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狭くて広い世界

 ( 小説投稿城 )
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RADE @mikazuki39 ★iPod=C3LVQPCUHx

「っしゃあああ!!!ナイスコー!!!」



轟いたのは、ある少女の声。


コンコンカコン、軽快に響く、台とラケットに打ち付けるボールの音。


その一つ一つが、実に心地良く、かつ繊細に音を撒き散らしている。



興南中学校の卓球部。



去年の全国大会では、準優勝。
そして、新人戦、中体連とベスト8を共に叩き出している。



かつて無名だった興南中学校。
その中学校が、どのようにして全国まで駒を進めるほどの力がついたのか。




その道のりは、想像を絶するほどのストーリーだった。






******



完全なる趣味で書き始めました。

観覧とかは全く無視しますので、更新が亀以下です。


この物語に登場する、団体名、個人名などは実際の人物と全く関係がない空想人物です。



荒らしなどはお断りしております。




RADE

切替: メイン記事(4) サブ記事 (1) ページ: 1


 
 

RADE @mikazuki39 ★iPod=C3LVQPCUHx

「もーちゃん、部活何入るー?」



この度、私たちは六年生は、晴れて中学生になりました。



そして、今日が入学式が終わった三日後。


隣の席の角江 亜依(かくえ あい)が話しかけてきた。


おっと失礼、私は水無月 榎若(みなづき もか)と言います。
一年四組、出席番号三十番。
好きな言葉は「やるだけとことん」
最近ハマってるものはアニメと漫画です。




「ねぇーえ、もーちゃん聞いてるの?」


亜依は、小学校からの馴染み。
普段はちょっぴり大人しいけど、キレたらめちゃ怖い。


「ん、聞いてる聞いてる。部活でしょ?
何入ろうかなぁ…、あ、一番いい成績出してるって噂の吹奏楽部入ろうかな?」


「だよねだよね!?もーちゃんも思うよねー」


「亜依、吹部?」


「一応、ね。
でも今日部活動紹介あるから、それ見て考える」


「あぁそうか。今日部活動紹介か」



興南中学校では、入学式の三日後に、各部活が新入生が入ってくれるようアピールする集会があるのだ。

3ヶ月前 No.1

RADE @mikazuki39 ★iPod=C3LVQPCUHx

視線を机からまどに傾けると、グラウンドで走っている生徒のすがたが見えた。


「すごいよねぇ…、よく走れるねぇ…。
私だったらすぐバテちゃうよ」

私と同じ方向を向いた亜依が言った。


私は、首を縦に振りながら、「だったらああいう部活入ったらいーじゃーん」と亜依をからかった。


亜依は渋い顔をして、勢いよく顔を振った。


私たちは二人は、運動という運動をあまりしておらず、運動してる?と聞かれれば、「体育の時しています」と答えるレベル。


そんな低レベルの私達。
ケラケラと笑いあっていたら、予鈴が鳴り、亜依は自分の席へと戻っていった。


まぁ、隣の席なのだが。




しばらくクラスが騒がしい空気を保っていると、がたんと音がして先生が入ってくる。


周囲から、「おはよーございまーす」という気の抜けた挨拶が宙を俟った。


「はいはい、挨拶するならちゃんとせんね」

方言が混ざった先生、もとい私達の担任は、瀬戸口 然太(せとぐち ぜんた)先生。


がっしりとした体格なのに、低身長というややデメリットが目立つ先生だった。

ちなみに、第一印象は老けてる、だった。



「ダラダラ返事せんと。もっとシャキッと」


笑い声と一緒に、はーいとまたまたふにゃけた返事が返ってくる。

そこをまた先生が面白く指摘すると、またどっと笑い声が上がる。


そんな平和なクラスだった。

3ヶ月前 No.2

RADE @mikazuki39 ★1jLYn4HBxH_LJo

私たちのクラスは、朝に自習があり、今日は読書の時間だった。



早速本を読もうと机の中を探るも、持ってくるはずの本を忘れていることに気づく。
一瞬焦ったが、冷静を取り戻し、前の席の友人に本を借りることにした。




前にいる少し小柄な彼の背中を突付き、小声で貸して、と頼む。


「あ、うん」という返事と一緒に視界に映ったのは、「卓球の全て」という参考書らしき本だった。

これが読書に優れているのかどうか定かではないが、折角貸してくれたのだ。読んでやろう。と上から目線の思考で勝手に納得すると、参考書を開いた。


ちなみに、前の席の彼は、杉田 歩(すぎた あゆむ)。
幼稚園の頃からの友達で、私は勝手だが親友と思っている。


ペラペラと捲り、ざっと目を通す。


へぇ、卓球ってこんななんだ。そういえばここの学校も卓球部あったなぁ・・・・。
そんなこんな思ってたら、あるページに辿り着いた。

そのページの写真に目を奪われた。



スマッシュのお手本として、スマッシュを打って決めている少女の写真だった。




なんだか、懐かしく不思議な気分になった。



どこかで見た事ある。
どこかで会ったことある。


そんなむず痒い感触に駆られる。



イライラしていたら、あっという間に朝読書の時間は終わってしまった。


「ねぇ歩、これっていつ買った?」


「あぁ、これ?」


歩は、手元にある本から視線を外さず答えた。


「これ、お爺ちゃんの家にあった。何年か前に買ったってお婆ちゃんが」


「ふーん・・・・・」



会話が途切れる。
手に持っている本をそっととって、さっきのページを開く。


ポニーテールの少女が、大きく振りかぶって、ボールにラケットを打ち付けている瞬間だった。
表情は、とても明るく、見ているだけでも少し元気を貰えそうな感覚に錯覚する。


「その人、知ってるの?」


突如、歩が顔をこちらに向けてきて、問いかけられた。

「えっ、うわっ!?
ちょっ歩びっくりしたぁ・・・・」


「知ってるの?」

再度尋ねてくる歩。
ちょっとしつこくて、ムッとくるも、どうしてそんなに気になるのだろうかと疑問に持ちながら答えた。


「別に。ただ単に綺麗な人だなぁって思って」

「へぇ・・・・。その人ってね、全国大会まで進んだ超凄い人なんだよ。
元日本代表」

「そうなんだ・・・!すごいね!
って、元って・・・・?」

「うん。もう卓球界から姿を消したんだ。事実上引退ってなわけだね」

「そうなんだ・・・・」


納得しても、まだモヤモヤは消えていなかった。

卓球と私。これが、1番最初の出会いだった。

3ヶ月前 No.3

RADE @mikazuki39 ★1jLYn4HBxH_LJo

「気をつけぇーーっ、れぇーいい!!」

「ねあいしあーーっす!!」


ぶっちゃけ、何言ってるのか分からないくらい元気がいいサッカー部。

最後から2番目の部活紹介。


「オラオラオラァ!!お前らぁぁ!!」


3列に並んでいる部員。
前には、部長と副部長らしき人物が立っていて、そのうちの1人が大声を張り上げた。


「うるさ」


隣の亜依がポツリと悪口を溢し、それに思わずツボる私。

周りの反応などもろともせず、部長さんが叫ぶ。


「お前らぁぁ!!
今日は一段とヤル気ねぇなあ!!

何かあったのかぁ!?言ってみろ田中ァァ!!」

「彼女にフラれました」


部長さんの威圧に押されながら、小さな声で田中先輩が答える。


「関係なァァァァい!!!」


奇声を発しながら、田中先輩を殴る。

って殴ったら駄目じゃ!?


否、殴ったフリをして、田中さんはわざと倒れてる。よかった。


「お前もヤル気ねぇなぁ!?斉藤!!!」


「お金を落としました」


「関係なァァァァい!!!」



またまた殴るフリをすると、斉藤先輩が倒れた。


「いいかァお前らぁ!!サッカーはなぁ・・・・・・、どんなことがあろうと○×□△#%!!!」


何を言っているのかさっぱり分からない。
爆発的に爆笑が起こる。


亜依は、ガチで引いていた。
こういうの苦手らしい。


「分かったか天野ぉ!!?」


「全然分かりません」


「関係なァァァァい!!!」


もう何がなんだか分からない状況に陥る。
すると、颯爽と前にいた副部長さんがマイクを握った。

なんだなんだとざわざわし始める。


「えー、今部長さんが言った通り、サッカー部はどんなことがあろうと士気を落とさず、元気いっぱい頑張る、という目標の元、日々頑張っています」


いやそんな長くなかったって!!
そんな説明で、またまたどっと笑いが起こる。

「ですよね、部長」


「俺部長じゃねえし!!」


またまたまた爆笑。


「はいっ、気をつけっれーっ!!」

『お待ちしております』


「サッカー部ーーーっ、退場!!」


わーーーという声と共に、サッカー部が退場した。
生徒達は興奮で盛り上がり、騒がしくなった。
亜依は疲れてた。

「サッカー部の皆さん、ありがとうございました」


苦笑交じりの執行部の司会の声が聞こえた。


「続いては、卓球部の皆さんです。
お願いします」


「!!」



最後の部活動紹介は、卓球部らしかった。
思わず拳に力が入る。

「卓球部ーーっ、きりーつ!」

『ハイ!』


登場した卓球部、部員は・・・・・12名!?

剣道部より少なくない!?


「私たち卓球部は、瀬戸口先生、木山先生のご指導の下、男子8名、女子4名、計12名で活動しています」


「少ないね・・・・卓球部」


「剣道部は20人ちょっとだったっけ」


亜依と会話を交え、横目で紹介を見る。
ふと歩を見てみると、いつもの無気力な目ではなく、瞳の奥に何かが燃えている気がした。


「・・・・・・」


「では、今から卓球の技を披露します」


さっきまで高まっていたわいわいムードも、今はしんとしている。
そんな中、2人の男子部員がテキパキと卓球台を広げ、ネットを張ったりとセッティングしていた。

「まずはラリーです。これは、1番基本的な技術です」


カコンカコンカコンカコン

乾いた音が、しんとした体育館に響く。
しかも結構続いていた。1回も失敗せずに。

永遠に続くこの時間。まるで、動画をリピートしているかもように。

「続きまして、スマッシュとドライヴです」


「あ!!」


スマッシュと言われたら、あの写真が脳裏に浮かぶ。
ポニーテールのあの少女。

カコン!!

私を現実に引き戻してくれるきっかけの音が上がる。
ボールは天井高くまで持ち上がり、台のすれすれのところまで落ち、跳ね返った。
再び美しい曲線を描きながら急降下。

そのチャンスを見逃さず、ボールが落ちた側の部員が、飛び上がった。


カコンッ!!!


俗に言う、「エア・K」である。


それを、綺麗なフォームで打ったのだ。

3ヶ月前 No.4
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