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妖怪少年と幽霊少女

 ( 小説投稿城 )
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@ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

『俺は、人間に生まれてきたかった。
いつも、そう思う。
何故、俺は妖怪なの?
人間のほうがいいじゃん。みんな笑ってるじゃん。
でも、これが俺なんだ…』
ぽつり、とつぶやく。

此処は、人間界。
俺は、この世界をいつも空から眺めていた。
俺たちがいつもいる世界とは違って、とても空気がいい。
此処に住みたい。此処にいたい。
でも、不可能な事。
こんな牙出して、しっぽ出して、爪も長い俺なんかがいたら、みんな怖がるのかな。
いつも恐れられる存在なんだ…そうなんだ…
それでも、人間の友達を作ることには成功した。
その時はみんなとても優しくて、俺は涙を流していたんだとか。
俺は幸せでうれしかったんだが、とある日にこの世界の神にそれが見つかった。
人間といるなと言われ、そのまま引き離されてしまった。
んで、そいつらの顔すら覚えてない…
でも、それでも、もう一度会いたい。

神様、俺を人間にして。

メモ2017/01/13 19:44 : 咲音 優 @amane0617★8UkErkyUBr_Niz

イメ画かけてなくてすいません…

登場人物紹介だけさせてもらいます。


登場人物


沙希(凛) ♂

人間界にあこがれている妖怪少年。

幼少期では凛と名乗っていた人物。


希望 ♀

過去に沙希と出会った女の子。

人間。

今はどこで何をしていて…?


俊 ♂

過去に沙希と出会った男の子。

人間。

今はどこで何をしていて…?


華那 ♀

過去に沙希と出会った女の子。

人間。

今はどこで何をしていて…?


麻那 ♀

沙希と暮らしている妖怪の少女。

いろいろとめんどくさい性格。


爺 ♂

沙希と暮らしている人間の姿をしたおじさん。

…続きを読む(4行)

切替: メイン記事(28) サブ記事 (4) ページ: 1


 
 

@ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

【1。過去】

〔ふふ、見事な妖怪に生まれてきてくれたわね。〕
とある夫婦に生まれた、一人の男の子。
まだ爪や牙は生えていないが、頭にぴょこんと耳が立っている。
憎たらしい母親の声。
〔名前、どうしましょ。〕
〔なんでえもいいんじゃねえのか?〕
そのあと2人は考えに考え、思いついた。
そして、「沙希」と命名した。
すると男(夫)が口を開く。
〔これ…どうすんだよ。〕
〔どうするって?〕
〔4匹も妖怪、いらねえよ。〕
この夫婦は3匹、妖怪を育てていた。
さすがに4匹は育てられないと、必死に考える。
〔捨てましょ。〕〔捨てよう。〕
二人の声が重なった。二人とも、同じことを考えていたらしい。
そのまま沙希は、首元に爪で傷をつけられ、気が生い茂った森の奥に捨てられた。
物騒で暗くて、空気も悪い。
そんなところに、捨てられた。

10ヶ月前 No.1

@ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

それから年月が経っていき、沙希も大きくなっていた。
誰もいない山奥で、ただ、動物を食べて生きてきていた。
とうとう足を踏み入れる。
森から出る。
すると、目の前には3人の子供がいた。
身長は自分より小さいが、年齢は同じくらいだ。
ただ、相手は自分を見て怖くなったのか、後ずさり。
赤ちゃんの時とは違って、牙も鋭くなってきていた。
爪も、伸びてきていた。
何より、着るものがなくて下半身を葉っぱで隠しているのみ。
「こん…にちは…寒く、ないの?」
恐る恐るそこにいた女の子が自分に話しかけてくる。
その女の子の顔を見るだけで、此処から離れたくなる。
「…何でもないんだけど。とっとと、何処かいってくんない」
うつむいて、前髪の隙間から片目を見せ、相手を睨む。
とても冷たい視線を相手に向ける。
ただ本当は、とても寒いんだ。
「ええと…んっと…」
戸惑いを隠せない言い方。
もごもご言ってる最中に、もう一人の女の子が口を開く。
「ねえ!あたしたちと一緒にあーそぼっ!」
とても明るい。とても笑っている。
びくっとした凜を見て、もうひとりの女の子のほうが、
「あたし、華那っていうの!君は?」
この女の子の明るさに、ついていけない。
周りにいる子たちまで笑っている。
なんで、笑ってるんだ。

10ヶ月前 No.2

@ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

「俺…」
俺、男。
こんな女っぽい名前とか言えない。
どうしよう。どうしよう。
「…ほかの人の名前はなんなんだよ」
またもや冷たい。
視線が冷たく、ほかの子供たちを睨む。
「私、希望っていうの…」
「俺は、俊っていうんだ。」
そっか、みんないい名前を持っているんだな。
「俺…凜です、凛と言います。」
凜って男っぽいか?まあいいや、どうでもいい。
「凛くんね!こっち来なよ!」
そのまま華那に腕を引っ張られる沙希。
こんな格好で、どうしろというんだ…
しばらく走っていくと、目の前には車が走っている。
「此処、どこだし」
ぽつりという。
周りの人から受ける視線がとても痛い。
それでも走らされるんだ。
ずっと走っていくと、目の前には大きな建物が。
「え、私の家じゃん此処。」
希望ははっとしたように言う。
でかい、大きいな。
「凛君寒そうだし、いいじゃん。」
いった途端、希望に冷たい視線を送られた。
俺、何かしたのか…?

10ヶ月前 No.3

流羅 樹 @ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

そのまま家へ入る4人。
そこから出てきた美しい女(ひと)。
「まあまあ、こんにちは。どうしたの?」
暖かい笑顔で迎えてくれる。
ほんわかした、笑顔。
「希望ちゃんのママ!この子、寒そうだからお洋服作ってよ!」
華那が言う。希望の母は、微笑む。
そのままリビングへ入っていく。
リビングがとても暖かい。
こんなところ、初めてだ。この世界、すごい。
「そうね、前希望の洋服作った時の生地が余ってる。」
そう言い、布を取りに行く。
ミシンを用意し、丁寧に縫っていく。
希望は、「私の洋服と同じの嫌っ」と、言っている。
沙希は、ミシンで縫われていく布をただじーっとみていた。
ほかの子に、遊ぼうといわれても無視し、縫い終わるまで、ずっと見ていた。
そして、とうとう完成した。
ポケット付きのワンピズボン。水玉模様でかわいい。
「きてみて。」
そういわれると沙希はすぐに洋服を着た。
似合う。似合っている。
「わあ、にあってる!」
希望の母も、満面の笑みを浮かべている。
沙希も、うれしそうな顔をしている。

10ヶ月前 No.4

流羅 樹 @ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

此処は居心地がいい。
離れたくない。
「君、お名前は?」
希望の母が問う。
「えと、凛。」
名前を聞いた希望の母は、笑った。
とてもいい名前ね、と言いながら。
「凛君。この耳、なあに?」
急な問いかけに沙希は困る。
すっかり忘れていたようだった。
どうしようと、慌てている様子。
「えっと…これ…」
なかなか言い出せず言葉が詰まる。
言いたいけど言えない、もしくは言いたくないのだろう。
完全に困っている沙希をみて、希望の母は、察しっているかのように微笑む。
「ここで、一緒にみんなといる?」
何この言葉。
初めて聞いた。理解ができない。
でもなぜか、うれしいのだ。
きっと、うれしいことを言われたのだと思う。
「うん」
何もわからぬまま出した答え。
沙希は、数年間、此処でみんなと暮らした。

10ヶ月前 No.5

流羅 樹 @ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

だがとある日、希望の両親は離婚。
ショックで耐えれなかった希望の母は、数か月後に永眠したのだ。
二人も育ってきてはいた。
時々友達が来たり、近所の方などがお世話しに来てくれるが、基本は二人。
とりあえず大きい人がいないから怖い。
けど、二人なら、怖くない。
この間に、沙希と希望は兄弟と言っていいほど仲良くなっていた。
二人で泣いて、二人で笑って。
そんなとある日、二人に悲劇が訪れる。

『お前、ここで何してるんだ?』

どこからか、爺さんの声が聞こえる。
声が聞こえたほうに顔を向ける。
どこから見ても、完全な妖怪。

『とっとと自分のところに帰れ、さもなくばその娘を殺す。』

といい、その爺さんは姿を消した。
二人は気まずくなった。
でも、沙希は希望を殺されたくない。そうとしか思っていなかった。
だから、仕方ない。
時々、華那や俊も来てくれる。
3人でいればいいんだ。
そうして、沙希は泣きながら自分のいたところに戻った。

10ヶ月前 No.6

流羅 樹 @ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

【とある日】
とある日、沙希も育ち、人間でいうと11歳のとある日。
もう希望とも別れて結構立つ。
数年前ぐらいだろうか。
沙希は完全な妖怪にはなっていなかった。
というのも、中身は妖怪、外見は耳と牙と爪がある人間というほうが早い。

気が生い茂る森の中で沙希は昼寝をしていた。
一番落ち着く場所。
すると、どこからか足音が聞こえてくる。
草を踏みつぶしながら近づいてくる。
ガサッ・・・ガサッ・・・
とっさに起きる沙希は、爪を音が鳴るほうに向けた。
気の中を抜けてきた相手が顔を出す。
何処かで見たことがある少女の顔。
すると、少女が口を開く。
「あ…凛く…」
言い終わらないうちに、沙希は少女を爪でひっかきまくる。
顔、体、全身をひっかく。
「いたっ……ねえ、り、凛君…」
どこかで聞いたことがある声。ただ、沙希はそのことよりも少女を殺すことが先であった。
血のしぶきがあたり一面に飛び散る。
そんな中、少女は意識をなくした。
顔も体も真っ白、赤い血が飛び散る。唇は、真っ青。
沙希は、とても安心した。

10ヶ月前 No.7

流羅 樹 @ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

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10ヶ月前 No.8

流羅 樹 @ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

化け物を退治するだけなのに、あんなに遠くに行ってしまった。
とりあえず自分のいた場所に戻る。
いつも考え事をしている。
人間になりたいのか。
妖怪のままがいいか。
「うーん。」
でも、人間になりたいというほうが強い気もする。
今はもうすっかり忘れたが、何かいいことがあったような気がする。
道を歩く。
すると、目の前に少女が倒れていた。
「ん?な、なんでこんなところに人間がいるんだ?」
急いで少女のもとに駆け寄る。
少女は、かすかに息をしていた。
雪のように白い色白な肌に、綺麗でストレートな黒髪。
沙希は、少女をおぶって自分の居場所へと行く。
謎が生まれるばかり。まず、何故、此処に人間がいるのか。
此処にいるわけない。いたらおかしい。
自分のいた場所ではなく、自分のいる場所へと足を運んだ。
そこに待っていたのは、爺と俺と同じ種類の生き物の麻那。
そして、巫女の欄。
「化け物退治してきたー。」
と、いつも言っている言葉にみんなはいつもと同じ返事をする。
「お疲れ」
沙希が入ろうとすると、麻那が駆け寄る。
麻那の視線は、沙希の後ろ。
「だあれ、この子。」

10ヶ月前 No.9

流羅 樹 @ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

「なんか、道に寝てたから。」
あせって答える。
「ふーん」
そっけない返事に、沙希は怖くなったのか角にうずくまる。
少女を背中におぶったまま。
そして、ちらっと麻那を見る。
麻那は、沙希をにらみつけている。
「その子捨ててきて。邪魔」
沙希はこの言葉に内心ムカついたが怖くて気弱に。
「でも、かわいそうだしさ…」
言ってるうちに、少女がめを覚ました。
「うーん…」
意識が戻って助かった様子の少女。
だが、それと同時に麻那は焦り始める。
「あれっ…?あの少女は?」
きょろきょろしている麻那を見て沙希は笑っている。
「いや、此処にいるじゃん」
「どこに??」
少女を指さしたが、明らかにそちらを見ているのにいないという。
「いるじゃん、いやがらせやめろ」
むっとなる沙希に対して、きょとんとする麻那。
「じいちゃん、此処にいるよな?」
目の前を通りかかった爺に話しかける。
が、爺もわからないらしくきょろきょろする。
年を取ったから見えにくいんだと思うと沙希は、
「じいちゃん年なんだな」
といった。すると爺は、「あそこじゃ!」
といい、少女とは真逆の方向を指さす。
おそらく…見えていないのだろう。
なら何故、沙希には見えるのだろう。
沙希は、少女のことをじーっと見つめた。

10ヶ月前 No.10

咲音 優 @ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

「なあに?」
ジーとみてくる先沙希に不思議を感じ、首をかしげる少女。
この少女の顔を見ていると、何処かであったことがある少女を思い出す。
「い、いや、なんでもない…」
慌てて答える。
しかし考えてみて…
でも、やっぱり思い出せない。
「なに一人で言ってんの?」
麻那がおかしいんじゃないの?というような口調で言ってくる。
相手に少女は見えていない。
沙希には見える。何故だろうか。
なら、触ることはできるのか。
沙希は、そーっと少女の手に触れる。
感触がある。柔らかな感触が。
「なあ、麻那。ちょいこっちきて」
手招きをし「何?」と言いながらも近づく麻那の右手首をつかむ。
そして少女のところに向けて手を引っ張る。
確実に触ってる位置…なのだが、麻那の手は少女をすり抜けている。
「は…?」
少女を恐る恐るみつめる。
確かに見える。触れる。
それって俺だけ…?
沙希は、頬杖をつきながら考えた。

10ヶ月前 No.11

咲音 優 @ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

「ねえ、怖いんだけど。君、なんなの。」
よくわからないことを、少女をじた〜っと見ながら聞く。
少女は「は?」というような顔をする。
「私…も、わかんないかも」
思えば少女は道に倒れていた。何故、道なのか。
少女がだんだん何かを思い出している様子。
何か語るようにぼそぼそいう。
「私、2度、殺された…はず。」
その言葉がピーンとこなかった沙希は、きょとんとした表情を浮かべる。
「…は?」
自分はいろんなものを殺してきている、そんなことが頭に浮かんだ。
殺して…殺して…
殺したものは基本食べている。だから、殺された後とかわかんないのだった。
「…あ!!」
何かを思い出した様子の少女。
「な、なんだ…?」
恐る恐る相手を見る。
すると少女はつぶやいた。

「凌駕」

10ヶ月前 No.12

咲音 優 @ayane913☆7m4XKc61lWhW ★8UkErkyUBr_Niz

なんか、聞き覚えのある名前だ。
今はとりあえず、こんなところで話などできないと、沙希は少女を連れて家の裏へといった。
あたりは暗かった。周りでは化け物の鳴き声やらが聞こえる。
「凌駕ってさ、この辺にいるのか?」
沙希は少女に問う。
の前に、少女に大事なことを聞いていなかったのを思い出した。
「あ、あのさ、聞くの忘れてた。名前は?」
苦笑いしながら少女に聞く。
少女はすぐに答えた。
「羽奈」、と。

「羽奈、いい名前だね。これから羽奈ってよぶわ!」
一度笑みを浮かべて、それから白い歯を見せニッと笑った。
羽奈も、微笑んだ。
そして、口を開く。
「君の名前は?」

急に沙希の表情が変わった。
でも、自分の名前ぐらい伝えたい。
「沙希、だよ。女の子っぽいだろ」
笑いながら言った。
羽奈も、きょとんとした顔から笑顔に変わった。
「私は、沙希君でいいかな?」
「いいよ、てか、ご自由に!」

二人はニコニコ笑っていた。
さっき話したことを忘れているようだった。

10ヶ月前 No.13

咲音 優 @ayane617 ★xkMtPMHnoj_Xrr

いろいろ盛り上がってるといううちに時間は待たない。
楽しく話しているのも今だけ、朝はすぐに来てしまう。
沙希にはやらなきゃいけないことがある。
羽奈は、沙希にずっとついていく。
どうせついて言っても、いま羽奈のことが見られるのは沙希だけ。
きっと、他人にはばれないだろう。
家へ帰ると爺はすぐさま、
「裏の森に化け物が出たそうじゃ、はよいってこいな。」
「るっさいな、そういわれなくてもいくって。」
そうして沙希は、いつもの青色の服を着てその場所へと走った。
勿論、羽奈も。二人で、他人にとっては一人でその場所へ向かう。
自分がたどり着いた先にいたのは、見るだけでも気持ちが悪くなった。

9ヶ月前 No.14

咲音 優 @ayane617 ★xkMtPMHnoj_Xrr

どんな意味の気持ちが悪いなのか。
いいや、外見というか…

「うわわわわ、なんなんだあいつら…」

目の前にあった光景は、化け物がいたわけではなかった。
人間の姿をしているみたいだった。しかし、宙に浮いていた。
見た限りでは同性愛者、気持ち悪いと思いながらも近づくと、カップルのようだった。
「僕、君が一番好き」
「俺も大好き」
なんなんだこいつら、どこでイチャイチャしてんだよ。
二人はあきれたようにしたから上を見上げていた。
ポカーンとした表情を浮かべていた。
それからずっと見ていて、時間は待たない。もう30分弱もたっていた。
はっと思い出すように、沙希は上の二人に声をかける。
「そこの二人!気色わりーんだよ!」
はっとした二人は、ぎろっとこっちをにらみつける。
どっちが男でどっちが女なのかが分からない…
「お、男はどっちだ…?」
「僕、男だよ。」
うわっ、気弱そうな男。
黒髪を肩まで伸ばしていて、ちっさい。
これが、男のほうか…だとすると、
「女がそっちかよ…まじかよ…逆じゃねえのか?」
「失礼だな、俺はれきっとした女だぞ!」
金髪のショートカットに、刺青まみれ。
見るからに女のほうが怖い…
沙希は、羽奈の前だというのにおびえていたようだった。

9ヶ月前 No.15

天音 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

とりあえず、頼まれているのは退治。それだけ。
二人が何をやっているかにもかかわらず、沙希の様子は変わって襲い掛かる。
一方羽奈は、木の陰に隠れているようだった。

「やったるぞー」
「僕のばあちゃんに手を出すな!」
この一声で、沙希はぴたんと止まった。
「は、ば、ばあちゃん?」
あからさまに疑った表情を浮かべる。
外見だけでは二人とも年が近いとしか思えない。

こんなヤンキーがばあちゃんって…
「冗談言ってねーでさ、、、」
あきれたように言う。
すると少年が急にとびかかってくる。
「うわっ、ちょ、え!?」
あからさまにさっきとは違う姿の少年。
「と、虎…?」
目を白黒とさせていた沙希であったが、すぐ正気に戻る。

とっさに振り回した手の爪で相手の目の下に切り傷ができる。
虎のほうが体が大きい分狙いやすい。
ばこばこ攻撃を食らいながらも、沙希は手を振り回す。
すると怒り狂ったのか、相手が沙希を木にぶんなげる。
その衝動で羽奈もびっくりして木から姿を現す。
何故か、その姿が相手にも見えた。
少年は羽奈のことを鋭くにらみつけている。

9ヶ月前 No.16

天音 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

とっさに相手の虎は羽奈にとびかかる。
それを止めようと沙希も羽奈のところへ。
羽奈は、怖くて動くこともできなかった。
虎が羽奈を手でひっかこうとしたその時。

ピゥー。

風が勢いよく吹いた。
それとともに羽奈は姿をその場から消した。

「な、どこ行った!?」
あたりを走りながら探す沙希、それを追っかける虎。
すると上からバサッと、物音がした。
「よっ、沙希ー」
「んなっ、だ、誰だよ!」
なれなれしく話してくる相手。
空を飛んでいる男。飛んでいる?浮かんでいるのか。
相手の右手には羽奈が抱かれている。
羽奈はだかれている男をずっと殴っている。
「その少女、放せ。だいたいてめえなんなんだ!なれなれしく話してきやがって!」
「あれー?凌駕様を知らないとは、人違いだったかなア〜?」
姿を現していたのは凌駕だった。
自分は凌駕をつい最近知ったばかりだった。話を聞いて、知ったのだ。
凌駕は羽奈を抱えてどっかに去ろうとしていた。
沙希も追いかけようとするが、虎が邪魔で動けない。
とっさに木の枝を投げるも、不発にも羽奈に当たってしまい、凌駕は去ってしまった。

9ヶ月前 No.17

天音 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

そんなに深く羽奈の事を知ってるわけでもないのに、沙希はきれた。
相手の虎の核を突き抜くように右手を刺す。
虎は真っ赤な血を口からはいて、人間の姿になって倒れた。
沙希は虎を食べる暇もなくすぐに凌駕の元へ走った。
木と木を器用に抜けながら走っていった。
ただ、どんなに探しても凌駕と羽奈は見つからない。
沙希の足は傷まみれ、真っ赤。
さすがに疲れたのか、沙希の息も切れている。

「はぁ…くっそ、あの野郎…」

右目を閉じながら前かがみになり、左手で膝を押えてる。
右手で右の頬を伝る汗を拭きながら、目の前を睨んでいった。

ただ、あきらめはしてなかった。少し休みながらも、沙希は相手の元に走っていった。

━━━━

「んっ、ふぐぅ、んっ、んっ…」
羽奈は、凌駕によって姿を現せる人間そのものとなってしまった。
痛みも感じるようになり、自分の姿がだれにでも見えるように。
ロープで体を縛られて、ガムテープで口をふさがられている。
凌駕はただただ外を見つめ、「来るかな?」と、ニヤついているようだった。

ガッシャーン!

羽奈があまりにももがきすぎて、花瓶が棚から落ちて割れた。
それをみた凌駕は羽奈の元へ寄った。

「どうしたのかな?お嬢ちゃん。そんなに早く助けがほしい?」
凌駕は羽奈のあごを押えてニタついた目つきで喋る。
羽奈は凌駕を思いっきりにらんでいる。

「そんな睨むなって、多分あいつは来ると思うぜ?俺ならわかる。」
地味に決め顔、それを見た羽奈は内心「うざい」と思っていた。
すると凌駕が右手を壁につき相手の顔をじっと見ていった。

「沙希を、信じろよ。」

と。

9ヶ月前 No.18

天音 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

こんなの馬鹿馬鹿しすぎる。
このひとは、どこかおかしい。
とりあえず助けに来てほしい。ロープが苦しい。ただそれだけ。
凌駕は不器用なのか、いかにも「適当」にロープを結んでいる。
息も苦しくなってきた。
すると凌駕は何かを察したかのように窓のほうへ駆け寄っていった。

「おー、沙希じゃねーか!来たんだ、フフー〜」

君が悪い。なんなんだろう、この人。
凌駕は羽奈のほうに視線を戻してニタついた。

「きたよ?沙希ちゃまが。目的は何なのかしらないけど」

ニコッと笑いながら言う。
羽奈は、別に沙希に助けに来てほしいとか願っていたわけでもなく、
早くこのロープをほどいてほしいと沙希を信じていたのだった。
沙希はイラついた半分、此処までやっとこれたイライラをすべてぶつけるように
窓ガラスを素手で割った。

「てっめーもうここまで来させるのは勘弁!疲れてんだよ、こっちは!」
「そっかあ、ごめんごめん、ご〜め〜ん〜ね〜」

沙希は凌駕の胸倉をつかんでいった。
凌駕は羽奈のほうをニタ〜っと見ていた。

9ヶ月前 No.19

天音 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

羽奈は二人が仲良く喧嘩している、そういう風に見える。
だからずっと二人に口出しせず見ていた。
ただ羽奈にはわからない、二人がどうしてこんな親しそうなのかが。
羽奈に気が付いた沙希は凌駕を放して羽奈のそばへと近づいた。
「ふはぁっ………」

沙希が羽奈の口につけられてたガムテープをはがし丸め、窓の外へほおり投げた。

「そ、それだけ!?ロープは!?」
「それはあと今はどうでもいいだろ」

(なにその言い方〜)
ムーと口を膨らませ、半目で沙希をジーとみる羽奈。
きついんだよ、このロープさ。

凌駕は羽奈を見て合図をした。
ちょっとまっててね、と。
案外いい人なのかもしれない。
頭がおかしい部分もあったけれど。

9ヶ月前 No.20

咲音 優 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

でも羽奈は思い出した。
凌駕が自分に何をしたのかを。

(そうだよ、私、あいつに…)

羽奈は凌駕を許せない存在とみていた。



羽奈は、小さいころばったり会った、「凛」という男の子と仲が良かった。
華那と俊とも仲が良かった。
ただ、羽奈の親が離婚してしまい、しばらく一緒に暮らしてきた凛とも分かれる結果に。
存在を忘れそうになった時、夢で凜を見た。それで、また凜に会いたいと、木の生い茂る森へと足を運んだ。
ところが途中で、見たこともない妖怪に半殺しにされた。
牙出して、しっぽ出して、爪も長い生き物。
数時間後に目を覚ましたのだが、傷は痛んでいた。

でも、会いたいから羽奈は歩き続けた。
ずっと、歩いてた。

ところが羽奈の命も終わる頃が来た。
はだしで、汚れまみれで歩いていたが、途中であった男に命を奪われる。

「そっこのっきみー!じゃまだボケ!」

と言い放った男は、羽奈の心臓めがけて木の枝を目にもとまらぬ速さで投げてきた。
その枝は見事羽奈の心臓に刺さった。

男は羽奈のそばへ寄って羽奈を抱き上げた。

「あららー、刺さっちゃったね?いっぱい血、吐けばいいさ。そのうち人生終わるし」

そう言い放ち、羽奈の心臓に刺さっている気に枝を抜き取った。
羽奈は血を口からいっぱい吐いた。

「あんた、名前は…」

鋭くにらみつける羽奈の視線の先にはその男。

「俺?凌駕だよーん」

ふざけんなこいつ。
羽奈は、「死んでも恨んでやる」と相手を睨みつけたまま歯を食いしばりいった。

そして凌駕は「そっかあ、でも、人生終わっちゃうね〜」とだけ言い、去っていった。

羽奈は傷と吐血で真っ赤に染まった体で、真っ暗な木の生い茂った森の中で命を失った。

「一生、恨んでやる…」

9ヶ月前 No.21

咲音 優 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

そんなことを思い出してくるうちに、だんだん苛々してきた。
羽奈は顔を下に向けながら、力を腕にこめる。

「あのくそ野郎が…」

羽奈の瞳が真っ黒に染まる。
そして羽奈はロープをばらばらにまき散らしほどく。
とっさに壁を蹴りスピードを付けてから凌駕のところへ宙に浮きながら向かう。
凌駕の顔面めがけて羽奈の右足がでる。

「おわっ、こいつなんなんだ…っ!?」
「だまれくそ野郎!」
凌駕は羽奈をよけるも何もせずそのままスピードで浮いてるのを抱いた。
それに気付いた羽奈は凌駕の頬をグーで殴り飛び降りる。

「どったんだ?急に」
「いや」
沙希が見てないかのような口調で言ってくる。
羽奈が頭を抱えてそこに座り込む。
そして沙希が入るために割った窓ガラスから
飛び降りていった。

慌てて凌駕と沙希は窓ガラスの下をのぞくが羽奈の姿はない。
沙希は凌駕をおいて窓ガラスから飛び降りた。

「わっ、ちょ、おい!」
凌駕はずっとうろちょろしてた。
「なんなんだよいったい…。」

精一杯考えたが、何があったのかはわからなかった。

9ヶ月前 No.22

咲音 優 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

「ちょ、羽奈、急になんなんだよ!?」
沙希が息切れをしながら言った。
羽奈は、逃げる足を止めなかった。

「なんでもないし ついてこないで!」

ざっざっとばらばらに生えている木の間を器用に通り抜ける。
ただ、だんだんと木が増えていき、視界が悪くなる。

ドンッ

羽奈は視界が悪く前がみにくかったために、誰かとぶつかってしまったよう。

「あ!御免なさい!」
顔が見えず相手の体に向かって、頭を下げて謝る。

「大丈夫、君はけがしてない?」
「…!?ふぁ、ふぁい……」

聞こえる、男の人の声が。
動揺のあまり、日本語がおかしくなる。

「いこっか。」

そういった途端、相手は羽奈を抱き上げた。



一方、その頃沙希は…

「ここはどこだーーーーーーー!!!!」

視界が悪いあまり道に迷い、木にぶら下がっていた猿と同一化したように、沙希も一緒にぶら下がっていた。

9ヶ月前 No.23

咲音 優 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

「あ、あの…どなたですか…?」
恐る恐る見上げる。
さらっとした青髪に、雪のように白い肌、女の子の様。

「私の事は気にしないで。君は、危ない道に一人でいたんだから。」
するとその相手は、さらっとした笑顔を見せた。

そのまま羽奈は頬を紅色に染め、その男と森を抜けた。
羽奈は先の存在を忘れていたごとく。



「くそっ…羽奈の馬鹿め…どこ行きやがったんだよぉぉぉぉぉ」
負け犬の遠吠え。
ダサい。叫んでいた。

沙希も、また羽奈と同じように森を抜けた。

ただ、沙希は羽奈と真逆のほうから出た。

8ヶ月前 No.24

咲音 優 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

>>24  に誤りがありました。先ではなく沙希です。

「此処なら安全だよ」
羽奈の横に座る。
「あの、名前は…?」
おそるおそる羽奈は相手を見上げる。
紅く染まった顔を見られたくなかったのだった。

「私の名前はね、ないんだ」
「えっ?」
1秒もたたずに返ってきた羽奈の返事。
それを聞いた相手が羽奈に向けた視線は冷たかった。

「ごめんなさい…」
羽奈は、うつむいていった。
「いいんだよ、驚くのは当然なんだからさ。」
作り笑顔をする相手に、羽奈は気まずくて仕方がなかった。

「そのかわり…」
「そのかわり…?」

言った途端、相手は羽奈の額に左手を置く。
羽奈の額が、黄色く光った。
羽奈は意識がなくなっていき、目をつむった。

「何も、わかんなくなったね」

ふっと微笑んだ。

羽奈が目を覚ます。

「此処は…?」

羽奈があたりを見渡す目は、本当に迷っているようだった。

8ヶ月前 No.25

咲音 優 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

羽奈が迷っている間に、男は姿を消した。

「此処何処…?」

体ごと回転する。
視界が、ぐるぐる回る。

すると、どこからか男の子の声が。
「ばっかーっ、何やってんだよ!」

息を荒げてやってきたのは、沙希だった。
羽奈は、相手を冷たい視線で見つめて、

「誰…?」

目を半開きに、顔を近づけて言った。
沙希は、動揺を隠すことができなかった。

「は…?お前熱あるんじゃねーの?」

前髪で隠れている羽奈の額に手を置こうと、前髪を挙げた。
すると沙希は、あることに気が付いた。

「うぐぅ…っ、なんだこれは!?」

羽奈の額には、幼稚園がかいたような字で、

「羽奈の記憶はうっばたよーんだっ。
 てめえなんか、知らないよーだ。あっかんべー
                  名もない男」

と、書いてあった。

8ヶ月前 No.26

咲音 優 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

「は…?なんさ、これ。」
「あんた誰ですか?触んないでください。痴漢です。」
「は!?」

羽奈は、相手の手を振り払うと同時に立って、
そのまま真っ直ぐ前に歩いていった。

沙希は目を白黒させて、とりあえず、羽奈についていった。

羽奈は、人がついてきてるのに気が付く。
後ろを振り向く。
沙希は、目を合わせないようにそっぽを向く。

「きっも、ストーカー。」

ぽつりとつぶやいて、また、歩き始めた。
裸足で、足を真っ黒にして。

「くっそ、なにがどうなってんだよ…」

沙希は、何がどうなってるのか、整理するのにも体力を消耗させる。

羽奈は、落書きされたままの額で、すたすた歩いてく。

8ヶ月前 No.27

咲音 優 @amane0617 ★8UkErkyUBr_Niz

すると、沙希がひらめいたかのように、はっと声を出す。

そして、羽奈の背後へ。
ビシッ!

「はっ?」
羽奈は後ろに振り向き、
後頭部を押える。

「あーれーっ、ちーがった」

ちくしょう。
同時に、指を鳴らす。










…中途半端なのに(´・ω・`)

8ヶ月前 No.28
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