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カノンの響き。

 ( 初心者のための小説投稿城 )
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葉月 @hazuki1110 ★3DS=jxA7FtfsBA

初めましての方は初めまして(●^^●)
葉月です[]
今日から、小説をかいていきたいと思います.。

変なところがあったらぜひいってください

じゃあ、始めます.。すたーと[]

メモ2017/08/26 07:34 : 葉月 @hazuki1110★3DS-jxA7FtfsBA

登場人物


坂巻 花音

(サカマキ カノン)

中学1年生。

神奈川出身。小さい頃は、フランスに住んでいた。


岩永 響

(イワナガ ヒビキ)

中学2年生。

東京出身。小さい頃は、サッカーをやっていた。だが、今は___。

ページ: 1


 
 

葉月 @hazuki1110 ★3DS=jxA7FtfsBA

1
「おい、お前、何やってんだ!!ここをどこだと思ってんだ!!」
放課後、体も声も異常にでっかい(つまりうるさいデブ)、体育の青木先生が怒鳴るや、地鳴りのように廊下が揺れた。
「見てのとおり。タバコ吸ってまーす!それから、ここは職員室の前でーす!」
あたしはしゃらりと答え、口からゆっくりと煙をはくと、付け加えた。
「それから、あたしの名前は坂巻 花音。"お前"なんかじゃありませーん!」
「きさまー!」
青木先生はあたしの指からタバコを抜き取ると、あたしをにらみつけた。その顔は赤くなっている。
「一緒に来い。」
と、言うなり、あたしの腕をひっぱって、手荒い場まで行き、乱暴に水道のせんをひねった。ふいに水が勢いよく流れ出してくる。
青木先生はその水の中に、まだ火がついているタバコの先をつけた。
『ジュッ』と音をたて、タバコの火は、一瞬にして消えた。
青木先生は、その濡れたタバコを、制服のジャケットの下に来ていた、あたしの白いブラウスに、押しつけた。
「あーあ。」
あたしは白いブラウスの丸いえりの下に茶色いシミがついたのを眺めながら、ため息をつく。
「一年C組か。じゃ、佐々木先生のクラスだな。今から職員室に行くぞ。一緒に来い!」
青木先生は、またあたしの腕をぐいっとつかんだ。
「もうっ、そんなに引っ張らなくても、あたしはちゃんと職員室に行くよ。殺人犯みたいに扱わないでよ!」
あたしは抗議する。
青木先生はしぶしぶ腕を離した。
次の瞬間!
あたしは一気に走り出す。
「待て!」
青木先生がダッシュで追いかけてくる。さすが体育の先生だけに、足は速い。だけど、あたしだって、短距離じゃ負けない。あたしは全力で走り、途中で青木先生の方をふりかえり、下をべーっとだすと、はだしのまま校舎を出ていった。


「さいてー!」
あたしは血がにじんでいる足の裏を、恨めしそうに見つめる。
学校から飛び出して、そのまま海岸まで走った。その途中で、はだしだった足の裏を切ったらしい。
「あぁ、気持ちいいー!」
あたしは岩の上に寝そべり、そっと目を閉じた。
ここは、あたしだけの秘密の場所。あたしの特別な場所なんだ。
どこまでも続く海岸線の途中に、海に向かっていくつもの岩が、列を作ってつき出している。
ごつごつとした岩を、ひとつひとつ飛び越えていくと、少しだけ水平線に近付いたような気分になる。
水平線を見るたびに、あたしはいつも希望を感じる。
そう、あの向こう側なら___。
あの向こう側に行ったら、きっとまた楽しい日々が始まるって思えるから。
六月の生ぬるい潮風が、ときおり吹き付けてくる。同時に、波が岩の上まで届きそうなくらい高く打ちつける。潮風にそよぐ、肩までの髪が湿ってきた。
潮の香りを吸い込みながら、じっと目を閉じていると、今までのことが次々と浮かんでくる。
あたしは神奈川県内の太平洋に面した町に生まれた。
おじいちゃんは長年、この町で市会議員をやっていて、今度市長に立候補するっていってた。がみがみうるさくって、小言ばかりで、小さい頃から大嫌いだった。
でもラッキーなことに、お父さんの仕事の関係で、あたしたち家族は5年前、あたしが八歳のときにフランスに転勤になった。
フランスと言っても、パリのような大都市でなく、のんびりした古いお城のある小さな町で、あたしは中世みたいな雰囲気のあるその町が、ものすごく気に入っていた。友だちもできた。その五年間は本当に楽しく毎日を過ごした。

3ヶ月前 No.1

葉月 @hazuki1110 ★3DS=jxA7FtfsBA

ところが、あたしが中学にはいる年のお正月のこと。突然、お父さんが宣言した。
「お父さんは、これから日本に帰り、市長に立候補するおじいちゃんを応援しながら、お父さんも市会議員を目指す!」
あたしの不幸の始まりは、そこからだった。
 三月に、フランスから帰り、おじいちゃんとおばあちゃんの家で一緒に暮らすようになった当日、いきなりおじいちゃんが言った。
「花音、イヤリングなんか、すぐに外すんだ!」
「イヤンリグじゃない。ピアスだよ。」
あたしは答える。
「どっちでもいい。そんなものをつけて学校へ行ったら、人様になんと言われるか分からん。ということは、すぐに選挙の票にも結びつくんだからな。お前が変わったことをするたびに、おじいちゃんやお父さんの票がへっていくんだ。すぐに外しなさい!!」
「だって、フランスじゃ、み〜んなピアスしてたよ。幼稚園くらいの子供だって……。」
「ここはフランスじゃないっ。」
おじいちゃんは耳をつんざくほどの大声で怒鳴った。

毎日、こんなことの繰り返し。"見知らぬひとにも、ていねいに挨拶しろ" "いつも笑顔でいろ" "目立つ服は着るな" "言葉づかいに気を付けろ"……。
もううんざりだよ。

3ヶ月前 No.2

葉月 @hazuki1110 ★3DS=jxA7FtfsBA

フランスにいたころは、とても優しかったお母さんとお父さんまでが、おじいちゃんの言いなり。たった一人、陰でそっとかばってくれるのは、おばあちゃんだけだ。
家にいるのはゆううつなだけだけど、学校ではもっとひどかった。しかも女子校。
入学したてのころは、あたしの机のまわりにクラスの子たちが集まり、フランスの話を熱心に聞いてくれていた。だけど、いつしか誰も近寄らなくなった。それどころか、いまでは徹底的に無視されている。始まりは、トイレ事件だ。
「花音、一緒にトイレ行かない?」
となりの席の羽華(わか)が誘った。
「行かない。」
羽華は一瞬、驚いたように目を丸くしたが、すぐに気を取り直して言った。
「じゃあ、つきあってくれない?」
「え、何で?トイレくらい一人で行けば?」
あたしのその言い方が、羽華の心をひどく害したらしい。だけど、私には分からない。どうして行きたくもないのに、一緒にトイレに行かなきゃいけナインだろう。
「フランスではね、自分がどうしたいかってことを、とっても大事にするんだ。」
あたしは説明したが、それ以来、"フランスかぶれの生意気女"と呼ばれた。
みんなが無視しはじめたころ、あたしは群れているグループの子たちに向かって言ってやった。
「べたべたしちゃって、気持ち悪いよ。一人じゃ何にもできないの?あんたたち、まるでお子様ランチだね。」
ここからが、悪夢だ。下駄箱から、ちょくちょく靴がなくなる。机の中には、嫌がらせの手紙も入っている。この前なんて、ごていねいに、"地獄行き" "死んでしまえ"とかかれた紙に、カミソリがはりつけられていた。
一応、担任の佐々木先生に訴えたが、いつも卑屈な笑みを浮かべ、弱腰の佐々木は、
「きみにも反省することがあるんじゃないかなぁ。まっ、お互い様ってことだよ。」
と、へらへら笑って言っただけだった。
「あーあ、さいてー。」
あたしは目をあけ、ふたたびつぶやく。
家も学校もなにもかもが、不愉快で、薄汚く思えてならない。
思いきってタバコを吸ってみても、お酒を飲んでみても、わざと親が呼び出されるようなことをしても、いっこうに気分が晴れることはない。
ふと、ジャケットの胸のあたりがブルブルと振動した。胸のポケットに入っている携帯電話。案の定、お母さんからだ。
『学校から連絡があったわよ。花音、職員室の前で、タバコを吸ったんですってね。お母さん、ショックで声も出なかった。今、どこにいるの?こんなことがおじいちゃんに知られたらどんなことになるか……。すぐに帰ってらっしゃい! 母』
あたしは鼻でフンッと笑うと、あてずっぽうで番号をプッシュする。時々やるのだ。でたらめな番号を打ち、思いのたけをぶちまけたメールを送る。
同じ携帯電話の会社なら、電話番号で届くはず。とはいえ、もちろん、いつだって、宛先不明で帰ってくる。それでも、ほんのスカッとする。
『みーんな大嫌い。汚い大人たち、意地悪なクラスメート。なにもかも、さいてーじゃん。ね、わかる?あたしの気持ち。ふん、わかるわけない。わかりっこないよ。』

かきおわると、送信ボタンを押した。じっと画面を見続ける。すぐに"送信失敗"か"宛先不明"という通知があるはずだ。
ところが……。
着メロと同時に、登録されていなき電話番号が表示された。
怖いものでも見るように、おそるおそる受信ボックスを開いた。

すると_____!

3ヶ月前 No.3

葉月 @hazuki1110 ★3DS=jxA7FtfsBA

『わかる。すごく……。オレも同じだから。
なにもかも、さいてー。毎日イライラしてるし、ムカついてる<(`^´)>』

最後につけられていた顔文字に思わず吹きだし、さっそく返信メールをかく。

『あんた、だれ?もしかして"出会い系"?それとも、"オヤジ系"?
言っとくけど、あたし、そういう趣味ないし、はっきり言って、すごブスだから(^)ο(^)

送信すると、少しして返信が来た。

『おまえこそ、だれだよ。いきなりメールをしてきて。退屈だったから、返信しただけだ。
自分がむかつくからって、八つ当たりはやめろよな、すごブスさん(@_@)』

「なによ、むかつくー!」
あたしはぷんぷんしながら返信する。
『あんた言われたくありませーん!
なにも知らないくせに、えらそーなことかかないでよ、バカ(°〆°)』

『うるせぇよ、ブス。たぶん、おまえ、性格だって、すごブスなんだろうな。
さいてーで、うそっぱっちなのは、おまえだろ(°□°)』

ふん、なにさ。えらそーに、よく言うよ。

あたしは一瞬頭に来たし、今までも似たようなことをかかれた手紙が机の中に入っていたりしてたけど、なぜかこのメールは、さほど嫌な気分にはならなかった。

『はいはい、そうです、そうです。あなたの言う通り、あたしは、さいてーで、ううそっぱっちの性格ブスですよー(☆ο◎)マイッタ。』
返信を送る。
『おっ、意外と物分かりいいじゃん('ε')』

『まぁね(*^_^*)』*

『そういうオレも、すっげえ、さいてー。いつだって、うそばっか。』

『えっ。』

『(m〜・〜)m。』
『(;>σ<)。』


『えっ、花音。カノン……。名前負けしてんじゃん(>○<)ブアッハッハッ!!』

『わるかったね。でも、よく言われる…ο(;△;)ο エーン。』

『オレもだよ。名前は、岩脇響。ひびき……。』

こうしたやりとりは、夕食とお風呂の時間だけ中断して、メアドを教え合い、とうとう夜まで続いた。

3ヶ月前 No.4

葉月 @hazuki1110 ★3DS=jxA7FtfsBA

2
ひょんなことから、見ず知らずの男の子とメールのやりとりが始まって、5日目のこと。英語の授業中に、ふいに着メロが鳴り始めた。あいつだ!
カバンの中で響専用の"ゲゲゲの鬼太郎"の着メロが鳴っている。カバンの中に手を入れて、あわてて止めようとしているあたしを、みんながニヤニヤしながら眺めている。
英語の先生の綾瀬先生が、あたしの席に向かってきた。まだ大学を出たばかりだというのに、頭はカチンカチンだ。
「坂巻さん、学校内では、携帯の電源は切っておくことになってるでしょ。」
「そうだっけ?」
あたしはすっとぼける。
綾瀬先生はむっとして、手のひらをむけて、あたしの方に差し出した。
「放課後まで預かっておきます。わたしなさい。」
「やだっ。」
引っ張りかけた携帯電話を、カバンの奥に押し戻した。
「わたしなさいっ。」
綾瀬先生はもう一度言う。目に怒りがこもっている。
「なんでわたさなきゃいけないの?電源を切ればいいだけでしょ。」
あたしはわざと落ち着いて言う。相手が怒っているときには、落ち着いて話した方が、相手をもっと怒らせるからだ。
案の定、綾瀬先生の顔が上気してきた。
「坂巻さんがトラブルメーカーだからよ。いつも先生たちを怒らせて、おうちの方を心配させているのに、ちっとも反省してない。そんな人が、携帯電話なんて持つと、ろくなことがなきわ。だから、しばらくわたしが預かっておきます。さぁっ、わたしなさいっ。」
「やだっ。」
あたしはカバンを胸に抱え込んだ。

「わたしなさいって言ってるでしょ!」
綾瀬先生が力まかせに、あたしのカバンを引っ張る。クラスメートたちは、バカ笑いしてる。
「どうして言うことを聞かないの?」
あたしのカバンを引っ張りながら言った。
「どうして言うことを聞かなきゃなんないの?そんなの、ドロボーじゃない!」
あたしは薄ら笑いを浮かべて言った。
「ド、ドロボーですって?」
綾瀬先生の顔が真っ赤になった。
「そういうこと。ああ、こわ。ドロボーに英語なんて習ってらんないよ。」
あたしはそう言うと、すたすたと教室を出ていく。
「戻ってらっしゃい!坂巻さん!!」
綾瀬先生の甲高い声が、教室に響きわたった。

3ヶ月前 No.5

葉月 @hazuki1110 ★3DS=jxA7FtfsBA

学校を出ると、また海岸の、あの岩のところまで向かった。
途中、"ゲゲゲの鬼太郎"が鳴った。いつもメールばかりで話したことはない。
不思議なことだけど、響とメールしてると、あたしはやけに素直になってしまう。
別に、男の子だからってわけじゃない。年上だからてわけでもない。顔も知らないし、声も聞いたことないし、性格だってらわからない。
でも……。どうしてかな、響とメールしてると、心が安らいでくる……。
岩の先端まで行くと、あたしはすぐに携帯電話を取り出し、受信ボックスを開いた。
響からのメールは、2通届いていた。
『オッス。こっちは今、音楽の時間。なんと、パッヘルベルって舌をかみそうな名前の作曲家の"カノン"って曲を聴かされてる。カノンだよ、花音。』

『今、聴き終わった。オレ、クラシックなんて、全然興味なかったけど、すげえいい曲で、カンドー(m~'~)m。」

あたしはすぐさま返事する。

『バーカ、今まで知らなかったの?響、遅いよ。あれは名曲だよ。なんつったって、あたしの名前がタイトルなんだもんね(^_^)フン。」

『これだもん。おまえ、ほんと性格ブスだよな。そんなに自分の名前が自慢なら、文句ばっか言ってねえで、少しは親に感謝しろっ(`ー´〃)。』

『響まで、学校の先生みたいなこと言わないでよ。』

『……ごめん……。』

2ヶ月前 No.6

葉月 @hazuki1110 ★3DS=jxA7FtfsBA

ゆっくりとタバコを吸った。グレーの煙が、真っ青な空に向かって舞い上がっていく。
思わず顔をゆがめた。いつもは煙をくゆらしているだけだから、しっかり吸うと気持ち悪くなって吐きそうになる。
お酒だってそうだ。こないだ、わざわざ応接間でんお父さんの好きなブランデーをグラスにくんで、ごくごく飲んだ。
真っ赤な顔でへらへら笑っているあたしの頬を、お父さんは思いっきりひっぱたたいた。その瞬間、胃がぐるんと動いたかと思うと、あたしは応接間のふかふかのじゅうたんの上に思いっきり吐いた。
響にそのことをメールしたら、

『ったくー!このオレだって、飲むならせいぜいチューハイだそ。カノンも、せめてビールくらいにしとけー(=^~^=)οウィー。』

って返事がきた。ついでに、職員室の前でタバコを吸ったことも伝えたら、

『おまえの神経の図太さには、完全に負けてる<(_ _)>。』

って返してきた。

響の、こういう、笑い飛ばしてくれるみたいな、あっさりした感じが、すごく楽だ……。

2ヶ月前 No.7
ページ: 1

 
 
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