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生きたい

 ( 小説投稿城 )
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呉羽 @creha ★Tablet=uhPLWD5dMI

あの日僕がみたのは、何の変哲もない空で。
誰がどう見ようと晴天だったはずなのに何故か、僕の瞳には、青色の雨が降っていたんだ。

7時丁度になるアラームを止めながら、あ、頭痛い。と思った。ぼんやりとした瞳をカーテンに向けて、そっと、ほんの僅かだけカーテンを開けてみた。音もしていたし、偏頭痛が来ていたことから予想はしていた。雨だ。憂鬱な雨。
しかし、僕にとっては、いつもなら気味が悪いほど汚い世界が輝く一日でもあるのだ。

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呉羽 @creha ★Tablet=uhPLWD5dMI

雨の日は、ずっと外を見ていられる。1粒1粒、雨の色が違うから、いくら見ていたって飽きやしない。本当はずっとこうしていたいけど、朝ごはんを食べに行かなくてはいけない。朝ごはんを抜いたっていい。でも、そんなことをしたら頭痛でどうなることやら。
名残惜しくも窓から顔を離してカーテンを完全に開けた。最後に1度だけ振り返ってから、僕は部屋を出た。

3ヶ月前 No.1

呉羽 @creha ★Tablet=uhPLWD5dMI

雨・・・音、色。
階段を降りながら、外から聞こえてくる雨の音に聞き入っていた。
何をするにしても、雨の日は外が気になってしまう。僕からしたら、晴れの日なんかよりもずっと、世界が輝いているのだから、気になって仕方が無いのだ。太陽の光もキラキラしていて輝いていると思う。でも、雨の方が綺麗だ。
透明なのに、それなのにしっかり色があって。透明感、なんて言葉では表せない。
実際外に出て見てみると、ますます硝子玉を彷彿とさせる美しさを醸し出している。水溜まりは沢山の類色が入混じり、一滴一滴雨が落ちる度に色や模様を変える。
僕は、こうして姿を変える水溜まりを見るのが、多分何よりも好きなのだと思う。

3ヶ月前 No.2

呉羽 @creha ★Tablet=uhPLWD5dMI

急いで、学校までのスクールバスに乗る。濡れた傘にも、青色の雫が着いていた。
前の方しか空いていなかったから、仕方なく前から2番目の窓側に座った。朝から話に花を咲かせている女子もいれば、眠そうに頭をもたげている人もいる。そんな中僕は、1人で窓の外を眺める。こうしている他に、何かやりたいことなんて思いつかないのだ。
ゆっくりと走るバスの中からは、沢山の色が見える。自分の目の位置からでは、普段見えないような場所も見える。それがなんだか嬉しくて、心の中ではしゃぎながら、外を見つめていた。

3ヶ月前 No.3

呉羽 @creha ★Tablet=uhPLWD5dMI

このまま一生こうしていたいと思った。学校につかなければいいのに、と。しかし、直ぐにその考えを頭から追いやった。こういう時に、決まって出てくるのは親の顔。いつも文句言って反抗して、時に嫌いにもなる。しかし、やはり親は人生の中で大切な人であることに変わりはないのだなと、毎回思う。
なんとなくスマホを開いて、一番好きな曲を流した。イヤホンから聞こえる、ゆっくりとしたメロディの、優しい声が、なんだか僕には悲しく聞こえた。
選曲を間違った。こんな時は、無理やりにでも明るい歌を聞かなければ。こうやって自分を苦しめるのも、もう止めてしまいたい。

3ヶ月前 No.4

呉羽 @creha ★Tablet=uhPLWD5dMI

止めたいと思うことは簡単だ。簡単だが、実際にそれを実行することは、とてつもなく難しい。同じように、自分の決意を言葉にすることもまた、勇気がいる。
僕は、今までそれらを全くとは言えなくとも、自主的な、という意味で置いてはやってこなかった。その結果が、この様だ。自分にすら逆らえない弱虫になってしまった。こうして自責の念を抱いても、僕には結局何も出来ない。
だからもう、諦めてくれよ。出来ないことを、しようとしないでくれ。叶わないことを叶えようとしないでくれ。出来るわけも無いことに挑んで、最後に残るのは、無残なまでの虚無感だ。これまでの、そう長くもない人生の中で、何度も感じてきた。きっとこれからも感じて生きていくのだ。それが嫌な訳では無い。ただ、少しでも感じたくないだけだ。
必要最低限に、抑えたいだけなんだ。

2ヶ月前 No.5

呉羽 @creha ★Tablet=uhPLWD5dMI

最近流行りの、無駄に前向きな曲を聞き流していた。こうやって明るい言葉を書ける人は、過去に何があったにしろ、今を強く前に生きている人だ。そんな人を、ただ単純に羨ましいと思う。しかし決して、僕の人生が暗いことばかりな訳では無い。
人生に終止符を打とうと思ったことも何度かある。それでも、しばらくすれば幸福と呼べる時間はやってくるのだ。笑顔を浮かべられる時が、必ず。それだけで、恵まれていると思う。それでも、醜いまでに穢れた心は、また、死を望んでしまうのだ。

2ヶ月前 No.6

呉羽 @creha ★Tablet=uhPLWD5dMI

やけにアップテンポな曲は、僕に同調することなど一切なく、流れていくだけだった。
普通の正門。普通の制服。なにもかもが普通なのに、僕にとってここは、地獄でしかなかった。それでも、生を受けて今まで生きていた以上、たったひとつの地獄なんかで、死にたくない。

2ヶ月前 No.7

呉羽 @creha ★Tablet=uhPLWD5dMI

存外僕は、この世界に依存してしまっているようだった。近づいていく、高校の最寄りのバス停。そこで降りれば、もう引き返すことは出来ない。重い腰をあげる準備をしながら、音楽を止めた。耳元が若干寂しくはなったが、それでも、無駄に明るいものを聞くのは疲れた。どうにか気分を上げたかったのだが、逆効果だった。
そして、何をどうして生きていけばいいのか分からないのは、なにも僕だけではないようだ。

2ヶ月前 No.8
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