるようで、その誰かの叫び声が此処まで聞こえてきたのであるが、そういえば聞き覚えのある、見慣れた姿であると思った直後にああ、と思い至った。中等部時代、まだ当時陸上部に所属していた頃の友人である相楽だ。高等部に上がってからは同じクラスになることもなく少しずつ疎遠になっていたのではあるが、相変わらず元気なやつだと軽く笑ってから、あいつは黎二とも友人であったのかと少し驚いた。ジゼルはそんな呉祇に不満そうにしては「"ひどいわ呉祇くんっ、もう教えてあげないんだからっ"」なんていう拗ねた声を発し、それが呉祇の耳元へ舞い込んでくる。しまった、と彼らから目を離して声のするほうへ顔を向けると、先ほどまでは居なかったがそこには少女の姿として顕現したジゼルが頬を膨らませて、どうやら途中で言葉を遮ったそのことにご立腹のようであった。声色にあった可愛らしい少女の姿をしているジゼルを瞳に映し存在を認知することが出来るのは、今の所呉祇のみだ。まるでひとのように感情が豊かである彼女は勿論ひとではない、儚く幻想的な存在。ジゼルと共にずっと今まできたけれど、永遠なんてものが存在しないように、この子と別れを迎える日も、いつかは来るのだろうか。

「悪かったって、ジゼル。で? リレーがどうしたって?」
「"……、……もう、仕方ないんだから。あのねっ、呉祇くんの出るリレーに黎二くんも出場するみたいなのよっ! ねっねっ、特別情報でしょうっ?"」
「――へえ、」

 呉祇の表情に思わず喜色がこぼれた。黎二が出るとなると一筋縄ではいかないかもしれない。それに、先ほどの相楽の怒鳴りが誰に対してのものかは知らないけれど、あの宣戦布告の内容を思い返してみれば彼も恐らくリレーへと出場するのであろう。そう思ったところで先ほどまでのやる気の無さは何処へやらで、呉祇は口許に笑みを浮かべたままぐうっと伸びをした。見上げた空は青く、太陽は白く眩しく思わず手を翳して影を作るも、そんな眩しさを大して構うことなく再び前方を見やっては広がる世界を瞳に映し出した。

「黎二が出るっつうなら俺も手を抜けねえなぁジゼル。そんじゃまあ、俺もひと肌ぬぐとすっか」
「"狙うは優勝ねっ!"」
「ははっ、ああ、勿論だ!」



++


はるちゃんの小話読んでからうずうずしていたので思わず。
はるちゃん宅の黎二くんのお名前を少々お借りいたしましたっ、いつもありがとうございますっ!
体育祭前のはなし。

3年前 No.122

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

「かみどき」

 いつもの指定席ともいえる縁側。鈴虫の鳴く音色だけがこの空間を支配する静寂の中、冠解の耳に自らの名を呼ぶ聴き馴染みのある落ち着き払った声色を捉えた。ふかしていた煙管を片手に月見していた双眸をゆっくりと逸らしそちらのほうを見やると、相変わらずいつもの分け隔てない優しさ滲ませる冠解にとっては嘘くさいといつも思う笑顔を浮かべながら、逝々は其処に居た。なんの断りもなく当然といったように冠解の隣に腰を落ち着けるのであるが、それに反するわけでもなく、寧ろ傍らにある徳利と既に日本酒が注がれた猪口の隣に置いてあったもうひとつの、まだ未使用の猪口に酒を注いだ。無言で手渡された逝々はしかし戸惑いを見せる様子もなく、それを受け取って一杯飲み干した。

「また日本酒か。相変わらずの日本酒中毒だね冠解は。ふふ、たまには別のも飲んでみたらいいのに」
「うるさい余計な世話だ。飲まないなら返せ」
「ははっ、飲むよ飲む飲む」

 不満そうな冠解を後目にもう一杯、と促すように猪口を差し出すと、気分を害して酒を分けてはくれないと思いきや、溜息をつきながらもそれでも丁寧に酒を注いでくれるのだから彼はやさしい。いや、これだけでやさしいかそうでないかを判断するには早計すぎるというか薄っぺらすぎるのであるが、長らく、幾つかの世紀を超えるほどの悠久たる時間を冠解の隣を歩き続けた逝々ほど、冠解の内面を知る者は居ないだろう。そして逝々が冠解を識っていると同じくらい、冠解も逝々のことをよく識っている。互いの強さも、弱さも、やさしさも、残酷さも。そして、決して他に語る日は来ないであろう、秘密も。思い返してみれば出逢いの当初、互いの印象は吐き気を催す以上ほどの最底辺であったが、それが有ったから今の二人があるといっても恐らく過言ではないのだ。
 猪口の中にうつくしく輝く月を映しだしながら、冠解は一度閉じていた唇をもう一度開く。その表情に先ほどまでの不機嫌さもなく、ただただこの空間に見合った静かなものであった。

「――逝々。そろそろ潮時かもしれないな」

 その言葉の意味を、逝々は瞬時に理解をした。彼はいつからそれを考えていたのだろうか。或いはこの場所に留まった当初から、いつかは退くその日を決めていたのかもしれない。そう考えると同時に、此処に、この帝國のいち組織という狭い枠組みの中で首輪を付けられ、まるで帝国の番犬にでもなったかのようなこの生活が存外に経っていたということを認識しつつ、今までどこにいたときよりも密度の濃い日々を送っていたことを逝々は改めて感じる。「そうか、……そうだね、冠解」と、喉元に凝った息をゆっくり吐き出すように、逝々はいつもと変わらぬ声色の調子で応えた。


 つい数時間前の話だ。誰が夕食の準備で作っていたおかずをつまみ食いしただとか、誰がおはぎを横取りしただとか誰が狐の尻尾を踏みつけただとか、なぜ先ほどまで多量にあった生米がこんなにも減っているのかだとか、それを総てまとめてやかましいと怒鳴り散らかす声だとか、そんないつもと変わらない騒騒しさがこの広い屋敷を包み込んでいた。しかしその夜更けまで続いた騒がしいながらも各々楽しそうな黄色い声色は、朝日が眩しくなり始めた頃からゆっくりと、次第に遠のいていった。
 不思議なほどひとの気配のしない、ただの空家と成り果ててしまった立派な屋敷の敷居をまたぐと、そこにはつい昨日まで八人の住人が寝起きをし生活をしていたとは思えないほど何もなく、痕跡ひとつ見つからなかった。嗚呼、彼らは出て行ってしまったのか。この事実はRESTの一員であり帝國へ身をささげている者としては由々しき事態ではあるのだが、しかし氷奉は何処までも冷静にこの状況を、異なる色の双眸に映し出していた。

「――ここでも、さようならの挨拶は出来なかったな」

 自らに宛てた小さな呟きは、ただただ誰も居ないこの静謐な空間に溶け込んだ。


++


去った日。
くっそみたいにお腹いたいんだけど誰かどうにかしてください()

3年前 No.123

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

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3年前 No.124

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

「――稲銀ちゃんっ!?!?」
「なに泣いとんのしろっ、また誰かにいじめられたんか!?」
「ちょっと誰よ稲銀を泣かしたやつっ! 覚悟しなさい骨という骨を砕いてあげるわ」
「ひっ、ひいく、ぅっ、せっつ、よる、ちゃ、ぁっ、」
「よしよし、いいこだね。大丈夫だよ稲銀ちゃん、落ち着いておいで」
「泣いとったら分からんやろ、いじめられたんやったら言わんと。心配せんでも俺と夜鳥が全力で葬ったる……」
「そうよ、またキトみたいなやつらだったらわたし、今度こそ食べてやろうかしらって思っているの」
「ち、ちがっ、だいじょ、だいじょぉぶだか、らぁっ、うれし、ぃ、だけだからぁっ、」
「うれしい?」
「うれしい……?」
「……うれし泣き?」


++

なんの落ちもないよ☆
一回寝たけど腹痛で結局起きてそのあと寝られなかったから心頭滅却に。
なんとなく治った気がします……。寝ます……。おやすみなさい。

3年前 No.125

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

 やめてほしいと、思った。気安く肩を叩いてくる手も、心配そうに見つめる視線も、ぬるま湯につかったかのような優しい声で名前を呼ぶのも、甘やかすように頭や背中を撫でるのも。全部が全部、やめてほしかった。優しくされる資格なんて持ってはいない。甘やかしてもらえるようなひとではない。あのとき、あのひ。お前に取り返しもつかないような酷いことを――お前を、きずつけてしまったことをお前は忘れたわけでもないはずなのに。そういう裏表のない純粋で、眩しいくらいの笑顔を向けてもらえるしかくなんて、なにひとつとして、もっていないのに。おまえは、おれをころそうとしたっていいんだ。だってそれほどのことをしてしまった。おれをにくんだって、けいべつしたって、ののしってくれたって、うらんでくれたって、――ころそうと、してくれたって。おれはかまわなかったのに。むしろ、そうしてくれたほうが、きっといくぶんか楽なきもちになっただろうに。それなのにおまえは、"さいご"のときだっておれを、しんぱいそうなかおでみていた。やめてくれ、やめてくれ。おれは、そうじゃなきゃおれは、――おれは。

 ――おれは、おまえにまたあまえてしまう。


++

やさしくされたくない、彼のはなし。
それでも彼もあの子に甘えるし、あの子も彼を甘やかす。

3年前 No.126

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

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3年前 No.127

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

「"ジゼル"」

 色部氷奉は時折空に向かって、まるで宝石のようにうつくしい左右色の異なる瞳を僅かに濡らしながら寂しそうにその子の名前を呟くことがあった。どことなく恋しそうで、せつなそうで、そして懐かしそうでもいた。名前からして女性のものだろうが、ゼンが思うに彼が周囲に女性の影をうかがわせたことはなかったように思う。といっても、まだ彼がこのRESTへ配属されてから一年とすこししか経っていない上、彼は自らのことを表だって語らないために本当のことはどうかは知り得ない。もしかしたら、此処に来る以前、つまりは高々と聳えるあの壁の内側に存在している都市にて生活をしていたときにそのような名の女性がいたのかもしれない。だがゼンは、いや、ゼンだけではない。恐らく同じRESTに属している者たち全員、氷奉についてを詳しく知らないであろうし、知ろうと半ば野次精神のようなものや単なる好奇心で本人に問うたとしても、堅く口を閉ざす事だろう。ただ、帝國へと身をささげている者たちは一同、色部氷奉という人物についてただひとつおなじ事を認識している。

 それはつまり、
 彼が、犯してはならない罪を背負ったいわゆる、"大罪人"であるということ。



 氷奉は、言ってしまえばあの審判の日に下された処刑を免れるはずなく、永遠の闇へとその命を葬り死をもって罪を償うはずであった。厳重たる牢の中へ術式と共に縛られ拘束された氷奉のもとへ永司と共にゼンは一度訪ねもしたが、一向に会話らしい会話をすることはなく、ただゼンは、おとなしく極刑を待つだけの彼の横顔と諦観にみちるさめざめとした瞳の色を見ていて、思わずうつくしいとさえ何故だか思ってしまっていた。ゼンが視た彼を纏う霧は黒ではなく、どちらかと言えば灰色の霧。しかしそれは死を受け入れる者特有のものであったのだが、ゼンはこの瞳との付き合いも長いので見慣れていないことはないし、それまでは別段興味をそそられるような対象でもなかった。
 それはゼンがその双眸に映しだすものは基本的には人間が纏う欲望や嘘などの悪意が黒く重たい霧のようなものとして顕れる故にひとと必要以上に親しくはならないし、常に一線を引いているためであった。しかし彼の見える世界は何も常に鈍く息のつまるような黒色ばかりでもなく、例えば永司であったり袮澄であったりあやかしと呼ばれるひとならざるものたちであったり、特に永司の纏うそれは異質であり異例であり例外ではあるのだけれど、そういった"悪意"以外のものを映すことも稀にではあるが無い事も無かった。だがゼンは仲間に対してだって、この隠している瞳のせいもあってか一歩身を引いている。仲間たちを信じていないというわけではない。袮澄や鶴綺が引き抜いた者たちばかりであるし、彼ら自身語れぬ多くを抱えてはいるがそれは自分も一緒で、共にRESTの一員として生活している故に信用も信頼もしているけれど、しかしそれとこれとは、また違う話であるのだ。ゼンが本当の意味で心を赦し身を委ねられる者は、後にも先にも永司しかいないであろうと、自らさえも思っているのである。

 そういうわけで今回も同じように、ゼンは氷奉という存在を、大罪犯したただの罪人としてしか思わずただ眺め視るだけであったのだけれど。だが氷奉を纏う灰色の霧の他に、僅かに緑青色の、彼の片方の瞳の色と同じ鮮やかな色が一筋。それを"悪意"とは呼ぶことの出来ない、いわば純粋無垢たる何者かが、彼を護っているかのように視えたのであった。灰色の霧を薄く溢れさせながらも、氷奉の傍を緑青色の光のようなものが暖かく寄り添うように纏う。いわば純真無垢たる何者かが、彼を護っているかのようにも思えてならないそれがなんであるかはゼンには分からないけれど、それを見てから珍しくゼンは氷奉に興味を持ち始めるきっかけとなったのは事実であった。

「――――きれいな、緑青色だ」

 自然に出てしまったその言葉は、他の人がそれを傍から聞いていたとしてもそれは氷奉の片方の瞳の色に対してのことだろうかと思いさして気にもとめない、或いは唐突に何を言っているんだろうと不思議に思うだけで終わりそうであるが、それを耳にした氷奉は先ほどまでの生気のない瞳がみるみる内に輝きをとりもどし、はじかれたように顔をあげ猩々緋色と緑青色の瞳の中にゼンの姿を映しだした。氷奉の表情に浮かぶは明らかにただただ純粋たる驚愕に満ちるもので、ああ彼は、自らを纏う一筋の淡い、しかし鮮やかなその緑青色の光りがなんであるかを理解しているんだなとひとりでに納得をしその上察しがついてしまっていた。


++

とちゅーん。

3年前 No.128

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

あ、一部文章消し忘れて一文無駄に被ってるところあった

3年前 No.129

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

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3年前 No.130

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE

「帝國直属軍事特務機関REST所属、色部氷奉。俺にはもうあの子の声を聴くことは叶わないが、其処に風が有る限りあの子が傍に居てくれることを感じていられる。風が広がる範囲の総てが俺のテリトリーだ、そしてそのテリトリー内でお前はどれだけ足掻いたとしてもこの俺から勝機を得る確率は限りなく確実に無であり、そしてお前はすぐさまこの俺の背後をとり刃を向けたことへの後悔をすることになるだろうな。嘗めてかかってもらっちゃあ困るぜ? 確かに今の俺の能力値はそこで傍観決め込んでる先輩らよりも低くそして枷をつけられている故に俺はRESTの中でも所謂、最弱だ。だがお前は勘違いしてる。今の戦闘劇の際、言っとくが俺はまだ実力のひと欠片さえもまだまともに出してないんだ。……ははっ、まさかお前、俺に勝てるとでも思ってたのか? ……そうだな、採点すんなら百点中五点のジョークだ、面白くねぇ。極刑の代わりに帝國に首輪つけられ死ぬまでこの身をささげるはめになったこの俺を、更にまた退屈させるなよ。俺を殺したいなら殺してみろ、お前が風にしてくれるなら、俺は心から喜んでこの身を潔く差し出してやるよ。けど残念だがお前はそれにふさわしくなさそうだな、俺を楽しませても、愉しませてもくれないみてぇだ。――ああ、そろそろ終わりにしようぜ。俺は退屈で、しかたないんだ。まだ俺の言葉をはったりだと疑ってんなら、試してみるか?」

//色部氷奉


++

そういえばRESTのこと書いてあったメモがどっか行ってわりと焦ってる

3年前 No.131

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★C8MzaBNHBZ_mgE


「――珍しいね、ゼン」
「何が」
「ふふ、分かってるくせに。……色が、違ったんだろ?」

 帰り道、永司は可笑しそうに笑いながらも先ほどの青年、色部氷奉についてを思い出してみる。初めて見る相手にも関わらず一歩を踏み出して自ら関わりを持とうとしたゼンの稀有すぎる行動を心密かに驚かざるを得なかったし、それに先ほどまで色部氷奉はこの世界を諦観したような瞳をしていた。生気のなく、訪れようとしている極刑が実行される日をただ淡々と待つような、あれは生きることを諦めた目だった。それを、ゼンのたったひとことで彼の瞳の中に人間らしさというものが戻ってくることの変化を、永司は見逃さなかった。
 "緑青色"、ゼンがそれをきれいだと言った。彼の口から黒や灰色以外の他の色の名前が出ることは珍しく、知り得る限りでも自分と袮澄くらいなものであると認識している。しかし袮澄はともかくとして、自らを纏うその色に関して心当たりがあるはずは当然なく、まあそれ以前にゼンが言うには永司を纏う色というよりも光りは袮澄とも他ともかけ離れた違いを持っているらしいのであるが、残念ながら永司自身それを確認する術はないのでなんとも言えないものである。必死に絞り出して恐らくこれではないか、というものに関しては候補として所持する異能力を挙げてみるのであるが、しかしそうすると異能を備えた者たち全員同じように黒や灰色とは異なった色がゼンの瞳に映しだされる筈であるし、なにより袮澄は無能力者だ。あてはまらないだろう。それにもともとゼンの瞳で目視できるその黒い霧というのはいわば人間の悪意の塊、業の象徴であるので色を持つこと自体普通はありえないことだ。何が関係しているかということに皆目見当がつかない中、色部氷奉はゼンに緑青色と言われてひどく驚いたような、しかしその驚きは未知たる恐怖などによる驚きではなく、何処か心当たりのあるようなそんな風であった。

「でも、あいつの色はお前のものは勿論、ちとせさんのものとも違った。あいつを纏っていた緑青色は、あいつ自身を護るようなものだった」

 真っ直ぐ前を見据え歩きながら淡々と語るゼンの横顔を見ながら、ふうん、と永司は応える。それはつまり色に自我があるのか、色部氷奉にそういった潜在意識のようなものがあるのか。はたまたまったく別の視点によるものであるのか。憶測をすることは非常に簡単で容易いことではあるが、それについて解答が出ることはないだろう。緩やかに息をつく。なんとなしに見上げた空は、自分の心の中がなんとなくくすぶっているにも関わらず無条件に青く、日差しもまだまだ高い。自由に空を羽ばたく鳥を目で追っていると、そういえば、と唐突に思い出したことがあった。

「ゼン、そういえば彼、色部くん。鶴綺さんが正式にRESTへ迎える手続きをしているみたいだよ。袮澄さんが言ってた。……なんとなく心配なんだけどね」
「ふうん、まあ、一度どんなやつか見て来いと言われた時点でそうだとは思っていたがな。……? 心配っていうのは、あいつが罪人だからか?」
「ははっ、まさか。違うよ。……ほら、彼の瞳は死を望むものだったからね。ゼンもきっと、そういう風に視えただろ?」


++

ゼンと永司は昔から好き。

3年前 No.132

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色部氷奉

//旧家であり名家であった色部宗本家の次男。現在色部家は彼の手によって瓦解、色部の血筋は氷奉自身と彼の妹のみとなる。初等部のころから八十神にて生活をしており、名前も色部氷奉という本名ではなく小鳥遊呉祇という偽名を使用していた。とても荒れた生活をしておりまた自らの生家たる色部家を潰すために八十神と外を遮断し囲う障壁を日々どのようにして破るかを思案し生活をしていた。中等部に上がったときから"楽園"に所属しており、異能力のずばぬけた高さから早くもuロ持者候補であり、また中等部二年の終り、三年の始めから異例のgTを先代より授けられ名乗ることを赦される。またのちの旧友となる少年と出逢うのも中等部二年生である。当時はやはり中等部の新米が突然のトップへの昇格故にやっかみ等も多かったがそれに気にすることなく、直接文句のある者は向こうが異能を使用すればこちらも異能でねじ伏せ、また正面切って向かってこない奴は相手にするだけ無駄だと最初から眼中に入っていなかった。それから半年ほど経つと氷奉の異能面での圧倒的な強さやトップとしての素質などが徐々に知れ渡り高等部に上がった頃には楽園は氷奉を中心としてまとまっていく。"安界"とも幾度となく激闘を繰り広げ、そのトップは中等部三年にてこれまた安界や学園自体としても異例といわれた早さで、氷奉の旧友が頂きへとのぼりつめた。それからは幾度となく刃を交えてきたが結局どれもはっきりとした勝敗は決まらず。だが氷奉自身それが楽しくも愉しいと思っていたようだ。
 ちなみに中等部の時陸上部に所属しエースでもあったがだんだんと行かなくなりそのまま退部し、高等部での部活は無所属である。逃げ足が速い。

 氷奉の異能は"純粋にして生粋なる風/Giselle"。高度な風の異能であり、また風自身が自我を持っている。ジゼルは基本氷奉にしかその姿かたち声などわからず認識できないが、稀にジゼルを認識できるものも居ないことはない。また氷奉の意志によりとある片耳飾りを氷奉自身と対象者が身に着けることによって一時的にジゼルと会話することが出来るが様々な制約のようなものがあるので基本使用しない。またそれは普段身に着けていないが、のちに外へと脱却した際暫くしてから両耳にそれを付けることとなる。緑青色と海色が混ざった透き通る程美しい輝きを放つ宝石と精巧な銀細工が施された耳飾りで、揺れるたびに光の加減もあってか幻想的に煌めく。ちなみにジゼルの声は幼く無邪気な少女のようなそれであり、姿もその声に見合う可愛らしい少女そのもの。言動にも幼さの片鱗は垣間見れるが、彼女は誰よりも氷奉の幸せを願うよき理解者でもある。武器は"風~殺し/ラングレン"、またの名を"風翠"と呼ばれるうつくしい刀。もともと後者の名だったが後々前者の名がつき妖刀としてそう呼ばれるほうが多くなったとか。日本刀のような形状をしているが刀身は向こう側が透けて見える硝子のように透き通った美しいもので、そこに紫紺色と千歳緑が混ざる不思議な色合いをしている。刃と峰も同じ色をしているので見た目ではわからないが、きちんと刃も峰もある。普段は刀として腰に提げたりはしておらず、固定の詠唱をすることによって初めてその刀身を拝むことが出来る。また異能を最大に制限されてしまうと刀の顕現が出来なくなるのでそうなると使用が出来なくなる。異能と関係する故であろうが、この刀は斬ることは勿論異能を助長することもできる。

 中等部の終りごろから世話になっているとあるカフェのバイトを高等部三年に上がっても続け、なんとなく学生らしい部分も垣間見せながらも卒業式一週間前にやめる旨を伝えた。そして卒業式前日、八十神と外を隔てるヘルズゲートのメンテナンスのときを狙い以前より計画していた都市脱走計画を"楽園"メンバーとともに実行する。旧友たる安界トップとの死闘激闘を繰り広げ、深手を負いながらもヘルズゲートを一部破壊させ計画を遂行し仲間らと"外"へ。ちなみに脱走できたのは楽園メンバーのuロ持者を含む一握りである。脱走できた仲間とも再会の約束を交わしつつ別れたのち、しかし与えられた首の傷を筆頭として致命傷を負っていた氷奉はとある場所で意識を失い死ぬ間際であったが、たまたま通りかかった逝々によって助けられ治療を施され一命を取り留め無事生還。傷は残ったものの、暫く療養したのちに逝々たちとも別れを告げて改めてあまたの追手をやり過ごしながらも生家へと向かった。このときより両目の色とも美しい緑青色であったのが左目のみ猩々緋色に染まったままになる。

 色部宗本家へと戻ったのち、実の妹の宵燈との再会を果たしつつ色部を内部より崩壊させることを企てる。のち本家は氷奉が企てたとおり内部から徐々に崩落させてから家自体も瓦解させた。分家も同様であるが建物はそのままになって残っている。このとき左耳につけていた自らを"楽園"のgTであることを表す耳飾りを喪失する。ここまでに約一年半。色部の血を根絶やしにするという目的目標でありそれまでが生きる源でもあったので宵燈を殺し自らをも殺すつもりではあったが手をかけられず、ともに逃亡。このころよそれには宵燈をあの家の呪縛から救ってやりたいという思いがあったせいにあると思われる。逃亡生活はしかし一ヶ月程で打ち切られ帝國の直轄であるとある部隊と同じく直轄の軍事特務機関RESTの副指揮官、初冷鶴綺によって身柄を拘束される。氷奉は大罪人として帝國が管理する特殊な牢へと送られ、このときからジゼルの声と姿を認知することが出来なくなってしまう。宵燈は元々異能を所持していなかったが数年前に唐突に異能を開花させ、それにより八十神へと送られることとなる。宵燈は八十神で色部の苗字だけを伏せ、以前氷奉が使用していた小鳥遊をの苗字を使用し、小鳥遊宵燈として八十神にて生活をしている。氷奉は牢にて極刑の判決が下されたことにより、日々その刑を実行されるときを待っていた。それは自分が死ぬということは自ら当たり前だと思っていたし宵燈の心配も少なからずする必要もなければ、八十神へと送られた彼女と二度と会うことはないだろうと思っていたので処されることに抵抗もなく受け入れていたため。また、彼の最終的な願望として"風になりたい"という死をにおわせるそれを抱いていた故。

 だがRESTの鶴綺の計らいにより極刑を免れ氷奉はRESTの一員として異能や行動範囲に制限を付けつつ帝國へと一生を捧げることとなった。悪運がすこぶる強い。ちなみに大罪人のレッテルが有るので氷奉は悪い意味で帝國に身を捧げている者たちの間では有名人。同じRESTの恋日永司が指導役として氷奉とともに仕事へ行くこともしばしばである。最近では単独任務もこなしている。首にはぐるりと一周黒い紋様を帝國によって施され、いわゆる"首輪"の代わり。包帯によって普段は隠している。首筋から鎖骨にかけての傷も一部隠れるが、あくまでも一部でその傷の存在感は大きい。両耳にはさきにも異能のところで述べた耳飾りをつけており、右耳にはプラス赤い石のピアスをしている。ピアスは同じRESTの樹蜜天璃より受け取ったもので、異能を制御する制御具の役目を果たしている。左腕には幅の細いシルバーの腕輪をしており、これは鶴綺によってつけられた異能を封じるための封具。有事の際は外してもらえる。外さなくても異能は使用できる。また、ピアスも腕輪もどちらも氷奉の意志では外すことが不可となっている。



++

とりあえず氷奉こんな感じかな……、前回書いたのから一部変更したり加筆修正したり。
また変わることもあるだろうけど一応。
氷奉強いな……まあ私氷奉のことめっちゃ気に入ってて好きだから仕方ないよねって(半笑)
あるマイメビさまの存在を大々的にお借りしております……! すみませんっ、ありがとうございます……! 何かありましたらどうぞ、どうぞ遠慮なく……っ!

3年前 No.133

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_CBR

ジゼルのあの耳飾りは片耳飾りではなく、普通に対としてあるけど対象者がつけるときはその片方っていうことを書きたかったけどうっかりはしょりすぎてたわ……。ほかにもおかしいところありそうだけど……取りあえず寝よ……。

3年前 No.134

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_CBR

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3年前 No.135

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_CBR

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3年前 No.136

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_CBR

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3年前 No.137

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_CBR

⇒REST(主要メンバーのみ)

榮月袮澄: 無能力("眠れぬ羊に良い夢を/Hello-Hello,GoodBye-SHEEP")
初冷鶴綺: "刃向う剣の総ては我が手中に有り/Turn-STING-ReTurn"
恋日永司: "キミと契せし悠久の奇跡/CRAFT=SORCERY"
絃告ゼン: "因果応報/MAKE-YOU⇒KARMA"("巣食う悪意/WhatMalice?")
弋ヶ禝マナ: "撃視/NoiseLess=AUTOMATIC"(仮)
キト・センプヒェン=カートレット: "腐シ腐セ己ガ花冠/VIRUS⇒GIFT"
エストヒュード=ハウゼン: "甘美なる静寂/SWEET=SILENCE"
樹蜜天璃: "白紙/WhiteCollar"(仮)
甘欺杏都: "/PerfectionEDEN"(仮)
色部氷奉: "純粋にして生粋なる風/Giselle"


⇒第壹ノ月、落陽(一部)

花滓緋蜜(はなおり ひみつ): "焔戯/えんぎ"


⇒第貮ノ月、黄昏(一部)

如環 纒(ぎんわ まとめ): "/OUTyourDEAD"
五十知 紫導(いかづち しるべ): "雷閃/らいせん"
褸綛満初(つづかせ まそめ): "偽誠の續章/"
櫁海露閖(みつうみ つゆり): "嫋やかに流転せし麗しの箱庭(セカイ)/"
乙ヶ靫 壱縷(いつがさや いちる): "氷雨/ひさめ"


⇒第參ノ月、月翳(一部)


⇒第零ノ月、朧露(一部)

紀西ヶ院 旋理(きさいがいん せんり): ""
言継綺恋(ことづけ きれん): ""
古褪御灯(こさめ おとび): "幻想童話/ALICE:MAKELESS=MyWONDERLAND"


++

メモの一部見つかったけどそれ以外まったく見つかってないからまじ焦ってるけどそのうち出てくるかもしれないとも思っている。
取りあえずメモに書いてあったやつ。一応。若干の変動は無きにしも非ず。
あ、明日のってか今日の出掛け先のルート調べなきゃだったんだ……。

3年前 No.138

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_CBR

「……あなた、おなまえは?」
「…………」
「…………?」
「――ふっ、はははっ、グレイス、そんなんじゃ御灯に怖がられるよ。彼はグレイスだよ、御灯」
「ぐれいす……? ちぇしゃがゆってた、ぼうしやさんなのですか?」
「そうそう、彼が帽子屋さん。怖い顔してぶっきらぼうだけど、御灯の味方だよ。僕たち住人はみぃんな、ずっとずっと君の味方だ」
「……、うん、」
「――――、御灯」
「は、はい」
「泣きたいときは泣け。怒りたいときは怒れ。笑いたいときは笑え。お前は自分に素直に生きろ」
「……? ……はい、」
「ふふ、さあ、それじゃあみんなとごはんを食べようね。今日は屋敷に使用人しかいないみたいだし、僕たちも比較的に自由に動けるはず」
「……おとび、ちぇしゃといっしょにごはん、たべたい……。えと、……あの、ぐれいすも、」
「うん、僕もグレイスも御灯と一緒にいるから安心して。ふふ、さあ、行こうか」


++

幼き日のおとびちゃん。グレイスと初対面。
最近何も書けなくなってる……。やばい……。お返事ももう少し待っていただけると幸いです……本当に申し訳ないです……。

3年前 No.139

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★DoD54cDcbh_mgE

 ぐっと瞑っていた双眸を、恐る恐るゆっくりと開いてみる。その瞳の中に映ったのは、青く碧くきらきらと美しく煌めくひかりと、一直線に射し込んでくるまるで道しるべのような白く眩しいほどのひかりだった。なんて美しいものなのかと、呉祇は自らの状況を投げ出し忘れてしまったかのように、その両の緑青色の瞳は今自身に広がる蒼い世界を見入り、そして魅入る。ここではひと際煩わしいひとの声も時折こびりつくように頭に響く耳鳴りも、何にも気にすることなく、何に苛つくこともなく静かで穏やかな気持ちのままで居ることができる。これが夢であれば、そのまま目を閉じずに眠り続けていたい。これが現実であれば、誰にもこの安寧のときを邪魔されたくない。
 ――そう思いながら、そのまま身を委ねて眠るように目を閉じた。
 だが、なにも聞こえず静寂を貫いていたこの空間で、誰かに名前を呼ばれたような気がした。空耳だったのかもしれない。自分が勝手に作りだした幻想なのかもしれない。けれどその声があまりにも必死だったから、気になって再びまぶたをこじ開けるように開いたのだけれど、差し込む青と白のひかりは呉祇の暗闇になれた瞳にはひどく眩しくて、思わず顔をしかめてしまったために目の前さえも視ることが困難であったが、唐突になにかに腕を強引に引っ張られるような感覚と、それが射し込んでくる白いひかりに目がけて進んでいるということに気づいて、ああ、なんだかいつだったか前にも、おなじようなことがあった、ような――。

「――おいッ、バカかお前ッ、なんで体調悪い癖に水深五十のプール入って溺れてんだよ、お前危うく死ぬとこだったんだぞ!?」
「ゲホッゲホッ、――ぁ、れ、じ……?」
「飛び込んで幾ら経ってもお前浮かんで来ないし、お前のことだから息続いてそのまま泳いでるかと思ったけどさ、なんか風が妙に吹いてるし胸騒ぎしてまさかって思ってたけどお前ほんとに溺れてるし、目の前で友人が溺れて死にかける俺の身にもなれこのバカッ」
「……、ご、めん……」


++

呉祇が溺れる話なんだけどこれ中等部くらい。
は、はるちゃん宅のお子さんの黎二くんを毎度のことながら勝手にお借りいたしました……! すみませんっ、いつもいつもありがとうございますっ、何かあれば遠慮なく仰ってくださいね……っ!orz 本当に久々にお借りいたしましたっ、ありがとうございますっ!

続き書きたいけれど当分あかんかな…(白目)状態です……でも書きたいです、そしてお返事も返したいけどほんまあかんやつですよね申し訳なさすぎて……。本当にすみません……。
さて、準備しないと。

3年前 No.140

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★DoD54cDcbh_mgE

 最初に彼と出会ったとき、というか出逢いというよりはすれ違っただけなのだけれど、彼には永司が思わず立ち止まってしまってその双眸(め)で追ってしまうほどに、なにかを引き付けるような独特のうつくしさがあった。うつくしさというか、どことなく周囲の人々とは違う独特で異質な雰囲気。凛々しくて気高く、何にも屈しないように堂々と前を見据えて一直線に進み出るその姿に、永司は一種、彼に魅かれてしまったかのような感覚に陥った。整った顔立ちをしているが、僅かに幼さの片鱗もみえた気がしたゆえに自分と同じ歳か一、二個彼のほうが年下だろうか。けれどもあんなすれ違うだけで一瞬であったために年齢の差異など分かるはずもない。無駄な思考だとも結論を自らの脳内で出しては肩を竦めた。いつのまにやらその彼の後ろ姿も遠い。気を取り直して、永司は改めて自分が向かわなければならない目的地へと向かうため、踵を返して改めて歩きだした。

 このとき、永司は知らない。踵を返した直後、彼もまたふと立ち止まり一度振り返って永司の後ろ姿を、困惑とも驚愕ともつかない表情で見ていたことを。



「――私がREST指揮官、榮月袮澄だ。まあ好きに呼んでくれて構わないよ。彼は副指揮官の初冷鶴綺。分からないことは私や鶴綺や、お前たちの先輩にあたる彼らに遠慮なく訊くといい。私たちは、お前たちを心より歓迎しよう」

 丁寧ながら堂々とした振る舞いと言葉に、自然と威圧感のようなものも感じてしまうほどに彼らの放っている雰囲気というか、オーラめいたそれに深く永司の心を揺さぶり動かしている。そして何より袮澄を筆頭とした彼らRESTの面々から感じられるそれは厳かで凛々しく、単純に強そうだとかそういうものも感じ取れるのだけれど、思わず背筋が伸びてしまうような心持ちを正しくさせられるような畏怖のようなものも感じられた。彼らは強い。例外なく。力も心も。だから軍事機関に属しているのだ。そして本日より自身、恋日永司もまた、その栄えある一員になるのである。



++

永司がREST加入時。
相変わらず続きが書けぬ……。バイト行く前の息抜きでふ……しにそう……がんばる……(


(はるちゃん日記のほう読ませて頂きましたっ!うううっありがとうございますっっ! また後日改めてコメントできればなあと思いつつ……)

3年前 No.141

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_MGX

 自分自身、この気持ちが生産性のないただの"依存"であることはとうの昔に知っていたのだ。彼に対する"甘え"であり"依存"であり、もっと非生産的である理由とすればいわばその根本に"贖罪"という心持ちを忘れてはならない。その贖罪という言葉の過去に一体どのような情事が渦巻いていたのかということについては、此処で口外し他言することなど一切、それは自分が死んでも尚あり得ないことだと思っている。なにより、これを話したところで過去に戻ってやり直せるわけでもない。そんな望み自体さえももう持ち合わせていないのだ。この事を知っているものは自分と、鄰だけでいい。ふたりだけで、充分だ。



++

続きかきたいよね。

3年前 No.142

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_eAQ

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3年前 No.143

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_eAQ

⇒REST(主要メンバーのみ)

榮月袮澄: 無能力("眠れぬ羊に良い夢を/Hello-Hello,GoodBye-SHEEP")
初冷鶴綺: "刃向う剣の総ては我が手中に有り/Turn-STING-ReTurn"
恋日永司: "キミと契せし悠久の奇跡/CRAFT=SORCERY"
絃告ゼン: "因果応報/MAKE-YOU⇒KARMA"("巣食う悪意/WhatMalice?")
弋ヶ禝マナ: "撃視/NoiseLess=AUTOMATIC"(仮)
キト・センプヒェン=カートレット: "腐シ腐セ己ガ花冠/VIRUS⇒GIFT"
エストヒュード=ハウゼン: "甘美なる静寂/SWEET=SILENCE"
樹蜜天璃: "白紙/WhiteCollar"
甘欺杏都: "/PerfectionEDEN"(仮)
色部氷奉: "純粋にして生粋なる風/Giselle"


⇒第壹ノ月、落陽(一部)

陽祁神ツグヒト:
ロレッタ・ゼクトス=アルツェメリヒ:
花滓緋蜜: "焔戯/えんぎ"
ジャステレイル=ペリオディッチ:


⇒第貮ノ月、黄昏(一部)

如環纒: "/OUTyourDEAD"
五十知紫導: "雷閃/らいせん"
聿籤ハル:
褸綛満初: "偽誠の續章/"
櫁海露閖: "嫋やかに流転せし麗しの箱庭(セカイ)/"(仮)
乙ヶ靫弌縷: "氷雨/ひさめ"


⇒第參ノ月、月翳(一部)


⇒第零ノ月、朧露(一部)

紀西ヶ院 旋理: ""
言継綺恋: ""
古褪御灯: "幻想童話/ALICE:MAKELESS=MyWONDERLAND"


++

そういえば、いちるちゃんの名前のいちの字は壱でなく弌です…つまり弌縷です。普通に間違えた。あと紫導さんなんだけどしるべさんでなく、しどうさんです。てへぺろ。メモよ帰ってこい(切実)

3年前 No.144

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_Eca

「ゆるしてほしい」

 それが、虫のよい話であることだなんて既にわかりきったことで。だからこの"魔法のような甘い毒"を、彼にむけて浴びせるような行為は本来、してはならないことだった。けど言わざるを得なかったのだ。これで、「さいご」になるかもしれない。そんな悪い予感が脳内を掠めて、つい、口をついてしまった。
 「ゆるしてほしい」。キミと、「さいご」を視ることが叶わなくなってしまったことを。「ゆるしてほしい」。キミのとなりを歩けなくなってしまったことを。「ゆるしてほしい」。キミと、ことばを交わせなくなってしまうことを。

 「ゆるしてほしい」。なによりも、だれよりも愛するキミをひとり、この永遠の世界へと、とりのこしてしまうことになることを。


「なあ、――。俺はさ、――とこのばかみたいに長い永い時間を生きられて、しあわせだった」


 ゆるやかに、堕ちていく感覚がした。
 かすれていく視界の中、めったに歪ませない顔をくしゃくしゃにしている彼がぼんやりと見えて、閉じていく自らの世界に終焉を感じながら、ああ、まだもうすこし、いっしょにいたいなと、そうおもった。





「――、ばかやろうだ、おまえは」

3年前 No.145

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_Wsk

「ねえ、わかるかしら。ここは、この世界はね、あなたが思っている以上にうつくしいのよ」

 そういって、世界に、ひかりに背を向けて晴れやかに微笑む彼女がとてつもなくまぶしくて、手をかざし眼前に翳をつくる。逆光で視えなかったけれど、それでも彼女が変わらずこの世界に対して愛情と慈しみの表情を浮かべていることなんてそらでもわかった。でもそう理解すると同時に心臓が握りつぶされるのではないかという程に胸が苦しくて、苦しくて、そしてどうしようもなく切なくなった。

「それでも、俺はこの世界を恨み続けるよ。榮月さんが俺に居場所をくれたけれど、お前が俺に手をさしのべて、くれたけれど。それでも俺は、この世界を恨み憎んで、しんでやる」
「……ばかね。ふふ、あなたはほんとうに、おばかさんよ」


3年前 No.146

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_Wsk

・帝國直轄警邏執行部隊 第壹ノ月『落陽』第貮ノ月『黄昏』第參ノ月『月翳』第零ノ月『朧露』

 名の通り帝國直轄の警邏部隊。帝國の膝元。異能による犯罪から一般的な犯罪を犯す者たちを裁き相応の刑の執行を赦されている。いわば帝國の治安維持部隊でもあり、主に帝國が平穏で居られるのは彼らが仕事及び任務を真っ当に遂行しているからである。これら四部隊は月を冠していることから総称して『月/ツキ』と呼ばれることもある。月を冠すこの部隊に属する者は大半が貴族出身であることが多く、また各隊には異能に『原初の密約/SecretOrigin』を受け継ぐ者が属している。落陽、黄昏、月翳は帝國を、朧露は帝國の中でも閉ざされた都市である八十神を中心として活動している。朧露に所属するものたちは勿論全員幼いころに異能の暴発により八十神に送られ八十神に永住し生活している者たちであるが、主に緑青学園出身で嘗て安界に所属していたuロ持者が入隊することが多く、そのほとんどが王の命や朧露の隊長による厳選たる引き抜きによるもので、隊長副隊長を含め精鋭揃いである。また朧露は、RESTや落陽と黄昏と月翳などといった帝國直属の組織に身を置くトップたちとの月に一度有る定例総会のため、隊長や場合により副隊長及び副隊長補佐が"外"に出向くことを許されている。



取りあえず大まかだけ。
あ〜あんまりまとまってないよ〜

3年前 No.147

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_Wsk

「はーいはい、ははっ、うん、そうか。君が今回の標的だね。うんうん、おっけー。それじゃあホシも確認できたことだし改めて、帝國直轄警邏執行部隊八十神支部第零ノ月『朧露』が隊長、紀西ヶ院旋理が君の相手をしてあげよう。ふふ、君は運が悪い。まさか君が起こしたこの事件が俺たち『朧露』の眼にとまるだなんて予想だにしていなかっただろうね。裏の世界に手を染め脚を浸かった君なら知っていることだろう、俺たちが所属するこの"月部隊"がどれほど容赦のないことか、どれほどお國サマに敬意を払っているかを。この都市に生きる総ての者たちを護ることこそ我らが"月"を冠せし機関に身を置くものとしての定め。ふふ、君にはわからないかな。それでもいいよ。どうせ君の"旅"は此処までだ。どういうことだって? ふふふ、まあ君にそれ以上もそれ以下の事も教える心算ないし取りあえず、此処で死のっか」

「相変わらずさぁ、この肩書きがやっぱり長ったらしくて面倒極まりないと思うんだよねぇ。まあでも俺も『朧露』の隊長を任されて早数年、長い肩書きにも必然と慣れるもんだわ。今じゃ優秀な子たちも揃い綺恋も変わらず俺と居てくれる。嗚呼、壁の内側でも俺はこんなにも、しあわせ」

名前:紀西ヶ院 旋理
所属:帝國直轄警邏執行部隊八十神支部第零ノ月『朧露』隊長
異能:"起死回生/FakeEND"



取りあえずサンプル的な

3年前 No.148

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_Wsk

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3年前 No.149

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★DoD54cDcbh_mgE

「御灯が"外"へ赴く仕事の日程をどうしてキミが知っているのかは知らないけれど、今更あの子を取り入り手籠めにしようとしても無駄だよ。ほんと、どの面下げて僕たちの前に来たのか知らないけれど速やかに僕たちの前から消えてくれ。あの時はキミのその左目だけで見逃してやったんだ、それとも次はその両腕或いは両足を噛み千切られたいのかい? ふふ、僕はどちらでも構わないよ、それでキミが二度とあの子の前に現れないでくれるなら汚れ仕事だっていとわない。どっちにしろ生かしてあげるんだから、感謝してくれよ? キミのその愚行が自らの命を縮めてることにいい加減気づいたほうがいい。それとも、それさえも気づかないとんだお莫迦さんなのかい? ふふふ、無駄口はもうやめよう。さあ、これで最後だ。今すぐここを去るか、痛い目にあうか。キミの好みは、果たしてどちらだい」

//チェルシャ=キャシィ

3年前 No.150

削除済み @tokiwa ★DoD54cDcbh_mgE

【記事主より削除】 ( 2015/02/05 19:33 )

3年前 No.151

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_th0

・王家直属近衛騎士『八色』
 八色血統第一位:真人 瑩(まひと あきら)
 八色血統第二位:朝臣 夜半(あそみ よわ)
 八色血統第三位:宿禰 氷条(すくね つらら)
 八色血統第四位:忌寸 祝(いみき はふり)
 八色血統第五位:道師 禊(みちのし けい)
 八色血統第六位:臣 朝花(おみ あざか)
 八色血統第七位:連 月喜(むらじ つづき)
 八色血統第八位:稲置 永榁(いなぎ ひむろ)

・帝國直属軍事特務機関『REST』
 統轄指揮官:榮月袮澄
 統轄副指揮官:初冷鶴綺
 作戦行動班:絃告ゼン
 作戦行動班:キト・センプヒェン=カートレット
 作戦行動班:色部氷奉
 陽動班:エストヒュード=ハウゼン
 陽動班:漆詰 冬至(しづめ とうじ)
 迎撃班:恋日永司
 迎撃班:樹蜜天璃
 通信班:甘欺杏都
 通信班:雨鳥 玄(うどり くろ)
 狙撃班:弋ヶ禝マナ
 狙撃班:雨鳥 純(うどり しろ)

・帝國直轄警邏執行部隊第壹ノ月『落陽』
 部隊長:ツグヒト=キャセッツォール(繼壱=キャセッツォール)
 副部隊長:(永久空席)
 部隊員:ロレッタ・ゼクトス=アルツェメリヒ
 部隊員:花滓緋蜜
 部隊員:ジャステレイル=フェリオディッツ
 部隊員:叢雲 氷璃(むらくも こおり)
 部隊員:空御 燈翠(うつせみ ひすい)

・帝國直轄警邏執行部隊第貮ノ月『黄昏』
 部隊長:如環纒
 副部隊長:五十知紫導
 副部隊長補佐:聿籤ハル
 部隊員:褸綛満初
 部隊員:櫁海露閖
 部隊員:乙ヶ鞘弌縷
 部隊員:エデルワルツ=メリッゾ

・帝國直轄警邏執行部隊第參ノ月『月翳』
 部隊長:譽光 柊木(よみつ ひいらぎ)
 副部隊長:嵐代 秋葉(あらしがわ あきは)
 部隊員:ヴィレンデル=シェイト
 部隊員:エステル=ノーヴァス
 部隊員:七緡 十瑚(ななざし とうこ)
 部隊員:真庭 雪(まにわ ゆき)

・帝國直轄警邏執行部隊八十神支部第零ノ月『朧露』
 部隊長:紀西ヶ院旋理
 副部隊長:言継綺恋
 副部隊長補佐:古褪御灯


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ごめんめっちゃ間違えてた。

3年前 No.152

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★s5Xf9o4BrJ_amh

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3年前 No.153

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★ZC9CL1M4Rp_m9i

「今日はおっかない雷と腹黒い烏とは一緒じゃないんだね」

 びくり、と背を向けるその小さい肩が揺れたことに、思わずひどくまがまがしいと自覚できるほどの笑みをこぼしそうになった。小さい背中がより縮こまるまるで恐怖を全身で表しているようなその姿が、まるで蛇ににらまれた蛙のようであると形容してみるが生憎目と目を合わせているわけではない。だからやはり蛇ににらまれた蛙というよりは殺気あるいは恐怖を背中で感じた狐というものが妥当であり、適当ではないだろうかと弥嘉は彼の背中を凝視したまま考えていた。彼がひとりでこの宮内を歩いているということがつい珍しく思ってしまって呼び止めたのだけれど、彼はその問いというよりかは半分弥嘉の独り言に対し会話あるいは何かしらの発声という手段での反応をいまだ見せない。そして此方さえ振り向かないのだからよほど弥嘉を警戒していると見える。警戒というよりかは怯えだろうか。きっと早くこの場から脱したいと思っているだろうけれど、生憎性格の悪い弥嘉はそう易々とかかった獲物を逃しはしない。ロレッタやハルや彼らには少々劣るものの、弥嘉もまた他人が自分を恐怖の対象として見てくれる存在がとてつもなくそれはもう病的にと評価されてしまうほどに愛しいと感じている。そしてそれは自覚済みで、今でさえ目の前にいる小さな背中の少年がどんな恐怖(かお)を見せてくれているのかということを想像しただけでいつも以上に興奮する。だがここは出来るだけ抑えなければならない。なにせ相手は臆病ですばしっこく、その上とてつもなく獰猛な、世にも恐ろしい災厄さえ降り注がせる史上最悪でどこまでもうつくしい、九尾の妖狐であるのだから。

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誰か痛みに強くなれる魔法の言葉とか教えてください。

3年前 No.154

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2年前 No.155

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2年前 No.156

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★tLRczjT9nB_m9i

 どんどんと、熱を奪われていく。さむい。さむい、なんていう感覚はいつ以来なのだろう。それくらいさむくて、さむくて、いたかった。寒さを感じることも、痛みを感じることも、それはもうずいぶん久しく無くて。ああ、自分は今生きているんだっていうことを実感できたけれど、それはでももう手遅れに近いものでもあると苦笑を浮かべざるを得なかったし、その苦笑さえを浮かべる余裕もすでになかった。今更温覚と痛覚が戻ったということは、それは即ち最期に近い、つまりは走馬燈と同じようなものなのではないだろうか。視界がかすみ、空気の抜けるようなひゅうひゅう、という音が自分の喉から発せられている息であることに気づいた呉祇は、ああ、ついに死ぬのか、と、突き付けられた自身の運命を受け入れるようにゆっくり目を閉じた。幼少期ぶりに戻った痛覚と温覚に、しかしあまりにも刺激的すぎてそれもだんだん麻痺していき、今やもう感覚そのものがない。斬り付けられた肩からたくさんの血液が流れ出て、そしてそれが大きな赤い水たまりを作っていることに気づいてはいないけれど、どれほど多くの血を失っているかというのは何となく自身も察しているつもりだった。あいつはどれだけ深く、容赦なく斬ってくれたんだ。そう悪態をつきたかったが、吐き出されるのは言葉ではなく血ばかり。きっと内臓のほうも深くやられているのだろうか。まだ死ねない、家を潰す、色部の血を根絶やす目的をいまだ成し遂げずにこんなところで無残に、無駄に死ぬことなんてまっぴらごめんであったはずなのに、こうしてぼんやりとした意識の中にいると、今となればあいつに殺されるのであればある意味、本望なのかもしれないとさえ思ってきて。こうして自分から死を受け入れようと前向きな気持ちでいることに、我ながら失笑してしまう。しかし、今となっては表情筋を動かすことすら億劫になるほど意識も朦朧としていった。

 ――嗚呼、黒く塗りつぶされたような、人生だった。けれど、その中にも光というものは確かに存在していた。
 ――嗚呼、憎み続けた、人生だった。けれど、その憎しみを一瞬でも忘れることが出来たほど、ひとつひとつが眩い日々だった。

 自らにとって、死という、この世界からの別れそのものを何よりも望んでいたというのに、瞑った双眸から静かに流れた温かなそれは、まぎれもない涙そのもので。しかしその涙をまるで隠してくれるかのように、ぽつりぽつりと、天からの恵みが頬を打つ。次第に容赦なく、それはぽつぽつからざあざあへと雨音は激しさを増し、失った血液により奪われていく体温は雨によってさらに低下していることに、呉祇はもうそれさえに気づかぬまま。

 そうして人知れず、色褪せぬ世界へと独り、静かに別れを告げる。

2年前 No.157

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 死にそうな人間を拾ったと冠解に言ったら、案の定むき出しの不快そうな顔をしていたしなんなら元あった場所に捨ててこいと言われたけれど、しかし冠解が快い表情をするときなんて今までにあったことはないし人間に対して妥協するところも今までなかったので、それを華麗に無視して今にも事切れそうな少年を手厚く介抱した。異能者であるということは拾ったときからなんとなく察していたし、なにせ騒ぎのあった(今も騒ぎになっている)ゲートの近くの深い森の奥でこの死にぞこないの彼を見つけたのだから、彼は今を騒がせている八十神から脱走を図った生き残り(今となれば死にぞこないともいう)なのだろうということを、少年の傷の手当てと自らの手で煎じた薬をゆっくりと飲ませて落ち着いたのちに、一人逝々はその少年の苦しげな寝顔を見ながらぼんやりと思っていた。
 人間を拾ったのは、本当に気まぐれであった。もともと自分自身や冠解をはじめとした、この屋敷に住まう大半の住人たちにとって人間という存在をあまり快く思わない対象であるし、冠解に至ってはその存在を疎んでいる。今となってはこの帝國の一組織に身を置いてさえいるけれど、冠解の心変わりひとつで此処との縁を断ち切ることも容易いほど、我々は身軽だしそれほど思い入れなんてものも存在しない。すべては気まぐれの上に成り立っていることで、そこに真意なんてものがあるはずないのだ。
 少年を見つけたとき、先ほどからさんざ言っていることだがまさに死の瀬戸際に居るようなもので、三途の川もすでにわたっているのではないかという状況にあるほど、人間の医者が彼を診てもきっと手の尽くしようがないと放り投げてしまうような状況にあった。肩にかけての斬傷もひどかったが、失血量と体温の低下と内臓の損傷が重なっていることが一層彼を死へと追いやっているのだろうという客観的な観察によってこの彼の状況を把握することが出来たが、それが逝々にとって少年の治療に対して致命的なものではなかったし、まだ助かるという絶対的な自信さえも持ち合わせていたことは事実だ。そうでなければ、そもそも死にかけの人間なんて気まぐれであっても拾うはずはない。包帯の取り換えと、そのまま高熱を出してしまった少年の介抱を自分と、それから場の空気を常に清浄に保ってくれる黎旭とで交代しながら、少年が日を追うごとに少しずつ持ち直していった。

「あとは彼が目を覚ますのを気長に待つだけだね」
「ああ、でもだいぶ熱も引いたし、顔色もそこそこだし。目を覚ますのも恐らく近いうちじゃないかなとも思ってる。悪かったね黎旭、付き合ってもらって」
「はは、悪いだなんて思わないで。私は人の子は好きだし、何より持ち直してくれてよかった。稲銀ちゃんも随分気にしていたしね、屑雷くんが居ないことがまだ幸いだったかな。それにしても、ずいぶんと珍しいこともあるもんだね、冠解くんが何も言わないでいるの」
「ああ見えて冠解は暇があれば俺に文句言ってるよ。でも無理やり追い出そうとしないことは確かに珍しいな。俺の熱意が伝わったのかもね、ふふ。屑雷は異能者嫌いだけど総じて全部嫌いっていうわけじゃないからどうなのか分からないけど、確かにいないにこしたことないね。屑雷には悪いけど。でも鄰にも手伝ってもらえたらもう少し良い環境を保てたんだろうけどね。任務だからこればかりは仕方ないか」

 彼が目を覚ましたら稲銀も面会できるようになるから、もう少しの辛抱だね。と、逝々は黎旭の言葉に対してそう付け足して答えた。

2年前 No.158

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★3rXkckfE3h_m9i

 朝出勤したとき、なんとなくという推測であったがいつもと何か雰囲気が違うなという漠然とした疑惑を胸に秘めていた。だがその理由も分からなければ説明できるほどの相違を見つけることが出来なかった故、不審に立ち止まってしまった彼に、おはようといつものように柔らかく声をかけてきてくれたマナの表情にもやはり変わらず聖母のごとき微笑みを携えているわけだからついぞ氷奉は肩の力を抜いて「おはようございます」と一言、これもいつものように挨拶を返した。恐らく気のせいであろう。気にしすぎるだけ本当に何もなかったときに一等疲れるのは自分自身だ。それならばとりあえずなかったことにしようと自らフィルターをかけてしまうのも策の一種ともいえよう。それに、何か危機が直面しているような類のものやこれから物騒なことに此処が巻き込まれることなどといったものならば、自分よりも真っ先にれんさんが気づくだろう。そういった確信のある氷奉は、軽く広々とした室内を見回してすぐに見つけ出した永司はというと、愛用のマグカップに入れた茶をすすりながら書類とにらみ合っている。特別何かを警戒しているだとか、これから何かよからぬことが起こるとかそういう危惧は一切見せずにいる彼の姿は一日常でよくみられる光景だった。そういえば彼はきょうび非番であったと思ったのだが、予定が変わったのだろうか。

「そうそう、氷奉くん。出勤して早速で悪いのだけれど、ひとつお仕事を頼んでいいかしらぁ」

 そう、思い出したように氷奉へひとつ仕事を依頼するのだが、マナの表情や仕草の中にも柔らかく間延びするような口調の中にも、心なしか困ったような様子が見て取れたので氷奉はその申し出を二つ返事で受けることにした。一体なんの仕事なのだろうか。これほどまでに彼女を悩ませる(と見える)ような案件であるのだろうかと思わず身構えるが、氷奉の僅かに締まった表情に反比例するかのように、マナはあらまあ! とそれはそれは声を弾ませて笑顔を弾けさせる表情はどう見ても嬉しそうだ。

「うふふ、氷奉くんが受けてくれてとっても助かるわぁ。そんなに難しいお仕事ではないから安心して大丈夫よぉ。詳しくはこの書類に書いてあるから目を通しておいて」

 そう言うと、マナは持っていた書類を一枚抜き取って氷奉に渡して、「ごめんなさい、私もこれから鶴綺くんと会議に出なければならないから後はお願いしても大丈夫かしらぁ?」と申し訳なさそうにするマナに、氷奉は問題ないです、いってらっしゃいと彼女の後姿を見送った。
 さて。渡された一枚の紙に記載されている、その仕事の内容とは。

1年前 No.159

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★Ac4Ko9iWtD_m9i

「せつ、せつ。少しいいですか?」
「ん? どないしはったん、りん」
「すみません、明日のお買い物、いけなくなってしまいました」
「仕事でも入ったん?」
「はい、それでも夕方には戻れるので、それからでもよければ、」
「ええよ、それよりも明日気ぃつけよ。夕方からやったら一緒に茶ぁでも行こか」
「はい。そうしたら、お仕事終わるころにお電話しますね」
「ん、待っとる。単独任務なん?」
「いえ、氷奉さんとですよ」
「は?」
「うん?」
「なんであいつと一緒なん」
「ああ、麒麟としてのぼくと氷奉さんの異能の相性がいいから、みたいですよ。今回のお仕事」
「………………」
「ふ、ふふふ、眉間にしわ、寄ってる」
「別にあいつやなくてもええと思うんやけど」
「そこは榮月さんと冠解先輩の采配ですから、仕方のないことですよ。それにぼく、氷奉さんとのお仕事はそこそこたのしいよ」
「………………ふぅん」
「ふふふ」
「…………まあ、聿籤だとかキトだとかロレッタとかやなかったらまだマシやな。そこは譲歩したる」
「ふふ、よかった。それでせつ、明日のお買い物はぼくの代わりに逝々先輩にお願いしておいたので、」
「えっっ」
「ですから逝々先輩に」
「えっっっっ」
「明日はぼくの分まで楽しんできて」
「……ほ、ほんまにぜぜさん、が、」
「うん」
「う、う、うれしきんちょうしぬ……」
「ふふふ、生きて、せつ。それで夕方からお茶しにいこう。たのしみにしてる」
「それはもちろんや。はよ仕事終わらせてきぃ。俺もたのしみにしとる」

1年前 No.160

Koyomi。+ @tokiwa☆keIKSoWF8Tc ★itjxsZSPDY_m9i

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2ヶ月前 No.161
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