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新!猫又神伝

 ( 初心者のための小説投稿城 )
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空衣 ★EBxS5tQuZE_yFt



  誰かから聞いたことがある。

 「名前とは、最も短い祈りである」と



 ◆ ■ ◆ ■ ◆


  初めまして、空衣(からころも)と申します。
  これは小学生の頃書いていた小説のリメイク版です。
  拙い文章ではございますが、お暇つぶし程度にでもなれば…

関連リンク: 設定とかいろいろ置き場 
ページ: 1


 
 

空衣 ★EBxS5tQuZE_yFt


 「ねえ、私の式になってよ」
 「ふざけるなよ、人間…!」
 事の始まりは、少し前。


 1.
 ふらふらとおぼつかない足取りで歩いていた黒い何かは、とうとう力尽きたのか神社の鳥居の、その根元までたどり着くとぼてっと音を立てて崩れ落ちた。
 その黒い何かの正体は猫、ただしそのしっぽは2本―――数十年生きた化け猫、いわゆる猫又である。
 しかしこの猫又、まだ名前がなかった。
 空腹で指一本動かせないはずの猫又であったが、不意に美味しそうな匂いに鼻をひくつかせる。
 ゆるゆると視線だけを動かすと、そこにあったのは何故今まで気が付かなかったのか今までありつけたこともないような見事な魚。

 (食い物だ…!)

 猫又は目をきらきらと輝かせると目の前のご馳走へと手を伸ばす。
 もう少し、もう少し、もう少し―――届いた!
 だが、

 「!?っ」

 手が届いたと思った瞬間、それはかき消えると光の鎖となり、驚いて身構えることもできない猫又の体を瞬く間に拘束してしまったのだ。
 成す術もなくその場に転がった猫又に、影を落とす人物がいた。
 魚を見つけたと思ったらむしろ捕まってしまった、あとはもう食べられるのは我が身である…そう覚悟して目を閉じていた猫又だったが、予想に反して何もしてこない。
 訝し気に思ってそっと目を開けてみると、そこにいたのは、少女であった。
 小学生高学年か中学生程の、幼いという言葉で言い表せるような、無邪気で明るそうな顔をした女の子。
 彼女は猫又のすぐそばで膝を折ると、彼の目を覗き込んだ。

 「君の目、青色なんだ」

 綺麗だね。そうにこりと笑う少女。しかし、猫又は警戒を深めるばかりだ。
 この術、この少女、………まさか

 「ねえ、私の式にならない」
 「…………なるほどな」

 「俺の嫌いな人間か」

 屈託なく笑いかけてくる少女の笑顔は年相応のそれだ、しかしその口から飛び出してきた単語に、猫又は乾いた笑いをこぼす。
 そうか、小さいながらもこいつは『術者』か。
 口を歪めた後、猫又は己を拘束していた光の鎖を自らの妖力でもって粉々に砕き去る。
 どこにそんな力を残していたのか、平然とした様子で二つの尾をくゆりと揺らした。
 その様子に少女は少しだけ悲しそうな目をしてみせる。それを猫又が気が付いたかはわからなかった。

 「力づくしか、ない…かな」
 「さっきは捕まったが俺とて妖だ、誰が貴様らなんぞ術者に下るかよ」
 「はは…嫌われてるなぁ」

 でもね、私は君を式にしたい。式にしなきゃいけないんだ。
 困ったように笑いながら、ぽつりとこぼす。しかし、その言葉に猫又が疑問を抱く前に、彼女がポケットから取り出したものにうなり声をあげる。
 ―――札か。
 あいつは見たことがある。使う奴によって変わるが、ひらひらと厄介な相手なのは確かだ。


 「ねえ、私の式になってよ」
 「ふざけるなよ、人間…!」

4ヶ月前 No.1
ページ: 1

 
 
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