Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(4) >>

Lost property

 ( 小説投稿城 )
- アクセス(89) - ●メイン記事(4) / サブ記事 (10) - いいね!(2)

kurenai @pekyuicn ★3DS=Vmw72NPXMJ

冷たい雨が降っていた。

僕は夜の闇に飲まれそうな彼女の背中を見ている。
ただ呆然と立ち尽くして。

今、自分が見た光景は本物なのか。はたまた夢か。僕には分からない。
頭の中にじんわりと真っ白いものが広がっている。
思考回路が麻痺してしまったように僕は動けなかった。
冷たい雨が頭を濡らす。
体から熱が奪われていく。

でも
でも

今僕からは、もっと、いや、最も大切な物が


奪われるかもしれない。

メモ2017/03/05 11:51 : kurenai @pekyuicn★3DS-Vmw72NPXMJ

コメント、アドバイスはどんなものでも嬉しいです!

切替: メイン記事(4) サブ記事 (10) ページ: 1


 
 

kurenai @pekyuicn ★3DS=Vmw72NPXMJ

今日は、平凡な毎日を吹き飛ばすような非日常的な日だ。中学二年生の第一歩が大波乱で始まるとは、まさか思っていなかった。
まず、半ば強制的に部活に入らされた。運動はしたくない。かといって、楽器が演奏できるわけでもないし、絵も上手くない。残るはパソコン部だが、オタクのような人の集まりなので、どうも入る気がしない。そんな理由で中学入学から今まで、部活に関わることもなかったが、高校に進学する上で部活は必須だと先生から言われてしまい、仕方なく今年から創設された「国語部」に入ることにした。
「国語部」ってなんだよ、というのが率直な意見だが、主に作文をするということなので、嫌いではないと思った。
次にクラス分けである。同じクラスに友人が全くいないのだ。
確かに僕は、もとから友人が少ないが、だからといって一人もいないというのはひどすぎる。
ただでさえコミュニケーション能力が低い僕としては、地獄のようなクラスになる気がした。
チラチラと散る桜の花びらと一緒に、僕の心も散っていくようだ。
と、僕は思った。

今は、新しいクラスで僕に部活動を強制した先生が、このクラスの方針について語っている。
そう言えば、このあとは部活動の集まりがあるとか言っていたな。と僕は思い出す。
体が鉛のように重い。拒絶反応が出ている。この先僕はどうなるのだろうと、机に突っ伏した。

24日前 No.1

kurenai @pekyuicn ★3DS=Vmw72NPXMJ

引きずられるように廊下を歩いている。ことの発端は数分前。
「部活いいんで帰っていいですか?」
と、担任に声をかけたのだが、もちろん「いいよ!」なんて言ってくれるわけもなく、今に至る。

「いい加減諦めなさい。」
抵抗する僕に担任は言う。
「いやですよ、なんで部活なんて行かなきゃならないんですか。」
「しつこいわね。入っといた方がいいのよ」
「どういうことですか?別に入らなくてもいいんですが」
「じゃあ聞くけど、あなた友達は?いるの?」
「いますよ、バカにしてるんですか?」
決して多くはないが0ではない
「じゃあその中に女子はいる?」
この人は何を聞いているんだろうか。
「いませんよ。そもそも、異性と話すことに意味を感じません」
「そういうところよ。将来困るわよ」
余計なお世話だ
「そんな理由ですか?僕を部活に入れるのは」
「それだけじゃないわよ。あなた、勉強もたいして出来ないくせに部活動の実績もないなんて、高校に入りにくいわよ?」
そんなことを言われたら返す言葉もなくなってしまう、卑怯だと僕は思いながらも、僕は黙った。

こうしている間にも、部活を行う教室は近づいてくる。
コツコツと靴が廊下をならす。部活が行われる教室は、普段授業を行う教室から離れた場所にある。
コツコツと靴が廊下をならす度に、どこか違う世界に連れていかれるような、そんな気がした。

24日前 No.2

kurenai @pekyuicn ★3DS=Vmw72NPXMJ

目の前にある扉。国語部への扉。地獄の扉。
それは言い過ぎにしても、僕にとって入りたくない扉には間違いない。

部屋の中からは物音ひとつしなかった
「誰かいるんですか?」
僕は率直に思ったことを聞く。
「入ってみれば分かるわよ」
なんだそれと思う暇もなく先生は扉を開け放つ。

教室に空気の流れができる。カーテンが風にたなびき、外の景色が見えた。
外では、春の暖かい光を浴びて、桜の花が舞っていた。

非現実的に美しい景色の一部に彼女はいた。

23日前 No.3

kurenai @pekyuicn ★3DS=Vmw72NPXMJ

「あれ、誰ですか?」
僕は先生に聞いた。
いや、先生に聞くしかなかった。
あまりにも美しすぎる、その光景に溶け混んでいる少女に、「誰ですか?」と聞けるメンタルは、あいにく持ち合わせていない。
他から見れば、先生が通訳をしているように見えるだろう。
「え?あぁ、本人に聞きなさいよ」
先生は、まさか自分に話を振られると思っていなかったようで、答えるまでに少し間があった。

そんな光景を少女は真顔で見て言った。
「初対面の人に向かって、あれと言うなんて、礼儀がないのね。能無しさん。」
なんだこいつ。僕は咄嗟に思う。
「いや、礼儀がどうとかいってるけど、あんたも僕のこと能無しって言っちゃってるよ?」
「えぇ、そうね。事実だもの」
その言葉を聞いて、さっき、美しいと思った気持ちを返してくれと思った。
「あぁ、はいそうですよ。僕は能無しですよ。」
僕がそう言うと、少女はフフッと笑って「もの分かりはいいのね」と一言いい放った。

すると、後ろから笑い声が響いた。
結構に下品な笑い声だなと思い振り向くと、先生がそこにいた。
「なんすか?そんなに笑って、なんかありました?」
不審そうな目をしていたんだろう、僕を見た先生は笑うのをやめた。
「いや、生意気な子供同士が会話をするとこうなるんだなと思って」
「余計なお世話ですよ」
僕は少し苛立ちながら言う。
それは、あの少女も同じなようで嫌そうな顔をしていた。
「まぁいいわ、部活の説明をするから席につきなさい。」
僕は少し不満を残しながらも、少女の隣の席に座った。

18日前 No.4
切替: メイン記事(4) サブ記事 (10) ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…感想・コメントはこの記事ではなく、サブ記事に書き込んでください。(小説カテゴリでは必須です)