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Sweet ・Weekly

 ( 小説投稿城 )
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銀魚のかふか @nazunaneko ★OVUUO2QJ4B_yFt

それは少し昔の話。

もみの木が生い茂るヴァイオレット・フォレスト。
誰も立ち入ろうともしないその不気味な森。
村人は不気味がり、動物も恐がり、馬も家畜も目を向けず、
どんな勇敢な戦士も猟師も、その森にだけは踏み入ろうとはしなかった。
そんなカラスの鳴く森にたつ白く大きく立派なお屋敷には、ウィークリー家が住んでいました。


ある年のクリスマスの夜、彼らはここへ越してきました。
森の土地ごと購入し、森の奥の奇妙な古い屋敷にすむ彼らを、
森の外の人間は不思議がりました。
ですが、さぞ裕福そうでしあわせそうな彼らを見て、彼らを羨ましく思いました。
そしてまた、彼らも幸せだったのです。


メモ2017/07/23 02:23 : 銀魚のかふか @irohasu02★iPad-5AvV0Fn978

この話はウィークリー家のくだらないナンセンスな話です。

そして私が思い付きだけで書いた文章です。

本当にくだらないので、ご了承ください。


もし時間があったら、感想を下さると嬉しいです。

書いてくれるのならば、

タイトルの近くにあるサブ記事をクリックして、

サブ記事に感想を書いてください。

いつでも待ってます。

切替: メイン記事(25) サブ記事 (12) ページ: 1


 
 

銀魚のかふか @nazunaneko ★OVUUO2QJ4B_yFt

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8ヶ月前 No.1

銀魚のかふか @nazunaneko ★OVUUO2QJ4B_yFt

2 主人は悲しんだ

ある冬至の日。
高い天井の狭い主人の書斎に、次女のウェンズデーがやってきました。
ガチャ

「パパ、私、あのね」
「ノックしなさい、ノックを。もう一回だ」
「めんどくさいわね」
「いいから」

彼女は扉を閉め、めんどくさそうに軽くノックをした。
コンコン、と。

「どうぞ、誰ですか」

「パパ、私」
「名を名乗りなさい、もう一回」
「・・・」

彼女は廊下へ戻り、部屋に入るための順序を頭に思い浮かべながら、
ドアにノックをしました。
コンコン

「どうぞ、だれですか」
「次女のウェンズデーです」
「何の用でしょうか」

ガチャ

「用を言いなさい、もう一回」
「・・・」

「ウェンズデー・・・ !」

主人が椅子を扉側に向けた瞬間、銀色に光る何かが飛んだ。
それは、鋏だった。
勢いよく壁に刺さり、日光を反射してキラキラと輝いている。

「危ないじゃないか、もう少しで僕に掠るところだった」
「隙あらば、私はパパを殺しかねないわ」
「ごめんよ、いろいろ言って」
「正直私、今思春期だからパパが嫌いなの、これ以上嫌いにさせないで頂戴」

どうやら鋏はウェンズデーが投げた物らしく、壁に刺さった鋏を回収していた。

「で、何の用?」
「相談よ」
「なんだ、『恋バナ』か?」
「いいえ、その反対側の世界よ、『闇バナ』よ」
「なんだそれは、新しい言葉か?流行語大賞にでも載る気か?」
「ちがうわ、どちらかというと禁制語大賞だわ」
「そうか、どういうお話で?」

ウェンズデーはドアに寄っかかり、主人を見つめていった。

「嫌いな人がいるの」

「はぁ、どんな人?」
「片目が髪で隠れていて、ブロンドで、赤い目をしていて、私の家族で、サバ読み大魔王で・・」
「・・・それは僕の事かな?」
「なぜわかったの?」
「そりゃそんな的確に人物像をつついてくるからな、あとサバ読み大魔王とはなんだ」
「内緒ですわ」

主人は悲しんだ。思春期で毒しか吐かない14歳の娘に。そして、サバ読み大魔王と呼ばれたことに。
主人は顔を俯かせ、手で眉間を覆った。
そして、ポケットから銀紙の何かを取り出した。

「何かやったのなら謝る、これをあげるから機嫌を直してくれ」
「私、チョコレートは嫌いよ」

銀紙の中身はアーモンドのチョコレートだった。

「そーだったなー・・・」


主人は泣きそうだった。

8ヶ月前 No.2

銀魚のかふか @nazunaneko ★OVUUO2QJ4B_yFt

3 雪色讃美歌

「寒い」
「そうね」
「さびゅい」
「そうね」

長女、長男、次男の三人が暖炉の前で座っていた。
火曜日さんと木曜日さんはなぜかびしょ濡れだ。

「何をしてきたの貴方たち」
「川遊びです」
「外は雪が降っているわ」
「川遊びです」
「サーズデーが俺を川へ落とした」
「愚兄が僕を川へ投げ込んだ」

二人はお互いを指さし、姉へ抗議した。
マンデーはただ冷静に暖炉の火を見ていた。

「どっちもどっち、あっちもこっち」
「姉さん、おれの味方をしてくれ、あんな奴の型持つなよ」
「持ってないわ、どっちの味方でもないもの」
「じゃあチューズデー、どっちが姉さんを味方につけて集団的自衛権するか勝負だ!」
「望むところ!」

二人はマンデーに必死に話しかけた。
マンデーは別にどうでもよかった。

「「姉さん!」」
「ちょっと黙って、フライデーが起きてしまう」

そう言って彼女は目の前の揺り籠を指さした。
そこに眠っている幼子は、とてもうなされていた。

「・・・結局姉さんのアモーレもフライデーか」
「とことん流行に乗りたい派なんだな、サーズデーは」
「でももちろん貴方たちの事も好きよ」
「「姉さん!」」
「好きだから早くお風呂に入ってきなさい、部屋が汚れて、フライデーも可哀そう」
「「姉さん・・・」」


わが姉は女神なり、讃美歌が流れるような感覚がした。
外は雪が降っていた。


8ヶ月前 No.3

銀魚のかふか @irohasu02 ★sldUBOGjP4_nHx

4 次女と侍女

冷たい廊下に侍女のヴァレンタインが歩いておりました。

すると、曲がり角から次女のウェンズデーが歩いてきました。

「あら、侍女のヴァレンタインじゃない」
「あら、ウィークリー家次女のウェンズデーお嬢様」

「「どうなさったの?」」

会ってはいけない、次女と侍女が出会ってしまいました。

「次女のわたしは自室へ戻ろうと」
「侍女のわたしは奥様のお部屋へ行こうと」

「「あらそうなの」」

「侍女のあなたはママの部屋へ行って」
「次女のお嬢様はお部屋に戻って」

「「何をするの?」」

「次女のわたしは部屋に戻ってご本を読むの」
「侍女のわたしはお部屋に行って奥様の着付けをするの」

「「あらそうなの」」

そうやって二人がお話をしあっていると、
長男のチューズデーがやってきました。

「そして次女のあなたは」
「そして侍女のお嬢様は」

「STOP!」

「あら、次女の私のお兄様ではないですか」
「あら、侍女の私のご主人様の一番上の息子さんではありませんか」

「STOPと言っているだろう!これ以上やったら長文がただただずっと続くだけだ、
 そしてウェンズデー、お前の自室は反対側だろう、なにをするつもりだ、
 それからヴァレンタイン、こいつと張り合ってる暇があったら母さんのところへ行くんだ!!」

「ごくろうさま、次女の私のお兄様」
「おつかれさまです、侍女の私のご主人様の一番上のお坊ちゃま」

「では、次女の私はこのまま反対側の自室へ」
「では、侍女の私はこのまま奥様のお部屋へ」

そういってふたりの「じじょ」はそそくさとそれぞれ目的の部屋へ行ってしまいました。


「・・・・・長男の俺も自室に戻るとするか」

8ヶ月前 No.4

銀魚のかふか @irohasu02 ★sldUBOGjP4_nHx

5 Pain BABY

暖炉の部屋で
「ねぇ姉ちゃん」
「黙りなさい愚弟、フライデーが起きちゃうでしょう」


自室で
「楽しいな、車で遊ぶのーははー」
「サーズデー、あっちで遊んでくれ、フライデーに当たったらどうする」

ベッドルームで
「ままー」
「今フライデーのお世話で忙しいのー」
「・・・」

ガチャ

そして、書斎にて。
「ねぇパパ・・」
「ま、待ってくれ今・・・」
「やっぱり!」
「は?」
「みんな僕よりフライデーのほうがたいせつなんだ!!」
「そりゃそうだろ、立体何があった」

書斎に入ると、長女のマンデーと、執事のハロゥがおりました。
これまでのことをサーズデーは主人らに話しました。

「そうか、そんなことが」
「でもサーズデー。ここにフライデーはいないわ」
「そうだったね・・書斎なんだからね・・
 っていうか、なんでハロゥと姉さんがいるの?」

マンデーと主人は目を合わせました。
ハロゥもサーズデーに微笑みかけました。

「内緒」
「またそれかよー」
「いいじゃありませんか、ねぇ、ご主人様」
「まぁな、それで、なんで生まれて間もない赤ん坊に嫉妬心を抱いてるんだ?」
「あいつが生まれるまでちやほやされるのは僕だった!」
「そうでもなかったわよ」
「まぁ昔からこういう扱いでしたよね」
「・・・」

サーズデーは極限まで「あちゃー!そうだった」という顔をして少し堪えた。

「何その極限までにアチャーな顔!」

「・・・私にもわかるわ、サーズデー」
「姉さん」
「双子だったけれど、私はあなたたちが生まれるまでちやほやされていたのよ。
 でも、ね。ほかに兄弟ができてからちやほやされなくなっちゃった。
 最初は寂しかったんだけどね、今は寂しくないの」
「なんで?」
「あなたたちを愛しているから」

「パパのことも愛してるかい?愛しの娘よ」
「好感度ダダ下がりよ」
「ご主人様、いい話ブレイカーに自らなるのはいかがなものかと思います」
「最低だよパパ」

主人は最高に「ガチョーン、やっちまった」という顔ををした。

「とまぁ、パパは置いておいて、私はあなたのことをちゃんと愛しているわ。
 でもフライデーが大事にされるのはしょうがないのよ」
「なんでさ」

「だってあなたより小さいし脆いし愛くるしいし、何より可愛い」
「傷つかないようで胸が痛くなるよ姉さん」
「パパも腰が痛い」
「それは年でしょう」
「・・・まだ47だよ」

「とにかく、サーズデーもハロゥもパパも好きよ
 私の家族だもの」

8ヶ月前 No.5

銀魚のかふか @irohasu02 ★sldUBOGjP4_nHx

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8ヶ月前 No.6

銀魚のかふか @irohasu02 ★sldUBOGjP4_nHx

7 多額の保険金を要求します

「ねぇママ」
「どうしたのサーズデー」
「僕のミニカーが物理的に炎上した」
「あらどうして?」
「二人目のお姉さまにやられた」
「ウェンズデー!」
「そうだよやったのはあいつだ!!」

「「うぇんずーでー!!」」

サーズデーとサタデー、Sコンビは声を荒げて次女の名前を叫んだ。
あまりにもでかい声で自分の名前を呼ばれた彼女は、とっさに階段を下りてクローゼットの部屋に来た。

「何?」
「あなた、弟の幼稚な遊び道具を燃やしたそうね」
「ミニカーって言ってくれないかな」
「燃やしたけど」

反省の意を見せない次女に奥様はきつーくいいました。

「反省なさい、お金を払いなさい」
「いいけど、サーズデー、あんた、保険かけてないわよね?」
「え?ミニカーに保険かける馬鹿じゃないよ僕」
「いいえ、我が子よ、保険はかけておくべきよ」

見てる方がいてくれるのなら、メモの欄を見てください。

「ほら、作者も
 『この話はウィークリー家のくだらないナンセンスな話です。
  そして私が思い付きだけで書いた文章です。
  本当にくだらないので、ご了承ください。』って保険をかけているじゃない」
「つまんなすぎて荒れないようにワンクッションという名の保険をかけてるの
 ほかにもスーパーマリ●ブラザーズシリーズで攻撃を受けてもすぐに死なないように
 キノコやらフラワーやらとって保険をかけてるじゃない」
「・・たしかにね 、じゃあパパは?」
「え?」
「パパはママにいつも『愛してる』って言ってるけどアレは保険なの?」
「どういうこと?」
「つまり愚弟はこういいたいの。
 パパが『愛してる』ってママに毎日言えば、パパはママ一筋だとママに思い込ませることができて、
 不倫してること自体がバレにくくなるってこと。・・・もししてたらね」
「それは保険というより・・いいえ、でも、私はダーリンがもし不倫してたら、相手を殺しちゃうかもしれないし、
 ダーリンもそのことをわかって結婚して愛を誓ったから不倫は多分しないわ」
「そのたぶんも保険?」
「ええ、もし不倫しちゃったらのことを考えてね」

「・・・ということで、サーズデーは保険かけてないっぽいから
 お金はミニカー代だけでいいね」

「えーっ」

8ヶ月前 No.7

銀魚のかふか @nazunaneko ★OVUUO2QJ4B_yFt

8 フィクションこそノンフィクション

いつごろだっただろう。
まだ下のきょうだいが生まれていないころ、いや、妹が生まれたころかな。
ここではないどこか、知らない街の中に暮らしていたころ。
双子の姉にひっついて離れなかったころのことを思い出した。
雨の降る日だった。
街のはずれでやっていたサーカスに父と姉と行った。
すごい人込みだった。
客席に囲まれたステージには、二つ頭に一つの身体、
腕が蜘蛛のように多い人や、曲芸師、狼男など、
一般的なホモサピエンスとは違う感じの人がいた。
サーカスというより見世物小屋に近い感じがした。
幼いながらも此処はまともじゃないんだなぁと思った。
どちらかというとアダ,ルトな雰囲気が漂った。
今思い出すと子供はいなかった気がする。

「すごいね、チューズデー」

「あぁ」

笑っているのか泣いているのかも分からないほどのメイク、
四方に曲がる関節、ぎょろりとうごく目玉たち。
縄で縛られた何か、普通なら無茶な体勢や芸が続いた。
怖いんだか面白いんだかが混ざった。
でも泣けなかった。
この人たちはこれで稼いでいるんだから泣いてはいけない、
彼らの居場所なんだ、泣いてはいけない、怖がってはいけないとまだ3歳ぐらいの自分は思ったのだろう。
異形な異常。襲ってくる何かに。

そんなものを見ている間、姉の顔はずっと虚ろだった。
うっとりとしていたのだろうか、口元は笑っていた。
自分も虚ろな目をしていたんだろうな。

そんな思い出話をお茶を飲みながら姉としていた。

「でチューズデー、なんでそんなことを思い出したの?」
「朝起きたら雨が降ってたろ?でこんな日だったなって」
「今もやってるのかしら、あのサーカス」
「さぁ?」
「あの町はどこだっただろう、どこに住んでたんでしょうね」
「薄暗い街だったよね」
「あの頃のこと、これぐらいしかまともに思い出せないの、私。
 なんでかしら」
「すっかり変わっちゃったから、お前、いや姉さんは」

姉は飲んでいたティーカップを机に置いた。

「そお?自分は全く変わってない感じするわ」
「いいや、姉さんは変わったよ」
「そっか、でも昔からチューズデーの事は好きよ、それは変わってないはず」
「あぁ、変わってないよ」

「そういうところ、かわってないな、姉さんは」

8ヶ月前 No.8

銀魚のかふか @irohasu02 ★0BGoml0nRI_yFt

9 一年後の君へ

「何があったんですか、これは」

「えへへ・・・」

ウィークリー一家ほぼ総出で、無残な姿になった庭で
ハウスキーパーのホリデーとチューズデーにお説教を喰らっていました。

「いろいろとありましてね」

※これから三話にわたっての長編のような短編が始まります。




6ヶ月前 No.9

銀魚のかふか @irohasu02 ★0BGoml0nRI_yFt

10 王様の腕はイヌの尻尾

一か月前のことです。

「「王様ゲーム!」」

お庭には奥様と侍女と次女と次男がいました。
何やら王様ゲームをするようです。

「あのママ、王様ゲームってこういう・・・
 その、そう、土砂降りの中で傘もささずに庭でやることなのかな」
「黙ってなさいよ愚弟」
「そうよチューズデー、誰もダメなんて言ってないわ」

バァン!!
お屋敷の扉が勢いよく開きました。

「奥様ァ!!何やっていらっしゃるんですか傘もささずに!!
 屋敷内にお入りください!!さぁ お嬢様方も早く!!」

そう叫んだのは執事のハロウでありました。

「ダメって言われたけど」
「いいの、やりましょう」

「「王様ゲーム!!」」

「やだよっておい」

「ちょっと無視しないでくださいよ奥様ァ!!」

「うるさい!」

次男はヤレヤレ、女子はアゲアゲ。
ハロウは逆に家の中に閉め出されてしました
どうやっても止められません。
ヒステリックなウィークリー家の女子は
すぐにフェニミスト団体に訴えようとするのです。
出来る限り面倒事は起こしたくありません。
仕方なく次男は付き合うことにしたのです。

「最初の王様だーれだ!」

奥様の手には四本のキャンドルが。
チューズデーは仕方なくその中の一本をとりました。

「あ、私だ」

王様はウェンズデーでした。

「どうしよっかなー、じゃあサーズデー」
「悪い予感しかしない」
「あそこのあなに埋まってきなさい」
「穴なんてないよ、この庭・・・・あった!?」
「先に掘っといたの、高さ3メートル、いやマイナス三メートルよ」
「地面の下だからマイナスか!!いや結構あるな!?」
「いいからほら」

「あっおい押すな・・・あああああああ」

ということでサーズデーは見事落下。
頭を強打しましたが、これは一応ギャグ小説(のようなもの)なので、
死にません、そして血も出ません。
大きなたんこぶができます。
ウソです。血は出ます。

「木曜日が塵になった」

奥様が言いました。
すると、地獄の穴(深さ三メーター)から声が返ってきました。

「塵にはなってねーよ!!」

「あぁ死人の鳴き声ね・・」
「お坊ちゃま・・・」
「良い子だったわ、かわいいわが子」
「掘っといてなんだけどシックスフィートぐらいにしときゃよかったわ」

※シックスフィートは死体を埋めるための深さです。

「次の王様だーれだ!」

色のついたキャンドルを引いたのは次女でした。

「うーん、奥様とお嬢様に命令なんてなんか違和感」
「なんでもいいのよ、早く!」
「じゃあーあの穴の中に生魚をいれなさい!」
「なんて素敵な提案!」
「恐れ入ります!!」

「なんかまたー悪いよかーん!!」

その後しっかり生魚は穴に入れられ、
その他にもおぞましい異物(強い匂いの香水、ショ●コンおじさん、なめくじ etc....)
が穴にたっくさん落とされていきました。
そのお嬢らの奇妙な行動は穴にとどまらず、
王様ゲームというものを悪用しながら、
お屋敷全体に悪戯を仕掛けていました。
ビー玉や、仕入れ先が謎の動物を放ち、
ところどころ地雷などの危険兵器も仕込みました。
そのおかげでお屋敷が凄いことになりました。




サーズデー氏、現在は行方不明となっております。

6ヶ月前 No.10

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

11 檸檬、いや愚問

「いやはや、前回から4ヶ月。
なぜにこれだけの時間がかかったのでしょうかねぇ」

そう言ってやがるのは旦那様。
この暖炉のある部屋には彼と長男と長女、
そして赤ん坊の末弟がおりました。
あと、わんこも。

「そんなこといってやらないでよ、
忙しかったんだって、あいつも」
「でもチューズデー。時間は余るほど合ったはずなのよ。
甘やかすと成り上がってくるわよそういうやつは」

確かにそうだ。
というか、それは確かな正論だ。

「にしても、外はすごい雨だな、こんな日に外には出れないし…エッ」

そう言いながら窓の外を見下ろすチューズデーは目を見開いた。
外には4人の住民が謎の遊びを楽しんでいました。
傘もささず。
すると玄関からものっそい怒鳴り声が聞こえました。
執事の声です。奥様ら4人に怒鳴っています。
チューズデーは執事とサーズデーが気の毒に感じました。
もうこれは俗にいうやめられない止まらないです。
ヒステリックな女子勢には勝てません。
御愁傷様、だ。

「ところでだな二人とも。 君たちにやってもらいたいことがあるんだ」
「受けて立つわ」
「勝負じゃないからな」
「頼みは一つ、あそこに生えている謎のレバーをひいて欲しい。
此処に越してきたときからあるんだけど、すっごい気になる。
雨の日だし引いてみたいじゃん?」
「僕にはその発想がわからないよパパ」
「じゃあ引きましょうか」
「なんでそうなるの!?」

基本 天然ガスのような一家の女子はなんでもします。
怖いですね。
っていうかマトモなハウスキーパーはどこの人なんだか。
まさかの二重キーパーだったり。あれ、それってスパイ?
蓮□?

二人は謎のレバーに近づいて見ました。
まじでレバーです。赤の丸い取っ手が付いているスタンダードレバーってやつ?
まじで壁から生えていて、なんかもう、植物的な感じがします。
まじで、まじ。
マンデーが躊躇なくレバーに手をかけました。
そしてレバーを下げます。

すると、チューズデーのいる足場が急に崩れ落ち、チューズデーは地下に落ちて行きました。
それとどうじに、地下から大量の温泉が湧き出てきました。

2ヶ月前 No.11

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

12 ウィークリー家の崩壊

お庭にはおぞましい汚物が入った大きな穴。
屋敷は温泉浴場と化して水浸し。
この話を読んでくれていて一部始終を知っている貴方ならわかるでしょう。
屋敷一帯はものすごいことになってしまっています。
無惨な姿になった雨降る庭に、
びしょ濡れの一家が総出でハウスキーパーと長男 に怒られていました。
横にはボロボロになった執事もいます。

「奥様、旦那様、一体これはどうしたことなんですか!!
チューズデーは全身びしょ濡れのズタボロですし、
執事はボロボロですし、あなた方も凄いこと凄いこと。
何もやらかしたらそうなるんですか!」
「っていうかパパ、あのレバーが落とし穴だって知ってただろ!
落ちた瞬間顔にやけてたの見たぞ!」

そう睨まれた旦那様はこうべを垂れて膝をついて言いました。

「知ってけどまさか温泉があるなんて知らなかったんだ!」
「謝れ!謝らなかったら今すぐに此処で亡き者にして
俺がこの屋敷の主人になってやろう!」

さすがのチューズデーもプンスカしてますね。
地下温泉のせいで血が沸騰してるのでしょうか。
一方の旦那様はそれはまずいと思ったのか 、
素晴らしいフォームの土下座をして謝りました。

「すみませんでした」

それをみて奥様とかその他は笑顔になりました。
ひねくれ者一家、あざ笑う。

「頭首としたことが、情けないこと。
それでも大手オペラ一家の主人ですか、
私の夫ですか。
下半身にある腰より下、太ももより上の部位を赤くなるまで叩くわよ」
「要約すると情けねえやっちゃなぁ。
ケツ叩くぞおら」
「ウェンズデー酷い!!」
「まあ今日のところは許してやろう。
だがこの屋敷はどうするつもりなんだ?」
「あっ…
っていうか女姿勢とママにはお咎めなしかよ!!
そういやサーズデーどこ行った!?」
「シックスフィート半の場所でチリになったわ」

そして王様気取り、というか情けない主人の代わりに、
キーパーや執事の推薦で一家の臨時王になった長男は取り敢えず業者に来てもらって、
屋敷をどうにかするつもりだった。
だがここはヴァイオレットフォレスト。
誰も入りに来てくれない。
と言うことで、2ヶ月の月日をかけて住民が復興作業を行った。
朝から晩まで、休みなどない。
その間、フライデーはどうしたかって?
プレミアムな揺かごで寝ていましたよ。

2ヶ月前 No.12

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

13 13時の金曜日

復興作業が段々終わりに近づいた頃の昼下がり、
フライデーを乗せた乳母車を押して、次女のウェンズデーが森を歩いています。
ゆっくりと歩きます。
丘のような高い場所で足を止めました。
屋敷が見下ろせます。
大分酷い惨状になっていたのが、元の状態に近づいています。
フライデーはウェンズデーを見て笑いました。
ウェンズデーはフライデーを見つめかえしました。
そしてウェンズデーは乳母車を坂の下へ落ちるように
軽く押しました。
乳母車は徐々にスピードを上げ、すごい速さで下っていきます。
フライデーは声をあげて笑いました。
ウェンズデーは見つめていました。
そして森に入って、見えなくなって鈍い音がした頃、ウェンズデーは自分も丘を下って、
フライデーの様子を見にいきました。

「…あなたはどうして死なないんでしょうねぇ、
こんなことをしても」

乳母車はバラバラになってしまっていました。
ですが当のフライデーは傷一つなく、ウェンズデーを見て笑っていました。

「さて、帰りましょうか」

そう言ってフライデーを抱きかかえ、屋敷へ戻っていきました。

「本当に不吉な子ね。
13日の金曜日に産まれただけあるわ、
不吉同士仲良くしましょうね
私の可愛い弟」


灰色をした昼空が、たいようをかくしていました

2ヶ月前 No.13

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

14 死体の花婿は幽霊一家の夢を見るか?

ほぼ完成間近のお屋敷のリビングルームに、
見かけない男性が床に置かれた棺の中で眠っていました。
男はお婿さんのような白いスーツを着ていますが、そのスーツの腹部は紅く染まっていて
ひどく大きい傷跡があり、そこからは骨や臓器が見えました。
死んでいてもおかしくないほどの血が出ていて、
彼だのあちこちは腐りおち、骨が覗いています。
そしてそこからは蛆が湧き、壮絶な匂いがします。

「愚兄、私は間違ったことをしたのかしら?」
「冒頭でそんなことを言うべきではないなウェンズデー。
お前がやってしまったように聞こえるぞ」
「でもこの人死んでいるわ。やっぱり奇怪なものと遭遇するには、
知らない場所への探検がぴったりね」
「あぁ、全くだ。だけどこいつはもうそろそろ目が醒めるさ、今に見てろ」
「あるわけないでしょ、この人腐ってるし、臭いわ。
生きてたらもっと瑞々しい、目なんて覚めない」

そうウェンズデーが言った瞬間、男は目を開け、起き上がりました。

「ここは………」
「ほら、目が覚めた……!?」
「僕は一体……!ウェディングデー!!ウェディングデーはどこだ?!
なんでこんな場所に…!?君達は誰だ!!」
「あんたはヴァイオレットフォレストで散歩をしていた私に
血だらけの棺の中で倒れているところを発見されたのよ。
それを私の兄が運んだの」

そう指をさした先にいた長男は固まっています。

「ヴァイオレットフォレスト…じゃあここはどこなんだ?
さっきまで僕は愛するウェディングデーと二人でひっそりと式をあげて、
指輪をはめて、誓いのキスをして、抱き合っていたはずなのに…」
「あんたの言うさっきまではきっとずっと前のことだと思うわ。
ここは泣く子も大泣きヴァイオレットフォレストのウィークリー一家の屋敷よ」
「ほぅ…ヴァイオレットフォレストに越してくる物好きもいるんだな」
「ここは良いところよ、とても」
「でもなぜこんな棺の中で……
ウェディングデーは何処にいるんだろう……」

そう男が立ち上がると、男は体の異変に気付き、リビングルームの全身鏡に近づきました。
チューズデーは固まって前を見つめているだけです。

「なんてこと!!ひどい刺し傷だ…何処もかしこも腐っているじゃないか、
なんで立ってられる、なんで喋れる?!なんで…………」

男はうな垂れてしゃがみ込んでしまいました。

「あぁ………思い出したぞ、誓い合って、抱き合った後、
背中に激痛が走りもだえ苦しみ、そして、……
ウェディングデー……僕は君をとても愛していたのに……誰よりも。
君は邪悪な天使だった…財産目当ての結婚なのは知ってたさ…
でもなぜ、なぜ…」
「あーコープスブライドならぬコープスグルームかしら」
「言ってやるなよ、可哀想だ」
「あら、やっと復活したのね」
「さすがにな。で、あなたはこれからどうするつもりですか?」

男はふらふらとたちあがり、また棺の中に入ってしまいました。

「無様なコープスグルームを埋めてくれ」
「まいったな。やっと埋められたスリーフィートの穴を掘り返したくはないんだがな」
「どうしようもないんだ。天国にも地獄にも行けないなんて。
あんなに誠実に生きていたのに、煉獄で焼かれず永遠を彷徨えなんて…
お兄さん、今は何年だ?」
「今は20世紀の最初あたりですよ。もうそろそろあそこのと戦争が始まる頃でしょうかね。
あなたの宗教はなんです?物によっては政府に突き出すことになりますよ」
「もちろんキリスト教だ。もうそんなに経っていたのか…
彼女にあっても老婆と化してるだろう。そして他の男と結婚して幸せに…
僕を愛してくれた両親もだってもう死んでるだろう……」

男はおいおい泣き始めました。

「あんた自分で墓穴掘ってるのわかってる?」
「でも仕方ないんだ、死んでるんじゃどうにもならない、居場所もないんじゃ…」
「しばらくここにいてはどうです?働いてくれるなら住まわせてもらえますし、
家族には快く受け入れてもらえると思いますよ」
「君らが良いのならそうしたいよ。何処にも行けない哀れな男を住まわせてくれるかい?」
「えぇ、まぁいいわよ。悪い奴じゃないでしょうし」
「あぁ、ありがとう、僕はバースデーというんだ。
生きてる時は32歳で生物学者をやっていたんだ、君らは?」
「私はウェンズデー、こっちは兄のチューズデー。
ようこそ、不気味なオペラ一家の屋敷へ」


2ヶ月前 No.14

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

15 死人にハローワークを~corpse work~

ほとんど完成した屋敷のダイニングルームに、
例の死体の花婿と、一家の全員が集まって晩餐をしていました。
花婿の今までの出来事と自己紹介が終わり、家族になる、煉獄の儀式を済ませた頃です。

「あなた、ここで住まわせてもらうかわりに何か仕事をするって言ってたけど、
何をするつもりだったの?なんの仕事ができるの?」

奥様は花婿を見て言いました。
花婿は悩んだ様子でこう言いました。

「全然考えていなかったです。昔は生物学者をしてましたが、
それ以外は…家事は女中に任せてましたが……料理ぐらいなら出来ます。
あと…音楽を少し嗜んでいました」
「じゃあ貴方は給仕長をしなさい。 歌と踊りで食事を盛り上げなさい。
ビーアワーゲスト!と」
「あぁハニー。さっき某D社の素晴らしい映画を見ていたんだな。
あれはとても愉快だし、ロマンチックでスリルもあって好きだ。
だが彼はあの素敵な燭台にはなれない、長所を生かしてやれ」

旦那様は奥様の肩に手をかけてそう言いました。
奥様は考えました。

「じゃあ庭師はどうかしら」
「ウチの庭は広すぎる。いや、庭というようなものがない。
ウチの庭は森のほとんどだからな、生い茂げりすぎたぐらいのほうが素敵だ」
「ならば父さん。教育係なんてどうだろう。
僕ら本の中でしか勉強ができない。彼が生まれるよりも前の古い本の中の知識しか知らない。
でも彼は生物学者だ。 音楽を少し嗜んでいると言ったし、僕らのいい教育係になると思うんだ」
「さすがは長男だ。 君は良いところの育ちだろうし、教養もあるようだ。
どうだ、教育係になってくれるか?あ…それと、屋敷の裏にある墓地の見張りもやってほしいな、
大丈夫、一人じゃない。大きな犬のノエルもいる」
「任せてください。死んでるからお化けもなにも怖くないです。
教育係も、昔は小さな學校を開いていたくらいですからそれなりに教えられます。
よろしくお願いします、これから」

その日から彼は昼は子供に勉強を教え、夜は墓場の番をするようになった。
ゾンビってものは面白いもので、眠らなくても何も食べなくもいいのだそうです。
ですが一家は生物と見ているので食事はさせています。
それにしても彼の腐敗はすごい。
なので一家の次女が見つけた責任として防腐処理を施していました。
お陰で腐るのは止まりましたが、体の縫い目は増えるばかりでした。

「さ、今日は何を教えようか」

1ヶ月前 No.15

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

16 時計仕掛けのチャレンジ

屋敷が完全復活を遂げたこの頃。
光もささない庭の草の上で、例のゾンビと次男と侍女がひかげぼっこをしていました。

「2ヶ月が2日の内に流れてしまうなんて文字の世界ってのは凄いなぁ」
「坊ちゃん。そんなこと言わないの。私たちの時間の流れと読者の時間の流れは違うのよ」
「二人ともとても現実的なんだね」

そうやって3人が仲良くほのぼのとおしゃべりしていると、
玄関の扉が勢いよく開き、執事が現れました。

「あのやろおおおおおおおおおおお!」

「どうしたのよ、ハロウィン」
「旦那様が仕事も終えず奥様と子供達と大きな街へ行ってしまった!!
あとはわかるな?」
「待ってよ、僕何も知らないんだけど!?」
「坊ちゃんはたしかさっきまで地下室に閉じ込められてましたからね」
「やったのはウェンズデー嬢あたりでしょう、きっと」

執事は激怒した。必ず、かの邪智暴虐の旦那を除なければならぬと決意した。
次男も激怒した。悪逆非道の姉を除ねばと思ったが、無理だと確信した。

「仕事ほっぽりだして何やってんだあの遊び人は!!」
「まぁまぁ、主人様はきっとすぐ戻って来ますよ、ねぇ新人?」
「僕にはわかりかねる」
「大きな街なんてなかなか行けないぞ!?許さないぞ姉ちゃん!」
「怒ってもやり返させるだけでしょう、
とにかく許せない、一家の存亡の危機に陥るような大事な書類を投げるだなんて!!
…まさか、大きな街へ逃げたとか!?
僕が俗にいう劣等種族の出身だからって酷すぎる!!
家畜用の車に乗せてガス室にでも送るつもりか!?」

「でもそうしたら坊ちゃんと私が置いていかれたわけがわからないわ。
きっと遊びに行っただけよ。…そういえば、ゾンビちゃん、あんたどこの宗教なの?
ものによっては昔の人間でも政府につきだしかねるわ」
「それ、ウェンズデー嬢にも言われました。勿論、神による洗礼を受けたものです。もしかして彼は?」
「御察しの通りよ」
「はぁ。そりゃ怯えるのも仕方ないな。まぁすぐ戻ってくるさ」

執事は3人の隣に座り込み、ひかげぼっこに乱入してきました。

「はぁ…………」
「仕返しでも考えてあげようか?
例えば配達の荷物に毒持ちの小さな外来生物を入れてあげて、混乱を起こすとか」
「それじゃあ一家全体が危ないだろう。別に出かけるのはいいんだ。
それを戒めてやろうなんて思わないよ。ただ許せないだけで」

執事は手に持っている懐中時計を見て、飛び起きました。

「まずい、まだ仕事が残ってたんだ、早くいって6時までには終わらせなくては!」

そう言って彼は屋敷の中に入って行きました。

「時計仕掛けね、執事は」
「っていうかヴァレンタインは仕事大丈夫なの?」
「まず奥様がいないし」
「そうか………」

暗い森のひかげぼっこは、ただただ平和を感じさせていました。
帰ってきた旦那様が執事に説教を食らったのはまた他の話。


1ヶ月前 No.16

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

17 誤った過ちを謝る、そして求めてゆく

「ねぇパパ。メモ欄の一文が変わってるわ」
「そこに目が行くとはさすがは我が娘だマンデー。
『 感想いつでも受付中です。
「くだらない」「くだらなすぎて死ぬ」とかでいいのでお願いします。
サブ記事に感想はおねがいします。』という感想を促す部分が、
『もし時間があったら、感想を下さると嬉しいです。書いてくれるのならば、
タイトルの近くにあるサブ記事をクリックして、サブ記事に感想を書いてください。
いつでも待ってます』と更に図々しくなっているな」
「回覧数が200を超えたからかしら」
「もし時間があったら、と丁寧に言っているがそんな他人にへりくだってまで評価が欲しいのかあいつは?」
「来るのは批評だけでしょうに」

………と、二人は地下牢にいながらも呑気に話していました。
地下牢に入っているのは旦那様だけですが。
なぜそんな場所に入れられているのかというと、前回の件で執事と次男を怒らせたことによりです。
怖いですね、男子も。

「きっと望んでいるのは批評ではなくて賞賛だろう。
なんとも夢見がちな人間だ。ノーベル自惚れ賞をやりたいぐらいだ」
「今日のテーマはなんなの?人間の欲?それとも?」
「図々しい人間という感じだろうか。さっぱりわからん」
「それよりパパはここから出してもらうことが今やるべきことよ。
メモ欄なんかに構ってる暇はないわ」
「そうだな……執事をよんでくれないか?」
「無理よ」
「なぜ」
「パパにとても怒っているのよ」
「土産も買ってきてやったのに」

そう言って逆万字のブローチを見せました。

「パパって本当にオツムが弱いのね、喜ぶわけない、怒るわよ」
「でもとにかく鍵だけでももってきて開けて欲しいんだ、仕事の書類はまだあるからな」
「そう言ってまた遊びに行くでしょうと言って、執事がここに書類を持ってきたわ」
「…」

1ヶ月前 No.17

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

18 我輩は親である、孝行はまだされてない

旦那様が執事に27時間謝り続けて地下牢からなんとか出してもらった日の夕方。
リビングには次女のウェンズデーと次男のサーズデーと、旦那様がいました。

「全くひどいよ、姉ちゃんもパパも。
なんでおいていったんだよ、大きな街なんて中々行かないから楽しみにしていたのに」
「まぁ色々と用事があったわけだ。言っておくが、僕は置いて言ってないよ。
一応声はかけたつもりだ」

そう旦那様がいうと、次男は次女を睨みつけました。
そして飛びかかりました。

「そうは行かないわよ愚弟ッ」

飛び掛ったところを次女は近くにあったモップで叩き落としました。
ついでに旦那様もモップで叩きました。
このモップは侍女が忘れていったものでしょうか、とても臭いです。

「くぅッ……」
「ウェンズデー……お前……なんでパパまでやったんだ、痛いだろう!!」
「私の司令塔の頭がやれって」
「お前は親孝行というものを知らんのか!!誰が産んでやったと思ってる!」
「パパではないわよね」
「…確かにそうだが、作った一人だぞ!お前がここにいるのも僕らのおかげだ、
少しは感謝するべきではないのか?!」
「べつに産んで欲しくはなかったわ。頼んでもないし」
「生意気だな、さすが思春期、親離れの季節だ!だがウェンズデー、もうすこし優しくしてくれよ」。
それか親孝行とかしてくれよ」
「気が向いたらするわ。でも親孝行しろなんて図々しいわね。
勝手に作って勝手に育てただけなのに。産んでくれてありがとうってのはおかしいでしょう。
どうせ私の出生に大した悲劇的バックストーリーは ないでしょ?」
「うっ………」
「さすがに私も悪魔の子じゃないから、優しくはしてるのよ」
「姉ちゃん、じゃあ僕にも優しくしてよ!」
「イヤ」
「即答かよ!」

1ヶ月前 No.18

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

19 世界の中心で愛を叫んだゾンビ

満月の夜です。
肌寒く不気味な暗闇が世界をつつみます。
そんな中でたった一人と一匹だけ起きている者がいました。
そう、墓守となった屍体の花婿バースデーと、番犬のゴールデンレトリバーのノエルです。
屋敷の裏の墓場で墓泥棒がこないか見張っていました。
最も、こんな森に、ましてや墓場に来訪者なんてこないのですが。

「なぁ、お前はノエルと言うんだろう。
お前は僕が来るまで一人だったんだろ、寂しくなかったのか?
僕はもう死んでいるから寒さも痛みも恐ろしさも感じられないが、
お前は生きているだろう。
僕が来るまで一人でこの暗い寂しい森の番犬をしていたなんて、
生きている僕だったら耐えられなかったろうな。
家の中の暖かな暖炉と、優しい家族がすぐに恋しくなりそうだ。
まぁ今じゃ何もかも失ってしまったから……おい、きいてるか?」

ノエルはくぅんとないて墓守の近くに座りました。

「あぁ…ウェディングデー……僕だけが一方的に君を愛していたと思うと、
今までの時間が虚しくなるばかりだ……
体の痛覚は無くとも心の痛みは増していく。体のツギハギもほつれかかっている。
防腐剤は入れてくれたがこの腐敗のあとは消えなかった。
この一家が死んでしまったらまた一人になってしまう……」

死んでも涙は残るのでしょうか。彼は一筋の涙をな流しました。
そうやってブツブツと呟いていると、脳天に重い感触を感じました。
枯れた花の入った花瓶です。上を見上げると次女のウェンズデーがいました。

「またそうやって一人で過去ほじくって泣いてんじゃないわよこの愚図!」

そういって窓を勢いよく閉めました。

「…ウェンズデー嬢は優しいな。
そうだ、泣いてるわけには行かないぞ。もっと他のことを考えようじゃないか。
最近街のほうでは貧困にも参ってしまっているらしいな…
戦争もまた始まるようだし…貧乏と暴力はとても仲良しと誰かが言っていたなぁ。
僕の生きた頃はとても平和で美しい景色が広がっていて…
文学と音楽や科学が栄えた素晴らしい時代だったな。
あの頃に戻りたい、そしてまた新しい女性と付き合って、家庭を築いて…子供が生まれ成長して…
そうして平和な老後を過ごして幸せに死にたいな…
僕にもそんな未来があったのかもしれない。
あぁ…また………」

殴られても燃やされても痛くない
凍えもしないし 飢えもしない
あるのは大きすぎる心の穴
体が感じられない痛みを
心が全て感じる
時代の流れと失ったものが
恋しくなって 寂しくなって
死んでも流す涙は残っている………
そして夜は明けて………



1ヶ月前 No.19

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

20 晴れに唄えば

今日は晴れ。時々ぶたです。
嘘です。
こんないい晴れの日は今年はもうこないでしょう。
丁度いい気温と湿度、そしてお日様の光が暗い森にも差し込んでいました。
ですが一家は引きこもっていました。
例の墓守はあんまりにも強い日差しに負けて消えてしまいますし、
色白な一家は肌が弱いので外に出ると肌が赤くなってしまいます。
いつもの曇りに近い晴れなら墓守も一家も耐えられますが今日は特別日差しが強いので、
外には出ようともしません。
なにより、一家はそういう最高の晴れの日が嫌いだったのです。
次男のサーズデー以外は。

「あぁ…いい晴れの日だな…外に出たいなぁ…」

廊下で次男が窓を外を見ていました。
すると墓守と侍女が来ました。

「あら坊ちゃん、どうしたの?」
「外に行きたいんだ」
「あぁ…こんな晴れの日は外に出たいものなぁ。
一緒に出てやりたいけど、生憎僕はあの強すぎる日差しと相性が悪いものだから」
「でも外に出たいなんて無謀すぎる夢よ。
執事が玄関のドアを命がけで守ってるから外に出ようものなら殺されてしまう。
曇りの日に行きなさい」
「そもそも、おかしいよ僕の家の家族は。なんで晴れの日が嫌いなんだ?」
「訳あってでしょう。あんた以外は全員地下室に引きこもってるわ」
「いや、僕はいるよ」

そういって出て来たのは長男のチューズデーです。
男の子は元気でいいですね。

「あら、いたのですか。僕はてっきり他の人たちと一緒に地下室にいるのかと」
「僕はまだ晴れが耐性のある分類に入るからね。
まぁ雨の日の方が好きだけど」
「…血は侮れないわね」
「屍体の墓守さんは地下に行かなくていいのかい?」
「あぁ、今から行こうとしていたんです。もうそろそろ正午になるからね。
日差しももっと強くなるだろう」
「 そうか、それなら早くいった方がいい。で、侍女は?」
「私は暇なので、墓守を地下室へ案内してたんですよ。奥様も地下室にいますし。
ついでに昼食を持っていってやらないと」
「ねぇ兄ちゃん、外に行きたいんだ、行ってもいい?」
「駄目だよ、母さんも姉さんも許してくれないだろう」
「じゃあパパは?」
「あれはダメだ。サーズデー、昔からわかっているだろう、
こういう晴れの日は外に出られないんだ。だから外に出ようだなんて無謀なこと考えるな。
今度の曇りの日に外に連れてってやるから。な?」

「…うん」

彼はいつになったら晴れの日に外に出て遊びに行けるのでしょうか。
その日はいつ来るのか。


1ヶ月前 No.20

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

21 蹴りたいお尻

不思議です。
旦那様と奥様しかリビングにいません。
いつもは5人兄弟のうち誰かがいるのですが、いません。
なぜ?それは親二人が末弟以外を学校に行かせたからなのです。
友達、協調、団体生活という熟語が苦手な世間知らず兄弟を世の中に慣れさせるためです。
あと、教育係兼墓守が
「僕は古い生物学と文学の知識しか知らない、そして彼らは僕より古い本の知識しか知らない。
それはとても可哀想なことです。學校に通わせて見てはどうでしょう」
といったからです。
まぁ行ったところで何を起こすかわからないですがね。

「あぁ、今日はとても清々しい日だな。口煩い忌々しい子供達がいないなんて。
執事、お茶」

執事は紅茶を入れました。
旦那様はいつもは使わないコップ皿の銀のスプーンで紅茶をかき回しました。
銀のスプーンは変色して、くろずみます。

「…雇い主に対して酷いな」
「当然の扱いですご主人様。子供達は馬車に乗って學校に行かれました。
あれは何をしでかすかわかりませんよ。
他の子供よりは賢いし、ものを知っているから。
學校なんて行かせなくても良かったでしょう、知ればいいことは知っている」
「そうだな。でもたまには静かに過ごしたいんだ。
知りすぎることは罪だ。だが知らないことはもっと大きな罪だ。
最も、全員が學校に行けて、頭が良かったなら戦争なんて起きないんだ。
でも皮肉なことに、戦争が起きるから発明ができて、頭の良い科学者はもっと頭が良くなる。
それと反対に文学は衰退していく」
「難しいわね。世の中」
「でも皮肉といえば、新入りの墓守だ。
ゾンビに良くバースデーなんて名前を付けたな。今更だが本当に皮肉なことだ。
死んだ人間にバースデーなんて」
「…あ、馬車の音が」

窓を見下ろすと、黒い馬車が見えました。
執事は急いで下の階の玄関へ向かいました。

「お帰りなさい。もう終わりですか?
まだ13時…まぁ妥当な時間でしょうかね」

4人が馬車を降りました。

「學校ってあんなふしだらで窮屈で最低な場所なのね。
全員派手な貴族のような格好や髪型をしていても、
中身は頭の悪い目立ちたがり屋の底辺だったわ。
そのくせ一人じゃ行動ができなくて、
集団でルールの中に存在しようとしたがるの」
「なんかもう行きたくはないな、僕は。
質問をしてもバースデーみたいに答えてくれないし、
何よりみんな感じの悪い人間だったよ。
新しいものを受け付けない体質なんだろうね。
あそこは、政府の影響を強く受けた、つまらない人間だらけだ 。
子供に個性を失わせて昔から決まったきつい縄で縛るのに、
その逆の個性とマニュアルに囚われない自由と意外性のあるアイディアを求める場所で
教わることなんてあるわけないよ」
「あぁ。俺たちはここで古い本を読んで、古い人間から教わって、
生きていく過程でものを知って行っていたほうがマシだよ。
俺たちには合わない、あんな規則ばかりで縛られた場所」
「私もよ」

「そんな、もう行かなくていいですよ、無理しない方がいいでしょう。
學校ってどんな酷い場所なんでしょうか。
規則なんてもの気にせず、ここにいたほうがあなたたちはずっと楽に過ごせるでしょうね」

1ヶ月前 No.21

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1ヶ月前 No.22

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

23 幽霊姫の朝

パンはとても硬くなっていました。
それでも少女は嬉しそうにそれを受け取りました。
墓守は悲しそうな顔をしました。
彼女はもう普通に物を食べれないのです。
いくらものに触れ、動かし、持つことができても、
食べて味を感じることができません。

「ありがとう。あぁでもお腹が空きすぎて空腹感が無くなっちゃったな。」
「それは大変だ。早くお食べよ」

少女はパンを食べ始めました。
味を感じることができないことに気づかないように墓守は願いました。
それでもいつか教えてあげないといけないのです。
少女は味を感じないのに気づかないまま、パンを食べ終わりました。

「おいしかったよ」
「そりゃよかった」
「やっと食べれた…。ねぇ、なんで墓守さんは死んじゃったの?」

墓守はゲッと思いながら彼女に話しました。
話の途中、少女はとても哀しそうな顔をしたので、
墓守は彼女を元気づけながら話しました。
墓守も少し悔やんだような、寂しそうな顔をしたので、
少女はたまに墓守を励ましながら話を聞いていました。

「…そうなの。結婚式中に…愛していた人に殺されちゃったのね。
さぞ辛かったでしょう。すべて失ってしまったから…
でも大丈夫よ、あなたは。やさしいお屋敷の人がいるもの。
ああ、もう日が昇る。
あなたのおかげでこれでまた生きていける。
ありがとう墓守さん。私、もう行かなきゃ。
お家に帰らなきゃ、お母さんのトコロに。
でも不思議…この森、とても清々しい気持ちになれる…
じゃあね。もう行かなきゃ」
「あぁ……またおいで」
「うん、またくるね。ありがとう。
一生忘れないよ、あなたのこと。
バイバイ!またね!」
「グッドバイ!」

朝の光が差し込むいつもとちがう色をした白い森で。
少女は透けた体を走らせました。
とても軽い。
こっちを振り向きます。笑顔で笑います。
墓守は悲しくて笑えませんでしたが、無理に笑いました。
透けた体が森に溶け込んでしまったとき、

「あっ」

彼女は消えてしまいました。
足の先から頭のてっぺんまでにノイズがはいって一気に消えてしまいました。
そしてか弱い声をあげて、消えてしまいました。
墓守はそのとき、日除けの帽子を取りに、倉庫へ行ったトコロです。

朝が来ます。

1ヶ月前 No.23

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

24 ブラック・バック

旦那様は新聞を読んでいました。
『サーカスの人気歌姫、行方不明 失踪か』と小さな見出しで書いてありました。
それより気になったのは戦争の状況でした。
旦那様が書斎で新聞を読んでいると、長男がやってきました。

「父さん、僕って戸籍入ってるの?」
「何故そう思う」
「この前の学校で兵の召集の話になっていた。
みんなは招集令状がきたといって悲しんでいた。
でも僕はそんな紙をもらっていない、何故だ」
「またおかしなことを吹き込まれたのか」
「おかしなことじゃない、これは忌々しき問題だ。
僕らだけ人から逃れて戦争に行かないだなんて卑怯だ。
僕らがいないと存在していないと騙しているようなものじゃないか」
「そんなこと考えず、この森から出ずに暮らしなさい。
もっとも、戦争になんていってもいいことなんてない。
戸籍のないおかげでお前は赤い血や飛び出す肉を見なくていいのだ。
良かったと思え」
「…」

長男は深刻な顔で出て行きました。
代わりに、次男がやってきました。

「そんな顔しないでよパパ。
僕はあんなこと言わないよ。
でも知ってるよ。僕を置いて大きな街へ行った時、
パパ達が何をしたか、文字の上で僕らに何をしたか…」
「やめてくれないか…」
「なんてね、シリアス調に話したらパパも乗ってくれるかなって!
でも僕はもうあまり外に出たいなんて言わないよ、
その代わり、もう少しおもちゃが欲しいな。
僕の年齢に合うやつ」
「あぁ…
あぁ……」

次男もそそくさと書斎から出てきました。
一人残った旦那様は星がきらめく空を窓から見ました。
そのままぼんやりと、眠りにつきました。

1ヶ月前 No.24

銀魚のかふか @irohasu02 ★iPad=5AvV0Fn978

25 とある一家の法螺話(ノンフィクション)

ある晩、長男と長女の部屋に次男と次女がいました。

「なんでいるんだ」
「眠れないのよ、ねぇ?」
「そう、僕ら眠れないんだ。何か面白い話でもないかと思って」
「追い出してくれマンデー……ちょっと、寝るなよ」
「起こさなくてもいいじゃない、話をしてくれたらすぐでてくから」
「面白い話ね」
「じゃあ怖い話でもしてやろうか」
「面白いのって言ったよね!?」
「まぁいいじゃないの愚弟、面白いも怖いも一緒よ」
「昔々…………」

そういって長男は話し始めました。

ある幸せな貴族一家がありました。
裕福で生活に困ることはなく、そしてとても親切で、
お日様の光に照らされて輝く大きな屋敷に住み、
時折パーティを開いて人を呼び、歌ったり踊ったりする賑やかな一家でした。
あるパーティの日に敵国にいる友人の使いと名乗る女から、
真っ赤なルビーの楕円の形をしたブローチを譲りうけました。
女によると、その宝石は年頃の人間の願いを一つ叶えてくれる古代の工芸品だという。
それを手にした一家の噂はたちまち広がり、
宝石をなんとか手に入れようとねだり、縋りました。
けれども一家は貰い物を人に渡すなどできないと、全て断りました。
ある雨の日です。雷鳴とともに彼らと敵対していた国も恐れる裏組織の人間が屋敷にやってきました。
そして断固として宝石を差し出さない一家を惨殺し、墓へと葬りました。
これは敵国にいる友人の思惑通りでした。いつしか彼らに負けた友人は一家にひどい恨みを持ち、
そういうことになると知って使いを送り、手に入れた呪いの宝石を届けたのです。
そして、手を汚さずに彼らの口を縫って消すことができました。
その場に居ず殺されぬまま屋敷に残された最後の一人は、胸元のブローチに
「幸せを奪って奴らを許さない、また幸せに暮らしたい」と願いを込めました。
願いは叶い、友人とマフィア組織は滅亡し、一家の魂は煉獄の炎から解き放たれ、
何事もなかったかのように今でも屋敷で幸せに暮らしているそうです。
そして、例のブローチは人の血と絶望を吸って、一層赤く染まったそう………


「そしてこれがその呪いのブラッドルビーだ」

話し終えると、長男は小さな黒い箱を取り出し、中身を開けてみました。
話に出てきたブローチと似た容姿をしたルビーの宝石のブローチが出てきました。
それは妖しく赤く輝いていました。

「あら綺麗」
「これを見せたいがためのおとぎ話だったか、ふーん?」
「やだなぁ、これは本当の話でも、これは実物だ」
「嘘でもなんでもいいわよそんな不幸話」
「まぁ面白かったね、嘘でも」
「……お前らさっさと部屋に戻って寝ろ!」

そういうと二人は満足げに部屋に戻って行きました。
宝石をしまい、長男はベッドによこになりました。

「面白かったわ、さっきの」
「…なんだ、起きてたのか…面白くないだろあんな作りバナシ」
「おもしろかったわよ」
「フィクションが好きなお嬢さんだこと」
「本当にフィクションなの?」
「そうだよ」
「そうは思えなかったわ、今も顔が引きつってる」
「そういう顔なんだよ」
「そう……でも私は信じてるよ」
「………」
「おやすみ」


煉獄の星もきらめかない深淵でおやすみなさい………



1ヶ月前 No.25
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