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魔人ジークと影の魔王3

 ( 小説投稿城 )
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魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

赤い髪に黒い目の竜族の魔人ジークは外見は12歳だがもう千年以上生き、歳も数えていない、

彼はワインをがぶ飲みすると干し飯をバリバリ食べた。

旅の途中だった。

そう、生きる意味を探す旅の途中だ。

ページ: 1


 
 

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

(三日前)

「お前には生きる意味がない」

安堂カケルは魔人ジークに言い放った。

いくら長い付き合いだと言っても、言って良い事と悪い事はある、
だがジークが問いただしても、カケルは(その時どうしてもそう思ったから)
と言うのみだった。

ジークは、エウリルに訪ねてみた。

「ばっかみたい、」

軽くあしらわれた。

ジークは思いきってセフィーに聞いてみる事にした。

「俺の生きる意味って一体なんだ?」

セフィーが答えた。

「それは、自分で考えるしかないわ」

4ヶ月前 No.1

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

魔人ジークがもう一度長い旅に出る事を決意した。

影の魔王を生滅させるための旅だ。

ジークは思っていた。

(アイツはもう、□んだほうがいいから)

いくら考えてもそうだった。

何十万人もの人間をその圧倒的な魔力で殺した影の魔王、愛情を与えようが何をしようが改心する事すらない、

その終わりなき生に終止符を打てるのは、魔人ジークだけだった。

そして、影の魔王がジークの前に転送(テレポート)で姿を表した。

影の魔王が言う。

「無限の世界を我が支配下に置く事にした、魔人ジークよ、我に力を貸せ」

ジークが言う。

「なぜ?何のために?」

影の魔王が言う。

「酒も、飯も、退屈しのぎも、女も、お前のために用意させる、わしには興味がないが、お前にはある、解っているんだ」

そして、また、誰も居なかったかのように、そこには黒い風が吹いていた。

4ヶ月前 No.2

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

黒髪で黒目の(日本人)と言う種族の少年である安堂カケルは魔人ジークに言う。

「影の魔王、あいつは竜族だったんだな」

黒髪で黒目の妙齢の魔女である、セフィーが言う。

「影の魔王は竜族、竜族は温厚な人が多いと聞いていたわ、でも彼は別、彼は大量殺戮者よ、」

緑の髪に黒い目の大柄の魔人である、魔人シウが言う。

「影の魔王、奴は壊れている、物質魔界での幼少期の虐待された経験が奴を壊したのだ」

魔人ジークが言う。

「影の魔王は虐待されて破綻し、壊れた竜族だった、と言う事か…」

4ヶ月前 No.3

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

そうして、魔人ジークは長い旅に出る為、ベレニ共和国から異邦街に来ていた。

「異邦街か、銃を持った盗賊なんかに注意しないとな、あと…」

ここ最近の噂では、影の魔王は全滅した機械兵士の変わりに、魔物を従え始めたとの事だった。

ジークが言う。

「魔物か、機械兵士よりは遥かにマシだけど厄介な相手だな、」

ジークは情報を収集するために酒場に入る、すると、

「あ、なんだ、ジークじゃねえか」

そこにいたのは安堂カケルだった。

カケルはマントに身を包み、刀を携えていた。

「いやな、ここ最近、ベレニに対しての犯罪者達の動向の調査を任されてるんだよ」

カケルが言った。

カケルが怪訝な顔をしてジークに尋ねる、

「ところでジークは何してんだ?ここで」

「いや、俺は影の魔王を倒すために」

ジークが答えた。

飲んだくれのアウトロー達が大笑いした。

「なんだあ、坊主、影の魔王を倒すってか?、おもしれえ冗談じゃねえか?」

「おまけに、異邦街の悪鬼どもを倒すって?」

ジークが店主に情報を求めた。

相手が赤い髪の魔人では、しぶしぶ、情報をやるしかない、店主が口を開いた。

「大きな声では言えねえですわ、あの、ヒュームガダルが絡んでいるんです」

ヒュームガダルと言えば何千年も前にベレニを侵略の末に独裁していた男だ。

「ヒュームガダル?あの時の独裁では、大した悪事も出来なかったから、放っておいた奴だ、な、カケル」

「そうだが、」

ジークが言ってカケルが答えた。

店主が声を潜めて言う。

「…それに、ローレンス・ブラウて銃使いもヒュームガダルと一緒なんですわ、聞いた話では奴等、ベレニを転覆させて、今度は自分達の国を作るつもりらしいんですわ」

4ヶ月前 No.4

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

ジークはカケルに協力しつつ、影の魔王の情報を集めることにした。

「なあ、カケル、前の話だが…」

「何の話だった?忘れちまったよ」

「…」

とりとめの無い会話をしつつジークとカケルは異邦街を探索する、

と、目前に三人ほどの黒竦めの男達が居た。

「安堂カケルに魔人ジークだな?」

「始末させてもらう」

彼等が言った。

彼等の二人は銃を、一人は剣を持っている、

「ヒュームガダルの手の者か!?」

カケルがとうと、

「いかにも、覚悟!」

彼等は答えた。

カケルは【居合い】を、魔人ジークは【竜族の剣】を使う。

カケルは居合いで、ジークは竜族の剣で、敵の銃弾を弾いた。

「うがあああ!」

三人一斉に攻撃がジークに集中する、ジークは、体を刀と一緒に回転させて後ろに引いた。

ガキキン!!

ジークは銃弾をまた一発弾くと剣も弾いた。

敵は手練だった。

「ぐっ!」

いくら攻防を続けても戦いが終わる気がしない、が、

ズバシュッ!

やはり、敵よりはカケルの居合いが上手だ。

カケルは銃を持った一人を斬り殺した。

ジークはと言うと相変わらず(強いのか弱いのか解らず戦い続けている)

カケルは刀を一度鞘に閉まった。

「集中!」

カケルが言って居合い斬りを繰り出した。

体と刀を二回転させて、カケルは残った二人の敵を両断して殺した。

どうやらカケルは自らの義理の祖父、(剣聖カナタ)から剣術を教わっているらしかった。

4ヶ月前 No.5

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

その時だった。
パキュン!
ジークに銃弾が飛んだ。

「な、誰だ!」

銃弾を刀で弾いたジークが叫ぶと、人通りの向こうからローブを被った二人組が現れた。

ジークが言った。

「ロ、ローレンス、ブラウ」

カケルが言う。

「ヒュームガダル…」

ローレンス・ブラウとヒュームガダルがそこに居た。

ヒュームガダルが言う。

「久しいな、魔人ジーク、そして安堂カケル、…我々もあの魔人シウに機械兵士一団を倒されてから、魔物を使うすべを身に付けたのだよ」

ローレンス・ブラウが言う、

「そして私とガダル様の寿命を永久にする魔法もね」

カケルが言う、

「只の人間がか?、精神が崩壊するぞ」

ヒュームガダルが言う。

「そして時は来た、これより、魔物を召喚し、ベレニを制圧する」

異邦街の裏の全てに張り巡らされた召喚の魔方陣、その存在に未だ、ベレニの人間達は気が付いていなかった。

第一話【ベレニの危機】

異邦街のあちらこちらにオーガやらミノタウロス、やらの魔物が出現した。

魔人ジークが叫ぶ、

「くっくそう!、カケル、どうする?」

カケルが言う。

「王に、伝達だ、あの、今の王は、気にくわないが、一応、いい男だ、…こいつらよりは王に加勢するぞ」

4ヶ月前 No.6

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

異邦街はそれは滅茶苦茶な有り様だった。
あちらこちらから現れた魔物達にベレニ人が殺されて行く、

ジークがヒュームガダルに言う。

「お前達、さては機械兵士を造る魔法科学はもう使えないな?、そうだろう?【期間】が過ぎたんだ」

ヒュームガダルはそれを聞くと顔を真っ赤にして怒り、ジークに剣で挑みかかってきた。

ガキィン!

ジークがヒュームガダルの剣を刀で受けながら、更に言う。

「いかに最強の魔法科学と言っても、所詮はベレニや無限界のもの、期間が過ぎてしまえば只の鉄屑は只の鉄屑になってしまったんだろ?」

ヒュームガダルが剣を引いて答える、

「…いかにも、機械兵士の時代は終わった、だが」

ジークとヒュームガダルの剣が更に交差する、

「貴様等ごとき、魔物や、我が剣、魔王様の力で十分よ!」

ガキキン!

激しい剣撃に、地は裂け、天は割れたかのように、見えた。

ジークが言う。

「それなら話は早い!、影の魔王は何処だ!」

ヒュームガダルが言う。

「魔王様なら奥深き深遠の底に居られるよ、貴様なぞには、たどり着けぬだろうがな」

パパパン!!

ローレンス・ブラウの銃弾がジークのこめかみを掠めた。

ローレンスとヒュームガダルが廃屋に逃げ込んだ。

カケルが言う。

「ジーク、転送は使えないみたいだ、数知れない魔物が来る、一旦引くぞ」

ジークがカケルに問う。

「引くって何処までだ!」

カケルが襲い掛かってきたオーガを斬りながら叫んだ。

「ベレニまでだ、…機械兵士が居ないなら、今度は俺達がベレニを守る!」

4ヶ月前 No.7

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

「何?それは本当か!」

ユウム・テロスは騎士団に来た伝令を聞いた。
異邦街から、残数不明の魔物の接近、

グレン団長が叫んだ、「出るぞ、ユウム!」

青い髪で黒目のサムライであるジンも伝令を聞いた。

「兄はでゆうぞ、セレス」

傍らに居たセレスと言う名の少女も、「はい、お兄様」と頷いた。

アウトロー達も、騎士団も、その伝令を聞いた。

戦争だ。

ベレニ中で、剣や鎧の音がしだした。

魔人シウも、普段はなにもしないが此度の戦に参加する事になった。

4ヶ月前 No.8

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

「うわあ、圧巻ですなあ」

魔人ジークとマグマは合戦上の近くの小高い丘の上に居た。

マグマは外見は8歳程の黒髪に黒目の少女だ。

相手が機械兵士でなく、純粋な魔物なら別だ。

敵はベレニを四方から狙うのではなく、一方から、先ずは騎士団や剣士や流れの剣士を淘汰し、一辺に武力でベレニを制圧するつもりらしかった。

さすがは騎士団や正規の騎士だけではなく、流れの剣士や飲んだくれのアウトロー剣士などが、ベレニに味方しているだけの事はある、

普通の戦というだけではない、所々で【必殺剣】や、技がご披露されたり、していた。

だが、敵の魔物は相手が雑魚だと、流石は魔物であるらしく、圧倒的な【力】で押し返してきてもいた。

4ヶ月前 No.9

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

ジンの刀が戦場で鈍く光る、敵は巨大なミノタウロスだ。

一応は鎧や腰巻きをして、兵士の身なりをしている、が、その巨躯のうねりから生み出される斧の一撃を刀で受け吹っ飛んだ今はジンには解った。

(こいつらは今は純然たる兵士のように思えるが、好□(こうしょ□)で乱暴で手に負えない悪魔どもだ)

ジンは怪物達が一個にしてヒュームガダルに従っている、その事実を重く受け止めつつも、刀をミノタウロスにぶつけた。

結果吹っ飛ばされ、野に叩き付けられる、

ジンの、脳裏を一瞬死がよぎる、

「くらえい!」

そしてその場にある男が現れた。

「俺はグレンだあああ!」

グレン団長は【必殺剣】でミノタウロスの腕を少し斬ったが同時に斧の一撃を受け吹っ飛んだ。

4ヶ月前 No.10

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

結局ミノタウロスはジンとグレンには仕留められなかった。

だがまだ終わりではない、ベレニ中から集まった兵、およそ2万、対して敵の軍勢は数知れぬ魔物、

「これ、このまま戦い続けてたら数で負けてやばくねーか?」

魔人ジークがマグマに言った。

「マグマちゃんもそう思うよ、だからカケル君とセフィーさんてば、大将を取りに行ったヨ」

マグマが言った。

つまり、兵士達はベレニを守る、カケルとセフィーはその隙にヒュームガダルを倒し、魔法に精通しているセフィーが魔物召喚の魔方陣を解除する、

と言う事だった。

ジークとマグマは戦場に出ていった。

4ヶ月前 No.11

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

黒いローブに身を包んだ安堂カケルは刀を下げていた。

傍らには同じくローブに身を包んだセフィーが居る、カケルが言う。

「見張りだ」

見張りのオークが異邦街へと続く抜け道を塞いでいた。

セフィーが言う。

「此処を通らないと、異邦街には入れないわ」

カケルがセフィーに言う。

「少し敵に隙を作ってくれ」

黒髪に黒目のセフィーは頷いてオーク三体に水の魔法で攻撃を仕掛けた。

水は空中をまどりくねってオーク達に襲い掛かる、オーク達は斧でそれを防いだ。

刹那、安堂カケルは居合いで二匹のオークを一瞬で絶命させた。

残るは一匹、セフィーに近かったオークはセフィーに襲い掛かった。

「グゲゲゲゲゲッ!」

キイン!

セフィーの水魔法はオーク一体を微塵に切り裂いた。

グロテ□クにバラバラにされたオーク達は二度と動くことはない、

カケルが言う。

「このオーク達なかなか下品だな、…セフィーをなんかやな感じの目で見てたぜ」

セフィーが言う。

「この召喚魔法は、そういう魔物も召喚するみたい、…こう、下等で下劣なね、ただ」

カケルが問う。

「只?」

二人は話しながら異邦街に向けて歩き出した。

「ヒュームガダルはそういう行いが出来ないように、または徹底的にしずらいように、プロテクトをかけているみたい、」

…、

「らしい、な」

カケルが言った。

4ヶ月前 No.12

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

戦場でオーク達が言った。

「そこまでだあ、魔人ジークうぅ!」

刀で襤褸切れみたいになるまで戦い続けていたジークが刀をそのオークに向けた。

オークが言う。

「たしかにぃ!機械兵士はあ、もういないい、かと言って、お前達は勘違いしている、これからの時代は【大魔物時代】いぃ!」

そのオークの鉈とジークの刀が激しく交差する、

オークが言う。

「影の魔王様や、ヒュームガダル様は、いずれ、機械兵士に匹敵する、いや、更に上回るほどの魔物を引き連れるだろう!」

そのオークの片腕をジークが刀でぶった斬った。

そして熟練の兵士が叫んだ。

「来るぞ、プルートだ!」

戦場に召喚魔法が光輝いた。

4ヶ月前 No.13

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

巨躯、と言うのを5倍は上回るだろうか…、

暗く湿り付いた鎧、浅黒く光る剣、プルートは召喚された。

召喚した魔法使いは刀を下げていた。

「魔法族」

召喚士をジークが評した。

プルートは剣と肉体を一回転させた。

3メートルを誇る巨躯のプルートの一撃は、新米兵士三人を易々と斬り殺した。

両断される若い兵士の肉体、ジークが呆気に取られていると、プルートはジークに剣を降り下ろした。

ギャイイン!

マグマはすんでの所でナイフでプルートの一撃を捉えるとジークと一緒に吹っ飛んだ。

マグマが息も絶え絶えになってジークに怒鳴り付ける!

「…ジーク、いくら限り無く不死だと言っても、あんな悪魔の一撃をまともに食らったら、どうなっちゃうか解んないよ!?」

マグマにビンタされてジークはプルートの異常な魔力に気が付いた。

「…く、ぐっ!」

ジークが本気で刀を構えた。

「食らえ!」

炎の魔力を帯びた魔人ジークの一撃は、プルートの鎧の継ぎ目を確かにとらえた。

が、プルートはそのまま、肉体に物凄いパワーを入れ、【硬化】した。

「刀がこれ以上通らない!」

ジークが叫んだ。

グワアアア!

プルートは4回転し、兵士達をまた四人は斬り裂いた。

…いくら交戦しても、プルートの膂力を上回る剣士は居ない、

その時だった。



4ヶ月前 No.14

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

「ワシが相手をしよう」

剣聖カナタはプルートと真っ向から向かい合った。

ギャキキキキィン!!

いったいどれぐらいの早さで剣聖とプルートの戦いが繰り広げられているのか、誰にも解らない、

カナタは、何と誰も敵わなかったプルートと互角の戦いを繰り広げている、

「ふっ、」

とカナタが笑った。

ズシーン!

プルートは両断され、腕も一本切断され、地に臥していた。

カナタが言う。

「さて、立てるかの、ジーク君、マグマちゃん、老いぼれの役目は、」

ベレニの兵士達が言う。

「すげえぜ、じいさん、これからずっと戦ってくれよ」

カナタが軽く首を左右に振った。

「…ワシは只の世捨人じゃ、この戦には出ぬ」

兵士達が言う。

「じゃあなんで戦ったんだよ」

カナタが言う。

「それは、友達を守るためじゃ」

カナタはジークとマグマを抱えるとそう言って転送した。

4ヶ月前 No.15

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

赤い髪に黒い目が特長的な竜族も、余多の剣士達も、この度の戦に参戦し、戦は長引いていた。

カナタが言った。

「さて、ジーク君、マグマちゃん、シウ君、エウリルちゃん、これだけ転送で連れてくるのがやっとじゃったわい」

異邦街の片隅でカナタが四人に話す。

ジークが言う。

「…何故、俺達だけ逃がしたんですか」

カナタが言う。

「…ワシはカケルにもセフィーさんにも、ジン君やセレスさんにも、この場に居て欲しかったが、…奴等自分達に制御不可能な魔物まで召喚しおったのじゃ、いずれ人と人の戦ではなくなるわ!」

言ってカナタは壁に手を付いた。



4ヶ月前 No.16

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

プルートの腕が引っ付き、両断された肉体はダメージのみを残して元通り復元した。

「我はプルート、この世を制覇し支配する悪魔!」

プルートが辺りを見回して言う。

「ち、転送したか、老いぼれ剣士め、あじなまねを!」

ベレニ兵がプルートに怒鳴る、

「世界を支配する?悪魔?訳の解らない事を、言うな!貴様魔界から来たとでも言うのか?」

プルートがその兵士に言う。

「そう、そうよ、我等魔界からこの人の世を支配しようと狙っておったのだ、そしたらあの影の魔王とヒュームガダルが我等と契約しおった、我等あの影の魔王の手にすら余ろうよ!」

その場で戦っていたグレンが叫んだ。

「伝令を出せ!敵は悪魔の軍勢だ、撤退を要求する」

プルートが暴れだした。

「酒をよこせ、全て、全てだ」

プルートの前には只の兵士等はなんの力もなく死んで行く、

グレンが叫んだ。

「野郎共、ここで戦って死んではならぁん!、撤退し、再起を図れ!」

魔物達は段々統率を無くし、好き放題に暴れ始めていた。

その魔物達の足は、ベレニや異邦街、さてはその先にまで向いていた。

4ヶ月前 No.17

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

ベレニや異邦街はパニックだった。
魔物や悪魔達はヒュームガダルの命令を半ば無視し、自分勝手に振る舞い始めた。

酒を浴びるほど飲む者、女性に手を出す者、往来で暴れまわる悪魔、
その全てを無視し、安堂カケルとセフィーはヒュームガダルの元にたどり着いた。

「貴様等、この中をワシの元にたどり着いたか、」

ヒュームガダルが言った。

セフィーが言う。

「あなたを倒して魔物の召喚魔法を解除するわ、」

そしてカケルは刀を抜いた。

ヒュームガダルも剣を抜いた。

「…ベレニの玉座、その正統後継者はワシ、ヒュームガダルじゃ!」

突然何を言うかと思えば実にヒュームガダルはそんな事を言う。

「今の王家はワシの祖先の王族を散々な目に合わせ、不当に作られた物に過ぎぬ」

ヒュームガダルが言い切った。

カケルが言う。

「…まさか、そんな理由で影の魔王と手を組んだのか」

ヒュームガダルが言う。

「魔王様は魔人ジークに力の大半を奪い取られた、…だが魔王様はいずれ更なる力を持ち、君臨なさる、その時はワシがベレニ王となるんじゃ」

カケルは躊躇無しにヒュームガダルに斬り掛かった。

ガイン!

物凄い音がして建物がきしんだ。

ヒュームガダルが言う。

「魔王様は虐待されたあげく、全てを支配する事をお選びになった、ワシはベレニ王の正統後継者、それでよいではないか、もっとも」

カケルが問う、

「もっとも?なんだ」

ヒュームガダルが言う。

「魔王様は魔人ジーク、セフィー、魔人シウを仲間に引き込む事を何故か悲願してらっしゃる、しかしそれは、ワシは違う、それはむしろ魔王様の弱味でな、」

ヒュームガダルが壁に施された魔方陣に手を触れ、オーガが三体召喚された。

「しまった」

セフィーが叫んだ。

身長が3メートルはある、オーガ三体、そしてヒュームガダル、だが敵は数ゆえに油断した。

カケルはその一瞬の隙を見逃さない。

ズバッ!

カケルはオーガ三体とヒュームガダルを刀で斬った。

「ぐはあっ!」

ヒュームガダルが怯んだ。

カケルがヒュームガダルを押さえつけながら、言う。

「早く、じきに魔物達が此処にやってくる!」

カケルがセフィーに叫んだ。

「魔方陣の解除を!」

そしてセフィーが魔方陣の解除に取り掛かった。

しばらくして、セフィーは床に施された大魔方陣から手を離した。

「ダメだわ」

セフィーが言った。

カケルが大声で尋ねる、

「何が駄目なんだ?!」

セフィーが説明する、

「この魔方陣はね、極大で、影の魔王が関わっているの、完全な解除は不可能だわ、ただし、聖印を施しておいたから魔物達の勢いは弱まるはずよ」

魔物達が迫る足音が二人に聞こえ始めた。

「ベレニに帰りましょう」

セフィーが言った。

安堂カケルはヒュームガダルを殺す気も無くし、蹴っ飛ばし言う。

「そんなな、カビの生えた王位継承なんざ、じゃなくてよ、なんか皆が幸せに成れるように考えらんねえのかよ!」

ヒュームガダルが言う。

「な、あ、安堂カケルう!、ぐはあっ!」

その場に倒れたヒュームガダルを放置してカケルとセフィーはその場から撤退した。


4ヶ月前 No.18

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

魔人ジークはベレニで目を覚ました。

あれから、今回召喚された制御仕切れない魔物はプルートだけだと言う事になっていた。

ベレニの首都の回りには柵が張り巡らされ、兵士達が寝ずの番をする、魔物の大軍勢はベレニの首都だけには近寄れないのだ。

大合戦によるベレニ側の死傷者は千人を越えていた。

大合戦その物はセフィーの働きでおさまった物の、人々は常に魔物の影に怯えていた。

「無事で良かったですよ、皆」

ジークの傍らでフィーンが言った。

フィーンは金髪で青い目の線の細い少年だ。

「しかし、兵士達が…」

ジークが無理矢理体に力を入れようとするのをフィーンが押さえる、

「ジークさん、戦い通しで昨日は深いダメージを負ったんですから、無理しないでください、そんな事より、ご飯にしましょう」

フィーンが配給品の箱を明ける、しかし中には何も入っていない、

ジークが言う。

「めし、か魔法で出すか?」

「それもジークさんなら出来るんでしょうけど、魔法で出したんじゃ味気無いですよ」

「しかたない」

ジークが立った。

「市場に行こう、金ならまだ幾らかある」

ジークが言った。

市場は人で賑わっていた。

「豆と粉ミルク、それから干し肉と芋をくれ」

ジークとフィーンは買い、袋に入れた。

部屋でフィーンがそれをシチューにする、胡椒や香辛料はまだあった。

ドアを開けてセフィーが入ってきた。

「この匂いはシチューね」

セフィーは言うと調理を手伝い始めた。

ジークが言う。

「この戦争も長いな」

セフィーが大合戦に終止符を打ってから2ヶ月が経っていた。

セフィーがジークに聞く、

「そう言えばジーク、前に影の魔王の力の大半を奪い取ったじゃない、その力は?」

ジークが言う。

「ああ、あれ、何か俺に合わなくてエネルギーみたいのになってどっか行っちゃった」

セフィーが頷いた。

「成る程、…影の魔王はそのエネルギーを代償に今回の大召喚術を引き起こしたのかもしれないわね」

シチューが食卓に並んだ。

フィーンが二人に尋ねる、

「そう言えばセフィーさんとジークさんは、コレ、なんですか?」

ジークがシチューを吹き出しそうになって言う。

「は、はあ!?」

セフィーがフィーンを咎める、

「…コレってなあに?」

フィーンが真面目になって尋ねる、

「付き合ってるんですかね」

セフィーが言う。

「そんなことはないわ」

フィーンが言う。

「でも、そんなときもありましたよねえジークさん?」

ジークが言う。

「ないない、セフィーがそんなの許すわけないって」

フィーンが言う。

「赦してくれたらどうなんですか?」

ジークが言う。

「だから赦してくれる訳がねえって」





4ヶ月前 No.19

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

シチューを食べ終えたジークが外に出るとローブを纏った人影が一人近付いてきた。

近づいてくるに至ってその人物が誰なのかがはっきりした。

「か、影の魔王!」

ジークが叫んで怒りでエネルギーの塊に成り、覚醒した。

「今度こそ止めを指す!」

そしてジークは炎の化身となり、影の魔王に燃え盛る炎の刀で斬り掛かった。

「効かぬな」

影の魔王が言った。

「力を手に入れたのだよ、私は、前より強い力を、」

そしてエネルギーの刀の一撃でジークをのした。

ジークは突然の事に物質化し、微動だにせず、動かない、

セフィーとフィーンが表に出てきた。

セフィーが叫んだ。

「ジーク!」

影の魔王が言う。

「よくも、我が力を奪い取ったなあ!」

そして影の魔王は刀をジークに突き刺した、かのように見えた、しかし、それは間違いだった。

セフィーがジークを庇っていた。

セフィーから突き出た刀はジークの心臓を擦っていた。

ジークが言った。

「セ、セフィー!?な、何故、ぐ…」

影の魔王が言う。

「不死、不死の身ゆえこのくらいでは死なぬか、…何故庇う」

影の魔王が刀を二人から抜いて言う。

「何故、何故だ、」

深手を負ったジークとセフィーは不死の身の為死ぬ事はない、ただし…、

影の魔王が言う。

「次元の裂け目が開いたわ、そのくらいの、ダメージには成ったな、」

ジークとセフィーは次元の裂け目に飲み込まれ、その場から姿を消失させた。

フィーンが言う。

「か、影の魔王、セフィーさんとジークさんをどこにやった」

影の魔王は何も言わず転送して消えたのだった。



4ヶ月前 No.20

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

第二話【ゾンビ】

「ぐ…くう…、」

「しっかりして、死んではいけません」

ジークが目を覚ますとそこは見た事もない小屋の中だった。

胸の傷はジークの驚異的な生命力で勝手に治癒しつつあった。

「目を覚まさされましたか」

13歳程の少女が傍らに居た。

「君は?、ぐっくう!セ、セフィー」

少女が言う。

「私はルテナ、あなたの名前は…」

ジークが名乗る、

「お、俺はジークだ」

ルテナは13歳の白髪に黒目の少女だ。

ジークはルテナに一部始終を話した。

ルテナが言う。

「それで、ベレニと言うところからこのライアスに?…ジークさん、森の中で倒れていたんですよ?」

ジークが呻いた。

すると、小屋の戸を外からギシガシやる音が聞こえた。

ルテナが目を塞ぎ耳を塞いだ。

「ゾンビです…」

ジークが呻いた。

「え?」

ルテナが言う。

「此処はライアス、三年前突然のゾンビ化した魔物の出現により、文明が崩壊した世界です」

「え、ええー!」

ジークが呻いた。

ジークが言う。

「知らない名前だ、セフィーやシウとはもう会えないかもしれないな」

ルテナが言う。

「二人分の食糧を探しに行かなくては…」

ジークが言う。

「おっと、その心配は要らないぜ」

4ヶ月前 No.21

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

ジークは魔法で飯を二人分出した。

ところに似合わずご飯と味噌汁だ。

ルテナは何日も食べていなかったらしくがっついた。

「ジークさんて魔法が使えるんだ、私魔法使いさんなんて始めてです」

ジークが微笑んでいた。

ジークが訊ねた。

「この世界って人間は君だけ?」

ルテナが答える、

「いいえ、…聞いた話ではレジスタンスが有る、らしいですけど、」

ジークが言う。

「じゃあそこまで行かないとな」

ルテナが言う。

「そうですね」

二人は食事を終えると小屋の外に出た。

ジークの魔法では食事は、本当に腹が減った時しか出せない、それに、ルテナを放っておく訳にはいかず、レジスタンスを二人は探すことにした。

ジークの刀は腰に刺さっている、

ルテナが言う。

「ゾンビに噛まれた人はゾンビになってしまいます、こう、生れつき抗体が無ければ、私は抗体が有って、ゾンビには成りませんでした、でも私の家族は…」

ジークがルテナの頭を撫でた。

「大丈夫だ、必ずレジスタンスに連れて行ってやる」



4ヶ月前 No.22

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

影の魔王は魔人ジークに攻撃された事を【何のダメージも無い】と思っていた。

だが闇の扉が開いた。

魔人ジークが影の魔王を圧倒的な力で攻撃し、魔女セフィーが魔人ジークを庇った事で、
影の魔王もまた【闇】に飲み込まれ、時空間の渦に飲み込まれたのだった。

4ヶ月前 No.23

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「それで、レジスタンスって何処に有るの?」

道すがらジークはルテナに訊ねた。

「此処から、南西の方角のリニユと言う町です、半年ほど前にラジオで流れてました」

ルテナが言った。

ジークは川で魚を捕まえて干物にしていた。

それをジークは焼こうと思い、焚き火を起こそうとした。

…居る、十体程のゾンビだろうか…、

ジークが、刀をもってゾンビ達の前に飛び出した。

ルテナが叫ぶ、

「ジークさん、ダメ!銃もないのに、【只】の刀では」

ズバッ!

一体斬った。

ジークが言う。

「ふぅん、只の人間よりは強度が高いわけだ」

ルテナが叫ぶ、

「何を落ち着き払って、」

ジークが更に三体を斬ると、ゾンビ達は一斉にジークに向かってきた。

ズバッ、ズシュ!

ジークは竜族の剣で更に5体に止めを指していた。

ルテナが言う。

「つ、強すぎる」

ジークが言う。

「こんなもんかな」

ルテナが言う。

「魔法の殆んど使えない世界で火の魔法を使い、刀でゾンビを斬るなんて…」

4ヶ月前 No.24

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ジークが焚き火を起こし魚を三匹焼いてルテナと食べた。

「つっても俺、ライアスに来る前は殆んど野宿しっぱなしだったからなあ、」

ジークが言い、ルテナが言う。

「そう、だったんですか、あの、わ、私の、家族はゾンビの魔物に殺されて」

そう言ってルテナは泣いた。

ジークが言う。

「…ま、魔物くらい、この俺がいくらでも倒してやるよ」

ルテナがジークに泣き付いた。

まあそこそこまではジークも刀を使う、いくらゾンビが来ても、只のゾンビでは相手に成らないだろう。

事実、そうだった。

旅に旅に旅を続け、食糧が無くなった時は山鳥をジークが炎で倒して、食べたりした。

そうして野宿している時に、ふと、空間が歪んだ。

空間の裂け目から女が出てきた。

「セ、セフィー?」

ジークが叫んでいた。

4ヶ月前 No.25

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セフィーとジークが離ればなれになってから1ヶ月近い、再びの出逢いだ。

セフィーが言う。

「探したわ、ジーク、あなたのお目付け役のふっかつよ、」

セフィーが言う。

「それで、此処は何処?」

ジークが事の次第をセフィーに話した。

「そう、ゾンビに汚染されし世界ライアスね」

セフィーが言ってジークがセフィーに尋ねる、

「…ベレニへの転送は?」

セフィーが言う。

「無理でしょうね」

セフィーが言う。

「とりあえず探しましょう、そのレジスタンスとやらをね」

4ヶ月前 No.26

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夜中にジークが気が付いた。
居る、100体程のゾンビだ。
流石に100体相手にしている場合ではない、

「なあセフィー、ゾンビだ、100体は居るぜ」

ジークが言うとセフィーはうたたねをしていた。
セフィーはルテナを起こした。

敵数100体、追ってきているようだった。

飛び出してきた一体をジークが切り伏せた。

「まだまだ来るぜ、大漁だ、逃げろ!」

ジークが言うと3人は焚き火を消し、逃げ出した。

ルテナが蹴躓いた。

ジークが言う。

「やるしかないか」

ジークが刀を持った。

ルテナは足を挫いているようだった。

セフィーも魔法の杖を構える、

飛び出してきたゾンビをジークが斬ったその時だった。

バシュ、バシュ!

弓矢がゾンビ達目掛けて降り注いでいた。

「大丈夫か、」「俺達はレジスタンスだ!」

レジスタンスとの合流だった。

レジスタンスは子供達から大人まで100人は居るようだった。

大人は弓矢や銃で武装していた。

するとゾンビ達の中から一際巨躯の魔物が飛び出してきた。

レジスタンスの人間が言った。

「ひええ、アイツには銃が殆んど効かねえんだ!」

ジークとセフィーはその巨躯の魔物に向かって刀と杖を構えた。

3ヶ月前 No.27

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ジークは刀でその巨躯の魔物を斬ろうとした、が刀とその魔物の持っていた剣が当たった瞬間、物凄い音がしてジークは吹っ飛ばされ、木の幹に叩き付けられた。

「ジーク!」

セフィーが叫び、水魔法を展開した。

鉄でも一瞬で切り裂く筈の水魔法はその魔物の闇の魔力で闇に変えられ、無力化された。

「そんな」

セフィーが言い、

「だからホラー系の魔物はたちが悪いんだよ」

ジークが言いながら刀でもう一度その魔物に突撃する、刀は【滅びの炎】を纏っていた。

ガキキン!

物凄い音がして、ジークとその魔物は切り結んでいる、

レジスタンスの人がその隙にルテナを馬に乗せた。

レジスタンスの人がジークとセフィーに言う。

「君達も早く逃げるんだ!」

だが馬はもう、空いていないようだった。

ジークがレジスタンスの人に言った。

「君達とルテナだけでも逃げてくれ」

レジスタンスの人が言う。

「解った」

そしてジークとセフィーが取り残された。

3ヶ月前 No.28

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

「セフィー、退路を、」

「無理な事ね」

「冗談だろ?」

ジークはもはや限界だったがジークの滅びの炎は覚醒を見せた。

「うあああ」

ジークが叫び、彼の髪は逆立ち、刀は魔力を帯びて3倍の長さに成っていた。

「くらえええ!」

ジークが竜族の剣術で戦い始めた。

辺りを目映い閃光が包んだ瞬間、その巨躯の魔物は姿を消していた。

「はあ、はあ、勝ったのか?」

ジークが言ってセフィーが水魔法を展開しながら言う。

「まだよ」

その瞬間セフィーの水魔法は残った敵を切り裂いていた。

3ヶ月前 No.29

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翌朝ジーク達が谷の上に登って見ると、遠くにゴーストタウンが見えたので行ってみる事にした。

セフィーとジークは旅慣れていると言っても、こういう光景は初めてだろう。

あたりは延々ビルが建ち並ぶ町なのにゴーストタウンで、人は一人も居ないのだ。

「どうする?セフィー、レジスタンスに合流してみるか?」

ジークが言ってセフィーが答える。

「私は遠慮しておくわ、ルテナを送り届けたのだし、それでいいじゃない」

ジークが頷いた。

ジークの案で町に住むことにした。

セフィーの見立てによると次の転送が出来るまであと100日だった。

「あと100日、このライアスで生き延びなきゃいけないのかあ」

ジークが言った。

ジークは人が誰も居なくなった一軒家を改築して、住めるように直した。

3ヶ月前 No.30

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

第3話【追憶】

「なあ、セフィー、このライアスがゾンビだらけに成った理由って何だと思う?」

突然ジークがセフィーに切り出した。

「また影の魔王が関わってるのかなあ」

ジークが言った。

セフィーが言う。

「どうしてそう思うの?」

ジークが顔を青くして言う。

「感だけど、最初に此処に来た時思ったんだ」

セフィーが言う。

「本当にそうだったらどうする?」

ジークが顔に疑念を浮かべた。

「影の魔王、あ〜、クロムが召喚で使う魔物を作る工場だった、このライアスは、何か【無限の世界を手に入れる】とか言っていたし…」

セフィーが言う。

「あり得ない事じゃないけど、どうしてそう思うの?」

ジークが推理する、

「あの、昨日戦った巨躯の黒い魔物、力は弱かったけど、プルートって奴とそっくりだったんだ、ホラー系の魔物だったけど」

…、

セフィーが言う。

「本当にそうなら、調査する旅に出る必要が有るわ、あなたの目付役としても、私個人としてもね只、ジーク、あなたの体力が回復したらね…、それまではこの家に居ましょう」

そして夕飯は猪の焼いた肉だった。

3ヶ月前 No.31

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

そして10日経つとジークもセフィーも影の魔王によってもたらされていた傷が完治した。

「暇ね、探しに行きましょう」

「え?何を?」

セフィーが言う。

「この世界がこうなった理由よ」

そうしてセフィーが魔法を使ってジークとセフィーは転送した。

ある研究所の倉庫にそのビデオテープが有った。

そこに転送したジークとセフィーがビデオテープを流してみると、そこには記録されていた。

「あの魔導士が人間や生き物の設計図を書き換えたんだ!」

ビデオテープに写った人間がそう言った。

「魔法でか?そんなこと出来ないはずだ!」

「アイツには出来た、あの、影の魔王には、そして、世界は滅びる」

その後はゾンビ化した被験者の実験映像等が写し出されていた。

セフィーが言う。

「まあ…、ジークの言った事が本当だったわ」

ジークが言う。

「…影の魔王の存在を感じるんだ」

セフィーが言う。

「私もよ、この世界に…多数の魔物を従えているわ」

つまりジークによって物凄いエネルギーを受けた影の魔王もまたこの世界に時空間を越え、飛ばされてきていた。

3ヶ月前 No.32

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ジークが言う。

「んでも影の魔王が居たとしてもさ、多数の魔物を従えてるんじゃ手の出しようが無いよなあ…」

…、

セフィーが言う。

「土台、クロムを倒すのは無理があるわ」

今までは影の魔王自らジーク達の前に姿を見せていたに過ぎない、多数の魔物や魔法族の兵士を全て倒して、影の魔王の所に行き、更に倒すのは、ジークとセフィーには無理に思えた。

「全くいつまでこんな事が続くのかねえ」

ジークがごねた。

3ヶ月前 No.33

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魔法族達は影の魔王に従っていた。

「ライアス、そうか、思い出したぞ、此処があのライアスだ」

影の魔王が言った。

影の魔王はジークに負わされたダメージが未だ癒えないようで、杖を付いていた。

「手始めにライアスのレジスタンスを皆殺しにし、気配を感じる魔人ジークとセフィーも倒せ」

部下が言う。

「魔人ジークとセフィーも、殺しても宜しいので?」

影の魔王が言う。

「どの道奴等は死なぬ身、構わぬ」

3ヶ月前 No.34

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ルテナは恐怖心に駆られた。
数得体の知れない敵の接近をレジスタンスが感じたからだ。

レジスタンスはおおよそ100人、敵は数知れない魔物や魔法族の兵士達だった。

そしてレジスタンスにジークとセフィーが転送してきた。

ジークが言う。

「この地面の震え、気配、こりゃあやべえぜ」

「ジーク君!」

ルテナがジークに泣き付いた。

ジークが言う。

「ルテナ、君を守るって言ったからな、死ぬ気で戦うぜ」

その時だった。

時空間が歪み、一人の大男が現れた。

魔人シウ…、だった。

「全く、この世界に居たか」

シウがジークとセフィーに言った。

3ヶ月前 No.35

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「シウ…さん、あなたまで死ぬこと無いわ、…元の世界に戻って」

ルテナが泣きながら言った。

だがシウは言った。

「此処に来る代償にもう俺は戻れない…だが俺は見つけた、過去と見紛う力を身に付ける方法をな、セフィー、この魔道を俺に施してくれ」

シウがセフィーに見せたのは、【人間を魔物化する魔道】だった。

セフィーが言う。

「…適性したの?そう、でも魔物になっても自我を保つのよ?」

そしてセフィーは魔道を使った。

シウの半身がみるみる代わり、オークのような魔物の半身に成った。
特筆すべきはその手と足の大きさと形だ。
人間を雀とするとまるで鷲だった。

そしてレジスタンスに魔物達がやってきた。

3ヶ月前 No.36

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

シウが魔物達に突撃する、シウの剣に触れただけで雑魚ならバラバラの肉の塊に成った。

ジークが言う。

「す、すげえ!」

セフィーが言う。

「…この魔道はね、前の半身機械化が有ったから適性したの、そしてそれ以上にシウがシウである事にね」

ジークが突貫してゾンビ三体を斬った。

ミノタウロスの姿をした魔物が言う。

「ぐっ、くう、しかし愚かめ、三人で無限に戦い続ける事はできまい」

更にセフィーの攻撃を受けて30匹のゾンビが死んだ。

3ヶ月前 No.37

魔人ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

「お願い、ジーク、シウ、30分だけ時間を頂戴!30分有ればレジスタンスの皆を連れてこのライアスの遠くて見つかりにくい所に転送できるわ」

セフィーが言った。

だがシウの目前にあの巨躯の魔物が現れた。

シウが言う。

「本気で行く!」

そして、シウは魔物の半身で跳躍し、大木を踏み台にして巨躯の魔物に突っ込んだ。

ギャッキイン!

巨躯の魔物は100メートル程吹っ飛ぶと、木に激突して気絶した。


3ヶ月前 No.38

ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

そしてジークとシウは見事に30分持ちこたえ、レジスタンスは影の魔王にも見つからないライアスの地のはてまで転送した。

青い空に白い雲、ジークがセフィーとシウに言った。

「俺達いつかベレニにもどれるのかなあ」

3ヶ月前 No.39
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