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TRICK STER-公安百課の道化師-

 ( 小説投稿城 )
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刹那 ★vIs61HDnbA_xmq

西暦2079年、ヒトは進化の過程をまた一歩進んだ。
世界人口が140億人に到達し、その内の実に7割の人間が何らかの「異能力」を保持するようになったのである。
魚が足を得て地上へ進出したように、恐竜が翼を得て空を制したように
ヒトという業深きイキモノもまた、己の都合のいい環境を生み出すため、自分勝手な進化を果たしたのだ。
2080年、異例の速さで異能力者関連法案、通称「ジェルド条例」が発足され、私生活における極めて合法的な範囲内でのみ異能力の使用が許可された。
しかしながら、自らの私利私欲のため、異能力を思うがままにふるうものもまた存在した。
彼らの存在は法治国家、ひいては国際社会の崩壊を予期させるほどの災厄であり、世界は一刻も早く彼らを止めるための選択を余儀なくされた。
大規模兵器を使わねば到底太刀打ちできない異能力犯罪を取り締まるため、同じように異能力を持つものだけで構成された特別警察、「公安百課」。

これはそんな彼らと異能力犯罪との闘いの記録であり、彼らの生きた証である。

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刹那 ★vIs61HDnbA_ly4

【序章 道化師は三日月の夜に哄笑する】

眠らぬ街、電脳都市トーキョー。
色とりどりのネオンが街を明るく照らし、立体ホログラムのアイドルが空を自由自在に飛び回りながら様々な商品を宣伝している。
ごちゃごちゃと乱雑に引かれているように見えて、計算されつくされた設計で配置されている超電磁道路をリニアモーターバイクやリニアモーターマイクロカーが縦横無尽に走り抜ける。
町中を徘徊する清掃ロボットたちはダンスを踊っているようにも見える。
酔っ払ったサラリーマンは路地裏に吸い込まれ、背伸びしすぎた夜遊び学生は店から吐き出される。
まるで生き物のように脈動し、呼吸し、語りかけるこの町が、

眠った。

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2096年11月3日、特区トーキョーの某ラーメン屋で、異質な男が麺をすすっていた。
男はくるぶしまである長いコートを羽織り、つばの付いた帽子を深くかぶっている。シャツのボタンは一番上まできっちり留めてあり、ホルスターに収められている拳銃が時折ちらちらと見え隠れする。
何より男の衣服はすべて光も反射しない完全な漆黒であり、背中には白文字で丸で囲まれた「百」という文字が自らの存在を五月蠅く主張する。
「おっさん、替え玉頼む」
「もう7度目じゃないか。腹壊すぞ」
どうやら男はかなりの健啖家らしい。
男はにやりと笑うと
「しこたま食っとかないとやってられん仕事だからな」
と言った。
店主はすこし不服そうに口を歪め、替え玉をどんぶりに移し替え、男へ差し出す。
「怒られるのは俺なんだからな。責任感じてほしいよ」
「毎回昼飯食いに来てやってんだろ?感謝してくれよな」
男はそういうと七杯目のラーメンを胃袋に収め、席を立った。
「お会計は」
「4760円。お前にゃ関係ないことだがな」
「国家権力サマサマですわな。にっしっし。」
会計を済まさずそのまま店を出た男を眺めながら、店主は懐かしそうに笑った。







8ヶ月前 No.1
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