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嗚呼、平穏は遥か彼方の陽炎也

 ( 小説投稿城 )
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すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

糸遊村、と聞いてピンとくる人間はきっと多くはないだろう。

その村は日本のとある山間部の麓に位置する、特にこれといった特徴も名産品も観光地もない閑静な村であった。田舎のおばあちゃん家、と言われて万民が思い浮かべるような、田んぼと畑に囲まれたのどかで緑に囲まれた季節の移り変わりを肌で感じて楽しむことのできる━━━━一言で言ってしまえば田舎の、小さな小さな何の変哲もない農村。その村で暮らしたことのない人間ならばそんな風に感じるのであろう。それが悪いことだという訳ではないし、それに抗議するつもりもない。むしろそう考えていてくれた方が“彼ら”にとっては好都合なのである。


何故なら糸遊村を訪れる者は日常を非日常たらしめる存在でしかないからだ。


例を挙げれば魔法使い、超能力者、人外、妖怪、幽霊、呪術者、武人、精霊、果てには神やその血を引く人間等々。これ以上にも非日常を招く客人は数知れず糸遊村へと足を踏み入れる。村人以外誰も知るはずもない熾烈にして壮大、一般人からしてみれば割りとどうでもいい戦いを繰り広げ、下手したら世界そのものをぶっ飛ばす勢いで殴り合い、家族間のゴタゴタや兄弟喧嘩も朝飯前。とにもかくにも糸遊村は毎度毎度ジャンルの違う危機に陥りながら、それでもそれを日常として受け取っている。そう、日常として受け止めることが当たり前と化しているのだ。彼らからしてみれば非日常すら淘汰できなければ生きていくことなどできないのだろう。全くもって人間というのは逞しい生き物だ。


「━━━━なんて、妥協できる訳ないでしょうがッ!!!」


幸か不幸か、非日常を日常としてしまう世界に足を踏み入れてしまった一般人は今日も今日とて理不尽な日常に抵抗の叫びを上げる。たとえ命の危機に陥ろうと、何かしらの争いに巻き込まれてしまったとしても、一般人は一般人なりにそれらを乗り越え、安穏たる生活を手に入れようともがくのだ。



そう、全ては平穏なる日常のために。


7日前 No.0
メモ2018/04/17 23:28 : すずり☆uVgy9R1pZdc @suzuri0213★Android-ti0IvmfI1e

閲覧ありがとうございます。小説の執筆は久しぶりですので拙い部分も多々あるかと思われますが少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

いいねを押してくださりありがとうございます……!これからも精進して行きます……!


【第一章:一般人という名のイレギュラー】:>>1

ページ: 1


 
 

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

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6日前 No.1

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6日前 No.2

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5日前 No.3

すずり @suzuri0213☆uVgy9R1pZdc ★Android=ti0IvmfI1e

重箱は三段構成になっており、一段目には和食、二段目には洋食、三段目には中華料理が所狭しと詰め込まれていた。もうひとつの重箱にはおにぎりや肉まん、パスタといった炭水化物が入っている。というか重箱に肉まんを入れて潰れないのかという問題が生じる訳だが、不思議なことに肉まんは綺麗な形を保っていた。疑問は拭いきれなかったが、気にしていても仕方がないので日華はとりあえず食事にありつくことにした。隣では白夜が両手におにぎりと肉まんを持ちながらもぐもぐと口を動かしている。細身な割りに食欲は旺盛なようで、先程からその手が止まることはない。

「日華ちゃんもどんどん食べてね。遠慮してたら白夜君が全部食べちゃうから」
「ほへはひゃんとひっかのふんもほほひへほふ」
「はいはい、わかったからまずは飲み込んでね」

口をもごもごさせたまま抗議する白夜を諌める花怜はさながら彼の母親のようだ。見た目だけなら幼い少女である花怜だが、実は見た目よりも年上なのかもしれない。日華も年の割りに小柄な方だが、花怜はそんな日華よりもさらに小さい。ランドセルを背負っていても違和感が休暇を出しそうだ。
そこまで大食いな訳ではないので控えめにおにぎりを頬張っていた日華だが、これが驚くほど美味い。初めは遠慮してゆっくり食べようとしていたが、自然と手が伸びてしまう。これらは全て花怜が作ったのだろうか。だとしたら相当な料理の腕前ではないのか。おかずにも手を出し始めた日華を見てか、すすすと白夜が静かに近づいてきた。

「美味いだろう、花怜の料理は」
「はい、とっても。こんなにもてなしていただけるなんて思っていませんでした」
「……本当は、俺も何か作ろうと考えていたのだが……情けないことに、料理の類いは不得手でな。もてなしらしいもてなしが出来ず申し訳ない」
「そ、そんな!白夜さんが謝ることではありませんし、お手伝いしていただいただけでも本当に助かりましたから……!」

しゅんと分かりやすくテンションを落とした様子の白夜に、日華は慌ててぶんぶんと顔の前で手を振りながらそんなことはないと全力で表現した。「嗚呼、だから前掛けを着けていたのか……」という三郎の呟きが聞こえてきたが気にしないことにしよう。初対面で何この服装……と考えてしまったことを思い出してそこはかとなく罪悪感に襲われてしまう。

「もー、白夜君ったらいつものことだけどいちいち深く考えすぎよ!日華ちゃんは全然気にしてないんだから、白夜君も気にしなくて良いのに。人には得意不得意があるんだから、それぞれで補っていけば良いじゃない!」

場の雰囲気を察したのか、ばっしばっしと白夜の背中を叩きながら花怜がフォローを入れてくれた。白夜は「そうだろうか……」と若干腑に落ちないようだったが、花怜の半ば力任せな説得が功を成したのかそれ以上は何も言わなくなった。

「ふむ、仲が良いのは悪いことではないがね……日華君、ひとつ質問をしても良いかね?」
「……?はい、構いませんが……」
「ありがとう。では日華君、君はこの村を訪れてから私たち以外の村人には会ったかな?」

明るい空気だった茶の間が、三郎の問いを機にしん、と怖いくらいに静まり返った。一瞬で変わった雰囲気に日華はうすら寒ささえ覚える。先程までにこにこと微笑んでいた花怜も、この時はやたらと神妙な表情を浮かべて日華に注目していた。六つの視線が自身に向けられる形となり、日華は居心地の悪さを感じたのか自然と正座を取っていた。

「い、いえ……皆さん以外の方にはお会いしていません。なんだか、不思議なくらい人気がなくて……」
「……そうか。それなら良いんだがね。━━━━日華君、来て早々でこの村が気になることもあるかもしれない。しかし、学校が始まるまではできるだけ外出を控え、外出するにしても白夜君と共にいた方が良い」

そう言ってから、三郎はずっ、と茶を啜る。沈黙がその場を包み、聞こえてくるのはわずかに外から聞こえてくる風の音だけ。誰も、何も話さない。

「ど……どうして、ですか。どうして、そのような……。村の地図はいただいていますし、山に入るつもりもないのに……」

そんな空気に耐えられなくなり、たどたどしくなりながらも日華は振り絞るようにして三郎へと問いかけた。この異様な雰囲気が恐ろしくて、日華の声は意識せずとも震えてしまう。それが憐れに見えたのだろうか、花怜が苦笑いしてぽんぽんと日華の頭を軽く撫でた。

「ごめんね日華ちゃん、白夜君も三郎君ももともとああいう顔だから、怖がらせているつもりははないのよ。それにちゃんと説明していなかったあたしたちにも非はあるわ。難しいかもしれないけど、あまり怖がらないで聞いてちょうだい」
「はぁ……」

日華としてはそんなつもりはなかったのにさらっと男性陣を傷付けることを口にする花怜。恐らく彼女にも悪気はないのだろう。花怜からしてみれば当たり前のことを伝えたに過ぎないのかもしれないが、白夜が気にしているのかぺちぺちむにむにと自分の頬を触って口角を上げようと頑張っていた。もとの顔が美しいのもあってなんだかシュールな光景である。三郎の方は咳払いしてから日華に「……続けても良いかね?」と尋ねてきた。此方も心に刺さったのか声色が弱々しく感じられる。意図せずして二人の心に傷を創ってしまったことを申し訳なく思いながら、日華は三郎に向けてこくこくとうなずいた。それを見た三郎は非常に言いづらそうに口を開く。


「単刀直入に言うが……この村には、日華君の来訪を快く思わぬ者がいる」


4日前 No.4

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4日前 No.5

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2日前 No.6

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2日前 No.7
ページ: 1

 
 
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