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追想の愛

 ( 小説投稿城 )
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Bibliotheca @merry ★DsnnzYukxs_yFt

おはよう、こんにちは、こんばんは!
Bibliothecaです。

みなさん、追想の愛って知っていますか?
ハルジオンの花言葉です。わかりやすく言えば過去の愛ですね。

この物語は、悲しい結末のラブストーリーです。
生まれつき特殊な病気を2つほど患っているハルという女の子が交通事故で新たな病気を発症してしまいます。
その名は、忘愛症候群。両想いの相手のことを忘れてしまい拒絶してしまうという厄介な病気です。
治す方法は一つ。それは――――――――

メモ2017/11/20 00:18 : Bibliotheca @rine611★Android-c3kkz5h8Bz

ハル(卯月陽琉)

公立高校に通う1年生。16歳。4月3日生まれ。A型。涙結病、時限病という特殊な病気を患って生まれてきた。

夏休みのある日、幼馴染で彼氏の尊と遊んでいるとき交通事故に遭い、忘愛症候群という病気にかかる。

奇跡的に尊が亡くなる直前に忘愛症候群を完治させるが数日後、尊のいた病室で時限病のタイムリミットにより命を落とす。

ゲーム好きで‘アインクラップガルテン’(通称アイガル)という名のゲームをやっている。腕前はそこそこ。スノリアルというギルドに所属している。


ミコト(白峰尊)

ハルの幼馴染で彼氏。同じクラス。15歳。5月5日生まれ。A型。

生まれつき病弱だったが、高校生になったころから丈夫な体になってきた。

しかしハルが忘愛症候群を発症したショックで高熱を出し花吐き病にかかる。

亡くなる直前にハルが尊の記憶を戻し花吐き病は治るが直後に高熱をこじらせて死亡。

ハルがやっているからという理由でアイガルを始めるもあまりやっていない様子。スノリアル所属


エリ(露草衿架)

ハルのクラスメイト。15歳。8月10日生まれ。B型。正義感が強く曲がったことが大嫌いな性格。

ハルのことを気にかけており、事故に遭った際や忘愛症候群になった時は面倒を見ることに精を出していた。

最終的にこの物語の綴り手となる。


ミモリ(秋根瑞守)

ハルのクラスメイト。15歳。10月25日生まれ。AB型。瑞華という妹がいたが妹も特殊な病気が原因で10歳という若さでこの世を去っている。

元々は守(まもる)という名前だったが妹が亡くなった時に忘れないように一字とって瑞守(みもり)と改名した。


コハク(七霧琥珀)

ハルのクラスの担任。23歳。12月25日生まれ。AB型。容姿端麗な顔立ちで人気だが本人は関心がない。

ミモリの提案を受け入れ、ハルの学校生活に全面的に協力する。

エリの両親とコハクの両親が幼馴染でエリの自宅の隣に住んでおり、幼少のころから両親が不在がちなエリの面倒を見てきたりもしたが結構な過保護。


ユキ(咲坂唯希)

ハルとミコトがゲームのオフ会で出会った親友。22歳。6月15日生まれ。O型。

大学3年生。1年生の頃、サカキの勤める会社で短期アルバイトをしていた。

…続きを読む(6行)

ページ: 1


 
 

Bibliotheca @merry ★Android=cEzCjJx9jn

4月、とある公立高校の入学式にその少女は参列していた。周りの視線を気にしながら、校長先生の話に耳を傾けている。
少女の名は、ハル────卯月陽琉。ボブカットの黒髪とプリズムのような瞳が特徴のこの少女は流す涙が宝石になる涙結病と持っている時計の針が一周したその時に無条件で命を落とす時限病を患っている。
周りの生徒はハルの持っているやや大きめの懐中時計を見ている。
一本しかない針は既に11の数字を差している。5回動けばハルの命は消えてしまう。
いつ死ぬかわからない恐怖に怯えながらハルは16年目の春に突入した。
ふと、校長がハルに向かって手招きした。

「私の話を終わらせる前に、少しお時間頂きます。本年度、特殊な病気を患っている女の子が入学致しました。彼女から病気について説明を頂きたいと思います。ご両親及びご本人には承諾を得ております。では、卯月陽琉さん」

呼ばれたハルはステージに立ち、言葉を紡いだ。

「在校生の先輩方、新入生の皆様及び親御様方、初めまして。本年度入学致しました1年3組所属の卯月陽琉と申します。どうぞよろしくお願い致します。先程校長先生からお話があったと思いますが、私は涙結病、時限病という生まれつき特殊な病気を患っています────」

10分ほど話したところで切り上げた。
誰もが言葉を失い、泣いていた。この病気のせいで中学時代までからかわれ、いじめられて来た。
だからハルは泣いてくれるみんなの姿が嬉しくて悲しかった。
思わず流した一筋の涙が、綺麗な宝石になった。カラン、と涼やかな音を立ててステージに落ちた。

────

式が終わり、教室に戻ると早速囲まれた。

「卯月さん、時限病ってその時計が1周すると命を落としてしまうのよね?」

一番最初に聞かれたのは露草衿架という少女だった。
つり目だが、正義感が強く曲がったことが大嫌いであった。

「ええ、でもいつ針が進むかわからないの。ふと見るといつの間にか進んでたりするからいつの頃からか見るのをやめてしまったのよ」
「てことは今は11を差しているから…」
「あと5も刻まれれば私は死んでしまうの。それがいつなのかわからないのよ。今すぐかもしれないし何十年もあとかもしれない────」

また涙────宝石が一つ零れ落ちる。
衿架の隣にいる少年が宝石を受け止めた。名を秋根瑞守と言った。

「卯月さんの涙、本当に宝石なんだな……式で聞いた時はまさかと思ったけど……」

クラスメイトたちが次々に口を開く。

「その時計が命を握っているだなんて…なんて卑怯なの、運命は」
「涙結病と時限病調べてみたんだけど何も無いや…治療法すらもない」
「本当に特殊な病気か……よくここまで生きてきてくれたね、僕達と出会ってくれてありがとう!」

両親と幼馴染以外にお礼を言われたことが無かったハルは思わず泣いてしまった。
とめどなく流れる宝石が音を立てて床に落ちる。
その音を聞いた一人の少年が近づいてきた。

「あまり、ハルを泣かせないでくれるか」

ハルの幼馴染で彼氏のミコトである。
茶髪で線が細いのが特徴の少年は元々病弱であった。

「あなた、確か…しら…しらみね…」
「白峰尊。女っぽい名前だがご覧の通り男だ。そしてハルの彼氏だ。1年間、よろしく」
「ええ、こちらこそ。てことは卯月さんの病気については知っているの?」
「あぁ。涙結病は涙が宝石になる病気。原因も治療法もわからない。時限病は時計を持って生まれてくる病気。こちらも原因、治療法ともに不明だがこの一本の針が一周したその時に無条件で命を落とす」
「無条件なのが皮肉だな」

瑞守がため息をついた時、教室の扉が開いた。

3ヶ月前 No.1

Bibliotheca @merry ★Android=cEzCjJx9jn

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3ヶ月前 No.2

Bibliotheca @merry ★Android=cEzCjJx9jn

「ハル、何話してたんだ?」
「学校生活を送るうえで必要な支援だよ。まぁそんなに必要じゃないけどね」
「そうか…」
「卯月、七霧先生は今どこに?」
「まだ職員室じゃないかなぁ」
「分かった、ありがとう!」

ミモリは、お礼を言うや否や、職員室へと行ってしまった。
既にハルには内緒のクラスの決め事を決めた3組は各々帰路につき、殆ど残っていなかった。

「せっかくだしさ、ハル。ミモリ待って一緒に帰ろうよ」
「そうだね、秋根くんとも仲良くなりたいなあ」

────

「失礼します!1-3所属の秋根瑞守です。七霧先生はご在席ですか?」

ミモリは職員室にいた。
ハルの涙を取っておこうという案を担任にも伝えておこうと思っていた。

「秋根か、どうした?」
「お疲れ様です。実は卯月を除くクラス全員と話して決めたことなんですけど、卯月は涙が宝石になる涙結病を患っているじゃないですか」
「あー、そんなこと言ってたね。色彩感覚が無くなるんだっけか?」
「はい。あと時限病も」
「いつ死ぬかわからないってやつか…皮肉なもんだよな」
「ええ、そこで考えたんです。卯月の流した涙…宝石を一つ残らず取っておくのはどうかなって」
「は?」
「もし卯月が命を落としたとき、その宝石が卯月が3組…いや、この世界に存在していた証になるんです。忘れないように卯月がいた証明をとっておこうって」
「…なるほどな。何故?」
「みんなが……このクラスの、この学校の生徒全員の、この世界中の人類が“卯月陽琉”を忘れないようにです。僕は妹を迷宮病で失っています。妹を忘れないように一字とって瑞守って名前にしたんです。元々は守って名前だったんですけど。瑞華のことを忘れたくなくて」
「あ……迷宮病で死亡した秋根瑞華ちゃんってお前の妹だったのか」
「え、瑞華のこと知ってるんですか?」
「知り合いの医者が診てたらしいんだ。奇病を研究している医者でね」
「そうなんですか……」
「ま、そういうことなら協力しよう」
「ありがとうございます!」
「卯月さんを除くクラスのみんなには改めて言っておくから」
「はい、よろしくお願いします!」

ミモリは職員室を後にした。

3ヶ月前 No.3

Bibliotheca @rine611 ★DsnnzYukxs_yFt

ミモリが教室に戻ってくると、二人は仲よく居眠りをしていた。

「ありゃあ寝てるよ。せっかく帰ろうと思ったんだけど...待つか」

ミモリは向かい合う二人の隣の席に座ると、愛読書を開きだした。
「神愛」、有名なアニソン歌手である瑞野心愛の著書。瑞野のファンであるミモリが発売と同時に買った本だ。
チラリと横目で気持ちよさそうに寝ているハルを見る。その寝顔は、どこにでもいるいたって健康な女の子にしか見えない。

「涙結病は涙を流していくうちに色彩感覚が永遠に失われ、時限病はあの針が12になったその時に命が失われる、か...」

一人、ぼそっと呟くとふと席を立った。

「ミコト!卯月!帰るぞ、起きろ!」
「んお!?...あっおかえり」
「おう、ただいま。早く帰らないと先生たちに急かされるぞ、卯月も起きろ!」
「ハル、早く起きろ、帰るぞ」
「ん...え?もうこんな時間?」
「そうだ帰るぞ、ミモリも待ってるから早く」
「俺のことはいいって」

三人は、バタバタとあわただしく教室を出て行った。

────

校門を過ぎ、駅に向かう道すがら、三人のおしゃべりは止まらなかった。

「ね、秋根くんはどこに住んでるの?」
「谷手線の高座駅ってところ」
「え、俺らと近所じゃん」
「おまえらはどこ?」
「高座の一つ先」
「影羅か!俺、影羅中のOBだぜ」
「へー!知らなかった!」
「ミコトたちは中学も同じなんだろ?」
「そうだよ、ハルが心配でさ、親に無理言ってハルと同じ中学にしたんだ」
「あれ?ミコトが病弱だから私がお守り役で同じ中学入るって私が言ったんじゃなかったっけ?」
「そうだっけ?」
「おまえら覚えとけよな...あ、あとさ卯月」
「ん?」
「俺のことはミモリでいいよ。苗字で呼ばれるのなんかよそよそしいしさ」
「おっけ!じゃあ私はハルって呼んで!よろしく、ミモリ!」
「こちらこそよろしくな、ハル!」

高校の最寄り駅についた三人は改札を潜る。
何気ない日常だが、その日常がいつどのように壊れるかなど、この地球上の生物は知る由もない。
神のみぞ知る────────

2ヶ月前 No.4

Bibliotheca ★8zdhW5nv9N_vdj

「ただいまー」

私は露草衿架。ある公立高校に通う1年。
両親は仕事で海外におり、私だけこの広い家で暮らしている。
それは私が幼稚園に入園したころからで、中学3年になる前くらいまでは隣に住むコハク――――
そう、私達のクラス担任である七霧琥珀が面倒を見てくれていた。
とても過保護でどこに行くにもついてきたあの野郎は、私が中3になると同時に忙しいと言って、いつのまにか家に来ることが減った。
私も受験でなかなか会うことができなかったが、1年ぶりだろうか、久しぶりにあったらイケメン度が増していた。
いやいや、別に好きじゃないから。

25日前 No.5

Bibliotheca @rine611 ★DsnnzYukxs_yFt

(前回諸事情によりやたら短くなってしまいました。申し訳ないです)

――――――――――――

ところ変わって、とある喫茶店。
ハルとミコトが店のドアを開けると、手を振る女性の姿が見えた。
二人はその席に向かって歩いて行った。

「久しぶりだね!ハルちゃん、ミコくん!元気してた?」
「おかげさまで、無事高校生になりました」
「受験勉強中はゲーム全部禁止してたから大変だったよ!やりたい衝動抑えるの!」

二人が親しげに語る女性の名は咲坂唯希。ハルとミコトはスマホゲーム‘アインクラップガルテン’のオフ会で知り合った。
ユキは、ゲーム内での呼称で呼ぶことが多く、ハルとミコトに対してもそうだった。
さらにユキには短期バイトで知り合ったアイガル仲間がほかにも一人いるが――――

「あれ、今日サカキくん来ないんですか?」
「ユキちゃん、予定空いてるから連れてくるって言ってなかったっけ」
「有給とったらしいんだけどね、仕事の指示書忘れたから午前出勤してくるって」
「そうなんだー」

サカキと言われた人こそ、ユキの友人でゲームの仲間でもある。
ハルとミコトが、午前だけで終わると連絡をしたところ、久しぶりに会わないかということになったのだ。

「それにしても二人とももう高校生かー」
「あっという間でしたよね」
「うん、ミコくんは前会った時に比べてずいぶんかっこよくなったね!」
「ありがとうございます」
「うぅー...ね、ユキちゃん、このクエストなんだけどボスの手前でやられちゃうよー」

「攻撃と防御はどちらも足りてるから単純に手数が足りないだけだな、多撃前衛職で行ったらどうだ?」

ハルの頭上から、男の声が降ってくる。
皆が顔を向けた先には、眼鏡の男性が立っていた。この男こそ、石永賢希である。

「わり、遅くなった」
「「サカキくん!」」
「サッキーじゃん、お疲れ!指示書忘れるとかどうしたのよ」
「いや、単純に疲れてただけだよ。それにしてもまさかまたツララに会えるとは思わなかったな」
「はっはっは、運命てこういうこと言うんだね」

ツララとは、ユキの以前のゲーム名であり(今はユキ)、サカキにのみ許された呼び名である。

「サカキくん、ユキちゃんにまた会えるとはってどういうこと?」
「ああ、ミコトとハルちゃんには言ってないからな」
「私とサッキーはバイトで知り合ったんだよ」
「そうなの!?」
「うん、サッキーは郵便局で仕事してるんだよー」
「それで、短期募集の時にツララが来て仲良くなったんだ」
「サカキくんが口説いたんじゃなくて?」
「なんて失礼な」
「でもサッキーは会ってすぐ私のことユキちゃんって呼んだよね」
「「ほら見ろ!」」

冬になると、年賀状が多くなるため局員では捌ききれないという。
そのため、年末年始の短期機関だけアルバイトを募集しているのだ。
ユキとサカキはそこで知り合った。

「そこはツララって呼ばなかったんだ?」
「知り合った当時はお互いにアイガルやってるなんて知らなかったんだよ」
「局員とアルバイトの昼休はずれててね、バイトが仕事している間に局員が休憩するって仕組みなんだけど」
「ツララが俺の画面ふと見て叫んだんだよな」
「超見てる画面だったもんで」

ハルとミコトは納得するが、肝心の質問を忘れていた。

「あ、大事なこと聞いてないよ!」
「ん?」
「で、なんで再会?」
「ああ、毎年4月に異動するんだけどな、俺が偶然ツララの自宅がある地域に割り振られたんだよ」
「それで不在来てさ、専用ダイヤルに電話して、当日中に来てもらうようにしたんだ」
「そしたら再会したと」
「二人して叫んだよねー」「隣の人とか来たらどうしようとか思ったけどね」

13日前 No.6

Bibliotheca @rine611 ★Android=c3kkz5h8Bz

────
一方、露草家。
ダイニングテーブルにエリとコハクが向かい合って座っている。

「エリ、卯月のことなんだけど」
「ハルのこと……って秋根の提案?」
「そう、宝石集めようって話」
「良いんじゃない?ハルに出会えたのだって運命なのよ。あの子、もしかしたら私たちに会う前に亡くなっていたかもしれないじゃない」
「いやそれはそうだけど」
「なんなのよ、煮え切らないわねっ!」
「本当に全部の宝石をひとつ残らず集めきれるのかなって…………」
「あぁ……」

併設されている運動校舎にある体育館やグラウンドなどの広いところでもし泣かれたら拾うのが大変だ。
コハクはそれを心配した。しかしエリは鈍感だった。

「卯月ってよく泣くじゃん」
「待って、文章だけだと語弊があるわね」
「?」
「ハルは涙もろいから泣きやすいのって言いなさいよ」
「え?うん」
「で?集めきれるのかなってどういう意味?」
「グラウンドとか運動校舎で泣かれたら拾うの大変だってこと」
「あー、あの校舎、広いところだもんね……だから集めきれるのかなって?」
「そう」
「まぁ体育は男女別でしょ?」
「いや、たぶん合同」
「あ、そうなんだ?でもそれならクラス全員で集められるしいいじゃない」
「そっか、そうだな」

1日前 No.7
ページ: 1

 
 
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