Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(20) >>

生き残りゲーム―13人―

 ( 小説投稿城2世(大人風味) )
- アクセス(95) - ●メイン記事(20) / サブ記事 - いいね!(2)

虫けらっ子 ★M8CTHL4O6u_EP8













  美和子は包丁を構えた
  友亮は、恐怖で強張った
  顔になった


  「やめてくれ、よぉ…美和子ぉ」

  「…あんたは、紗江を目を合わせられない程
   酷い目に合わせた!
   なのに…あんたは、自分が可愛いのね
   こんな時だけやめて??調子に乗るな!!」


  美和子は、煮えくり返るような
  思いでいっぱいだった

  コイツが……紗江を!

  美和子は、立ち尽くしている
  友亮を押し倒すと、上に乗っかり
  何度も何度も、友亮の胸や、顔に
  包丁を突き刺した

  その度に友亮は、ぐえっと
  気色の悪いうめき声を上げた


  美和子が気付いたときには友亮は
  既に息絶えていた
  顔も傷だらけで、制服のおかげで
  性別は分かるのだが、顔は
  判別できない

  これから、どうしようかな…

  美和子のこころは
  とても穏やかだった
  それと、誰かに会いたい、という
  気持ちがあった

  私は、汚れてしまった

  誰に会おうかな
  それにしても、会ってくれるかな

  美和子は、携帯を取り出し
  アドレス帳を見始めた










3年前 No.0
ページ: 1


 
 

虫けらっ子 @sabu77777 ★M8CTHL4O6u_EP8





♂1碓氷浩 hiro

♀2沖村美緒那 miona

♂3春日剛志 tuyosi

♀4木下紗江 sae

♀5左藤菜乃葉 nanoha

♂6角田拓弥 takuya

♂7田ノ浦友亮 yuusuke

♀8凪めい mei

♂9蓮見和博 kazuhiro

♀10古多美和子 miwako

♂11嶺田潤 jyun

♀12百田佑香 yuuka

♂13保井優汰 yuuta




3年前 No.1

虫けらっ子 @sabu77777 ★M8CTHL4O6u_EP8








  美和子の住んでいる地域は
  決して、都会は言い難い場所だ
  美和子の近所には、子供はあまり住んでおらず
  お年寄りばかり顔を合わせる

  美和子の通う高校は、全校生徒
  53名の、小さな高校
  美和子のクラス、いや学年は13名で
  全員同じクラスで勉強をしている

  コンビにまで、車で3時間
  不便な事の府が多い、だが
  美和子はそんなこの町が好きだった



  今朝はいい目覚めだ
  目覚ましが鳴る前に目が覚めた

  階段を降りて、居間に向かうと
  スーツ姿の母親とすれ違った


  「お早う」

  「お早う…美和子、今朝は早いのね」

  「まあね」

  「今日は遅くなるからね、
   ご飯用意しておくから
   温めて食べてね」





3年前 No.2

虫けらっ子 @sabu77777 ★M8CTHL4O6u_EP8








  はあい、と返し
  美和子は水を飲みに
  台所へ向かった

  今日は、母親がいないというので
  一人の夕飯になる

  美和子に父親はいない

  美和子が生まれてすぐに
  離婚して、父親は家を出て行ったそうだ
  母親の話によると、直ぐに暴力を振る
  人だったらしい
  そんな父親に、母親が愛想を尽かし
  離婚を求めた、というわけだ

  美和子は、父親の事を全然覚えていないので
  会いたいとは思ったことがない
  どんな人なんだろう、と
  思ったことは、あるのだが

  水で喉を潤すと、美和子は制服に着替えた

  朝ご飯は食べない
  美和子はもともと小食なので
  朝からのご飯、というのはちょっとキツい
  いってきます、と声をかけ
  家を出た

  これから起こる不吉な事も知らずに―――









3年前 No.3

虫けらっ子 @sabu77777 ★M8CTHL4O6u_EP8

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

3年前 No.4

虫けらっ子 @sabu77777 ★M8CTHL4O6u_EP8









  「あ!じゃあ、私席に戻るわ」

  「うん――美和ちゃん、今日一緒に帰れる??」

  勿論!!と美和子は、両手で
  小さな丸を作って笑った紗江も、同じように丸を作って笑った









3年前 No.5

虫けらっ子 @sabu77777 ★q3z4XHFe0h_EP8




  その時―――教室のテレビが
  砂嵐の画面になった
  そして、黒いスーツに身を包んだ
  サングラスを掛けた男が映った

  「え?」
  「何だこれ」

  クラスメイトの疑問をよそに
  男はにやり――笑った

  『やあ、皆さんこんにちは』

  割と高い声だった

  『私は、フジ。これから都南学園の
   1年生の皆さんには、ちょっとしたゲームに
   参加して貰います
   3日間行われます、その間に
   皆さんは、皆さん同士で戦う、或いは
   協力しあって下さい』

  この男
  何言っているんだ?

  というのが本音だった

  何かのイベントか?

  だが、もう授業開始のチャイムはなった
  先生が来るのが遅すぎる
  学校ぐるみのイベントなのかもしれない






3年前 No.6

虫けらっ子 @sabu77777 ★q3z4XHFe0h_EP8








  「これ、何だよ!
   授業始まらねえの??」


  嶺田潤が苛立ったように大きな声を上げた

  テレビの中の男は
  ああ、と頷いた


  『先生たちは来ません』


  クラスメイトの顔に
  動揺が窺える
  動揺しているのは、美和子も
  同じだった

  この男たちに自分たちの姿が
  見えているのか
  或いは聞こえているのか
  そうしないと、さっきの
  受け答えは説明がつかない


  『えーと…―――じゃあルール説明をします』





3年前 No.7

虫けらっ子 @sabu77777 ★q3z4XHFe0h_EP8







  男の話をまとめるとこうだった
  期間は、明日の7月11日〜14日が明ける時
  言い換えれば15日まで
  今日から学校に泊まる
  学校の外に出てはいけない
  校門から一歩でも出た時点で
  ゲームオーバー
  運動場はOK
  私たちは校内、或いは運動場に隠されている
  指令を見つけ、それを解く
  一日最低3つ指令を解かなければ
  ゲームオーバー


  角田拓弥が
  小さく手を上げた

  拓弥は未熟児として生まれたらしく
  クラスで背が一番低い
  多分体重も一番軽いだろう



  「あのう…フジさん」


  そこで、小さな笑いが起きた―――が
  フジが睨んだので、皆は
  直ぐに静かになった


  「えっと…ゲームオーバーになったら
    何かあるんでしょうか」





3年前 No.8

虫けらっ子 @sabu77777 ★q3z4XHFe0h_EP8





  いい質問だ、とフジが嬉しそうに笑った

  『ゲームオーバーになったものには
   ―――罰が与えられる
   ちなみに、2年生3年生は帰させました
   この学校には、君たち意外しか
   いません』

  「ねえ!何で私たち1年生が選ばれたの?」


  誰かが聞いた
  フジは『ノーコメント』と言った


  『携帯の使用は自由です
   今日はまだ平和、自由に過ごしてください
   12時を過ぎてから、もうスタートです
   ちなみに…―――警察に電話をしても
   無駄ですからね
   繋がりません


   くれぐれも学校の外には出ないように、では』


  画面は、また砂嵐の画面になり
  そして、真っ黒の元の画面に戻った





3年前 No.9

虫けらっ子 @sabu77777 ★q3z4XHFe0h_EP8








  「ど、どういう事?」

  「何で俺らが…」

  「外に、出ちゃいけないの?」

  「罰…って」


  教室は、一段と騒がしくなった


  美和子は、男―――フジが言った
  罰、というのが気がかりだった
  何かある、絶対、何かあるに違いない


  「美和ちゃん」

  「ああ――紗江」


  気付くと、紗江が目の前に立っていた
  心細そうな、悲しげな表情で


  「どうしたらいいんだろう、私達」

  「…わかんないよ、そんなの」


  冷たく言い放ってから、はっと気づいた
  慌てて紗江を見上げると
  紗江はさっきより一層悲しげな表情で
  美和子を見ていた


  「紗江、ごめん、ちょっと
   言い方間違えちゃって」


  ううん、と紗江は首を振った




3年前 No.10

虫けらっ子 @sabu77777 ★q3z4XHFe0h_EP8






  「気にしないで」

  ドアが開く音がした
  後ろを見ると、教室から出て行こうとする
  クラスメイトの姿があった

  「友亮…どこへ?」

  「…あてはねえけどよ
   取りあえず学校から出なきゃいいんだろ?
   今日はここで泊まんなきゃいけねえ
   みたいだし
   泊まるところを探すかな」

  「友亮…!お前、あれを
   信じてんのかよ!」

  浩が、ちょっと怒ったように言った

  「俺は信じない!あんな悪戯
   全く下らない、としか言いようがないよ」


  俺帰る、と浩は鞄を持つと
  教室を出て行った







3年前 No.11

虫けらっ子 @sabu77777 ★q3z4XHFe0h_EP8






  走って行って止める者はいたが
  浩は止まらずそのまま帰った
  駄目だった、と浩を止めに行った者が言った


  誰かが小さく呟いた



  「悪戯かもしれないのに…
   何で私ら信じているんだろ」



  静かな教室に、その小声は
  よく聞こえた

  すると、そうだ、と賛同するものが
  現れた


  「嘘かもしれねえのに
   信じる必要ないよな」

  「なーんだ、帰ろう帰ろう」



  ―――すると、テレビが切り替わり砂嵐、そして
  男が現れた









3年前 No.12

虫けらっ子 @sabu77777 ★q3z4XHFe0h_EP8








  『やあ皆さん、7分14秒ぶりだね』

  男の声はのんびりとしていて
  そして、少し嬉しそうだった

  『犠牲者が出ましたよ、まだ
   始まってもいないというのにねぇ』

  犠牲者?

  ここにいる全員が
  浩の事を思い浮かべただろう

  すると、色々な所から
  色々な音が流れた
  携帯のメールを知らせる着信音だ

  美和子の胸ポケットが震え
  慌てて携帯を見て見ると―――
  そこには



  【碓氷浩 ゲームオーバー】



  との文字が

  差出人は――フジ






  『皆メールを見てくれたようだね
   碓氷君は、学校から出たことによって…
   罰が与えられました
   これからは、携帯のメールだけで
   罰が与えられた人を知らせるからね
   今日みたいな丁寧な真似はしません
   じゃあ、ゲームを楽しんでください』


  そして、また画面は
  いつものように戻った



  クラスメイト達は、ただ
  呆然とするしかなかった





3年前 No.13

虫けらっ子 @sabu77777 ★q3z4XHFe0h_EP8







  人も殆どいなくなった教室に
  美和子はまだいた
  何が起こったのか、分からなかった

  あの後、浩に電話を掛けよう、となったのだが
  電話には誰も出なかった

  クラスメイトの殆どは、今日寝る場所の
  確保へ行っていた
  教室で寝よう、という者も
  少なくはないのだが


  「美和ちゃん、今日どうする?」

  「うぅん…、あんまり考えていないや」

  「そっか、私一人怖いからさ
   一緒にいない?」

  勿論、と美和子は頷いた
  怖がりで少し臆病な紗江を
  一人にする気なんてさらさらなかった


  二人が話していると1人の男子がやってきた







3年前 No.14

虫けらっ子 @sabu77777 ★q3z4XHFe0h_EP8







  「和博君、どうかしたの?」

  蓮見和博は、いやあ、と頭を掻いた

  「二人は、これ信じてる?」

  美和子と紗江は、顔を
  見合わせた

  「私は…信じてはないかな
   でも、本当に罰とかがあるんだったら
   怖い、だから、このゲームに参加する」

  と私

  「私も、美和ちゃんと同じ感じ
   信じてはないよ」

  と紗江

  そっか、と和博は笑った


  「いや、特に意味は無いんだ
   ありがとう、――僕も、寝床を
   探しに行くよ、じゃあ」








3年前 No.15

虫けらっ子 @sabu77777 ★MPiEaAY4U8_EP8






  もう零時を過ぎ時計が二回りほどした頃
  美和子はいろいろと考え、寝れずにいた
  教室の隅に座って寝ようとしていたのだが
  床も固いので寝やすいものではない

  隣を見ると、すやすやと羨ましいほど
  眠っている紗江がいた

  糞、寝れない

  美和子は寝床――寝床と言っても簡易なものだ――から
  紗江を起こさないように抜け出すと
  そっと教室を出た

  当てはない

  だが、眠れないので、ずっと教室にいても
  暇だろう、と思ったのだ





3年前 No.16

虫けらっ子 @sabu77777 ★MPiEaAY4U8_EP8







  はあ、家に帰りたいなぁ
  お母さん、お父さん、心配しているのかなぁ

  そんな事を思いながらも
  美和子は足を進めていた

  気付くと、花の広場、と呼ばれる
  花壇に来ていた

  この花壇は、生物委員会が管理している
  ものだ
  冬になると少し殺風景になってしまうらしいが
  春を過ぎると綺麗な花が見られる


  ――そういえば、もうゲームはスタートしているのよね…


  そんな美和子に近づいてくる人物がいた
  美和子はそれに気づいた

  どうしよう、どこかに
  隠れなきゃ…でも、どこに
  こんな広く、そして花しかない花の広場に
  隠れる場所なんて無い






3年前 No.17

虫けらっ子 @sabu77777 ★MPiEaAY4U8_EP8









  美和子は、バラが広く咲いている花壇に
  身を隠すと、





  一か八か―――!!






  その人物に体当たりした
  その人物は、突然の突撃に
  よろよろと2,3歩いた

  美和子はすぐに身を起こし逃げようと
  したのだが、そのその人物に
  手を掴まれた



  「は、離しってよ!!」


  「俺だって美和子!大丈夫だから!」


  「え…?」



  顔を上げると、そこには
  春日剛志がいた




3年前 No.18

虫けらっ子 ★ymubfnHmkV_EP8








  「な何してんの?」

  美和子の問いに、剛志は
  少し言葉を詰まらせていった


  「いや…散歩だよ、散歩
   お前こそ何やってんだよ」


  「私も散歩、目がさえちゃって
   ―――…剛志、手離していいんだけど…」


  剛志は、今まで美和子の手を掴んでいた事に
  気付いたように慌てて手を離した


  「ご、ごめん。じゃあ…俺行くわ」

  「うん、じゃあね」


  剛志…一体何をしていたんだろう―――もしかして、
  指令のカードを…探していたのかな
  もうゲームは始まっているから…


  あれ??


  美和子は、薔薇の中に黒いカードが
  引っ掛かっているのを見た






3年前 No.19

虫けらっ子 ★zzUjtb9nCH_EP8











 これっ…て
 もしかして、もしかして
 これが指令??

 鼓動がだんだん早くなる。

 恐る恐る取ろうとすると、薔薇の棘が美和子の
 手をひっかいた。

 「いっ……っぅ」

 手の甲に赤い血が滲んだ。
 思わず手を引っ込める。

 「何なのよぉ…棘、最悪」

 だけど―――
 ここまで来てやめられるものか。
 手を薔薇の中に入れ、痛みに耐えながらも
 カードに触れることが出来た。
 カードは地面に落ちた。
 しゃがみ込み、カードを取る。

 カードの内容は――――――












 「えぇっと……
 【じゃんけんをしろ、しない場合は全員に罰を、負けたものに罰を与える】
  ですって?」

 美和子がカードから顔を上げた瞬間
 デパートの館内放送のような音が流れ
 びくりと肩を揺らす。
 きっと、校内放送だ。
 そして、呑気な男の声。




 『やあ、皆、早速カードが見つかりました
  見つけたのはぁ?えぇっと、古多美和子さん、だね』

 「ちょ、ちょっと、勝手に名前
  放送しないでよ!!」


 美和子の抗議も虚しく
 フジは続けた。



 『内容は、じゃんけんをしろ、しない場合は全員に罰を
  負けたものに罰を与える、だってぇ
  皆、頑張ってね。健闘を祈る』




 そこで男の声は途切れた。

 ほんっと、何でこんな馬鹿げた
 ゲームに参加しなきゃなんないわけ?
 まず、罰も何?

 まあ、暇潰しになるかなぁ?

 取り合えず、ということで
 美和子は教室へ向かう事にした。







3年前 No.20
ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…感想・コメントはこの記事ではなく、サブ記事に書き込んでください。(小説カテゴリでは必須です)