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オンリーワン

 ( SS投稿城 )
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ゴン @gorurugonn ★Q8TMMWCxfD_Hhd

 一つ、奇跡の話をしようか。
 別に、難しい話でもないし、そんなに長い話でもない。
 世間が新元号に湧いているから、というわけでも……ないわけでもないけど、まあとにかく珍しいのは確かなんだ。

「僕の誕生日は平成元年一月十一日です」

 じゃあお前今三十路じゃねーかとか、うげげ、個人情報さらしてマウントかよ、とか思わないでほしい。
 いちいちいちいちって別に珍しくもなんともないとか思ったかもしれないが、少し考えてほしい。

 例えば、五月から令和になる。
 令和元年の始まりだ。
 じゃあ、令和元年一月十一日の誕生日の人は何人いるだろう。
 答えはゼロ人だ。
 当然だけど五月一日から始まる令和において、元年の一月十一日は存在しない。
 四月三十日まではあくまでも平成三十一年であって、令和ではない。

 そうやって考えていくと、昭和は十二月二十五日から始まるから、元年一月十一日は存在しない。
 大正は七月三十日から始まるから元年一月十一日は存在しない。
 そしてさかのぼること百四十一年前、1868年、明治元年に、ようやく一月一日から改元が始まる。
 でもこれは、明治元年になったのは一月二十五日で、明治天皇の即位から遡及して改元を一月一日からに改めたので、厳密に言えば、ここでも元年一月十一日というのは、その一月十一日当日から定まっていたことではない。

 少し過去のことばかり話したから、未来のことを話そうか。
 今後、元年一月十一日という誕生日を持つ人が生まれるかどうか。
 今回の改元にはいくつか今後の改元に当たる慣例になりそうな要素がある。
 それは、今後の改元は天皇陛下の崩御以前になるということと、改元に当たって一月一日からの元号の変更が行われないかもしれないということだ。

 今後、令和以降、新元号が続くとして、それは今回のように天皇陛下が崩御される前に退位し、あらかじめ予定を立てたうえで行われるケースが普通になるだろう。
 当然だが、改元に伴うもろもろの行事というのは非常にたくさんあるので、不測の事態によって行われるのは望ましいことではない。
 そして、そうなってくると、改元が行われる日になるが、今回五月一日という日程が、少なくとも一月一日に前倒しされる、ということは考えにくいのではないだろうか。

 明治天皇の即位に伴って、江戸時代は終焉し、江戸時代最後の元号である慶応は明治に改まった。
 日本が近代国家になって以降、即位に伴う改元で、元年がさかのぼって一月一日からになったのは実に明治時代一つである。
 前例からすれば、さかのぼって一月一日を改元元年にすることは極めて考えにくい。
 そして、改元が予定されて行われるものになっていくのだとすれば、その膨大な手続きが必要になる日取りを、一月一日という、多くの官公庁、会社において不変の休日たるこの日に持ってくるとはやはり思えない。

 とすれば、今後元年一月、という時期そのものがなくなる方が多いことが予想される。
 そうなれば当然元年一月十一日生まれ、と言う人は、まるきり存在しなくなる。

 つまるところが、僕は、平成元年一月十一日生まれだ。
 明治元年一月十一日生まれの人は、もう一人もいない。
 以降、元年一月十一日が存在したのは、ただ一つ、平成元年一月十一日だけだ。
 今度、元号が改まる。令和以降、元年一月十一日という日は、存在しなくなるかもしれない。

 わかるかな。
 アイムオンリーワン。
 僕は唯一なんだと感じました。

 今では僕がお父さん。
 子供に与える誕生日はもちろんバラバラの日付。
 なぜなら、僕だけが特別な存在でいられるからです。

1年前 No.0
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