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竹林

 ( 詩集つむぎ城 )
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やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=KHkjMXv7z2



竹林:

日差しが差し込む竹林には
確かに神様がいらっしゃった。

それが夜になれば竹林には
顔色の悪い幽霊しかおりません
竹の根本には昔昔の墓があって
墓の下では骨が泣いています。

「墓の上で暴れないで」

夜は彼らを夢遊病患者のごとく歩かせては
病気のように恐怖を蔓延らせました
竹林を揺らして大きな音を立てさせて
付近の生者まで脅かします。

恐怖は家の中にまで染み込んで
ベッドの上では子供が泣いています。

「墓の上で暴れないで」

メモ2017/03/23 17:37 : やかん☆AR5gz7rG2dM★Android-al8SA49A9J


いいね5つめありがとうございます。


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やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=KHkjMXv7z2



冬の田:

秋が終わって
地面が剥き出しになった田圃は
ふるふると震えています。

「冬なのに布団をとられた
いつもいつもこうだ
夏は暑い思いをしてさ……」

4ヶ月前 No.1

やかん☆AR5gz7rG2dM ★p7ThVHcfTK_G29



竹林:

竹林の奥に光が射しこんでいる
緑が黄金に喰われている
そのところに神がいらっしゃる
名もない神がそこにお立ちになってらっしゃる
農民の子どもに慈愛の眼差しを向けて
自然と遊ぶ子どもに微笑んでいらっしゃる

4ヶ月前 No.2

やかん☆AR5gz7rG2dM ★p7ThVHcfTK_G29



田舎の橋:

橋の剥がれ落ちたペンキは
川に落ちていく。
見えた肌は青色で寂しい色だ。

田舎の橋は古臭くて歩けば軋む
その上を歩く田舎人の心は
寂しいものか?

靴がカンカンと冷たく鳴る
薄氷を踏むときのように
靴の裏が悲鳴をあげる
その度にペンキが割れて落ちていく。
静かに落ちていく。

冬の川の寂しさはどうだ
車も人もないところの
病人のように青色をした橋の
突き刺すような目はなんだ

4ヶ月前 No.3

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=KHkjMXv7z2



夜は寂寞:

青白い顔にかかった影は
深く悲しみを背負って
瞳の光さえも消している。
その横顔の孤独感といったら。

それなら友よ 寄り添ってくれ 病人よ
少し話をしよう。
タバコをふかすその横顔のまま
高い鼻を震わせて笑ってくれ。

月光で濡れたようにも見えるその目で
ほんとうの気持ちを語ってくれ。
君の孤独感、絶望感、虚無主義的なそれ。
すべて話したら楽になると思わないか。

今にも死んでしまいそうな顔が
月に照らされて震えている。
それなら友よ 寄り添ってくれ 病人よ
窶れた頬が震えている。

4ヶ月前 No.4

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=yECfoZKjKT



落ち葉:

落ち葉の下に死体がある。
きっとそこを歩けば嫌な音がする。
おれは立ち往生する
立ち往生する。

そんなおれを見て
禿頭の木が笑っている。
風に葉を持っていかせて
死体を隠した痩せた木が
風に吹かれて笑っている。

おれは知っている
本当は死体などないことを。
それでも思わずにいられないのだ。

本当に死体がないことを
手を引いて教えてくれる
そういう人がいないのだ。

おれは落ち葉の山の前で立ち往生する。
山を避けて歩いても
死体に足を引っ張られるような気がして
おれは立ち往生する。
禿頭の痩せた木に笑われながら
おれは立ち往生する。

3ヶ月前 No.5

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=yECfoZKjKT



寂:

寂しがる心を
その脈打つ心臓で
子供をあやすように
どうか優しく叩いてくれ。

白魚のごとき指は
どうか髪をすいて
優しく頭を撫でてくれ。

涙垂れる哀れなこの顔を
見ないように 見ないように。

慈母のごとき優しさで
全てで以て
寂しがる心を殺してくれ。

3ヶ月前 No.6

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=yECfoZKjKT


お前:

お前をおれの手で殺すために
お前に関すること全て忘れよう。

遠い空で鴎が飛ぶ。
青い空には穴がある
ぽっかりとした穴が……。

どこか寂しい気持ちになって
コートの裾をはためかせて行く。
浜はどこかだれかの心のようで
色々な足跡で乱されていた。

浦風は冷たく肌を刺す。
おれは顔を隠すようにして
静かに襟を立てて砂を蹴って行く。

くっきりした足跡は
そこら中に散らばるのに
おれ以外はいない。
おれ以外お前のことを
忘れちまったようだよ。

おれがお前を忘れちまったら
お前は本当に死んでしまうのだ。
遠い五月の約束を噛み締めて
おれは浜辺を後にした。

3ヶ月前 No.7

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=oUwTImcpQA



生活音:

音が聞こえる、音が
人の生活する音、四方から。
戸棚を開ける。
包丁がまな板を叩く。
バスタブに湯をためる。
重い物を落とす。
窓を開ける。
ライターをつける。
誰かと電話する。
おれに讒言零すのは生活音だ。
無神経に騒ぎ立てて
音を立てる者の悪口を言う。
「あそこに住む者は随分な乱暴者で
いつもいやらしく目を光らせています」

3ヶ月前 No.8

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=lURZj1l9SS


よい朝:

ああ、鳥が青い空を一散に滑っていく
青い草は露の宝石をつけて
コンクリートは密かに濡れている
夢の中で青い顔の幽霊がしたように
奇妙に踊る蜘蛛が神託を下している
蜘蛛の巣には雨雫だけが爛々と輝いて
それはまるで希望を閉じ込めたようだ
そうだ、オードコロンを撒き散らしたような
なんてなんて爽やかな、爽やかな朝!!
この清逸さをなんと言おう
憂鬱さを欠片も匂わせないそんな朝に
ああ、鳥が青い空を一散に滑って行く

3ヶ月前 No.9

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=pudlPCvKPG


女:

美しくも、醜い、神さま
世俗に染まり
純潔を失い
醜い愛を得た
しかし、しかし、しかし
夢の中だけでも
どうか哀れなわたくしに
口付けを落としてください
わたくしの神さまよ
そして肩を揺らして
穏やかに笑って
わたくしの心を返してほしい

19日前 No.10

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=pudlPCvKPG


美しいところにて:

白い猫が日に当たって
きらきらと発光している
それを撫でる女の手も
同様にきらきらと……
ああ、美しい日差しの下
猫と女だけが微睡んで
緩やかに時間を紡いでいる
美しい日差しの下
私だけが亡霊のように
猫と女をただ見つめている

19日前 No.11

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=pudlPCvKPG


孤独:

人は生きているうちに
孤独を得ることは能わない
この身は他者の視線に晒されている
この身には他者の施しがある
この身には親の血が流れている
どうして生きていて孤独になれようか
人は死んでこの身から解放され
初めて孤独を得る
他者の手で育くまれた
この思考すら手放して
何もないところへと
ぽつねんと浮かぶ何かになる

19日前 No.12

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=pudlPCvKPG


金鳳花の家:

神に罰される日を待っていた
照る田園
光る竹林
耀う星々
それら光の中に佇む
たおやかな神に
罰を与えられ
この世から捨てられる日を

いつも孤独にはなれなかった
飛ぶ罵声
沈む表情
添う人間
それらの憂鬱の中
しがらみという言葉を知らずとも
そういう感覚を持っていた
私の家は金鳳花の家だった

神に罰される日を待っていた
金鳳花の家で静かに死ぬ日を
誰の心に住むことなく
眠る日を待っていた
しかし罰は与えられなかった
私が罰を望むから
たおやかな神は
罰が無意味だと知っている
知っている

照る田園
飛ぶ罵声
光る竹林
沈む表情
耀う星々
添う人間
全てが私の罪を知っていた
私自身があの家を
金鳳花の家にしたのだと知っていた
知っていた

それでも
神に罰される日を待っていた
全てに赦される日を待っていた
私が消えた金鳳花の家で
笑い声が響くのを待っていた

19日前 No.13

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=YGzktjUMxM


花筏:

花筏で私を地獄に連れて行ってほしい
虚しいことを数えては
沈んでいく表情を
酒の肴なんかにして
春の鼓舞する光の下
花筏で私を地獄に連れて行ってほしい
揺れる水面を眺めて
美しい光景だと褒め讃えろ
その声を経にでもしてしまおう
長い冬を忘れて
花筏で私を地獄に連れて行ってほしい
春の陽射しが私を照らして
きっと良いところへ行ける
辛くとも苦しくとも良いのだ
人の指し示す幸いに触れず
花筏で私を地獄に連れて行ってほしい

8日前 No.14

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=al8SA49A9J


合わせ鏡:

鏡の向こうにおれがいる
鏡の向こうの向こうにおれがいる
鏡の向こうの向こうの向こうにおれがいる
鏡の向こうの向こうの向こうの向こうにおれがいる
鏡の向こうの向こうの向こうの向こうの向こうになにかいる
鏡の向こうの向こうの向こうの向こうの向こうの向こうにおれがいる
鏡の向こうの向こうの向こうの向こうの向こうの向こうの向こうにおれがいる
おれ、おれ、おれがいる。

4日前 No.15
ページ: 1

 
 
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