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竹林

 ( 詩集つむぎ城 )
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やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=KHkjMXv7z2



竹林:

日差しが差し込む竹林には
確かに神様がいらっしゃった。

それが夜になれば竹林には
顔色の悪い幽霊しかおりません
竹の根本には昔昔の墓があって
墓の下では骨が泣いています。

「墓の上で暴れないで」

夜は彼らを夢遊病患者のごとく歩かせては
病気のように恐怖を蔓延らせました
竹林を揺らして大きな音を立てさせて
付近の生者まで脅かします。

恐怖は家の中にまで染み込んで
ベッドの上では子供が泣いています。

「墓の上で暴れないで」

メモ2016/12/23 17:01 : やかん☆AR5gz7rG2dM★Android-lURZj1l9SS


いいね4つめありがとうございます。


ページ: 1


 
 

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=KHkjMXv7z2



冬の田:

秋が終わって
地面が剥き出しになった田圃は
ふるふると震えています。

「冬なのに布団をとられた
いつもいつもこうだ
夏は暑い思いをしてさ……」

3ヶ月前 No.1

やかん☆AR5gz7rG2dM ★p7ThVHcfTK_G29



竹林:

竹林の奥に光が射しこんでいる
緑が黄金に喰われている
そのところに神がいらっしゃる
名もない神がそこにお立ちになってらっしゃる
農民の子どもに慈愛の眼差しを向けて
自然と遊ぶ子どもに微笑んでいらっしゃる

3ヶ月前 No.2

やかん☆AR5gz7rG2dM ★p7ThVHcfTK_G29



田舎の橋:

橋の剥がれ落ちたペンキは
川に落ちていく。
見えた肌は青色で寂しい色だ。

田舎の橋は古臭くて歩けば軋む
その上を歩く田舎人の心は
寂しいものか?

靴がカンカンと冷たく鳴る
薄氷を踏むときのように
靴の裏が悲鳴をあげる
その度にペンキが割れて落ちていく。
静かに落ちていく。

冬の川の寂しさはどうだ
車も人もないところの
病人のように青色をした橋の
突き刺すような目はなんだ

3ヶ月前 No.3

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=KHkjMXv7z2



夜は寂寞:

青白い顔にかかった影は
深く悲しみを背負って
瞳の光さえも消している。
その横顔の孤独感といったら。

それなら友よ 寄り添ってくれ 病人よ
少し話をしよう。
タバコをふかすその横顔のまま
高い鼻を震わせて笑ってくれ。

月光で濡れたようにも見えるその目で
ほんとうの気持ちを語ってくれ。
君の孤独感、絶望感、虚無主義的なそれ。
すべて話したら楽になると思わないか。

今にも死んでしまいそうな顔が
月に照らされて震えている。
それなら友よ 寄り添ってくれ 病人よ
窶れた頬が震えている。

3ヶ月前 No.4

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=yECfoZKjKT



落ち葉:

落ち葉の下に死体がある。
きっとそこを歩けば嫌な音がする。
おれは立ち往生する
立ち往生する。

そんなおれを見て
禿頭の木が笑っている。
風に葉を持っていかせて
死体を隠した痩せた木が
風に吹かれて笑っている。

おれは知っている
本当は死体などないことを。
それでも思わずにいられないのだ。

本当に死体がないことを
手を引いて教えてくれる
そういう人がいないのだ。

おれは落ち葉の山の前で立ち往生する。
山を避けて歩いても
死体に足を引っ張られるような気がして
おれは立ち往生する。
禿頭の痩せた木に笑われながら
おれは立ち往生する。

3ヶ月前 No.5

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=yECfoZKjKT



寂:

寂しがる心を
その脈打つ心臓で
子供をあやすように
どうか優しく叩いてくれ。

白魚のごとき指は
どうか髪をすいて
優しく頭を撫でてくれ。

涙垂れる哀れなこの顔を
見ないように 見ないように。

慈母のごとき優しさで
全てで以て
寂しがる心を殺してくれ。

3ヶ月前 No.6

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=yECfoZKjKT


お前:

お前をおれの手で殺すために
お前に関すること全て忘れよう。

遠い空で鴎が飛ぶ。
青い空には穴がある
ぽっかりとした穴が……。

どこか寂しい気持ちになって
コートの裾をはためかせて行く。
浜はどこかだれかの心のようで
色々な足跡で乱されていた。

浦風は冷たく肌を刺す。
おれは顔を隠すようにして
静かに襟を立てて砂を蹴って行く。

くっきりした足跡は
そこら中に散らばるのに
おれ以外はいない。
おれ以外お前のことを
忘れちまったようだよ。

おれがお前を忘れちまったら
お前は本当に死んでしまうのだ。
遠い五月の約束を噛み締めて
おれは浜辺を後にした。

2ヶ月前 No.7

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=oUwTImcpQA



生活音:

音が聞こえる、音が
人の生活する音、四方から。
戸棚を開ける。
包丁がまな板を叩く。
バスタブに湯をためる。
重い物を落とす。
窓を開ける。
ライターをつける。
誰かと電話する。
おれに讒言零すのは生活音だ。
無神経に騒ぎ立てて
音を立てる者の悪口を言う。
「あそこに住む者は随分な乱暴者で
いつもいやらしく目を光らせています」

2ヶ月前 No.8

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=lURZj1l9SS


よい朝:

ああ、鳥が青い空を一散に滑っていく
青い草は露の宝石をつけて
コンクリートは密かに濡れている
夢の中で青い顔の幽霊がしたように
奇妙に踊る蜘蛛が神託を下している
蜘蛛の巣には雨雫だけが爛々と輝いて
それはまるで希望を閉じ込めたようだ
そうだ、オードコロンを撒き散らしたような
なんてなんて爽やかな、爽やかな朝!!
この清逸さをなんと言おう
憂鬱さを欠片も匂わせないそんな朝に
ああ、鳥が青い空を一散に滑って行く

2ヶ月前 No.9
ページ: 1

 
 
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