Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(25) >>

竹林

 ( 詩集つむぎ城 )
- アクセス(542) - ●メイン記事(25) / サブ記事 (4) - いいね!(7)

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=KHkjMXv7z2



竹林:

日差しが差し込む竹林には
確かに神様がいらっしゃった。

それが夜になれば竹林には
顔色の悪い幽霊しかおりません
竹の根本には昔昔の墓があって
墓の下では骨が泣いています。

「墓の上で暴れないで」

夜は彼らを夢遊病患者のごとく歩かせては
病気のように恐怖を蔓延らせました
竹林を揺らして大きな音を立てさせて
付近の生者まで脅かします。

恐怖は家の中にまで染み込んで
ベッドの上では子供が泣いています。

「墓の上で暴れないで」

メモ2017/05/02 10:12 : やかん☆AR5gz7rG2dM★Android-kcCsBSL4tz


いいね7つめありがとうございます。


関連リンク: こんにち 
切替: メイン記事(25) サブ記事 (4) ページ: 1


 
 

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=KHkjMXv7z2



冬の田:

秋が終わって
地面が剥き出しになった田圃は
ふるふると震えています。

「冬なのに布団をとられた
いつもいつもこうだ
夏は暑い思いをしてさ……」

10ヶ月前 No.1

やかん☆AR5gz7rG2dM ★p7ThVHcfTK_G29



竹林:

竹林の奥に光が射しこんでいる
緑が黄金に喰われている
そのところに神がいらっしゃる
名もない神がそこにお立ちになってらっしゃる
農民の子どもに慈愛の眼差しを向けて
自然と遊ぶ子どもに微笑んでいらっしゃる

10ヶ月前 No.2

やかん☆AR5gz7rG2dM ★p7ThVHcfTK_G29



田舎の橋:

橋の剥がれ落ちたペンキは
川に落ちていく。
見えた肌は青色で寂しい色だ。

田舎の橋は古臭くて歩けば軋む
その上を歩く田舎人の心は
寂しいものか?

靴がカンカンと冷たく鳴る
薄氷を踏むときのように
靴の裏が悲鳴をあげる
その度にペンキが割れて落ちていく。
静かに落ちていく。

冬の川の寂しさはどうだ
車も人もないところの
病人のように青色をした橋の
突き刺すような目はなんだ

10ヶ月前 No.3

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=KHkjMXv7z2



夜は寂寞:

青白い顔にかかった影は
深く悲しみを背負って
瞳の光さえも消している。
その横顔の孤独感といったら。

それなら友よ 寄り添ってくれ 病人よ
少し話をしよう。
タバコをふかすその横顔のまま
高い鼻を震わせて笑ってくれ。

月光で濡れたようにも見えるその目で
ほんとうの気持ちを語ってくれ。
君の孤独感、絶望感、虚無主義的なそれ。
すべて話したら楽になると思わないか。

今にも死んでしまいそうな顔が
月に照らされて震えている。
それなら友よ 寄り添ってくれ 病人よ
窶れた頬が震えている。

10ヶ月前 No.4

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=yECfoZKjKT



落ち葉:

落ち葉の下に死体がある。
きっとそこを歩けば嫌な音がする。
おれは立ち往生する
立ち往生する。

そんなおれを見て
禿頭の木が笑っている。
風に葉を持っていかせて
死体を隠した痩せた木が
風に吹かれて笑っている。

おれは知っている
本当は死体などないことを。
それでも思わずにいられないのだ。

本当に死体がないことを
手を引いて教えてくれる
そういう人がいないのだ。

おれは落ち葉の山の前で立ち往生する。
山を避けて歩いても
死体に足を引っ張られるような気がして
おれは立ち往生する。
禿頭の痩せた木に笑われながら
おれは立ち往生する。

9ヶ月前 No.5

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=yECfoZKjKT



寂:

寂しがる心を
その脈打つ心臓で
子供をあやすように
どうか優しく叩いてくれ。

白魚のごとき指は
どうか髪をすいて
優しく頭を撫でてくれ。

涙垂れる哀れなこの顔を
見ないように 見ないように。

慈母のごとき優しさで
全てで以て
寂しがる心を殺してくれ。

9ヶ月前 No.6

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=yECfoZKjKT


お前:

お前をおれの手で殺すために
お前に関すること全て忘れよう。

遠い空で鴎が飛ぶ。
青い空には穴がある
ぽっかりとした穴が……。

どこか寂しい気持ちになって
コートの裾をはためかせて行く。
浜はどこかだれかの心のようで
色々な足跡で乱されていた。

浦風は冷たく肌を刺す。
おれは顔を隠すようにして
静かに襟を立てて砂を蹴って行く。

くっきりした足跡は
そこら中に散らばるのに
おれ以外はいない。
おれ以外お前のことを
忘れちまったようだよ。

おれがお前を忘れちまったら
お前は本当に死んでしまうのだ。
遠い五月の約束を噛み締めて
おれは浜辺を後にした。

9ヶ月前 No.7

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=oUwTImcpQA



生活音:

音が聞こえる、音が
人の生活する音、四方から。
戸棚を開ける。
包丁がまな板を叩く。
バスタブに湯をためる。
重い物を落とす。
窓を開ける。
ライターをつける。
誰かと電話する。
おれに讒言零すのは生活音だ。
無神経に騒ぎ立てて
音を立てる者の悪口を言う。
「あそこに住む者は随分な乱暴者で
いつもいやらしく目を光らせています」

9ヶ月前 No.8

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=lURZj1l9SS


よい朝:

ああ、鳥が青い空を一散に滑っていく
青い草は露の宝石をつけて
コンクリートは密かに濡れている
夢の中で青い顔の幽霊がしたように
奇妙に踊る蜘蛛が神託を下している
蜘蛛の巣には雨雫だけが爛々と輝いて
それはまるで希望を閉じ込めたようだ
そうだ、オードコロンを撒き散らしたような
なんてなんて爽やかな、爽やかな朝!!
この清逸さをなんと言おう
憂鬱さを欠片も匂わせないそんな朝に
ああ、鳥が青い空を一散に滑って行く

8ヶ月前 No.9

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=pudlPCvKPG


女:

美しくも、醜い、神さま
世俗に染まり
純潔を失い
醜い愛を得た
しかし、しかし、しかし
夢の中だけでも
どうか哀れなわたくしに
口付けを落としてください
わたくしの神さまよ
そして肩を揺らして
穏やかに笑って
わたくしの心を返してほしい

6ヶ月前 No.10

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=pudlPCvKPG


美しいところにて:

白い猫が日に当たって
きらきらと発光している
それを撫でる女の手も
同様にきらきらと……
ああ、美しい日差しの下
猫と女だけが微睡んで
緩やかに時間を紡いでいる
美しい日差しの下
私だけが亡霊のように
猫と女をただ見つめている

6ヶ月前 No.11

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=pudlPCvKPG


孤独:

人は生きているうちに
孤独を得ることは能わない
この身は他者の視線に晒されている
この身には他者の施しがある
この身には親の血が流れている
どうして生きていて孤独になれようか
人は死んでこの身から解放され
初めて孤独を得る
他者の手で育くまれた
この思考すら手放して
何もないところへと
ぽつねんと浮かぶ何かになる

6ヶ月前 No.12

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=pudlPCvKPG


金鳳花の家:

神に罰される日を待っていた
照る田園
光る竹林
耀う星々
それら光の中に佇む
たおやかな神に
罰を与えられ
この世から捨てられる日を

いつも孤独にはなれなかった
飛ぶ罵声
沈む表情
添う人間
それらの憂鬱の中
しがらみという言葉を知らずとも
そういう感覚を持っていた
私の家は金鳳花の家だった

神に罰される日を待っていた
金鳳花の家で静かに死ぬ日を
誰の心に住むことなく
眠る日を待っていた
しかし罰は与えられなかった
私が罰を望むから
たおやかな神は
罰が無意味だと知っている
知っている

照る田園
飛ぶ罵声
光る竹林
沈む表情
耀う星々
添う人間
全てが私の罪を知っていた
私自身があの家を
金鳳花の家にしたのだと知っていた
知っていた

それでも
神に罰される日を待っていた
全てに赦される日を待っていた
私が消えた金鳳花の家で
笑い声が響くのを待っていた

6ヶ月前 No.13

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=YGzktjUMxM


花筏:

花筏で私を地獄に連れて行ってほしい
虚しいことを数えては
沈んでいく表情を
酒の肴なんかにして
春の鼓舞する光の下
花筏で私を地獄に連れて行ってほしい
揺れる水面を眺めて
美しい光景だと褒め讃えろ
その声を経にでもしてしまおう
長い冬を忘れて
花筏で私を地獄に連れて行ってほしい
春の陽射しが私を照らして
きっと良いところへ行ける
辛くとも苦しくとも良いのだ
人の指し示す幸いに触れず
花筏で私を地獄に連れて行ってほしい

6ヶ月前 No.14

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=al8SA49A9J


合わせ鏡:

鏡の向こうにおれがいる
鏡の向こうの向こうにおれがいる
鏡の向こうの向こうの向こうにおれがいる
鏡の向こうの向こうの向こうの向こうにおれがいる
鏡の向こうの向こうの向こうの向こうの向こうになにかいる
鏡の向こうの向こうの向こうの向こうの向こうの向こうにおれがいる
鏡の向こうの向こうの向こうの向こうの向こうの向こうの向こうにおれがいる
おれ、おれ、おれがいる。

6ヶ月前 No.15

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=mVmaQ07JDp


夕方の始まりから:

ボイラーの低く唸る音
母屋の裏口から夕飯を知らせる声
台所から漂う食事の気配
人が食器を洗う音
テレビから聞こえる芸人の声
誰かが風呂に入っている気配
隣人の寝息の音
夜行性の動物の声
静かに一日が終わる気配

5ヶ月前 No.16

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=mVmaQ07JDp


祖父:

春が来る前に死んだ人の影を見る。
玄関から伸びる光 縁側から溢れる光
山菜の食卓 柔らかな光
ふと窶れた指を思い出す。
しかし春風のように私を愛でるその指。
縁側で微睡んでは笑う日々と
テレビをつけて時代劇を見ては
穏やかに笑う日々
それらはその人の手で紡がれていた。
病気の手はきっと春を含んで。
私の骨まであたたかくした人がいた。

5ヶ月前 No.17

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=kcCsBSL4tz



優しい火傷:

優しさの中で生きているから
優しさの怖さしか知らない。
陽射しを背に受けている時
あたたかく感じながらも
背中が焦げているのを知っている。
それを見過ごすわけにはいかなかったのだ。
寒いところに出た時に
恐ろしさと冷たさに触れたけれど
もう焦げることはない。
背中の火傷は自分では癒せないので
火傷を癒してくれる人を探して
冷たい夜の浜辺をただ歩く。

5ヶ月前 No.18

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=kcCsBSL4tz


林にて:

冬の跡 木々のざわめき 藤の花
木々の隙間を縫うような光は誇らしげ。
黄金に似たそれは緑葉を焦がして。
光の届かないところは薄暗いところでは
枯葉がからからと笑っている。
木の枝に絡まる藤の花は
淑やかに咲き、風が吹けば花を散らして
味気ないコンクリートを彩る。
枝は祈るように項垂れて
野にも山にも惑う人の行く先に
影を作って邪魔をしている。
ああ、光が照らすところばかり美しく、
影では亡霊や人ががまぼしがって
枯葉の上で一様に頭を垂れる。
おお、頭を垂れる。

4ヶ月前 No.19

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=kcCsBSL4tz


五月:

川魚の鱗の光
蜻蛉の翅の光
木漏れ日の光
輝く五月の青い空
飛行機雲は気持ちよく滑っていく。

光はどうにもあたたかくて
人どもは額の汗を拭う。
暑さにやられた人どもの
いやそうな足音を聞いては
木々を揺らめかせて
山はおおいに笑っている。

だけれども
水面に立たれる神も
草の上に立たれる神も
木で休まれる神も
涼やかに微笑まれて。

ああ、輝く五月の青い空
心にうつを抱えた人どもの
心がいっせいに晴れていく。
気持ちのよい空の下で
ようやく快い息をする。

4ヶ月前 No.20

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=kcCsBSL4tz



田園風景:

ここには何もありません。
ただまっさらな田園風景です。
たとえばこれは寝台です。
夏になれば鮮やかな緑の
あの爽やかな布団が敷かれて
そこに太陽が寝転がります。

ここには何もありません。
ただまっさらな田園風景です。
秋になれば太陽が寝転がって
鮮やかな緑を焦がして黄金にします。
それから稲負鳥が来て笑って
またどこかへ飛び立ってゆきます。

ここには何もありません。
ただまっさらな田園風景です。
たとえばこれは寝台です。
太陽が寝転ぶために整えられ
農家の子どもの足跡さえありません。

ここには何もありません。
ただまっさらな田園風景です。

4ヶ月前 No.21

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=kcCsBSL4tz



初夏:

精を出す人を見る
田圃に緑の点を作ってゆく人
これから点は線になり
線はきっと面になる
一面緑に覆われる日が来るのだ
おおらかな青空の下
田圃道を歩けば初夏
木々がはしゃぐ音が聞こえる

3ヶ月前 No.22

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=jlVdlXpdI7


ベランダにて:

蛙の鳴く声が響く夜
どこもかしこもひっそりとして
ただ鳴くばかりの蛙だけが
存在しているかのようです

(ずっと高いところでは
月がわたくしを見下ろして
睨めつけていますが
知らんぷりは得意なもので
顔は祈るように下へ向きます)

いつもはうるさい隣人も
だんまりとして
もしかしたら隣人は
あの田圃に無数にいる
蛙の中の1匹になったのではと
そう思うばかりです

(足元には虫の死骸があって
ベランダを掃除をしたのは
いつだっただろうなど思わせます)

ああ、心地の良い風は
カーテンを揺らすのです
それからそっと蛙の口を塞いで
わたくしの心を慰めるのです

「月も本当は見守っている
蛙は悪口を言っていない
おまえを害すものは本当はなにもないんです」

3ヶ月前 No.23

やかん☆AR5gz7rG2dM ★FTTEEmgzab_m8y



泥舞台:

田圃をすーっと一羽の鴨が
気持ちよさそうに泳いでいる
日の光を受けて
はねはきらきらと眩しく
その輝きは水面にまで広がって
水はきゃあと喜んで声をあげる
「泥の舞台でも燦然と輝ける
あなたはとても美しい!」

2ヶ月前 No.24

やかん☆AR5gz7rG2dM ★Android=UfvfSRelwd


犀の角:

犀の角のように歩む人よ
おまえのその精悍な顔立ちを
本当はもっと間近で見させてほしい
そして手を取り合っては
酒を飲み交わして穏やかに笑いたい
それだというのに
おれの部屋の畳の目をなぞるのは
たった独り おれだけだ

犀の角のように歩む人よ
何ものにも執着しないのがおまえなら
おれは愚かにもたった一人
おまえに執着してみせよう
虚弱なおれに言葉をかけた
あの時のおまえを忘れたおれではない
竹の根のように深く
おまえはもうずっと住み着いているのだ

犀の角のように歩む人よ
おまえはおまえを慈しむ人も知らで
ただまっすぐ歩むのだろう
おれを友人とも思わないおまえなら
おれは愚かにもたった一人
空気を抱き潰すような感覚でもいい
人知れずおまえの隣にただありたい

1ヶ月前 No.25
切替: メイン記事(25) サブ記事 (4) ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…感想・コメントはこの記事ではなく、サブ記事に書き込んでください。