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紅月学園 ―万鬼夜行譚―【小説版】

 ( 小説投稿城 )
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シュヴァルべ @stasi1983 ★iPad=67162uPBGY

彼は、枯れ葉のように渇き、疲れた表情で、頭上の紅い光を見て言った。
「…綺麗だな」
疲れ果て、傷つき倒れた彼は、右手をその紅い月に重ね、掴もうとする仕草をした。
だが、月など掴めるわけもなく、力を失った右腕は地面に吸い寄せられるように落ちた。
そして彼は、笑った。
その惨状を、惨劇をひたすら笑った。
気力の残滓を、笑みに費やした。

街道は崩れた建物の瓦礫の山、火の海と化して、それに交じって死体が転がり、それを血溜まりが浸していた。
悲鳴や銃声、喚声が響けば、すぐ後には呻き声に変わり、無惨な死体が1つ増えた。

火の海、瓦礫の山を蠢く、異形の怪物たち。

建物をいとも簡単に引き裂く、巨大な骸骨。
血の滴る人の腕を咥えた一本角の怪物。
高空を往く戦闘機を軽々と撃墜する謎の閃光。

全てが異形、全てが異常、全てが非情だった。

今宵、人口一千万の世界一の大都市・東京は、千の鬼と万の妖怪によって支配され、怪異の巣窟となり、灰塵に帰す。

それを如実に示すかのように、東京タワーはただの鉄骨となってビル群に突き刺さり、スカイツリーは跡形もなく崩れ去る。

ルビーのように紅く透き通り、氷のように冷たく、刃のように鋭い光を発するその月_____千年ぶりに現れた紅月と呼ばれるそれは、地上で繰り広げられる修羅の狂宴を静かに、全てを見ていた。

_____そして、その非情な業火に抗い、立ち向かい、闘争を挑まんとする、最後の抵抗者達も_______

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