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Re:ココロの扉

 ( 小説投稿城 )
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東野 ★Smart=xwaNUGoqUr

三年振りに読み返していたら、もう一度しっかりと書き直してみたくなったので、勢いで立ててみる。

どうもこんにちは、久し振りってレベルじゃねえぞ!
東野ナリアと名乗っていた者です。
恐らく覚えている人は居ないんじゃないかと思います。
この三年間で成長したことと言えば、ネカマを卒業したことくらいです。(軟弱な脳で必死に喋り方真似たり頑張ってたんだって!)

ということで、三年の年月を経て、もう一度、この黒歴史だらけのメビウス掲示板でココロのトビラワールドを展開することにします。
目標は過去スレに行かないことです。
(思春期の男子学生は忙しいんや…仕方ないんや…)

というわけで、メビウスの神様、かつての読者様、何卒もう一度、宜しくお願いいたします。

メモ2016/12/22 03:40 : 東野★Smart-xwaNUGoqUr

http://mb2.jp/_sst/17026_1.html#S74

↑3〜4年前に書いた原作。

盛大なネタバレ&黒歴史の塊なので閲覧はお勧めできません。

原作が進んだところまで追いついたら違いを探すのもありかもしれない(数年はかかる気がする)


【現段階での登場人物、設定(ネタバレがあるので本文を読んでから閲覧下さい)】

2016/12/22 3:40現在


●ユリス

国立魔法学園の初等部六年。

何度も見ている不気味な夢に悩まされている。

基本無表情、無感情(こうなってしまったのには、何か理由があるらしい)。

サウリは唯一の友達。


●サウリ

同じく初等部六年。

友人のユリスとは寮が違うが、たびたび小鳥の姿になって迎えに来るらしい。

しかしその変身魔法には欠陥があり、名前を呼ばれると元の姿に戻ってしまう。

明るい性格で、誰とでもすぐ仲良くなれる。


【判明している校則】

・校内で許可なく魔法を使うのは禁止

・自分の所属していない寮に入るのは原則禁止

・廊下は走らない

切替: メイン記事(7) サブ記事 (6) ページ: 1


 
 

東野 ★Smart=xwaNUGoqUr

…ここは何処だろう。
ぽつん、と。
暗闇の中に一人、私は立っていた。
灯りは一筋も見えない。
虫の羽音も聞こえない。
その静かで孤独な空間で、私は自分の呼吸音と、跳ね上がる心臓の音と共に居た。
頭はぼんやりとしている。はっきりとしないその意識は、これが現実ではないことを薄っすらと告げている。
一体なぜ自分がここに居て、どうしていたのかは分からない。
知りたいことは山のようにあるが、それを教えてくれる相手は存在していなかった。

途方に暮れていたその時、微かにだが、人のもののような声が聞こえた。

「誰か、いるの…?」
そう問うてみる。が、応えは返ってこない。それらしい姿も見えない。
その声はどうやら、同じ言葉を何度も、何度も繰り返し言っているようだった。
同じような音の強弱が聞こえては消え、また聞こえては消え。
一度聞こえ出したその声は、黙る気配を見せなかった。
何と言っているかは、何故か分からない。しかしその声は、私の耳から入り込み、脳のなかをぐるぐると駆け巡り、脳味噌をすすずり、こびり付いた。それは意味の分からない魔法の呪文のようで、しかし何処か聞き覚えのあるような音。
これはなんだろう。
ああ、もう少し、あと少し考えれば、これが何なのか分かる気がする。
その言葉の意味が、喉奥まで出かかったその時。
私の頭に、突然激痛が走った。
例えるなら落雷、落石、鉄骨がいっぺんに頭の上に落ちてきたような、割れるような痛み。
私は、堪らず断末魔を上げた。
「うぐああああああああああああ!!!!!!!」

1ヶ月前 No.1

東野 ★Smart=xwaNUGoqUr

【第一章 心の鎖】
『リス………ユリス』


「!」

「____はあっ、はあっ、はあ…」
息は荒い。まるでサウナにでも入ったかのように、大量の汗をかいている。そして、ドクン、ドクン、ドクンと、警告のように激しく脈打つ心臓の音。
私は、恐る恐る、周りを見渡した。
…眩しい。窓からは、優しく暖かい陽の光が差し込んでいる。いつもの、私の部屋だ。
「夢…」
そう呟くと、安堵の溜息が漏れる。
良かった、あれは現実じゃなかったんだと思うと同時に、私は またか、と頭を押さえた。

あの妙にリアルで、気持ちの悪い夢を見るのは、初めてじゃない。
今回で十回目だ。
見る度に寿命が縮みそうなあの夢は、回数を重ねるごとに、見る日の間隔が短くなっていた。
初めて見たのは一年前、次が半年前、その次は二ヶ月前、というように。
そのうち毎日があの夢になるのではと考えると、身が凍る思いだ。
(どうしたらあの夢、見なくなるんだろう…)
今度は安堵ではなく、不安な思いが沢山詰まった溜息をつく。
そう、私が考え込んでいると。

「ユリスー!朝だよ朝ー!遅刻しちゃうよー!」

1ヶ月前 No.2

東野 ★Smart=xwaNUGoqUr

その時、窓から銀色の綺麗な翼をした小鳥が入ってきた。
「…おはよう」
私は別に、小鳥と話せる特殊な能力を持っているわけではない。
サファイア色の小さな瞳を見つめて、私は単調な声で告げた。
「起こしに来てくれるのは有難いけれど、見つかったら怒られるわよ。…サウリ」
そう名前を呼んでやると、ポンッと音を立て、たちまち煙に包まれた小鳥は、少女の姿になった。
「えへへ、だって、待ち合わせの時間過ぎてもなかなか来ないんだもん、つい…」
そう照れながら言う、彼女の名はサウリ。この魔法学園での、私の唯一の友達だ。
「…校内で許可なく魔法を使うのは校則で禁じられているし、自分の所属していない寮への入室も基本厳禁。
そんな中で使った魔法も、真名を呼ばれたら元の姿に戻ってしまう欠陥魔法って…これが先生方にバレたらどうするのよ、私にまで責任がかかるんだけど」
そう冷たい声で言う私に、サウリはぷくーっと頬を膨らませて反論する。
「ちょ、ちょっとお!そんなリスクを背負ってまで迎えに来てあげたサウリちゃんに向かって!そこまでボロクソ言わなくても良くない!?」
「…声、大きいんだけど。先生方に気付かれるわよ」
私が慌てて通告すると、案の定、廊下から小走りでこちらに向かってくる音が聞こえた。
「わ、やっば…じゃあ、寮の入り口で待ってるから!できるだけ早く来てね!」
サウリは再び小鳥に変身すると、窓から飛び去ろうとする。
その後ろ姿に背を向けた私は、振り向いて小さく声をかける。
「ありがとね、サウリ」
「お〜っ、なになに、ユリスったら、もしかしてデレ…って、なに名前呼んでんのさああああぁああ〜………!」
魔法が解けたサウリは、盛大に音を立てて、芝生へと落ちていく。

その光景を見た私は、いつもの無表情のまま、口元だけ動かして微笑んだ。

「…さて、出かける用意、しようかな」

1ヶ月前 No.3

東野 ★Smart=xwaNUGoqUr

十分後。
支度を終え、待ち合わせ場所に着くと、サウリが待ってましたと言わんばかりの笑顔で、手を振って迎えてくれた。
どうやら、先生には見つからずにすんだようだ。
「もー、おっそいよー、ユリス!」
「ごめんなさいね、今日見た夢のこと考えてたら、手が止まっちゃって」
「夢って…もしかして、例の?」
私の顔を覗き込んできたサウリは、眉を潜めた。夢の内容は、既に話してある。
「ええ…取り敢えず、歩きながら話さない?授業始まっちゃうし」
「う、うん…」
腕時計を確認すると、朝のチャイムの時間まで、あと十分を切っていた。
寮から学園まで徒歩五分、七階にある教室に着くまで三分程度。
夢は勿論、遅刻の言い訳にはならない。
のんびりしている時間は無かった。
私達は小走りで歩きながら、話を続ける。
「ねえユリス、私、やっぱりあの夢、なんかおかしいと思うんだ…先生とかに聞いたら、何か分からないかな?」
「そんな質問したって、ここのお堅い先生方には、きっと鼻で笑われるだけよ。たかが夢なんだから、って」
心配そうな表情のサウリとは対照的に、私は淡々とした口調で告げた。
そう、たかが夢だ。現実じゃない。だから、何も心配することはない。
ただ、それだけだ。
「でも…でもさ、ユリス。もしもってことはあるかもしれないじゃん。呪いとか、予知夢とか…」
それでも、彼女は何処か引っかかるところがあるようだった。
「まあ、何かあったら、その時はその時じゃないかしら」
私は少し苛立ちを覚えた声でそう言って、歩く速度を速める。この話を続けるのが億劫だったからだ。あの夢は思い出していて、少しも心地いいものじゃない。
…それに、私は、自分がどうなろうと、どうでもよかった。

「ユリス、何かあった後じゃ、遅いんだよ…」
サウリがそう呟く。見ると、きゅっと唇を噛み締めている。白くて細い手が、小刻みに震えているのが分かった。
「私、私、ユリスに何かあったら…」

「…」
私はその手をそっと握ってやる。
「…大丈夫だから」
と、小さく呟き返して。
友達思いの彼女は、頷くと、強く握り返してきた。

そうして無言のまま、私達は昇降口に入って行った。

30日前 No.4

東野 ★Smart=Ym1H1zIpTv

【番外編 ゆく年くる年(前編)】
※前回の更新の内容とは全く繋がっていません。パラレルワールドとして楽しんでいただけたら幸いです。


「…さむ」
凍えるような寒さで、目が覚めた。
周りを確認する。いつも通り。寮にある、私…ユリスの部屋だ。
次に、掛け時計を見る。長針は11を、短針は2を指していた。外の暗さからして、恐らく午後の方だろう。
どうやら私は夕食の後、少しうとうとしてしまっていたらしい。
(良かった…今年は起きて迎えられそう)
安堵した私はベッドから立ち上がって、そのままになっていた、机の上にある食器類を片付け始めた。

今日は、この年最後の日。
とは言っても、夜間は部屋から出ちゃいけない決まりがあるから、毎年一人ぼっちで寂しく、静かに迎えることになるんだけど。
だから、多分年が変わることをそこまで重要視してなくて、いつも通り朝まで寝ちゃう人も多いんじゃないかな。
私も、去年までそうだった。
でも、今年こそは、来年を起きたまま迎え入れようって思ったんだ。
…なんとなくだけど、来年は良い事ありそうな気がしてるから。


そんな事を考えていると、窓の外から小さく、コンコンとノックする音。
(もしかして…)
そこに居たのは、銀色の翼の小鳥。
私は、黙って窓を開ける。
小鳥はなんの躊躇いもなく、スッと部屋に入ってきた。
「また校則違反?…サウリ。」
半端呆れながら、その鳥の真名を言ってやる。
「えへへ…お邪魔しまーす…」
たちまち人間の姿に戻った小鳥…サウリは、恥ずかしそうに頭を掻いた。
しかしその数秒後には、まるで自分の部屋のように寝そべってくつろぎ始めた。…いくら寮の部屋はほとんど間取りが一緒だからと言って、この慣れっぷりはどうなんだろうか。
「本当にもう…分かってるの?大人でも難しい変身魔法、貴女がなんで使えるかは知らないけど、これがバレたら私だって罪を被せられるんだから…」
私は簡易キッチンでお湯を沸かしながら、そうたしなめる。本当に、彼女があの上級魔法を使えるのは不思議だ。
幾ら名前を呼んだら元に戻ってしまう欠陥魔法とはいえ、ここまで精密に変身できるのは少し、いや、かなり尊敬する。
「だって、新年一人で迎えるのってなんか味気ないじゃーん?
一応去年の今日もこっち見に来たけど、ユリス寝てたし」
「悪かったわね、ぐっすり寝てて…はい、どうぞ」
クマのぬいぐるみを抱えて頬を膨らませている彼女の前に、ホットミルクを置いた。
「わっ、ホットミルク!ありがと!」
一変して満面の笑みになったサウリは、ゴクゴクと喉を鳴らして飲み始める。
「静かにしてよ、バレたらどうすんのよ…それに、私の分だけ淹れようとしたら多く作っちゃっただけだし」
目を逸らしながら、私もマグカップに口を付ける。彼女の笑顔が太陽みたいで、眩しくて、直視できなかった。
「ごめん、つい嬉しくて…でもさでもさ、この、ちょっと蜂蜜入ってるの。私が好きなやつ」
そう言われて、ドキンとする。
「前に話してたの、覚えててくれたんだね」
微笑みかけてくる太陽が、より一層眩しさを強めた。
私の心臓も、更に高鳴りを見せる。
「…たまたまよ。たまたま覚えてただけ」
この感情が、嬉しいのか、悲しいのか、楽しいのか、私には分からない。
ただ、鼓動だけが何かを語りかけてくる。
その何かが、どんなものなのかも分からないけど。
「…こういうのが、『嬉しい』ってことなのかしらね」
私は、ホットミルクをあおって、ボソッとそう呟く。
蜂蜜なんか淹れてないはずなのに、ミルクとはまた違った、甘い味がした。

21日前 No.5

東野 ★Smart=Ym1H1zIpTv

【番外編 ゆく年くる年(後編)】


ボーン、ボーン…
ハッとして、音の聞こえた方向に目をやる。
音の主は掛け時計。そして、重なり合った、針と針。
「…年、明けちゃった…」
しまった。
つい時間をわすれて、お喋りに夢中になってしまっていた。
二人で顔を見合わせる。
サウリは、驚いたような、悲しいような、そんな複雑な表情をしていた。
「…ふふ」
口から、無意識に声が漏れる。私の固まった表情筋が、ピクリと動いた。
「…あはは」
彼女も、そんな私の顔がおかしかったらしく、小さく笑い声をあげた。
先生にバレないように、小さく、暫く、私達は笑い合った。
と言っても、私は軽く口角を上げる程度しかできないから、大半はサウリの声なんだけど。
「あっはは…何の為に校則違反犯したんだよって感じだよねぇ!」
「本当よ…でも、こういうの、私達らしくて、なんかいいんじゃないかしら」
そう呟いて、私は窓の外を見る。
真っ暗な空には、沢山の星たちが輝いていた。
「気が付いたら…って感じ?うん、なんか分かるなあ…」
言いながら伸ばしてきた彼女の手を、私はそっと握ってやる。

「…あけましておめでとう、サウリ」
「あけましておめでとう、ユリス!」


…うん。今年は、いい年になりそうだ。

(番外編 完)

10日前 No.6

東野 ★Smart=Ym1H1zIpTv

( >>4 の本編の続きです)

昇降口に入って、自分の下駄箱の場所に向かう。
朝礼ギリギリの時間のせいか、他の生徒の姿は見えない。
私は、ゴミと紙くずだらけの下駄入れに、脱いだ靴をしまう。
そして、上履きに入っていた画鋲を、近くのゴミ箱に捨て、履いた。
「行きましょう、サウリ……どうしたの?」
私が視線を向けると、立ち止まった彼女は心配そうな顔でこちらを見てくる。
「…大丈夫?」
「何が?」
私がそう問い返すと、サウリは俯いて、何でもない、と呟いた。





教室のある七階を目指し、私達は階段を上り続ける。
その間、会話は無い。
そして何事もなく、私達は七階に辿り着いた。
六年の教室からは、耳をすませなくても聞こえるくらい、ギャアギャアと大きな騒ぎ声が漏れていた。
ドアを開ける。
入ってきた私の姿を見た生徒達は、途端にシン…と静まり返った。
その中を通り、窓側の一番後ろにある、自分の席に向かう。
クスクスと、其処彼処から小さく笑い声が聞こえた。
隣の席のサウリも、慌てた様子で私の後ろを付いてくる。
…机には今日も、汚くマジックペンで文字が書いてあった。

『人形』『孤児』『気持ち悪い』『バーカ』『能面』『生き恥晒し』『学校来るな』『地獄に堕ちろ』『親無し子』『ぼっち』『存在価値0』『何の為に生まれてきたの?』『ゴキブリ以下、あ、ゴキブリに失礼か(笑)』『早く飛び降りでも首吊りでもしたら?塵なんだから』

おびただしい数の罵詈雑言。
破かれた、私の教科書を添えて。
「…ユリス、」
それを見たサウリの顔は、何故か真っ青になっていた。
「油性は消すの面倒臭いから水性にしてって、言ってるのになあ…」
そう呟き、私は雑巾を片手に水面台に向かう。破かれた教科書は、後でセロハンテープか何かでくっ付けておけばいいだろう。
「ねえ、ユリス…?」
サウリがまるでお化けでも見たかのような表情で、私に走り寄ってくる。
「どうしたの、サウリ。大丈夫?」
水に濡らした雑巾を絞りながら、そう声をかけてやる。
「だ、大丈夫って…ユリスの方が…」
「私のことはいいから。先生来ちゃうわよ、早く座ってなさい」
私が言うと、サウリはより一層青い顔をしながら、ふらふらと席に戻っていった。

『…大丈夫?』
先程のサウリのその言葉が、ふと脳裏に浮かぶ。
大丈夫?大丈夫。
私は大丈夫。
…本当に?

…違う、大丈夫なんじゃない。なんとも思わないんだ。
感情を持たない私は、大丈夫とも、駄目とも思わない。
それでも、他から見れば?

ぽたん。雑巾から一滴の雫が溢れ、水面台を跳ねた。

9日前 No.7
切替: メイン記事(7) サブ記事 (6) ページ: 1

 
 
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