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アリスが愛した偶像と、

 ( 短編集投稿城 )
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雛月 @sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=VHGaT7ZbKj



 例え、最後には首を刎ねられしまうことになるとしても、アリスはそれでも夢を見続けるのだろう。


(嗚呼、愚かなアリス)
(そんな君を愛しく思う反面、憎く思ってしまうんだ)





 それじゃあ、おやすみなさい。




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( 初めましての方もそうでない方もこんばんは。何でもござれな雑食女です。ふらっと書いたり書かなかったり )

ページ: 1


 
 

雛月 @sweetcatsx☆e0aRNqDUyEM ★iPhone=VHGaT7ZbKj


 頬を撫でる風がひんやりと冷たくて、肌を刺すような痛みすら感じるようなそんな冷たい夜だった。

 学校の屋上、すぐに乗り越えてしまえそうな薄く低いフェンスの向こう側には私が望む世界が広がっているのだろうか。フェンスに手をかけながらそんなことを考える。

 思えば、いつからだろうか。
 私が不思議な感覚に囚われるようになったのは。


 一番最初に感じたのがいつだったのか、私はもう覚えていない。多分、小学校低学年ぐらいの頃だった。


「――ちゃんって、変わってるよね」
「分かる、なんか……おかしいよね」

 よくある話だ。
 トイレの個室に入っていたら、仲の良い友人達が私の話をしていて、それは良い話、などではなくて。けれどまあそんなことは誰しも一度は体験するなんてことのない話だ。

 変わってる、その言葉の意味は今でも分からないし、多分彼女達も分かっていなかったのだろう。あの頃の私はその話を個室内で聞きながら傷つくことはなかった。ただ、なんとなく遠くに感じたのだ。
 例えるならそう、テレビの中の会話をテレビごしで聞いているような、そんな感覚だった。

 それからだろう。
 私がこの世界をそんな風に見るようになったのは。

 友人と会話していても、家族と会話していても、どこかテレビを見ているような、そんな感覚に囚われる。自分でさえもテレビの向こう側に見えるような、そんな不思議な感覚だった。


「――って本当に変だよね」
「えー、そうかなあ、まあよく言われるー」
「でしょ? やっぱり変なんだって!」


 鼓膜を震わせる私と彼女達の笑い声が、テレビの中から聞こえる。私はテレビの前に座って、それを眺めている。楽しそうな笑い声、私はとても楽しそうで、楽しそうで、楽しそうで。

 ――――テレビを見る私の頬は濡れていた。


 テレビを見ているうちに、私の心はだんだんとすり減っていく。少しずつ、私が遠ざかっている。ただ、私には恐怖なんてなかった。
 だって私は、そんな私の心でさえ、テレビの向こう側に見えていたから。


「あちら側に行ったら、私は私を取り戻せるかな」

 がしゃがしゃとフェンスが音を立てる。冷たい風がスカートをはためかせる。まるでドラマのワンシーンみたいだ、空を見上げれば真ん丸な月が私を見下ろしている。
 小さく息を吐いて、一歩足を踏み出す、テレビの向こう側を目指して。



 ///

『 向こう側 』

7ヶ月前 No.1

削除済み ★rE8GvE1sO9_mgE

【記事主より削除】 ( 2017/04/07 18:10 )

7ヶ月前 No.2
ページ: 1

 
 
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