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フリューゲルラビット&ナルシストリスト

 ( プロ小説投稿城 )
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all-A @forever7 ★3DS=dDSGPmSukg

一枚だけの、ツーショット写真。
貰った、楽譜。

そう、これこそが……
私が、かの天才ピアニスト『フランツ=リスト』と出逢った印……


〜*〜【注意】〜*〜

これは、トリップ物語です。19世紀のピアニスト『フランツ=リスト』と、バイオリニストの『ニコロ=パガニーニ』を登場人物として出しています。
キャラ崩壊だけは回避します。
しかし、史実を基に話を作りますが……
この話は史実通りでは無いと承知してください。
たまに、歴史の流れをめちゃくちゃにする話が出てきます。そのつもりでお願いします。

これは、『葉っぱ天国』で作っていた小説の『ナルシストリスト』の改訂版です。
向こうのやつとは、少し話を変えていますが、気にしないでください。



【登場人物】

卯宇治白亜(うさうじハクア)

ピアニストを夢見ている中学三年生。
小学生の四年生までに、ドイツ、フランスの滞在経験があるため、その二国の言葉は勿論、他のヨーロッパの国の言葉を喋ることができる。
ウサギの耳がついた白いパーカーを着る。
リストとモーツァルトの曲に興味を抱く。

フランツ=リスト

19世紀を代表するピアニストであり、音楽家である。
イケメンで女好きで、ナルシスト。しかし、ピアノへ対する情熱や、思いは人一倍強い。黒い色が好き。
ハクアを『黄色い白ウサギ』とバカにするが……?

切替: メイン記事(5) サブ記事 (1) ページ: 1


 
 

all-A @forever7 ★3DS=dDSGPmSukg

【プロローグ】

12/24

終業式の会礼が終わり、通信簿に一喜一憂した午前。今日の学校の日課が終わり、クリスマスパーティーを開こうと元気に家へ帰る者。イルミネーションを観に行きたいと、はしゃぐリア充。クリスマスプレゼントを待ち望み、家へ慌てて帰る者……クリスマスへの思いはみんな様々である。
そんな人達を横目に、音楽室のピアノと向き合い、音色を学校中に響かせる少女が一人。その音色に誘われ、学校に残っていた少数の生徒は音楽室の前に立ってその音色に聴き惚れていた。
外では、落葉を集める風の音が僅かながら聞こえてくる。

『 超絶技巧練習曲第12番ロ短調「雪あらし」 』

その少女が今弾いているその曲は、今の時期の気候、空気を生々しく表しているような曲である。
切なくも美しい曲……

あーあ……この時代のクリスマスだったら、リストさんは何をするのかな……?

彼女は、不意にそう考えていた。

今から語られる話は、一ヶ月前の……『合唱コンクールの前』の『彼女がピアニストとしての道を切り開いた』話である。

8ヶ月前 No.1

all-A @forever7 ★3DS=dDSGPmSukg

【きっかけ】

11/24

来週は、校内合唱コンクール。合唱だけじゃない。
吹奏楽の演奏披露、ソロでの歌、ピアノコンサート……全く、色々やるものね。
近くのコンサートホールを一日貸し切って、行われるそれは、大いに見ごたえがあるものだった。
一年のときも、二年のときも、どのプログラムもクオリティが高かった記憶が鮮やかに残っている。合唱練習だって、何故かみんな力を入れていた。私には無理だったけど……
私は、歌が苦手で音痴なの。その代わり、ピアノが大好きだったから伴奏を頑張った。今のところ、その頑張りが華を咲かせたのは、去年だけだけど……うん、私が弾きたい曲ではなかった。「親知らず子知らず」……弾きたかったな。

まあ、これは余談。
今年も私は伴奏。
そしてもうひとつ、ピアノコンサートに挑もうと決意した。
三曲に挑戦する予定です。

「ビッグブリッジの死闘」

この曲は、ピアノではなくエレクトーンで弾くつもり。動画サイトで弾いてみた動画がよくあるでしょう?それを再現してみるつもり。特にこれはFFファンでは有名だから、よく弾いてみた動画のテーマになっている。だから、知ってる人は何人かいるんじゃないかな?って思ってこれを選んだの。知らない人も、この曲のエレクトーンには度肝を抜かれるわよ?

「2台のピアノのためのソナタ ニ長調K.448:第1楽章」

これは、一人で弾くのは無理だから、クラスの天才肌の少年と一緒に弾くつもり。そいつは性格はバカっぽいけど、なかなかの万能。ピアノとかもすごいからね!

「パガニーニによる大練習曲第3番嬰(エイ)ト短調『ラ・カンパネラ』」

私にとっては、これがメインかな?先日テレビでこの曲の初代を聴いた。ヤバかった。めちゃくちゃにヤバかった。その番組でタレントさんが
『演奏を聴くというよりは、見るという感覚ですね』
と、言っていた。
その言葉がドンピシャだと言い切れるほど、演奏が迫力満点だった。これを作曲者の『リスト』が弾いていたら、凄かっただろう。

……なんていうことは言い切れない。なぜなら、私は最近リストを知ったばかりだから。リストを気に入った理由は、『ラ・カンパネラ』と、リストの『ルックス』だけ。
それ以外は何もわからない。
私は、にわかってやつ?本物のリストファンがこんなことを聞いたら怒るだろうね。

またまた余談。失礼。

私は、合唱練習の合宿らしきもののために荷物を家から運んできたばかりである。私の中学校は名門私立であるため、それなりに質の高い寮がある。土地も広いし……
今は、音楽室のピアノでラ・カンパネラを弾いている。初代じゃなくても充分に難しい。指が取れそうなの。
でも、最初の頃よりは大分良く弾けるようになった。当然、つっかえるところはあるけど。まだまだね……

「卯宇治は早速練習?お前は熱心だよな、みんな合宿初日祝いとかやってるぜ?早くおいでよ」

天才肌が私のピアノに気がついて音楽室へと来た。そして、私に祝いのことを簡単に伝える。
全く……なんのための合宿よ。はしゃぐための合宿ではないはずなのに……
でも、私だけいなくて皆から変な目で見られるのは嫌だから、社交辞令ってことで……顔だけは出そう。

「……そういえば、」

と、天才肌が呟く。私に何かを言いたげであるが、なかなか切り出さない。

「何?用があるなら早く言ってよ」

いつまでも言おうとしない天才肌にしびれを切らして私は続きを急かす。

「卯宇治さ……なんか、ユーロピアンに好かれそうな顔だよな?」

なんて、変なことを言ってくるもんだから、つい足を止めてしまった。
私は僅かの間、考えた。告白の言葉?
それにしては、意味深すぎるし、何よりもこの天才肌がそんなことを言うわけがない。一応彼女がいるリア充だし。

「おい、早く来いよ!眉間にシワなんて寄せてないでよ!」

あ、リア充を考えてたらつい顔が強ばって……
じゃなくて、いつの間にか天才肌は階段を降りて一階下へと降りていた。

「あ、待って………」

と、この刹那に私は凍り付いた。足を滑らせ、前転しながら階段を転げ落ちてしまった、大きな悲鳴を上げながら。どうすることもできずに、頭を強く強打した。

「おい、卯宇治!……大丈夫かよ!
待ってろ、先生呼んでくるから!!」

絶対にヤバイ……頭が痛い。目が回る。目の前がぼやけてくる、天才肌の声が遠くなって…………く
ヤバイ……本気でヤバ……イ……

8ヶ月前 No.2

all-A @forever7☆hZtPdKOAu1Hs ★3DS=dDSGPmSukg

〜疑問〜

うぅ……

気がついたら、私はベッドの上で寝転がっていた。フカフカで、いかにも高級そうな布団に包まれる。
ここは保健室……

なんかじゃない。保健室がこんなに凄いベッドを使っている筈がない。では、ここは?そして今は何時?

カーテンがなびき続けている窓からは、綺麗な月が顔を出していた。空は綺麗な青紫……明らかに今は夜だ。夕方ではない。

そして、猛烈に動きたくなった。頭は正直痛くなかった。
ベッドから起き上がり、辺りを見回す。ほどよく本が詰められている本棚。火がついていない暖炉。綺麗でシンプルな装飾を施した椅子や机。灯のないランプ。
そして、二台に並んだグランドピアノ。

これらを見ている限り、学校ではないことは分かった。もっと言ってしまえば、私には現代であるとは思えなかった。
テレビがない、電気がない、今で言うアンティークな家具しかない。

しかし、ただひとつ。ひとつだけ違和感を感じさせないものがあった。
二台のグランドピアノ。一番興味を示せるものだった。

「……弾いてみたい」

つい、ポロっと口に出した言葉は、誰に伝わるという訳でもなく、夜の空へと消えてった。

関係無い。弾いてみたくなったから弾いてみる。
意味は何も無いが『ラ・カンパネラ』を弾きたくなった。
ゆったりとした曲調に似合わず、手はとても忙しい。それでも、この曲を弾いている時だけ……その瞬間だけ、私は私を越えていく……そんな感覚に包まれる。
そんなことは有り得ないんだけどね。

でも、本当にここはどこだろう。いささか不安になってきた。その不安のせいで、ピアノの手が止まった。そして、力が抜けたかのようにうつ向く。涙すら出てきそうだった。実際、目には涙が出てきていたはず。
それくらい押し潰されそうな不安が心の中に急激にたまっていき、辛くなった。

6ヶ月前 No.3

all-A @forever7☆hZtPdKOAu1Hs ★3DS=SueB0NzJMS

〜リスト〜

「どうかいたしましたかな?勝手に人の家に入ってきたのは良いのですが……」

不意に、後ろから男の人の声が聞こえてきた。気付かなかったけど、きっと少し前から部屋に入っていたと思う。ピアノの音が聞こえたのかもしれない。いや、絶対に聞こえてた。

「あ……!すみません、勝手に弾いてしまいまして……」

焦った私はすぐにピアノの椅子から降りた。それからは、しどろもどろしっぱなし。

「さっきの曲は、私の曲と大分似ていたように感じましたが……何の曲でしょうか?」

「……ラ・カンパネラです。」

相手の顔を見ることがなぜかできずに、ずっとうつ向いていながら答えると……

「ラ・カンパネラだと?私の曲じゃないか。困るな、盗作や無断での編曲は……」

と、言われても私の曲でもないからどうすることもできない。答えられずにずっとうつ向いているしかない。

「正直に答えなさい、私の曲を盗んだのでしょうか?だとしたら、もっと格好よく編曲してほしかったです。素人でも弾ける曲にしてしまって……」

僅かながら、苛立ちを滲ませながら私に近づいてくるその男。私よりも遥かに高い身長を誇るその人は私にとっては恐怖そのもので。

「私が編曲した訳じゃないんです……ピアノの素人です、作曲家でもないですし、学生ですし、編曲するほどのセンスもないですし……」

徐々に声が小さくなっていくのは自分でも分かった。心細さと恐怖が合わさり、最早泣くことしかできなくなっていた。

「……変なことばかりを言ってばかりで泣かれては困りますよ。」

「だって……怖くて、心細くて……」

すでに涙を抑えるなんてことはできなくなるほど心が潰れていた。すると、男はあることに気が付いた。

「お前、女か。夜中に人の家で何をしているのでしょうか?家出……とか?」

私もあることに気が付いた。私の顔を覗きこんで、私に質問をしてきた男は、『美しい』という言葉や『イケメン』という言葉では足りないほど……『超』という言葉をつけてもギリギリ表現不足である程の美形の男だった。妖艶とも違う、清純という雰囲気でもない。謎の、でも確実に美しい魅力を放つその超イケメンな男は、優しい眼差しを向けていた。絶対に怖い目で私を見ていたと思っていたのに……
彼の顔を認識するやいなや、私の涙は止まったようだ。

「どうしましたか?怖がらせていたのなら謝りますが……しかし、貴女の名前はなんでしょうか?」

「……え、あ……ハクアです。卯宇治白亜です。貴方は……」

もう、今までの彼から出てきた言葉でなんとなく検討はついたが、彼の名前を聞かずにはいられなかった。
当然、彼の名前は……

「私は、リスト……フランツ・リストです。何処から来たのでしょうか?」

「あの……日本です。21世紀の……」

正直なことを言った。けれどもあやしがるリストさんに今までのことを全て話した。

「にわかに信じがたい話ですけれども、状況を見る限りはそう信じるしか無さそうですね。
ということは、貴女のお家は……」

「ありません。」

「仕方ない、私の家に泊まりなさい。心配は要りませんよ。幸い、生活には余裕がある人間なので……」

良かった、話が分かる人で。ダメな人はどれだけ話しても、違う解釈をするか疑うかで話が上手く伝わらない。リストさんがいい人で良かった。

「ありがとうございます。というより、ごめんなさい。」

余裕があるとはいえ、申し訳なくは思う。

「気にしないでください。ウサウジ……ウサ……ウサギ……日本人らしからぬ驚くほどの白い肌……黄色い、白ウサギですね。」

私に背を向けてボソボソという、リストさん。
気づかれないように言ってるつもりだろうけど、聞こえてますよ。その差別とも言える言葉。

「リストさん、それなら貴方は痩せた白馬ですね!」

と、挑発的に言い放ってしまった。すぐに私に反応して、更に近づいてきて、私を壁へと追いつめる。そして、私の顎を上へと向かせる。

「……でも、私は相手がどこの国の人だろうと、女性には等しく恋する人間ですよ。相手が黄色い白ウサギであろうとも。」

言い終わると同時に私の唇に乱暴にキスを一回落としてくる。いきなりすぎることだった。
初めてのキスをこんな乱暴に盗られるなんて。
女性の尊厳を奪われた気分だった。
彼が唇を離すとすぐに……

「……っ!痛いじゃないですか。」

「なんてことをしてくれるんですか!?」

ビンタをお見舞いしてやった。あの超イケメンな顔に赤い手形をつけてやった。いきなりのキスで顔から湯気が出てくるかのように熱くなったんだ。

「あぁ……私の顔にこんな傷をつけてくれて……」

鏡と向き合い、手形をさするリストさん。このナルシストめ。

「そんな手形すぐに消えますよ!」

ああ、もうなんかドッと疲れが出た。緊張が悪い意味でほぐれた。でも、これでリストさんに気を遣う必要がなくなった。

5ヶ月前 No.4

all-A @forever7☆hZtPdKOAu1Hs ★3DS=SueB0NzJMS

〜優しさ〜

リストさんは

「お腹が空いているだろう?何か食べないともたないぞ。」

といい、パンとスープとちょっとだけの野菜を持ってきてくれた。確かにお腹は空いている。けれども、さっきのキス事件もあったせいで食べ物があまり喉を通さない。
リストさんは、真っ正面……しかも同じテーブルで同じものを食べている。勝ち誇ったような表情はまだ残っている。それがムカつく。イケメン過ぎて文句のひとつさえも口から吐き出すことを躊躇してしまう。
でも、やっぱり愚痴や文句を我慢するなんてことはおこちゃまな私にはできない訳で……

「なんて紳士らしさの欠片もないような無神経な男……」

「ん?私のことを言っているのでしょうか?」

「逆に誰のことを言っているのかと思ったんだろうね?」

まるで反省の色は無し……と。
いや、普通は子供に手加減の手の字くらいはするでしょう?

「普通、子供相手にいきなりキスするかな!?しかもファースト……最低だよね!」

わざと大きめの声で文句を言う。そうすれば彼は質問を返してくる。

「じゃあ君は一体何歳なんだね?」

「15歳ですよ!彼氏無し、経験なしの恋愛素人のウブですよ!」

「何!?15歳だって?本当にそんなに若いのか?」

リストさんは、椅子から転げ落ちそうになった。明らかに私の実年齢に動揺していたらしい。

「……何歳だと思ってたんですか?」

「……18歳」

「まあ、確かに身長は平均よりも高いですけれども。」

今の身長は162cmで学校では圧倒的に後列に立つ存在だけど、普通に小学生で170cmを誇る女子だっていますよ。
シシドカフカとかシシドカフカとかシシドカフカとか…………

「……なんか、今更のことだが申し訳ない。」

シシドカフカ……じゃなくて……
今、なんと言いました?

「まだ恋愛経験もない……ましてやイタイケである貴女にトラウマを植え付けたようですね。知らなかったとはいえ、悪いことをしました……」

急に真面目な顔になり、私と向き直ってはっきりと謝ってくるリストさんに、今度は私が度肝を抜かれた。椅子からずり落ちそうになるほど。てっきり当然の権利だと言って正当化するのかと思っていた。ナルシストで女好き……と聞いていたから、この素直さが意外だった。

5ヶ月前 No.5
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