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赤と青

 ( 初心者のための小説投稿城 )
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★tuk3624yQ7_mgE

君の存在が、僕は一番憎かった。

死のうとした僕を助けて、「大丈夫?」なんて。

正義のヒーローにでもなったつもりなのかな。

ふざけないでほしい。

君が死んでしまうのなら、価値のない僕があの時死ぬべきだった。


1年前 No.0
メモ2016/02/06 14:32 : 柊★tuk3624yQ7_mgE

未染 想(みそめ そう) 十八歳 男


幼少期から虐待を受けていて、家庭環境は最悪だった。

十六の頃に両親を殺害。

学校にもなかなか登校できず、友人関係も全くなく、人との関わり合いを避けている。

意外と勉強は得意で、数字に強い。


四羽部 若根(しはべ わかね) 十八歳 男


母方、父方、両方の祖父が社長で、家はまさに金持ち。

身長が高く運動もでき、勉強はそこそこできる方。教え方が上手い。

優しくて面倒見がいいし、学校では評判がいい。

しかし、何を考えてるのか分からなかったり、読めない時もある。


栖和折 ネネ(すわおり ねね) 十八歳 女


若根の幼馴染。

結構有名な不良組のリーダー。


栖和折 ナナ(すわおり なな) 十七歳 女


ネネの妹。

姉と同じ不良組の副リーダー。


ルーク


ナナの愛用してる猫のぬいぐるみ。

目は右目がエメラルドのボタンで左目が黄色。

紫や黒の布が雑に縫われているのが特徴。

ページ: 1


 
 

★tuk3624yQ7_mgE

うなされるんだ。

毎日、毎日。

青い世界が見えた時は、苦しくて、赤い世界が見えた時は、熱い。

そのせいで僕はいつも涙を流していた。


価値なんかないくせに、なぜ生きてるの?


その囁きは、僕の重い心を軽くした。

そうだ、わざわざ苦しい思いをしなくてもいいじゃないか。

何年振りだろうか。

僕が笑ったのは。

いや、一度も笑った事なんてないんじゃないか?

僕は靴も履かぬままフラフラとビルの屋上へ向かった。

心地が良い。

この高さから見る世界は。

早く飛び出したい。早く・・・!

「ふふっ」

薄い笑みを浮かべ、つま先立ちをする。

(さよなら、未来の僕。)

1年前 No.1

★tuk3624yQ7_mgE

(さよなら、未来の僕。)


「待て!」

愉快に踊っていた心の動きが止まった。

背後から男の声がする。

首だけで振り返ると、制服姿の青年が僕の手首をつかみ、引き寄せた。

僕よりも身長が高く、体格もいい。

健康そうな肌色。

子犬のようだが、しっかりしていてとても男らしい人だ。

僕は最高の時間を邪魔され再び機嫌が悪くなった。

彼の手をはらって、さっさとこの場を去ろうとするが、青年はまた手首をつかみ引き止めた。

「・・・放せ。僕に関わるな」

「顔色が悪い。今の行為のことも、見過ごすわけにはいかない」

本当面倒な奴で、今すぐ突き落としてやろうかと殺意が芽生えた。

1年前 No.2

★tuk3624yQ7_mgE

「軽く朝食作ったから、ちゃんと食べてね」

目の前に出された野菜や魚。そして、お吸い物と米。

朝は特に食欲がなく、夕方まで水分も取らないため、見てるだけで吐き気がしてきた。

吐き気がしてくるのも、こいつが面倒なことをしたからだ。

(どこからこんな食材を持ってきたんだ。家はゼリーとか栄養水ぐらいしかないのに・・・)

出されたものを無視してベッドに横になる。

「どこか具合でも悪い?」

「・・・・・」

「あぁ、言い忘れてた。俺は四羽部若根。今から学校行くとこだったんだけどさ、君が見えたから・・・」

「出てってよ。僕に構うな」

「残念だけど、これは仕事なんだ。君が何て言おうと、健康になるまで面倒を見させてもらう」

「・・・・え・・・・は?」

無視しようとしたが、無視できないような発言を彼はしたのだ。

後ろに目を向けると、若根はにっこりと微笑んだ。

1年前 No.3

★tuk3624yQ7_mgE

「何だよ仕事って・・・面倒見るなんて、ふざけてるのか・・・?」

「いや、ふざけてないよ?ほら」

制服の胸ポケットから紙を取り出した。


≪四羽部 若根≫ 十八歳

未成年精神患者家事員bQ 特別精神科学校「美鈴」現役


「未成年精神患者家事員bQ、特別精神科学校「美鈴」、現役・・・」

「そう。小さい頃からここに通うように言われてて、一般の高校にも行ってるんだけどさ。今日は特別学校の日だったから」

(精神患者家事員って・・・僕の生活を邪魔するのか?)

紙を放り捨てて若根を睨んだ。

「家事員なんて余計な世話だ。死のうが生きようが、僕の勝手だろ」

「想には俺に反抗できない。だから、反抗できるまで好き勝手させてもらう」

「チッ・・・めんどくせぇ・・・好きにしろよ」

(なんで名前知ってるんだ)

僕は分かった。

こいつには敵わない。

殺さない限り、どこまでも粘ってくる。

おとなしく辞退するまで、適当に言うこと聞いていればいい。

1年前 No.4

★tuk3624yQ7_mgE

〜一か月後〜

想は、毎晩眠ることが出来ず、やっと眠りについたと思ったら、すぐに苦しそうな顔をしてうなされていた。
相変わらず俺への態度も顔色も変わらない。

朝、想を寝かしつけたままその場で寝てしまい、突然の叫び声で起きた。
目を開けると、ベッドの上で頭を抱え込む想の姿があり、何かを呟いている。
「想?どうした」
声をかけても反応はなく、聞こえていないようだった。
もう一度強く呼び掛けると、ビクッと肩を揺らし、怯えきった瞳でこちらを見つめた。
「大丈夫?何かあった?」
ベッドに上がって背中をさする。
「思い出した…お父さんと、お母さんに、殺されかけた…」
想が自分のことを話すのは、これが初めてだった。
(殺されかけたって・・・)
「苦しいよ・・・熱いよ・・・助けて・・・お父さん・・・」
涙を流しながら、うずくまる想。
それを優しく抱きしめ、頭を撫でた。
(この子は一体、過去に何があった?こんなに深刻にさせたのは、誰なんだ?今、どれだけ深い闇の中にいるんだ?)

6ヶ月前 No.5

★tuk3624yQ7_mgE

「よぉ、ワカネ。これ、持ってきたぞ」
「ありがとう。ネネ」
「おお」
栖和折ネネに持ってきてもらった、風邪薬と新品の手ぬぐい。
「あと、これも。氷と栄養ドリンク」
「わ、気使わなくていいのに。でも、すごく助かる。ナナもありがとう」
そして妹のナナ。
「想って子、結構重症なんだって?」
「え、何で知ってるの」
「今患者から離れられないからって、メールで」
「それだけで分かるなんて。まぁ、間違ってはないけど」
「お大事にな。ウチらは帰るよ。ちょっと他人のバイク借りてきちゃったから」
「え」
「んじゃ、また。行くぞ、ナナ」
「うん。また今度、ワカ」

6ヶ月前 No.6

★tuk3624yQ7_mgE

お父さんとお母さんは、僕のことが嫌いだ。

お父さんに連れてこられたお風呂場。
ひんやりとしていて、寒かった。
どうしてこんな所に来たのだろうと、たまった水に視線を移すと、大きな氷が、プカプカと浮いていた。
戻ってきたお父さんの方を振り返る間もなく頭と首をつかまれ、氷水の中に押し付けられる。
「お父さん」と呼ぶ度に口の中に入ってくる水はとても塩辛かった。
冷たい、冷たい、冷たい。苦しい、苦しい、苦しい。

6ヶ月前 No.7

★tuk3624yQ7_mgE

濡れた状態で床に横になっていた僕は、体がとても冷えていた。
「・・・寒い」
「あら、起きたの?寒いなら、温めてあげるわよ」
お母さんは僕に近づくと、強く腕をつかんだ。そして、ライターの火を顔の近くで付けた。
「温かいでしょ?」
怖くなって逃げようとするが、腕をつかまれていて逃げられない。
「ああああぁ、あぁ!やめてよ!熱い、熱い、体がぁ・・・あああ」
床で転げ回る僕を、お父さんとお母さんは、楽しそうに眺めていた。
(熱い、熱い、熱い!)

6ヶ月前 No.8

★tuk3624yQ7_mgE

なぜ今まで忘れていたのか不思議だ。夢に見る赤と青は、火と水。熱くて苦しかった。
よく考えたら、自分がなぜここで暮らしているのか知らない。覚えていない。思い出したくない。
植物のような生活を、何年続けていたのだろう。

1ヶ月前 No.9
ページ: 1

 
 
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