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『    』

 ( 短編集投稿城 )
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おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

気が向いたときに、というか思いついたときに書きます。

フィクションもあるし、ノーフィクションを元にもする。

纏まらない←ここ大事
なので、ぼやかしたりすることもあると思います。

以上のことが許せる方向けです。

見てくれたらとても喜びます。

ということで、よろしくお願いしますです。

関連リンク: 透き、空き、大好き。 
ページ: 1


 
 

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

残響/おそら。

「__♪_」
ピアノの音。「ド」の音が一つ、音楽室に響いた。

「ねぇ、ホントに勝つつもりなの?」_あの大きな全国の舞台で。
小さくもよく響いた、少女の冷たい声。

「勝つよ」
たった一言。弾んだ声でもう一人の少女が言う。

「私の音で、皆を笑顔にしたい。...なんて理由じゃなくて、「私だけの音」を世界に響かせたいんだ。」
__♪_ 今度はレの音を一つ響かせる。その顔は自信と笑顔で溢れていた。

「...貴方の音は、世界には通じない。」 私には分かる。
そう言いたげな冷たい声が響く。その目には、悲しみと慈しみが含まれていた。

もう一人の少女は、その言葉に笑みを漏らす。
「大丈夫よ、だって私には「  」ちゃんがついているでしょう?」
そう言って、また鍵盤に向かい合う。

「....そうだね。」_私が、教えてあげているものね。
ピアノを愛している声が、響いた。もう弾けないけれど、私の夢は終わったわけではないもの。
貴方だけの音では世界になんていけない。けれど、私の指揮で貴方を導くわ。


__♪_
ミの音が響いた。その音はすぐに切られることはなく、残響が放課後の音楽室に響いた。

2ヶ月前 No.1

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

笑顔の理由/おそら。

「けほっ、げほっ...」
少女は咳をする。そのあと、少女は苦笑いを浮かべる。

赤色。少女にとってのそれはとても慣れ親しんだものだ。
その赤色は、濁ってなどなく、とても鮮やかだ。
そんな鮮やかな赤色が、少女のワンピースに滲んでいった。

「また、か」
声は少し悲しそうで。でもその顔は、笑顔だった。しょうがないなぁ、というような笑顔で。

ふう、と少女は軽く息を出す。呼吸音が、少女の心臓音が、優しく空に響く。

少女は自分の心臓に手を当て、何か考えているような表情をした後、愛おしそうにもう片方の手を
心臓に充てている手に重ねる。

「君の音も、こんな音だったなぁ」
少女は懐かしそうに、誰もいない部屋で一人はにかんだ。とても、優しく慈しみ深く。

夕焼けが少女を染める。茜色に、染め上げる。
夕焼けに染まった少女の目には、強い意志があった。誰にも折れない、強い...屈しない目があった。

「まだ、終わらせない」
そう、終わるにはまだ早いもん。願わずにはいられない、といった慈愛に満ちた笑顔で背伸びする。


少女の旅は、終わらない。笑顔で溢れた少女は、その笑顔を抱えて、駆け出した。

2ヶ月前 No.2

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

呆気/おそら。

酷く澄んだ晴天に、ほんのりと透明度のある雲が浮かんでいる。
この空を眺めるたびに、夏だなと思うんだ。

「夏は、嫌いだ」_この暑さも、すべて。
吐き捨てるように少女は晴天を睨みつける。その瞳には、怒りなどの感情はなく、
あるのは「悲しみ」だけだった。

夏が少女を翻弄させる。そんな夏に、少女は嘲笑う。

「何が、変わるの」
泣きそうな、消え入りそうな声が空に溶けていく。
全て眩んでしまうと、少女は滲む視界で悔しそうに嘆いた。

少女はひとりぼっちを望みました。そうしたら誰も傷つけないから、という自己主義を抱えて。

そんな中、軽い一つの音が、四角い箱からなりました。

「スペイン語が、眠るお前の音なんだな」

四角い箱の中には、たった一文。少女は、この一文に苦笑を漏らしました。

「なんやねんそれ」_クスッ
少女は可笑しそうに優しく笑います。

「私の大好きな人の、音なだけだよ」
誰にいうわけでもなく、少女は言いました。少女の大好きな人の、音。少女の大好きな人が
発していた音。その音が、少女にはひどく心地が良く、悲しみを残しました。

少女はスペインの血をあまり受け継ぎませんでした。だけどその懐かしい音を求めて、試行錯誤して、
何度も何度も考えて。調べて、教わって、そうしてやっと一つの手紙ができました。

「でもね...私の言葉は、此処なんだよ」
少女はくすくすと愛おしそうに笑います。ここの言葉が、一番温かいんだよ、と少女は笑みを浮かべます。

その少女の腕には、手首には赤いマジックでこう書いてありましたとさ。

__delete___...と。

2ヶ月前 No.3

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

灰色の心/おそら。

鮮やかな色をした心が、灰色に染まっていくのを感じる。
それはまるで、もうすぐ来る終わりを告げるように、ゆっくりと染まりだす。

「慣れるだなんて、随分と悲惨なことね」
少女は静かに呟いた。真っ白な部屋の中で、一人分厚い本を持ちながら。

暇そうに一つ大きな欠伸をした少女は、窓のところまで行く。

「何時か枯れてしまうのなら...」_それまでは、自由がよかった。
何物にも縛られずに、大きな羽を広げて飛んでいたい。例えそれがわずかな時間だとしても。

窓の外で手をつないでいる少女たち、笑いあっている子供たち、肩をたたき合っている少年たち。
それらすべてが羨ましくて、少女は目を伏せて白いベッドへと戻った。

少女はスケッチブックを取り出す。
そこには、手を繋いでいる絵、枕投げをしている絵、自転車を二人乗りしている絵。
いたって普通の光景が、描かれていた。しかしそれらの絵には、人の表情が描かれていなかった。

この絵たちは、少女の理想なのだ。やりたいこと、やってみたいこと、できたらうれしいこと。
少女の胸の内にある理想を、少女は自分で描いているのだ。

「哀れ、ね」
少女は口角をあげる。寂しそうな瞳に...少女の映写機に映る景色は、とても寂しいものだった。

真っ白な部屋に映える赤い花が、少女の灯を表すかのように枯れていた。

2ヶ月前 No.4

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

肯定/おそら。

全てを肯定していては、未来は生み出せない。
けれど肯定してばかりでは何も変わらない、つまらない日々のまま。

何を肯定して、何を否定すればいいのか。
少女にはそれがわからないでいた。でも一つだけ少女が絶対に肯定するものがあった。

「最善策」
もちろん、少女にとってどうでもいい人たちの最善策は受け入れない。
けれど、大切な人の、大好きな人の最善策は絶対に受け入れる、肯定するのだ。
信じていたい、最善策は正しかったと、正しいんだと。

「...肯定、していかなくちゃ」_受け入れることは、大切だもん。
でも、その肯定が正しくなかったら、と思うと少女はなかなか肯定できないのだ。

タグ付けされていたらいいのに。
これは肯定していい、これは否定してもいい。そうやってタグ付けしてあればいいのに。
そしたら迷うこともない。

「貴方の名前を、もう一度呼びたい...」_これは、肯定してもいいのですか。
少女は儚い笑みを浮かべる。声を、温もりを思い出しながら、それらを優しく零さないように
抱えながら、悩み続けるのでした。

2ヶ月前 No.5

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

また会える/おそら。

「泣かないで...?」
泣きじゃくる私に、君は言った。その顔は痛そうで、それでいて慈愛に満ちていた。

「往っちゃやだぁっ」
幼い声が、響き渡る。嫌だ、と君の手を握りながら泣き続ける。

「大丈夫、だよ」
君は力を振り絞って私の頭を撫でた。その手がとても冷たくて、私の目には涙が滲んでいく。
嫌だよ、この手の温もりがなくなるなんて、絶対に嫌だ。

「おいて、いかないでぇ...」_私を、残していかないで。
私はもっと、君と一緒に居たい。これから先の未来も、信じていたいのに。
どうして君は、笑っているの?私は泣いているのに、君はどうして笑っていられるの?

「待ってる、んだよ」
置いていくはずないだろ、といった風に君は変わらずに笑う。
そんなこと言わないでよ、と私の目からはとめどなく涙があふれてくる。

「また、会えるから...」
だから、泣かないで。そういうように君は優しい笑顔で私を見つめる。
会える?その言葉を、信じていいの?私は君を見つめ返した。

「「  」...大好きだからね」_ずっと、変わることはないよ。
そういった君。君の手から力が抜ける。君がそう言った後、君は私を静かに見つめて笑ってた。
その笑顔がふと消えて、君は目を閉じてしまった。

「...にぃー」
私は小さく大好きな君を呼ぶ。しかし君は起きることはなかった。
ひくっとのどがひきつる音がした。私の嗚咽が、ずっと響いていた。


あれから七年。とっても長い月日が過ぎた。私は今でも君のことを引きずっている。
けれど、少しずつ、本当に僅かだけど、ちゃんと自分の足で歩いているよ。

「にぃー...だーいすき」少女の呟いた小さい声は、深い藍色の空に溶けていった。

2ヶ月前 No.6

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

炎天下/おそら。

また、暑くてたまらない夏が来た。
冷房が効いている部屋の中だと涼しいけど、外に出たら汗が頬を伝う。

「暑いなぁ」
少女は呟く。短い息と共に道を歩く。時折吹く涼しい風が救いだ。

ふと、アスファルトを見ると、自分の影がゆらゆらと揺れていた。
真っ黒な影が、じりじりと焦げていく。

「夏は、嫌いだなぁ」
この茹だるような暑さも、何かを奪っていく残酷さも、夏は持っている。

「はあ...」
少女は小さなため息をつく。しかし夏はまだ始まったばかりである。

さんさんと身を焦がすように照り付ける太陽。
雲一つない、綺麗な空色の空。たまに浮かぶ大きな大きな入道雲。
淡々と鳴り響く蝉の声。深く誘う夜の藍色や黒色。

夏祭りではお祭り騒ぎ。林檎飴に綿飴、たこ焼きにかき氷、そして金魚すくい。
花火大会では、最後に花火のフィナーレ。
海の浜辺で駆けまわったり、水辺でぴちゃぴちゃと水遊びをしたり。

楽しいこともある夏。お祭りや、花火、海は楽しい。
けれど幸せにもなるのに、楽しさをも奪っていく夏は、やっぱり嫌いだなぁ。


狐面をかぶって、お祭り騒ぎ。今宵も明々の光に誘われて駆け抜けるは黄泉の道。

2ヶ月前 No.7

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

察し/おそら。

酷く澄んだ夜空を見上げながら、ため息を漏らす少女。
その顔は儚く、すぐに消えてしまいそうだった。

「知ってるよ...」_気づいてる、よ。
少女は悲しそうにぽつり、と呟いた。その頬には涙の跡があった。

「嫌いって、言ってくれても構わないのにね」
そんなこと言われたって、僕の気持ちは揺らがないよ、と苦笑いする。

嫌いって言われるのはしょうがないことだ。もう慣れてしまうほどに嫌われてきた。
嘘吐きだって、よく言われてた。勉強したよ、と言ってもしてないくせにと言われ、
熱が出て休んじゃった、といえばずる休みなだけでしょ、と言われ。
病気にかかった時も、元気そうじゃん、気を引きたいのと信じてもらえなかった。

自分に覆いかぶさった仮面は、どんどん深くなり、外れることができなくなってしまった。

嫌いなら嫌いって言えばいいのに。話したくないなら突き放せばいいのに。
ちゃんと伝えてくれないと、揺らいでしまうよ、と少女は顔を歪める。

瞳を見れば分かってしまう。嘘か本当か。でも、瞳が見えないとわからない。
声は偽ることができるから。平気な振りが上手な人もいてしまうから。

「...私が、弱いからなのかな」
少女は顔を伏せる。弱いから、皆離れていくのかな。
「何でもできるくせに」「気持ち悪い」「化け物」「嘘吐き」「泣き虫」...。
昔言われた言葉が頭の中をぐるぐるし始める。

「ねぇ...教えてよ」
君たちは私のことどう思っているの?...本人に聞けない私は、酷く臆病だなっと少女は
自傷の笑みを浮かべた。その笑みは、とてもぎこちなかった。


私は、天性の弱者さ__。

2ヶ月前 No.8

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

不安/おそら。

ふとした瞬間、たまらなく不安になることがある。
それは酷く不安定で、ゆらゆらと揺らいでいる。

「冷たい...」
自分の指先に触れて小さくつぶやく少女。
少女は、冷たいのは、人の体温が冷たいのは酷く苦手だ。温かいものに触れていたい。

「君は、どこにいるの」
酷く揺らいだ声で、もう此処にはいない人を呼ぶ。
もう、返事が返ってくることもない、体温に触れれることもない大切な人を呼び続ける。
けれど、そのうち気づく。そうだ、もういないんだ、と。

少女は自分の体を自分の腕で力強く抱きしめる。とても強い力で。

「やだ、よぉ...」
いなくなっちゃいやだ。まるで駄々っ子のように少女は大粒の涙を零す。
けれど、嗚咽は響かない。少女の涙が、少女のワンピースに染みをつくっていくだけだ。

強くならなくちゃ、変わらなくちゃ。そう思っている反面、弱い自分に、変われない自分に
嫌気がさしてくる。弱いままじゃ、何も守れないのに。

「ただの、戯言だった...」_小さい子供の、ただの夢だった。
ヒーローになりたいなんて。助けたい、救いたい、守りたい。ただそれだけだったのに、
それすらも叶えられていない自分がいる。

ぽつり、と外から音が聞こえた。その音は次第に大きくなり、いろんな雑音を打ち消す雑音になっていった。
曇天な空模様が、大雨に変わる。まるで、少女の心を表しているみたいに。


そのあとに、虹が架かることを、誰かが願っていた。

1ヶ月前 No.9

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

漏れる/おそら。

音が、漏れる。イヤホンから、色とりどりの音が漏れていく。
だけど私には、それが雑音にしか聞こえなかった。

紛らわしてた。過去にとらわれている自分も、未来におびえている自分も。
考えたくなかった。なんにも。ただ、普通に、平穏に暮らしていたいなって思った。

「届かない、な」_どれだけ手を伸ばしても。
絶対に届くことはない大空。手を伸ばして、届きそうなのに、全然届かない、届くはずのない空。

夜には星が綺麗に光っていて。眩しいくらいに、光っていて。
あの星のようになりたいって思った。きらっきらした一番星たちみたいに、なりたいって。
そうしたら、誰かを守れる気がした。そう、気がしたんだ。

「そんなの...無理、なんだよッ!」_無理に、決まってるんだ。
私は声を荒げる。息が乱れる、瞳が潤む。
届かないから、誰かを守れないで傷つけてばっかりで。ヒーローになんて、勇者になってなれるわけが
ない。罰なんだ、運命とかじゃなくて、罰。

「成功しなかったら、消えちゃうんだよ?!」
そんな脆い私に、何ができるの。自分のことですら追いつかなくて、手放しているのに。
怖い、知らない場所にいるような気がして、とても怖かった。

でも、違ったんだ。自分の音が、映写機に映るものが、外の世界が、怖かった。
「お前の音が、聞きたいんだ」君は優しい声で、私をぎゅっと抱きしめながらそう言った。
私の音...そんなもの、要らない。私は吐き捨てるようにそう答えた。
そしたらさ、君は言ったんだ。
「お前の音は、お前の音の色は、きっと虹色なんだろうね」って。
お前らしい色、全部詰まった色をしてるんだろうなって、君は言ったんだ。

馬鹿みたいッて、何言ってんのって思った。でも、一度漏らした心の声は、なかなか収まらなかった。
心の声を漏らした私を見て、君はいつもの笑顔で言ってくれたよね。

「一緒に、星を見に行こう」って。届かなくたって、目指そうぜって。
本当に、恥ずかしげもないんだなって、思った。でも、救われたよ。君から漏れている暖かい色に。

「...パピコ、おごってよね!」
私は、はにかみながら、君の背中をばしんっと叩いてそういった。


今日の一番星は、特別に見えた。

1ヶ月前 No.10

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

優しさ/おそら。

よく、人からどうしてそんなに優しいのって聞かれる。
私には、これがとても不思議でしょうがなかった。だって、優しくないもの。

だから、「優しくなんてないよ」って返す。
でも、返ってくるのは、「優しいよ」という言葉。何故だろう、と思っていた。

でも、思ったんだ。私が優しいって思われるのは、君が優しいからなんだって。
君のやさしさに触れて、自然に優しくなっているだけなんだって。

「君が優しいからだよ」私はこう答えた。
決まって返ってくるのは、「私は、俺は、優しくないよ」という言葉。
一人不思議に首を傾げるんだ。ううん、君たちは優しいよ。泣きそうになるくらいに。

優しいって、すごいことだと思う。でも、優しさと強さは少し違う気がする。
優しい人は、人を安心させる力があると思うんだ。だから、自然と仲間ができている。

でも私にはいない。大好きな人はいても、一方的かもしれない。よく、わからないの。
でもね、忘れたくないって、大好きで大切な人たちのことを忘れたくないって思うの。
忘れたくないってことは、その人たちが、私の中で生きているってことなのかな。

私は、優しさが大好き。温かくて、心地よくて、それでいて眠くなっちゃうの。
優しさは、その人が架ける魔法。誰かに伝える、優しい魔法。


その魔法を、私も大好きで大切な人たちに、架けていきたいな。

1ヶ月前 No.11

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

探してる/おそら。

外の世界は怖いものでした。
人の外の声は、楽しそうなものもありました。けれど中の声は負の感情で
溢れかえっていました。その声が自分に向けられたとき、あまりの恐怖に逃げ出してしまいました。

大人しく隅へと閉じこもり、声すらも押し殺し、まるで存在しないかのようにふるまいました。
殴られるのは痛い、蹴られるのも痛い、けれど何より、その時私に向けられるあの冷たい目がとても怖い。

お前のせいだ、お前がいるから、何でお前なんだ、お前さえいなければ、忌み子め、化け物...
お前なんて、いなければよかったんだ。
たくさんの声が、負の感情が私を苛む。その声を私はただ聞いているだけしかできません。
抵抗することすら許されず、ただ体を小さくして謝り続けるだけです、まるで機械仕掛けのお人形のように。

もう、私に言い寄らないで。
私は立ち入り禁止のテープを張り、その奥へと隠れました。此処から先は立ち入り禁止です、と。
一人は楽だ。静かな場所が楽だ。負の感情も聞こえず、殴られ蹴られることもない。安心できます。
しかし、独りはとても寂しいものでした。変わり映えしない日々。同じ日がループしているかのように、
意味のない日々をただ繰り返しているのです。独りで。

寂しい、けれど外の世界は嫌いです。私を苛める、私から大切なものを奪っていく世界がとても怖いです。
そう思い続けてしばらくしたときでした。
ふいに私の顔の前に綺麗に日焼けした手が差し出されていました。私はこの手の意味がわからなく戸惑いました。
すると君は笑っていったんです。「おいで」と。そんな暗い場所にいないで、日向においで、と手を差し伸べて
くれました。私は大声で泣きました。それを見て、君は優しく私をその腕で包み込んでくれました。
私は、待っていたのかもしれません。私を、この暗い寂しい世界から連れ出してくれる人を。

お日様のにおい、温かな緑のにおい。私は、そんな君の手を思わず取りました。
君は満面の笑みで、私を立ち上がらせました。
「世界はさ、汚いだけじゃないんだぜ!」君は明るい声でそう言いました。私はその言葉をすぐに信じられませんでした。
また引っ込もうとする私の手を強く引っ張り君は力強い声でこう言いました。

「目を逸らしちゃ、目を背けちゃ駄目だ。顔を上げて、「  」の見てる世界をちゃんと見ろ!」と。

その言葉が私に深く刺さりました。知っていた、逸らしちゃ駄目だって、背けてはいけないって。
でも、怖さのあまりに顔を上げることができなくなっていました。そんな私に君は口角をあげていったんです。

「僕が一緒だ!「  」は一人じゃないんだよ」と。

その時私はとても安心しました。君が、一緒。そう思うだけで心が軽くなりました。
独りじゃない。そう思えた時から叶えられそうな気がしました。
「世界を好きになりたい」という、私のちっぽけで、無謀な願いが、かなえられそうな気がしたんです。

君はかくれんぼが好きだったよね。私も、かくれんぼ大好きだよ。
私は、隠れたままの君を探している。私が鬼さんのかくれんぼ。

「もういいかーいっ!」私はそう叫び続けます。でも、返ってくる声は、「まーだだよー!」という声だけ。
もういいよ、の声が聞こえません。まだ、かなぁと私は退屈になってきます。
すると、ようやく「もういいよー!」の声が聞こえました。私は顔を上げて君を探しに行きます。

いまだに私は、君を見つけられないでいます。君は、かくれんぼが上手すぎるよ。

「どーこでーすかーっ!」私は君を探し続けます。けれど、君の、「こーこだよー!」の声は、いつまでたっても...


聞こえない。

1ヶ月前 No.12

おそら。 @bird ★oykEYoC5Rl_Niz

意味もなく/おそら。

大好きは、大切で。二人で一つの私と君。そんな君のことはもっと大好きで大切でした。
いつも一緒で、不思議と考えていることが分かったり、シンクロしたり。
性格は似ているようで全然違って。私と君は、とっても似ていて、私はそれが嬉しくて。

だから、君のいない世界は、空っぽでした。
自分の体の、大切な場所が空白になった気がして、色鮮やかだった世界の色も消えて褪せてしまった。

君がいなくなるのは、仕方のなかったことなのかな。だとしても、君がいなくなる運命が
しょうがなかった、なんて私は認めたくありませんでした。

二人で手を繋いで歩く未来が欲しかった。その手で頭を撫でてもらえる未来が欲しかった。
ただいまって、言ったらおかえりって君の声がする、そんな日々を、もうない日々が欲しいんだ。
叶わない願い。かなうはずのない願い、そんな願いばかりを願って祈って望んで。

「どうして...」
どうして、君はもういないの、どうして私を置いて行ったの、残していったの。
同じ時に生まれて、同じ時間を受けて、同じ時に眠りにつく。...ありえないけど、それがよかった。
生まれるときも、生きるときも、生涯を終えるときも、全部君と一緒がよかったんです。

もう、居ない。君は、いない。そんなことはわかりきってて、だから悲しくなる。
随分昔で...でも、最近のことのように君を覚えている。でも、どうしてだろう、君の声が遠くなって
いくんだ。霞んでいっちゃうんです。

こけたときに、繋いでくれる手はもうなく、躓いたときに差し伸べてくれる手ももうない。
知ってるよ、当然のことだって、当たり前って知ってる。
知ってるけど、苦しいんだよ、でも、わかんないよ。


当然だったのに、「涙が落ちていく」のは、何故...?

1ヶ月前 No.13
ページ: 1

 
 
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