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エプシロンの軌跡 第1章

 ( 小説投稿城 )
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畏原狂助 @prodigy ★iPhone=YAKqc8Tqwj

エプシロンの軌跡
ー古の秘宝ー


この物語は、
とある一族の悲しくも儚く、
そして美しい一生を追った奇譚である。

メモ2017/06/25 11:29 : 畏原狂助 @prodigy★iPhone-MFiHuwdHjn

■目次■

第1話 旅立ち (>>1-6)

第2話 ザ・ブリザード (>>7-9)

関連リンク: 畏原狂助 
ページ: 1


 
 

畏原狂助 @prodigy ★iPhone=iY8ipA7Hy7

ブォーーン
汽笛が港に響き渡った。
港には多くの人が集まっていた。
皆、目を輝かせて船体を眺めている。

ジャブレムツ号。
それは、この時代のヨーロッパでは知らない人は居ないのではないかというくらい、名を轟かせていた船である。

11人の探検家を乗せた、悠然と大海原に浮かぶその船は子供達の憧れであり、考古学の世界では誇りとして崇められていた。

そして、そのジャブレムツ号の船長こそが、
この物語の主人公であり、すべての原点となるのであった。

10ヶ月前 No.2

畏原狂助 @prodigy ★iPhone=kXvAfpR49b

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8ヶ月前 No.3

畏原狂助 @prodigy ★iPhone=zWgQyKn7fN

「エド」
ビョルンの背中を見ていたエドワードに、リヴァーが声を掛けた。
エドワードは振り返る。
「ビョルン、なんだって?」
リヴァーが不安そうに言う。
「いや、別に大事じゃないみたいだよ。リヴァーは気にしなくていいよ。彼って…昔からそういうところあるだろ?」
エドワードが言う。
リヴァーは眉間にシワを寄せた。
「確かに…な。アイツは頭がおかしいからな」
リヴァーが船室の方を睨みつけるように言った。
「リヴァー!そういう言い方は…」
エドワードが言いかけたその言葉を、リヴァーは片手で制した。
「いいや!君には悪いが言わせてもらうぞ!アイツは頭がおかしいし、捻くれたところがある!そもそも、アイツが俺たち中流階級と一緒に居るってのがおかしいんだ!アイツの父親は…」
「リヴァー!」
エドワードがリヴァーの両頬を両手で覆い、額を合わせた。
リヴァーの紅潮した頬が、徐々に元の色に戻っていく。
「すまない…」
リヴァーがそういった。
エドワードは微笑みながら頷いた。
「分かればいい。僕たち三人は身分は違えど幼き頃から共に育った親友だ。ビョルンにも欠点はあるけれど、それは仕方ない。完璧な人間なんて居ないんだ」
エドワードはリヴァーの額から自らの額を離し、両手をリヴァーの肩へ持っていった。
「エド。君は本当にいいヤツだな」
リヴァーが言う。
「その優しさが君を傷付けないことを祈るよ」
リヴァーは両肩に置かれたエドワードの手を握りしめ、そっと自分の肩から離した。
「悪いが俺はヤツを親友だとは思わない。君もビョルンには気をつけるといい」
リヴァーはそう言い放つと、自分の部屋へ戻って行った。

8ヶ月前 No.4

畏原狂助 @prodigy ★iPhone=CjDDlnrVyF

エドワードは船上から下を見た。
相変わらず人集りが出来ている。
多くの人が出港の時を待っているのだろう。
エドワードはその人集りの中に、一人の女性を
見つけた。
その女性もエドワードと目があった事に気付き、大きく手を振った。
エドワードはその女性に近寄り、声を掛けた。
「ソフィア!来てくれたのか…」
その女性は笑みを浮かべて頷いた。
「ええ。勿論よ。だって貴方の夢がやっと叶うんですもの」
ソフィアと呼ばれた女性は、大きくなったお腹をさすって言った。
「ほーら、エリック。パパよ」
ソフィアが優しそうに言う。
「今年中には生まれるって?」
エドワードが言った。
ソフィアは頷いた。
「それは良かった!エリックが生まれる事には戻ってくるよ」
エドワードは嬉しそうに言った。
「エド。気を付けてね?」
ソフィアは言った。
「ああ。大丈夫さ。リヴァーも居るしね」
エドワードが言った。
ソフィア頷き、頼りになるわねと言った。
「それじゃあ…そろそろ戻らないと」
エドワードは言った。
「ええ。お気を付けて…いってらっしゃい」
ソフィアが優しく、しかし悲しそうに言う。
エドワードはソフィアを優しく抱き寄せ、キスをした。
それから再び船に戻り、出港の支度を始めた。

7ヶ月前 No.5

畏原狂助 @prodigy ★iPhone=CjDDlnrVyF

ブォーーン
二度目の汽笛が港に響き渡った。
紙吹雪が舞い、歓声があがる。
多くの人に見守られ、船はゆっくりと港を離れていった。

1926年の夏。
ジャブレムツ号は11人の探検家を乗せ、大海原へ漕ぎ出した。

7ヶ月前 No.6

畏原狂助 @prodigy ★iPhone=9urKOZzjXY

第2話 ザ・ブリザード

6ヶ月前 No.7

畏原狂助 @prodigy ★iPhone=9urKOZzjXY

出港から数時間が経ち、船も大分安定してきた。
エドワードは船長室を離れ、リヴァーの元へ向かった。
「リヴァー?居るかい?」
船医室をノックし、尋ねる。
「エドか?」
ゆっくりと扉が開いた。
「何かあったのか?」
リヴァーが心配そうに言った。
「いや!少し君に話があって…ね」
エドワードはそういうと、船医室へ入った。
船医室の中には様々な道具がきっちりと揃えて置かれていた。
エドワードは綺麗に整列した医療道具を物珍しそうに眺めている。
リヴァーは船医室の扉を閉め、読みかけの医学書を本棚にしまった。
「で…話って?何か問題でも?」
リヴァーが再度訪ねた。
その顔からは心配している様子が伺えた。
「別に大事じゃあないよ」
エドワードがリヴァーの肩に手を置き、宥めるように言った。
「ただちょっとビョルンのことで」
エドワードがそう言った瞬間、リヴァーの顔が明らかに強張った。
「…ほう」
リヴァーは自分を落ち着けるためか、息を吐くように言った。
「君が…ビョルンを嫌っているのは知ってるよ。けれどこの旅の間は、どうかビョルンに対する嫌悪感を隠してほしい」
エドワードがリヴァーの顔を覗き込み言った。
リヴァーは深く息を吐いた。
「隠す?この殺意に近い嫌悪を隠せだって?!エド、君の事は大事に思ってるし君の願いならできるだけ叶えたい…だがな」
リヴァーは溢れ出る感情を抑え込むようにして言った。
「これだけは、無理だ」
リヴァーはエドワードの目を真っ直ぐに見つめ、悲しそうに、しかし力強く言った。
「リヴァー、船員同士の仲が悪いのは他の船員にも悪影響になり得るんだ」
エドワードは困ったように言った。
リヴァーはエドワードの言葉を流し、先ほどよりも力強く言った。
「エド、君はなぜヤツをこの船に乗せたんだ!」
リヴァーは前髪をかきあげて言った。
「確かにヤツは優れているよ、だがな!」
リヴァーはエドワードを見、大きな声で言った。
「俺はまだあの事件を忘れたってワケじゃあないんだ!」
リヴァーはエドワードを指差し言った。
「エド!君はもっと怒るべきだ!」
リヴァーの目には涙が浮かんでいた。
「エド、お前は!15年前!自分の父と母の命を奪った残虐非道の悪党の息子を庇うのかッ?!」

6ヶ月前 No.8

畏原狂助 @prodigy ★iPhone=MFiHuwdHjn

「リヴァー…」
エドワードは絞り出すように言った。
重い沈黙。
その時、薄暗かった船内に光が走った。
外を見るエドワードとリヴァー。
ゴロロロロロロロロロ
腹を空かせた野獣のような音がした。
「雷…そう遠くないな」
リヴァーが言う。
遠くから、船長!という声がした。
エドワードは我に返り、船医室から飛び出した。
「どうかしたか?」
エドワードが声のする方へ向かいながら言った。
リヴァーも後から付いてくる。
「船長ッ!あれをッ!」
船内最年少の少年レオが、見張り台から叫ぶ。
華奢な指が指す先には、雷を落としながら迫り来る、暗雲があった。
「マズイ!」
エドワードは急いで操縦に向かった。
リヴァーも後を追う。
エドワードは急いで舵を切る。
だが、舵はビクともしなかった。
「動かないだと?!そんな…バカなッ!」
エドワードの表情に焦りが出てきた。
リヴァーもエドワードと共に舵を握る。
2m近い大の男2人がかりでも、舵はビクともしない。
「ビョルンは…ビョルンは何処だ」
エドワードが辺りを見回していう。
「クッ…こんな一大事なのに奴は一体何処で何をしている!」
リヴァーのその声はもう、叫び声に近い。
「船長!まずいです!このままだと…」
レオの兄、ザックが叫びながら報告する。
「おい、エド!あれを!」
リヴァーも外を指さして叫んだ。
リヴァーの指差す先を見て、エドワードは思わず息を呑んだ。
「竜巻ッ!」

5ヶ月前 No.9

畏原狂助 @prodigy ★iPhone=RCaYvkyRxd

エドワードは必死に舵を切ろうとしたが、依然として舵は動かなかった。
「マズイ!このままでは突っ込む!!」
エドワードは声を張り上げて言った。
「船長ッ!脱出用の救命ボートは!」
ザックが叫ぶように言った。
「ダメだ!間に合わない!」
リヴァーも大声で言う。
「竜巻もこちらへ向かって動いている!小舟に乗って巻き込まれるよりはこのままジャブレムツ号に乗っていた方が安全だッ!」
リヴァーは続けて言った。
「ザック!船員に中へ戻るにように伝えろ!」
エドワードが指示を出した。
ザックは頷くと、その場を立ち去った。
「こんな時に…ヤツは…」
リヴァーが吐き捨てるように言う。
「きっと…もうそろそろ…来るよ」
エドワードは宥めるように言ったが、少し苦しそうだった。
途轍もない速さで迫り来る竜巻は、船をも飲み込む大きさで、正面衝突を余儀なくされたジャブレムツ号は絶望の淵に立たされていた。
「うわあぁぁーーーッ!ぶつかる!」
エドワードは叫んだ。
リヴァーは咄嗟の判断でエドワードを窓の側から離した。
窓ガラスは割れ、床に飛び散った。
唸るような音が船内を響き渡り、ありとあらゆる器具が床に落ちては割れた。
船の奥から悲鳴が聞こえた。
巨大な船が大自然の力に振り回されて、数分が経った。
竜巻は引いたのだろう。
先程とは同じ海とは思えない光景が、広がっていた。
荒れ狂う波も、分厚い暗雲も跡形もなく消え、
エメラルドグリーンの美しい海が静かに音を立てて広がっていた。
海面は雲ひとつない空から降り注ぐ陽の光を浴びて、キラキラと輝いていた。

3ヶ月前 No.10

畏原狂助 @prodigy ★iPhone=RCaYvkyRxd

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3ヶ月前 No.11
ページ: 1

 
 
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