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誰のために

 ( 初心者のための小説投稿城 )
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虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

もう、慣れてしまったはずだった。

もう、考えることはないはずだった。

そんな、自分が報われない世の中でなぜ、またこんなことを。

メモ2016/11/27 02:05 : 虚空 @iceserpent★Q7BovRiFPq_yFt

登場人物


本当に信頼していた後輩が自殺し深く悲しんだが、開き直り心に闇を抱えたまま明るく過ごしている主人公の一人

井ノ原 実 (いのはら みのる)


いじめに苦しみ、自殺に走った後輩

沙花野 美愛 (さかの みあ)


美愛の自殺から半年後、中学に入学し吹奏楽部に入部することになるもう一人の主人公

珠内 希子 (たまうち きこ)


※登場人物はどんどん増えてくると思われます※


この話の舞台となる中学校

朝芽中学校 (あさかちゅうがっこう)

切替: メイン記事(15) サブ記事 (1) ページ: 1


 
 

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

目の前にあるのは大切だったはずの一人の少女。
初めて出来た、自分の後輩。
初めて出来た、大事だと思えた存在。
出会ってから今まで泣いて、笑って、教えあい学びあい何か一つ誇れる賞を取ろうと約束したのに。

なぜ、その彼女は今、自分の目の前で倒れ、血にまみれているのだろうか。

5ヶ月前 No.1

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

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5ヶ月前 No.2

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

「なんで、何でこんなことを!」

見ると手紙には「先輩へ」と書いてある。
手紙というよりかは、半分遺書のようなそんな内容だった。

先輩へ
先輩のことだから、電話をすればきっとすぐ飛んできてくれるだろうから手紙を書きます。
先輩に誘われてから入部して過ごした日々は本当に本当に楽しい日々でした。
歓迎会の演奏をしていた先輩はかっこよかったです。
でも、これ以上は続けられません。
私は、いじめにあっていました。最近、部活に遅れ気味だったのもそのためです。
それでも先生たちは助けてくれませんでした。
合併の話が固まってきている今、問題を起こしたくないんでしょうね。
先輩だけが救いでした。でも、もう迷惑は、かけられません。
このことも、おおやけにはしないでしょうね。
身寄りのない私ですから、転校にされてしまうかもしれません。
でも、できれば先輩はこの手紙を隠して先生たちの隠ぺいに協力してください。
そうすれば、何事もなくまた学校生活に戻れます。
どうかお願いします。
さようなら。

ただひたすらに涙がこぼれてきた。
まもなく、見回りの先生が来て職員室へ連れていかれた。
どうかこのことを内密にしてほしいと、理事長に頼まれた。
ありとあらゆる方面にとても強いパイプをを持ち、その気になれば財政さえも動かせるという化け物のような人だ。
身寄りのない少女一人のことくらいどうとでもなるのだろう。
そんな、理事長の言葉に従った。屈したわけではない。彼女の最後のお願いをかなえただけだ。

次の日
彼女のことは本当に、急な転校ということで収まった。
だが、これからのこの憂鬱な気分を抱えたままいられるほど自分は強くなかった。


そんな、一生に残る出来事から半年が過ぎ、三年生になった。
あぁ、また新入部員が来るのか。

5ヶ月前 No.3

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

自殺事件より約半年後の4月1日

期待と不安が入り混じりつつ、私は初登校を迎えた。
体験入学で学校自体がどんな感じかは分かった気がするけど、たぶん気がしているだけだ。
はぁ、引っ込み思案で自分では頑張ってるつもりでも周りからもっと明るくいこうと言われてしまう自分が、
こんな知らない人だらけのところでうまくやっていけるのだろうか。
とにかく頑張ろう。

約1時間後

「あぁ〜。やっと、入学式終わった〜〜」
所々でそんな声が聞こえ、自分もひとつ大きく伸びをしてあくびをする。
昨日は緊張であんまし寝れなかったからなぁ。
入学式自体は昼からで後はクラスごとに学活として、自己紹介、時間割配布、教科書配布・・・と続いていく。

「えぇ〜、最後に皆さんに覚えてもらいたいことがあります」

担任の先生が軽い挨拶の流れで話し出した。

「基本、学校にはさみなどの刃物類の持ち込みは禁止です。授業などで使う場合も学校側で用意し、随時回収します」

ふ〜ん。まあ、そういうところもあるんだろう。
さあ、明日から本格的な学校生活の始まりだ。

5ヶ月前 No.4

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

入学式の次の日は早々にもテストだった。
小学校の総まとめの確認テストだから簡単だったけど国・社・数・理の4教科を4時間ぶっつづけはきつい。
ていうか、中学入ったから本格的に英語も始まるのか。
頑張らなきゃ。

なんだかんだで放課後

終礼の最後に先生から部活の話が出た。

「今日から来週の金曜日までは体験入部期間です。放課後の3時から4時までやりたい部活を体験してください」

ああ、そうか部活も始まるんだ。

「体験期間が終わったら正式な入部届を出してもらうのでこれから3年間続ける部活をしっかり決めてください」

全然考えてなかったけど、どこにしよっかな。
私は女子だからテニス、ソフトボール、剣道、卓球・・・あ、吹奏楽なんてものもある。

「ねえねえ、希子。どこの部活にするか決めた?」

話しかけてきたのは、私の大親友のれいちゃんだ。いつも内気な私を気にかけてくれている。
バリバリの体育会系で卓球を習っていた。大会でかなり上位までいってるらしい。

「れいちゃんはやっぱり卓球?私は何にすればいいか全然わかんないよ」
「そりゃあね。あ!そうだ、春休みに行った祭りあるでしょ?。そこで演奏してたのってここの吹奏楽じゃない?」
「え?あのれいちゃんがかっこいいって言ってたやつ?」
「そうそう、希子って習い事してなかったから楽器やってみれば?」
「まあ、とりあえず覗いてみるけど」

れいちゃんと別れた後、例の吹奏楽部を見に音楽室まで行った。


5ヶ月前 No.5

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

音楽室前廊下(希子目線)
ああ、ここまで来ちゃったけど中に入るとなるとやっぱ勇気が・・・。
なんか、賑やかそうだな。自分なんかがこの空気に入れるんだろうか。
う〜〜〜ん、入るか否か。う〜〜ん。

 ガラガラガラっ!

急に扉が開いて驚いたが、なぜか出てきた人も驚いている。
私が困惑していると、おずおずと声をかけてきた。

「え〜っと、体験に来た子だよね?とりあえず中に入ってくれる?」

これが、実先輩との最初の会話だった。

5ヶ月前 No.6

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

音楽室内(実目線)
「ほらほら部長!そろそろ1年の子たち来ちゃうよ」

ムードメーカー担当の一人が実に楽しそうに話しかけてくる。

「いや、こないでしょ?こんな、弱小部活」

実際、部員が少ないこの部活は今年は人気がない。
ていうか、正直これ以上は手に余るというかなんというか。

「部長がそんなこと言ってるから人が集まらないんだよ」
「そうですよ実先輩」
「え〜、俺のせい?」

人の苦労も知らないで言ってくれるなぁ。
そもそも、これ以上人が増えたってあの子が戻ってくるわけじゃあ・・・。いや、あれはしょうがないことだったんだ。
これ以上は考えない。もう、慣れた。慣れたはずなんだ・・・。

「あれっ、廊下にいるの1年の子じゃないっ!?ほら部長速くいって!」
「うおっ!?」

人が考え事をしている時に急に押すものだから間抜けな声をあげながら扉を開けることとなる。
あーあ、1年の子も驚いちゃってるじゃん。どうすっかな。
まあ、中に入ってもらわないと始まらないな。あんまし刺激しないようにっと。

「え〜っと、体験に来た子だよね?とりあえず中に入ってくれる?」

これが珠内との最初の会話だった。

5ヶ月前 No.7

ミササビ @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

「はい、みんな整列〜」
「はーい」

部長らしき人の指示で先輩たちがこちら側に向くように扇形に並んでいる。正直プレッシャーが・・・。

「今から部活及び体験入部を始めます。じゃあ、まずは先輩たちからの自己紹介ね。
 えー僕が部長でトランペットの井ノ原みのるです。これからよろしく。」
「2年フルートの生村です。」
「2年クラリネットの山岡です。
「2年・・・の・・です。」
「2年・・・の・・です。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「一通り回ったね。じゃあ1年の君、お願いできるかな?。」

ついに、私の番だ。

「た、珠内希子です。よろしくお願いします。」

パチパチパチパチ

先輩たちが拍手してくれた。

「じゃあ、体験する楽器を決めてもらおうかな」
「え?」

やばい、全然考えてなかった。
















5ヶ月前 No.8

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

※ホントにすいません。名前と最後の空白は気にしないでください。※

5ヶ月前 No.9

削除済み @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

【記事主より削除】 ( 2016/12/21 23:00 )

5ヶ月前 No.10

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

どうしようどうしようどうしよう。

「先輩さぁ、そんだけの言葉で伝わるはずないじゃん。もっと説明をさぁ」

とにかく何か言わなければ。

「珠内さん、落ち着いてください」

あぁぁあ、何か、何か早く。

「ぶ」
「ぶ?」
「部長と同じのがいいです」
「え、ええー!?」

とっさに言ってしまった。
でもこれしか思い浮かばなかったよぉぉ。

「部長にご指名入りましたぁ」(ニヤニヤ

え?

「じゃあ部長、あとはよろしくお願いしますね」
「おい、ちょっと待てお前ら」
「なんにも聞こえませ〜ん」

部長以外の先輩たちが自分の楽器とその他一式を持って練習場所へ即座に散ってしまった。
え?なにこれ?夢?どうか夢であってほしい。
音楽室に残されたのは部長と私の二人っきり。気まずいこと、この上ない。
そんな中、部長が話しかけてくれた。

「じゃあ、まずは吹いてみるに限るな」
「は、はいっ!」

部長が楽器室からあまりの楽器を出してくれた。
部活体験用に準備はしてあったみたいだ。

「一応、俺が吹いといたから音は出るはず」
「えっ!」

思わず声が出てしまった。先輩が吹いたってことは、それってつまり間接キッs・・?
三秒ほどの沈黙が痛い。

「ん?・・・ああ!楽器を吹くときはマウスピースっていうのがあって、それは個人のだから珠内さんの思ってるようなことにはならないよ」
「マウスピース?」
「楽器してない人は知らないのも無理ないか。はいこれ、珠内さんのマッピ。マッピはマウスピースの略ね」
「あ、ありがとうございます。これに息を入れればいいんですか?」
「マッピ吹くときは、ただ吹くんじゃなくて・・・」

その後もいろいろ基礎的なことを教わった。


別室での後輩たちの会話
「あの二人、もしかしていい感じだったりする?」
「流石にまだわからんでしょ」
「じゃあ、これからに期待ってことで」
フフフフフ・・・


4ヶ月前 No.11

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

そうこうしているうちに、チャイムと放送が鳴った。

「部活動体験の時間は終わりです。一年生は速やかに帰宅し、二・三年生は部活動を続けてください」

はぁ、やっと終わったよぉ
緊張が解けほっとしてがいつまでもそんなことをしているわけにもいかず帰る準備をする。

「じゃあ、今日はここまでね」
「ありがとうございました」
「興味があったらまた来てね。それじゃあ気を付けて」
「はい、さようなら」

音楽室を出ると自然と早足になって玄関へ向かう。
靴を履き替えていると後ろから声がかけられた。

「ねえねえ希子、吹奏楽部どうだった?」
「なんだ、れいちゃんかぁ。部長もほかの先輩も優しそうだったよ。まだ、音でなかったけど」
「へえ〜、よかったね。まあ、練習してればそのうちできるって」
「そっちは?」
「おんなじクラブの先輩がさぁ、私のこと紹介してくれて軽く打ち合ったんだけどやっぱ強かった」
「ふ〜ん」


そのころの音楽室(実目線)

体験時間が終わって一年を帰すと見計らったように、散って行った二年どもが入ってきた。

「部長、希子ちゃんはどうだった?」
「どうって、まだ一日目だぞ?明日も来るのかわからないし」
「でもなんか感想くらいあるでしょ?」
「さぁな、これからに期待ってことで」
「え〜、つまんないです」
「うるせぇ、ほらお前ら練習始めるぞ」
「は〜い」

全くこいつらは。別にこれ以上増えたってしょうがないんだがなぁ。
まあ、いっか。
ほんとに、これからに期待ってことで。

4ヶ月前 No.12

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

翌日

教室に入るとほとんどのクラスメイトが一年生の話をしていた。
こんな子がいたとかあの子がかわいいとか・・・それも無理もないだろう。
今でこそ勉強主体の方針だがそれは今の理事長になってからで、この学校は創立当時から部活に力を入れ何年も前の先輩たちが作り上げてきた
功績がいくつもある。だからこの季節は学校の雰囲気自体が部活ムードになる。
その結果文武両道・才色兼備、とても素晴らしい学校だと名高くなってしまった。
まあ、この説明は先輩の受け売りなわけだが・・・。
ではなぜ吹奏楽部が弱小なのか。それは、単純にいって人気がないからだ。
女子の部活というイメージのほかに、三年前にとてもガラの悪い人がいたせいで嫌なうわさが尾ひれを付けて広がった。
別にやる気ないし、いいんだけどね。

「よう、実。可愛い子いたか?」
「なんで、最初がそれなんだよっ!」

話しかけてきたのは女に目がないアホだ。もう、そうとしか言いようがない。

「いいじゃねーか別に。それともなにか?一年生来なかったのか?」
「ひとりだけ来たよ・・・女子が」
「マジか!あんな弱小部活に一年が来たのか!?期待せずに聞いたのに」
「お前ホントにはっ倒してやろうか?」
「それでどうなんだよ!?可愛いのか?可愛いのか?」
「まあそれなりにいいんじゃないか?でも一つ言っとくぞ。お前みたいなガンガン来るKYには無理だ。内気な感じだったし。」
「それは俺の力量で何とかなるんだよ馬鹿」
「馬鹿はどっちだよ」

どっちにしろこいつに合わせるとろくなことにならないからな。
あの子は今日も来るんだろうか。



4ヶ月前 No.13

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

※3〜5行目にかけて「先輩たちが作り上げてきた功績がいくつもある」です。ほんとはつながってます。すいません。※
※最後から2行目「合わせると」ではなく「会わせると」です。本当にすいません。※

4ヶ月前 No.14

虚空 @iceserpent ★Q7BovRiFPq_yFt

同時刻

教室に入るとクラスメイトのほとんどの人が部活の話をしていた。
小学校にはなかった新しい体験に正直、自分もどこかふわついた気持ちでいる。
そんなことを考えながらとりあえず鞄をおろし、授業の準備をしてから仲のいいグループの所へ行く。

「部活体験どうだった?」
「結構面白かったよ〜」
「ねえねえ、希子って吹奏楽行ったんでしょ?どんな感じだった?」
「私もそれ気になるー」

この幼馴染のメンバーはとても話しやすくて、気楽だ。
ついでに、吹奏楽部への体験に行ったのは私だけだったので話題には困らない。

「えーっと、先輩たちも優しい人たちだったし、1日だけじゃまだわかんないけど楽しかったよ」
「ほんとに?入学式で歓迎演奏してた時は楽しそうだったけど、途中で立ちながら楽器吹いてたあの部長っぽい人?なんか根暗そうだし」
「うちはあの人かっこいいって思ったけど」

根暗・・・、根暗かぁ、でもあの人ちゃんと部活仕切ってたし、ほかの先輩たちとも話してたし・・・。

「ちょっと希子、話聞いてる?」
「え、あーごめん。何だっけ?」
「吹奏楽部の部長ってどんな人だった?」
「えーっと、私、部長に楽器教えてもらったんだけど、普通に話せたし、いい人だと思うよ。・・・緊張したけど」
「ふ〜ん、内気な希子が話せたんなら、それなりに良い人なのかもね」

キーンコーンカーンコーン

「あ、チャイムなった。またあとでね」

朝礼開始を告げるチャイムとともに、それぞれの席に戻る。
今日も吹奏楽部のところ行こうかなぁ。

4ヶ月前 No.15
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