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鳩の巣

 ( 詩集つむぎ城 )
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★3u5vxha18Gc_zu

今までどうしようかと悩んでいたのですが、結局作ってみました。
気楽にゆるゆると詩づくりをしていこうかなと思っています。

感想はよろしければサブ記事にどうぞ。




____________________

「名のない詩」

何気ない日常
突拍子もない青空

永遠だ

この広い世界で
狭くて居心地のない人間がいる

悲しいかな
悲しいかな

どこかで泣いた人間がいても
どこかで笑う人間がいる

果てしなく矛盾は続くばかりだ
それが僕の身体にへばりついて離れない

薄っぺらい情をぶらさげ
ただ青空を臨む



2010/08/12 22:44 No.0
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★a76uSe3y3j_woD

「役立たず」

カーテン越しの三流女優は、安物のネックレスを首からさげている。

安物の声、安物の顔、安物の体・・・

そんな彼女を眺める観客も安物だった。

ちんけな金をぶら下げ、チケット売り場に数人だけ出入りする。

今日は、彼女の誕生日であり、公開処刑の日でもある。

もう披露するものがないから、命と引き換えにしろと団長に言われたのだ。

役立たずだなんて言わせないと強く言われたから、了承した。

今、銃口を彼女に向けた。

3年前 No.252

★a76uSe3y3j_woD

「犯罪者にしたくなかった」


仕方が無かったんだと、僕は言う。

果たして、本当にそうなのか。

本当のことを知っているのは僕だけだ。

桜が咲く頃、お前は公開処刑されるだろう。

僕は減らず口をたたいた。

3年前 No.253

★a76uSe3y3j_woD

「不審者」


飴玉あげるよ、虹色の飴玉さ。

俺は子どもたちに言ったけど返事がなかった。

もう、不審者扱いされているんだ。

きっとそうなんだ。嫌な世の中になったなあ、と呟いた。

煙草に火を点けて、ため息色をした煙を吐き出す。


しばらくして

一人のおばあさんが近づいてきたから、道を聞いた。

けれども返事はなかった。

次の瞬間

通りがかった男がおばあさんに襲いかかってきた。

哀れにもバックを奪われ、その場にうずくまるおばあさん。

大丈夫ですかと声をかけても返事はない。

礼儀を知らない老女だと憤慨し、放置した。


しばらくして

さっきの強盗がいた。俺に金をよこせと、包丁を突き出した。

けれども返事はなかった。

俺は刺した、強盗は平然としている。

何回も刺した。

けれども、途中で気づいてしまった。

重大なこと。

それは・・・


俺はやはり空気だったってこと。

3年前 No.254

★a76uSe3y3j_xX0

「者」

街に蔓延る犯罪者、曖昧な境界で、心理を突き刺す断罪者、単眼、複眼白濁色を注ぎ込み、我先にと現を抜かす愚者の群れに救いの手はあるか。勘違いも甚だしい、生の羅列を流行病に漬け込んで、没する。異教の敗者、我が物顔のユートピア、とんだ御託をくわえ込む烏ども。無常の風に流されて、揺れ揺れ踊る権力者を打て。花咲け、散らせ、盲信すれば幸福感。現実、これが現実、さあ、歌えや踊れ。私が癇癪を起こさぬうちに。

3年前 No.255

★a76uSe3y3j_xX0

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3年前 No.256

★a76uSe3y3j_xX0

「光を抱いて眠る雷鳥」


列島に咲く白い花をご存知ですか、
白波を立てて、ぼんやりと提灯のように辺りを照らす太陽の下に咲く花です。

断崖絶壁の孤島を周りの島は笑うでしょう。
松の木一本だけを生やして、後はお情け程度の草を敷き詰めているのだから。

萎びた枯れ草、寂しげに揺れて、
擦れあう。

徐々に剥がれ落ちる岩の断面を海は攫う。

その時、我々は一羽の鳥を見た。
飛ぶのに不器用な翼をはためかせ、
孤島を目指していた。

見よ、
太陽は霞の中から再び現れた。

まるで、その鳥に抱かせるように、
夕暮れは気まぐれに揺らめいている。

尻尾の先に垂れる少量の雪水が、真っ赤な光を含んで、
膨らんだ。
そして落ちる。

ポタポタと・・・ポタポタと。

夕凪は君を穿つ。
煽られても尚、その翼は折りたたまれたまま。

3年前 No.257

★a76uSe3y3j_xX0

「日曜日」


どのように静かな時間が流れても、日曜日は騒々しい。
朝は気だるい夢の中で、なんの変哲もない日差しがまなこをくすぐるだけ。

そこに哲学が隠されていようと、気づかないままだ。
素足のまま、フローリングを踏みしめれば、一日は始まる。

何度も同じネジを巻き、1つひとつの歯車が狂ってしまった。
もはや、ネジは遊ばず。私はいずこへ。

整然とした部屋の中、溢れかえるのは静寂。
冷え切ったブルーのジーンズを履いて、寒さに震えながら、
変わらぬ日曜日の絨毯の上を歩こう。

はあ、寒いよ。
ここには、誰もいないのだ。
ぬくもりもなく、些細な音もない。

3年前 No.258

★a76uSe3y3j_xX0

「まだ眠らぬ君」


海の中は暗くて落ち着くんだと君は言う。

確かにそうだ。と私は頷く。

体温は徐々に冷めていき、

活動に必要な熱量さえも、

なくなってしまった。

なし崩しの人生だった。

あくまでも意思のない、人間だった。

君の横顔、遠くを覗く小さな目。

手を繋いでみたくなって、躊躇しながら、

触れてみた。

すでに氷のような君の手は、

海水に揉まれ、荒れ始めていた。

上を見れば、乳白色の光がゆらゆらと不定期に揺れている。

共に沈んでいく体を互いに抱きしめて、

離れぬように用心しながら、

海流に身を任せた。

いっそのこと、そんな人生忘れちまえ。

君は言う。楽しそうに言う。

他人事だと膨れっ面をすれば、

私も微笑んだ。

そろそろ底に着く頃だろうか。

下はヘドロにまみれているかもしれない、

もしくは恐ろしい深海魚たちの餌になるかもしれない。

本能的な感情をぶつけるけれども、

もう後戻りはできないんだね。

もう一度、段々小さくなっていく、光―月を眺めよう。

君は眠れないまま、私も眠れないまま、海底を目指す。

3年前 No.259

★a76uSe3y3j_QPy

「塩の婿へ」

無音の空間に塩麹をまぶせば、
虹色の鰹節が吹き出す、
山頂で。

映画の中身は、姫りんごの酸味で出来ている。
嘘も同じ。

リアリティを求めたレモンティ

ノンシュガーのシュレティンガ―

寂しさ、憂鬱、箱の中でくるくると回る。

回り続けて、一色単になって、目を回した君にこんにちはの握手をしよう。

私は、そんなもので出来ている。

誰にも知られていない、けれでも知られすぎた私。

鋏でちょんぎるタコ糸の先には、運命の音があるはずだと脳は囁いた。

しょっぱい膿汁にまみれて、ゆらゆらと黙れ。

ハンガーにハンバーガーに

頬張る夢。

がるがる、がるがる。

3年前 No.260

★a76uSe3y3j_Qdi

「どこにもいかない」


紙風船、飛ばしてみたら、落っこちた。

死んだ、死んだ。落ちて死んだ。

独りでに、どこへでも行けばいいのに、

どこにも行かないのね、可哀想に。

誰も、知らないままに、どこへも行かないと言い続けて。

結局は、嘘つき扱いなのね。

どちらか一方が、生きるまで・・・

どこにもいかないと約束できる?

いいえ、できません。

3年前 No.261

★qLnGR0LSpm_pGu

「怪獣ごっこ」


安全な都市に住む人間に自分の存在を示すかのように

一匹の怪獣が暴れまわる

哀れな乞食が座る横を通り過ぎ

成金男とゲス女の真上を通過する

こんなに地響きを鳴らして歩いているのに

誰も気付かない

寂しいね

怪獣


安全な都市は怪獣の存在なんて無視するかのように

日常を過ごしていた

大声で叫び

涙を流しているのに

行き交う人々は

冷たい灰色の地面の上で闊歩するだけ

しまいには

怪獣はただの影法師に成り果てた

都会人の影を背負い

広がる

広がっていく



3年前 No.262

★qLnGR0LSpm_ukB

「浮遊物」




宙に浮かぶものを浮遊物というのか

ならば、心は浮遊物?

そもそも、それは宙に浮かんでいるの

どうなの?


宙に浮かんだものが浮遊物なら

空中ブランコ乗りもそうなのかい?

塵や空気と一緒なのかい

どうなの?


君の視線は宙を泳ぐというけれど

それは浮遊物?

私は視線を君へと泳がせた

ふわふわとそれは

浮かんで

そして沈んでいった

3年前 No.263

★qLnGR0LSpm_ukB

「まわりくねる」



レモン味のキャンディーは

私の口の中を傷つけながら

溶けていった


くるくると舌の上でざらざらと

傷口に染みる人工甘味料

噛み砕くまで

私はなんども意識しながら

舐めていた


歯に当たれば

かちんと鈍い音が響いて

少しだけ欠けた

元からひびの入ったものだったのか

それは真っ二つに割れてしまった


唾がまろやかにしてくれた

固形物を

ゆっくり

ゆっくり

喉まで吸い上げ

黄色い液体となって食道へと運ばれていく


味を感じる時

舌は脳に刹那の幸福を添えるだろう

ただただ栄養にも満たない

幸福を体に取り込む


キャンディーはだから嫌いだ

3年前 No.264

★qLnGR0LSpm_ukB


気がついたら

息を止めている

意識して

もう一度大きく息を吸った


しかし

私は再び息を止めている

繰り返し

息を吸っては

また止めるのだ


そのうちに

息苦しくなっていく

呼吸困難にも似たような

胸のつっかえを感じるようになる


空気は

こんなにあるのに

まるでそれが少ない山頂にでも

来たかのようだ


思いっきり

深呼吸をする

すると少しだけ楽になる


なのに

なぜ私は息を止めてしまうのだろう

考えれば考えるほど

カオスな思考に陥る

そのうちに

無意識に呼吸することを

放棄してしまう時が来てしまうのではないか

いやそれでもいいか

と私は頭を振った


死ぬことは怖くない

しかし痛いのが怖い

苦しいのが怖い

だから死ねない

そもそも死ぬ気もない


こうしている間にも

私は息を止め続ける

何週間も水を変えていない

水槽の中の金魚のように

口をパクパクしながら

画面を見ている


肺ごと丸洗い出来たらいいのに

と無意味なことを呟いてみる

3年前 No.265

★qLnGR0LSpm_siq

「花冷え、」


朝起きて

布団の中で身震いする

その瞬間


思い起こされる

昨日の一日限りのストーリー

短編集で日常をテーマにしており

なんの変哲もない

無名の作品だ


それらはらせん状に束ねられる

ガラガラと今にも音をたてて

崩れてしまいそうなそれらは

短命で

すぐに命を落とす


こうしている間にも次から次へと

なくなっていく

けれども悲しむいとまもなく

突如鳴り響く鶏の声と共に

復活するだろう


私はその時を繰り返している

待っては崩れて

崩れては再生して

浮き沈みを繰り返す魚のように

または

水面に漂うプランクトンのように

儚く活動する


それが命であり

記憶の記名と忘却だ


3年前 No.266

★qLnGR0LSpm_rAp




一点の穴から

細長い、先端の丸い異物が出てくる

しばらく

時間が経つと

穴はもう一つ増える

1時間もすれば

穴は300個くらい開く

いずれにしても

どの穴覗いても

細長い異物が出たり入ったりを繰り返す

こうして

1時間

また

1時間

と時は淡々と過ぎていくのに対して

穴も倍に倍に増えていく

そのうちに

無数に開いた穴から

にょろにょろと這い出る異物が

一斉に顔を覗かせる

虫のような、それは

開いた穴に卵のような丸い

異物を産み付ける

あなたの背中に無数に広がる





3年前 No.267

★qLnGR0LSpm_rAp

「壁」



学校のチャイムが鳴る

放課後

そこに壁があった

前々から気がついていたけれども

特に気にもとめずにいた

しかし

毎日、毎日その壁は

広げっているように思えた


ある日

教室の扉に壁があった


私の席には

白い花が手向けてあった

白い花から吐き出される

甘い香りが原因なのだろうか


次の日

学校の靴箱がある玄関に壁があった

これでは教室に入れない

困った私は、そのまま公園のブランコで一日過ごした


また次の日

校門に壁があった

すぐ横を通り過ぎるクラスメイトには見えていないようだ

私の視線は再び学校を指す


そうして

私はどんどん

壁に追い込まれていった

白い壁が

あちこちに張り巡らされて

行き場を失うまで


とうとう

私の家の前に壁が迫ってきていた

急に恐ろしくなって

家族に言おうとするが

誰も信じてくれないと思い

言えずにいた


その夜は

不安で不安で仕方が無かった

目の前の壁は

きっと私を押しつぶすためにあるのだ


そして

私は自分の部屋から出られなくなった

ドアを開けるとあるのだ

白い壁が

容易に開けることなど

できるはずがない

自分で

壊すことなんて

不可能だ


恐ろしくて

不安で

それらの感情は

全て

狂気へと変わり


布団の中で縮こまり

震えながら

泣いた


壁は

私を囲んだ

もう

ここから出られない

クラス写真を引き裂きながら

そう呟いた

3年前 No.268

★qLnGR0LSpm_SMQ

「睡魔」



微睡みの輪廻に囚われた


端っこにいますは、セキセイ


冷たい石が敷かれたベットの上で


今日も小波に攫われる


誰のくちばしでつつこうか、ボタン


飼われた環境


乾いた野生


人の愛に


微睡む





シード


鳥籠内で


乾いた野生


順応した環境


コザクラは空を見つめる


文鎮の代わりに文鳥で紙をおさえた


春と書こう


筆に込めた思い


夏と書こう


今日に至るまで


鳥たちは夢の中で行進し続けている・・・

2年前 No.269

★qLnGR0LSpm_CBR

「熱帯夜」


熱帯夜にはエロスを感じられる

エロスは倦怠感を巻き添えにして

さらには、ロックンロールの激しい情動をもって

体中にまとわりつくだろう


変に高音モールス信号を発する虫どものせいで

耳の中までこそばゆい

窮屈な日本庭園に多くの生態系、銀河系ができていると言うが

そんな馬鹿げたことを考えるほど暇でもない


私は涼むこともできぬ、エロスの中で

生ぬるいエロスの中で

生体としての活動を拒否し続けた


動かねばならぬと考えるだけで

無性に腹ただしい、悩みの種だ

そして熱帯夜の闇というのはひどく愚鈍だ

鈍く、ねっとりグチョグチョしている


これが日本の熱帯夜だ

世界でも誇れるくらいに暑苦しい

太陽は出ておらず、気温だけがやけに高温多湿

そんな環境で動くことができるのか、いやできないに決まっている


布団に潜るのも面倒だ

このまま起き続けるのも面倒だ


2年前 No.270

★lghTsa12DX_MGX

「明日が怖い」


生きがいとは、一瞬で奪われるものです

さて質問ですが、一体誰に奪われるのでしょう

答えを知る者はいませんか


明日が怖いのですと

私は冷ややかなベットに滑り込み

呟きました


流行りのTwitterです

指先で撫でるように文字を打てるんです

明るい活字が目の前で躍動し

青白い光を発します


もしもし、この魔法のリチウムイオンは

私をどこへ連れて行ってくれますか

マイナス、プラスと

機械的な、けれども、どこか生物的なものが

現実世界から発信された、すばしっこいパルスに流されて

どんぶらこ、どんぶらこと消滅するのでした


明日へのため息を、どうぞお月さん、攫っていってくださいな

2年前 No.271

★lghTsa12DX_9PM

「嫉妬」


蜘蛛が糸を吐くように

人間も嫉妬の念を吐き散らかす

嫉妬というのは

至るところにございまして

痒いところに届かない感覚にも似ているのでございますと

女は言う

男の反応は上の空で

鼻をほじりながら

ただ黙って聞いている

言葉がよどみなく

川の流れのごとく溢れ出すものだから

終いにはどこかへそっぽを向いて

或いは愛想尽かして行ってしまった

女の嫉妬は必ず

人のせいにすると

嘆く、罵る、啓蒙する人有り

それは違う

嫉妬は自分の不甲斐なさへの悲しみの究極系

宇宙空間にほっぽりだされた赤子のような

どうしようもなさ

だから他人の嫉妬は見苦しく感じるのだろう

誰もが知っている

不甲斐なさ、劣等感、損失感

だから男女など関係ない

嫉妬は自然だ

生理現象だ

人間が築いてきた歴史など

嫉妬の塊からできている

ホウキでつつけばいくらでも出てくる埃のようなもの

だから大いに結構ですとも

かられなさい

おさえる必然性などないのだから

2年前 No.272

★lghTsa12DX_Eca

「ほこり」




私が息を鼻から吹き出すとき

ホコリが宙を舞っているのが見えますでしょうか

呼吸をするたびに

それは渦を巻いて

いったりきたりを繰り返しているなんて

今までに考えたことがあったでしょうか

そんなことを考えると鼻先が無性にむず痒くなり

気になって眠れなくなってしまうことでしょう

人間って

不思議じゃありませんか

私も人間ですが

ホコリのように何度もお内とお外にいったりきたり

してるのですよ

そんなこと気にもしないでしょう

あなたは

私もですが

いいえ

そんな

こと

どうでも

いいのです

私の存在はホコリのように軽いのです

朝日を浴びること

他の命を奪っていくこと

考えること

手足を動かせること

ホコリは感謝しなければならないのに

いつしか

いったりきたりを繰り返していくうちに

忘れてしまったのです

愛という言葉さえ軽々しく言うものですから

本当にプライドも

なにもありません

あるのは本当に

ホコリだけ

というわけです

2年前 No.273

★lghTsa12DX_Wsk

「遊戯」


だんまりを決め込む機械人形に、刺激を与えるために空手チョップをする。すると中からおじさんが出てきて、とんがり帽子をすかしたスカンクのごとく脱いで挨拶をする。そのような情景を思い浮かべるたびに目の前の女性に好意を抱き、行為におよびだたくなる犯罪者予備軍であります。女性はくわりと欠伸でおじさんを誘うと、おじさんもつられて欠伸をする。おじさんは冷めた流し目で女性の手をいやらしく引き、納豆のようなねっとりとした視線をおくる。女性の名前は幸子といい、おじさんは達夫という。幸子と達夫は愛し合う直前までいった。だがしかし、達夫は心不全を起こし、おまけにひどい四十肩五十肩で、幸子と夜を営むことなどできるはずもなかった。代わりといっちゃあなんだが、強制的に連れて行かれた病院にて、献身的な介護をしてくれた。下の世話から、話し相手まで、幸子は本当に良い女性だった。だがしかし、達夫の冷めた流し目からは流しそうめんのごとくつるつると涙が溢れ出したから幸子は驚いてしまった。おまけに達夫は心不全が完治する一歩手前であの世にぽっくりいってしまったのだからさあ、大変。

2年前 No.274

★lghTsa12DX_Wsk

「半身」


半分になった顔がありました

月夜に照らされております

地面から少しだけ浮いている気分でした

目の前の電灯がチカチカとなっております


スコップを片手に君は

私を埋めようとしているのを

半分の目だけがみておりました


月よ、月夜、お月さん

白は色づいてゆきますね

今晩は冷えますね、と

とどのつまり

骨は喉に詰まり・・・窒息を繰り返しているわけです


はだけたワイシャツからボタンが外れかかっており

それが卒塔婆のようにコォオン・・・コォオン・・・と響いております

コンクリートの地面は水のように冷たく

永遠に冷たいのです


ああ、どうか

無理をなさらずに

ごきげんよう

2年前 No.275

★lghTsa12DX_Wsk

「呻き」


母の呻きが聞こえる

それは洞窟から聞こえてくる恐ろしい海鳴りのようだ

母の呻きが聞こえる

病に侵された人間の一人として、そこにいる

母の呻きが聞こえる

時計の秒針が止まる、そして母が私を呼ぶときが来るのを待つ

母の呻きが止まる

嵐の前の静けさか、ああ、母よ

母は時に渦潮のように周りをしっちゃかめっちゃかにしてしまう

呻きが完全に止まる頃

私は安堵のため息を吐き、そして目の前に転がる鉛筆を見つめた

2年前 No.276

★lghTsa12DX_MfF

「一月の雨」


白い糸が垂れ下がる

白い糸がより一層早く垂れ下がり

白色の息を隠すことなく

垂れ下がり


交差点の向こう側に見えた人の形が

暗いほこりのような雨雲から

ほんの少し輪郭が内容に思えた


白い糸が垂れ下がる

白い糸が鉄のように冷ややかな空気を引き連れて

垂れ下がり

垂れ下がる


私は立つ

風も吹かない雨の音だけの

異様なほどに他の音のないバス停で


回送バスが通り過ぎた


瞬間

傘がふっとぶくらいの

突風が私をゆらした


ユラユラ

(ザーザー)

ユラユラ

(ザーザー)


白い糸が垂れ下がる

私の顔に垂れ下がり

冷たく顔を濡らす


2年前 No.277

★lghTsa12DX_NT5

「朝の駅」


朝ご出勤なさるヌーの群れの中

1羽の鳩めがおりまする


鳩は間抜けな面構えで天井を見つめ

くちばしをあんぐりと開けており

どこか呆けた笑い顔で前のヌーにぶつかる


ヌーはイライラした唸り声を出し

スラリとした脚で素早く群れに溶け込んでいく


鳩は弱い

しかし

強情だ


すみませんと一言

ヌーには届かず

翼から生えた人の手をじっと見

毒を吐く


私はおいてけぼりだと

駄々をこねます

私はこの怒涛の世界の弱い間抜けな鳩だと

悲観します


コンクリート

「どどどどどど・・・」

コンプレックス
「どどどどどどどど・・・」

コンプレッサー
「どどどどどどどどどどどろ・・・」


うねるビル風に

北風寒太郎はおりまするか

いないのであれば

このままヌーの群れに身を委ねておりましょうぞ


朝から騒々しいと

鳩は毒を吐いた

2年前 No.278

★wkscvd8P2n_amh

「枕の下に」



熱を帯びた携帯電話を冷やす空気に包まれた私の布団

枕の下には星がきらきら光っている

尖った先端を瞬かせて

夜空にそっと返す

そのために毎日貯めておいた星だ

ママには内緒で飼っている星だ


布団の中に潜り込むと

生暖かい空気を感じた

そのまま丸まると

蛹の中にいるようで

心地よくて

この時だけはイモムシの気持ちが分かると微笑んだ


イモムシは死んだように眠る

昼間天敵から必死に逃げおおせたと安心しているのだ

しかし

蛹は引っ剥がせばすぐに喪失するものだと

なぜ納得しないのか

けらけらと誰かに笑われたように思う


携帯電話の熱が完全に冷めた頃

日が出て

アラームが鳴る

さあ

蛹から出る時間だ

私はそれを毎日繰り返す

2年前 No.279

★wkscvd8P2n_AYQ

「木になりたい」


母は木になりたいという

私はなぜか、と問うた

母は何かの役に立ちたいのだという

木は、鳥や栗鼠の寝床になりえる

また木は、鹿や野ねずみの雨宿りの場所となりえる

そして木は死ぬとき、ひっそりと死ぬのだ

悠久なる時間を過ごし、慈愛と生命の喜びを身近に知るのは

おそらく木なのだ

木は動かないじゃないか

そんなことはない

木は動いている

私たちのようにせわしなく動くのではなく

ゆっくりと

音も立てずに

私たちにはわからないのように

動いているのだ

人はそれを成長と呼ぶが、成長もまた「動き」だ

木はきっと

誰のために生きるなど考えないだろう

自分勝手か、いや違う

ならば周りに関心がないか、いや違う

母は誰かのために生きるなど、大それたことは言わないだろう

他の生命の役にたちたいとだけ望んでいるのだ

私はそう思う

木もまた、他の生物に助けられている

あの小鳥だって、新しい木のみどり児を運ぶ役割がある

そして、いずれ訪れるべく死の際には、あんなに軽やかに大空を羽ばたいていたのに

突然、背中のネジが回りきってしまったかのように、あっけなくこと切れて、

地面に落下する

そしてその亡骸を苗床にして

木は再び蘇るのだ

だからこそ、どの生物も役に立っているのには変わりない

母は、その中でも木になりたいのだという

私なら小鳥を選ぶだろう

そして母の木に寄り添い

生きることだろう

私の頭の中にはそうした時間が流れている。

2年前 No.280

★wkscvd8P2n_DRF

「嫌い」


勉強なんて嫌いだ、小学生が言う

友だち関係なんて嫌いだ、中学生が言う

世間なんて嫌いだ、高校生が言う

自分なんて嫌いだ、大学生が言う


結局、嫌いなのではなく、めんどくさがりなだけだと気づく

金魚鉢の水をここのところ掃除してないから、苔むしてるじゃないか

苔は透明な歪曲した硝子にへばりつき、見た者を不快にさせる

不快な私は罪のない金魚を腐らせて、淀んだ水の中を漂わせるに違いない

ますます気持ちの悪いものになったそれを嫌悪するだろう


そうだ、そんな心境に似ている

周りを嫌う人間は、そんな人間だ

めんどくさがりのろくでなしだ


すまない、罪なき金魚よ、
すまない、「嫌われし者」たちよ

2年前 No.281

★wkscvd8P2n_6r2

「胸騒ぎの雨」


トタン屋根

父の帰りを待つ子ツバメどもの鳴き声か

鉄を打つ音にかき消され


雨音は騒がしい

千人の拍手喝采のごとく

あるいはそれ以上


父の帰りを待っていた子は

くわりと欠伸

一、二、三、四

おや、帰ってきた


せわしなく

背広を濡らし

帰宅する


無事で何よりだと再会を喜ぶ






2年前 No.282

★wkscvd8P2n_wpU

「冷えピタ」


熱くなったパソコン

目を覚ます

常に汗ばんだ手首を乗せているので
汗は熱暴走する機械に張り付く
そして蒸発

白い垢が残る

それを拭き取る

額に流れる玉のような体液が
粘り気のある塩分を含んで
塩化ビニールの机に滴り落ちた

風もなし
月もなし

外はどんより
白い形は
うどんよりどんより

やけに冴えた頭は
線香花火のようにぱちぱちとショートし
白い画面に目玉を貼り付かせる

母が寝なさいと言う
何やってるのと言う

ああと一言

母が窓を開ける

むああぁぁあとした空気が体にまとわりつく

嗚呼母よ
不満げに俯く
そこに熱を帯びた手首とパソコンがある

寝たくなんかないねと小学生ならともかく
青少年は言わない

けれども動きたくない

そして私は母の要望に答える

1年前 No.283

★wkscvd8P2n_RS9

「24時間営業」


私は壁に背中を向けて眠る

壁に数ミリだけ離れて

安心したように眠る

不安の種から発芽し伸びてきた蔓に囲まれて

長い雷雨にうたれた体は

疲れきっている

バネの伸びたブリキのロボットが横たわっている

星空が見えぬ

都会の空はそっけない


私は壁に背中を預けて眠る

本当はいつでも雷雨に襲われるかもしれないのに

そんなことはつゆ知らず

地平線の彼方からギラギラと水素爆弾のような球が現れるまで

重たい瞼シャッターに鍵をかけた

けれども

そんな日々も長くは続かないだろう

不安の種は今だに体を蝕んでいる

そのうちに重石を背中に乗せられるだろう

ひとつひとつ、ふたつふたつみっつ

足を挫く前に

心の蔵を挫く前に

24時間営業がはじまる


そうやってみんな店員になっていくんだ

社会は巨大なスーパーマーケット

お買い物上手だけが幸福を買える

いつまでも壁にもたれてはいられない

そう決意しながら

私は新しい種を蒔いた

1年前 No.284

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ある日

私の頭上に大きい飛行機が通り過ぎていった

それは演奏の下手なホルン奏者のような響きであり

不安定なのに一定のヘルツを流している

機体はゆっくりだった

私がしばらく信号機の方を見て

また見上げたのに

まだそこにいるくらいだ


飛行機は太陽光のもとで白銀となり

「離陸する飛行機のある光景」

鈍く瞬く

空は水玉色で

ところどころ深い青だった

白い砂浜さえもプカプカと浮いている

銀色の船はのんびりと構えている


私の頭上の船は進路を変えることなく

まっすぐと伸びていった

時より陸地に上陸しながら

どこへいくやら進んでいく


私がふたたび信号をみたときに

もう二度とその船を目で追うことはなかった

銀色の機体は泡を空に残し

姿を消した

1年前 No.285

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「雨上がり」


地面の水たまりには灰色の空が映し出されていた

しかし本日は晴天なり

本日は晴天なり


地面はアスファルトだ

街中の地面はねずみがちょろちょろと駆け回り

虹色の油がゆらゆらと散らばっていた


私はなにをしているのだろう

なにが楽しくて生きているのだろう


しかし本日は晴天なり

転々と点々と足跡をつけ

歩き回るアルキメデス


私の足は人工の土を踏みしめている

トントン拍子で

八分音符のリズムに合わせ


ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃ・・・

1年前 No.286

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「後悔をする」


夜空を覗くたびに誰かに怒られました

怒る人はたくさんいます

親戚のおじさん、おばさん

学校の先生、おまわりさん


私のこころのありどころはこの夜空にはありそうで

どこか遠いところにあるのだと確信しています


昨日のことを思い出しました

夜空は首をたてに振ります

電車のホームに寝転んでいる酔っ払いがおりました

酔っ払いはたしかに寝転んでおりましたが

もし

もしですよ

この人が家族があるのなら

こんなところで寝転んでいたら心配すると思うんです

夜空はキラキラ瞬きました

でも誰も心配しない

真夜中のホームで誰も酔っ払いに目もくれず通り過ぎる

そんなワンシーンがあったわけであります


ああ!神様仏様

あの人に布団をかけてあげてくださいまし

夜空はけらけら笑い出しました

と言いながら、私はその酔っ払いを見ないようにし

静かに通り過ぎた

長いものに巻かれた

きっとそこにいた他のひとたちもそうだったのだろう

心配くらいはしてくれてたんだろう

そう思うことにしたのです


夜空は怒りました

怒っていたらだんだんと橙色を帯びて

やがてどこかへ立ち去りました


呆れましたか

ええそうですと言っているように見えました

1年前 No.287

★wkscvd8P2n_uyQ

「植木」


反対です反対です

庭に木を植えるのは反対です

だって木って何年も長生きするのでしょう

私は100年も生きていられないわ

100年後この役にも立ちそうにない木は切られてしまうんだわ

そりゃ柿の木なら残すでしょう

どんぐりの木なら残すかしら

なのにこの木は人間の役になんかたちゃしないじゃないの

可愛そうよ可愛そうよ

この木がいつか切られてしまうなら植えない方がいいのよ

ええきっとそうしましょう

あなたもそう思うでしょう?そうでしょうとも

1年前 No.288

★wkscvd8P2n_uyQ


「オリオン座」

オリオンは夜になるとその身を空に横たえる

神話については大体のお話しか聞いていなのだが

そのどっしりした面構えをみると確かに勇ましいように思える

オリオンは夜明けとともに薄れていくのだろうか

私は夜明けのオリオンを知らない

明るくなっていく空に張り付いて徐々に去っていくのだろうか


彼は死んだとき

同じように神様以外に知られず

薄れていったのだろうか

大きな体地面に伏せながら


そんな壮大なスケールで想像すると

まるで映画みたいだ

1年前 No.289

★wkscvd8P2n_uyQ


「ジョギング」

走る事前

初めの一歩は潤滑油の足りぬ車輪のごとし

走り出したとき

二歩、三歩と散歩のごとくゆっくりと

そのことに夢中になったとき

足は軽やかに草や地面を蹴り出すこと風のごとし


そのまま駆け上がれ

天まで上がれ


私の足は白い蒸気あげながら暴走する

目を天上に向け

黒に浮かぶ月影を覗き込む


回れ

回れ

車輪よ回れ

ブレーキかけずそのまま転がせ


足先の熱い血潮をさらに沸騰させて

燃え広がる炭火のごとく

全身に巡る熱よ


私は重力さえも跳ね返しそうに思えた

1年前 No.290

★wkscvd8P2n_uyQ


「死のツイッター」

死にたい、珍しいことではなく日常茶飯事の思考だ。人は生きることが嫌になるから死にたくなるのだと言うが、目の前のやることから逃げたいと思うだけでも死にたくなるものだ。では面倒なことを回避したいというのが死にたいの根っこなのだろうか。私が仕事で失敗したとき、死にたくなるのもそのせいなのだろうか。だとすると、死とはかなり身近なものだ。私の心に巣食う隣人のようなものなのだろうか。たしかに厄介な隣人だ。しかし私は滅多なことがなければ死にたいという願望の先にはいかない。死にたいは風の気まぐれのように横っ面を通り過ぎていき、やがて忘却の宇宙の彼方へ飛んでいく。安い死だ。ほんとうに死にたいと思う人間に失礼に当たらないだろうか心配だ、死にたい。時々死にたいと思うのは病気なのだろうか、しかし周りをみるとどうやらその類の病気だらけらしい。ぽつりぽつりとネットの中でも現実でも死にたいとツイッターのごとく、つぶやくのだ。死んだ魚の目のようにため息を吐くよりもはやくつぶやくのだ。死のバーゲンセールだ。しかし、最初に言ったようにこれは珍しいことではない。死はありふれている。しかしほんとうに死んでしまった者をみればたちまち恐怖に慄くだろうに、そして同情するのだ。あれだけ憧れた死なのに。人の死が怖いのだ。自分がそうなるのではないかと心配するのだ。

1年前 No.291

★wkscvd8P2n_i7M


「冬の雨に君とかたつむりは」

目をつむり
かたつむり

雨音に紛れて
君は歌う

曇天から落ちてくる
銀色の針が

冷たく君の顔に
突き刺さる

かたつむり
冬の雨はおいしいか

独り言は枯葉の上にこぼれ落ち
韻をふんで跳ね上がる

水たまりはまだできない
君の足元に広がる水の王冠

ひとつ
またひとつ
消えて

近くの木の陰に潜んでいた
羽虫がぶるっと震えた

かたつむりと君は
静かな雨の中で
ひっそりと擬態していたようだ

1年前 No.292

★wkscvd8P2n_i7M



「環境説」


ありふれた言葉

ありふれた音声

なにもかもありふれていると君は言う

ありふれていることがそんなに悲しいのだろうか

皆同じなら寂しくないだろう

個性は無個性の反対ではない

たとえば壁の染みと同じこと

私もあなたも同様に無個性の壁紙であり

あとから染みがぽつぽつと浮かび上がるものだ

どれも似たような染みはあっても

つけられかたによって変化する

だから卑下することはない

あなたはこれからいくらでも変化を求めることができるのだから

思い切り染みをつけるといい

1年前 No.293

★wkscvd8P2n_vN9

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1年前 No.294

★wkscvd8P2n_91p

「ラーメン」


ラーメンがこぼれた

熱い湯気は地面に叩きつけられ

細長いちぢれ麺はくにゃりとあらゆる方向に跳ね回る

私のラーメンではない

私はたこ焼きを注文していたのだ

周りの人々は一瞬黙って一人の人物を注視していた

彼は年をとっていた

若い大男がやらかしたのならここまで悲しくはならなかっただろう

もしくは元気なおばさんや飲み仲間がいるようなおじさんであれば…


彼の服装は地味でなんの変哲もない姿形をしていたので

余計に悲しくなった

表情もどこか虚ろで

この人がラーメンをこぼしたからではなく

今までどのような人生を送ってきたのか

想像してしまうほどだった

私は勝手な妄想で他人を決めつけてしまう悪い癖があるわけだが

このときばかりはラーメンの湯気の中に佇む男を哀れに思わずにはいられなかった

なぜこぼしてしまったのだ

私はすぐに駆け寄ってやりたい衝動にかられた

しかし一歩も動く間もなく店員が現れ処理しはじめた

私があれこれ思考しているうちに現実では時が進み続けていたようだ

妙な罪悪感が小さなガラス片のように刺さったのを確認すると

私は静かに佇む彼から
たこ焼きに視線を落とした

たこ焼きにかかった鰹節がまだ踊っていた

ほんの短い時間であったはずなのに
私は泣きそうなほどに
いや世の中の理不尽さを感じてしまうほどに
衝撃的だったのだ


あれから4年経った今も
こうして思い返してしまうことがある

あの男は元気だろうか

一人きりではないだろうか

家族とうまくやっていけているだろうか

あの時の虚ろな目が忘れられないのだ

地面で冷えてしまったラーメンの先に何が見えたのだろう

1年前 No.295

★wkscvd8P2n_91p

「眠たい人」


明日はギターでもはじめよう

愉快で軽快なリズムを奏でたいのだ

そう決意して1年過ぎ

未だ達成されず

思いつくのはよいが

随分と勝手ではないか


私の脳みそは命令するが

手足は仕事もできない
やる気もないダメ人間同様でして

本当に首にできるものならしてやりたい


首といえば

ニュースやネットで最近の新入社員の態度について問われているが

その叱責と呆れのベクトルは私に向いているらしかった

ほっとけホットケーキ

と言葉遊びに戯れる若者の額には冷や汗が湧き上がっている

あー眠たい

11ヶ月前 No.296

★wkscvd8P2n_qxX

「今日の空模様は」


風が吹くとき

空気が湿り
雨雲が走る

風が吹いたとき

暗雲の中でジリリと
電気が走った

されども吹き荒ぶ風は
気まぐれに
足並み揃えて止まるので

これらの空はいかにも
迷惑そうにせわしなく動くのだ

6ヶ月前 No.297

★wkscvd8P2n_qxX

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6ヶ月前 No.298

★wkscvd8P2n_qxX

「陸のカニが海底で泡を吹いた気でいる詩」



泡が重力と空気の透明な波の間に浮かんでいる

危うく下へ
けれども
すぐに空気が押し上げる

何回も繰り返していくうちに

洗剤独特の虹色のあわ粒は地面にぺたりと半球体になってはじける

かと思えば気まぐれに

太陽目指して頑張るものもあって
小生意気に魚にでもなった気でいるのかシャボン玉

歪曲した虹色が光を反射して
見上げた私からは薄い黒い影がぼんやりと球体の形を縁っている

5ヶ月前 No.299

★wkscvd8P2n_dB9

「布団をかぶらないで寝てたせいだろうか」


昨夜
息苦しさを感じた

私はたまらなくなって声を出した
声を出すとき何も考えずに出すのだが
必ずといっていいほど「あ」と平坦な長音である

その異様なほど長い音の終わりが見え始めたのは
肺の空気をすべて出し切ったときであった

私はめまいを感じ
大口を開けた鯨のように
海中のプランクトンをすべてこしとる貧欲さを
連想させるような呼吸をした

やがて呼吸の乱れは一度大きな乱気流を起こして
徐々に静まり返っていった

この息苦しさはなんだろう

医者にかかろうかやめようか
鼻づまりがひどい夜のことである

4ヶ月前 No.300

★wkscvd8P2n_jAc

「春の昼下がりというものは」



机に向かって何時間いても足先が冷えることはなくなりました
職場の空気もどことなくのっぺいじるのようにとろみかかっています

私はというと
大きなあくびをして呑気な顔で惚けています

私の周りを覆う空気は人の動きに合わせて小さな気流を作ります
のるる のるるる のるのる ふう

鼻ときたら敏感に残り香を嗅ぎ取るものですから
一瞬だけそちらを凝視して
また指先でボタンの羅列を弄り始めるのです
たまに目がぶつかり合って
ばつが悪そうにお互いに目をそらすのはありがちであり面白い

そんなわけで私の脳はきっと恐らく気だるい表情でして
意識をどこかに飛ばしたい衝動に駆られるのを我慢しつつ
それを容認したい怠慢さを併せ持っています

ああ眠たい

3ヶ月前 No.301
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