Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(13) >>

<姫鬼伝>長編(?)

 ( 小説投稿城 )
- アクセス(80) - ●メイン記事(13) / サブ記事 (1) - いいね!(3)

魔夜(魔女の鬼) @maaya115 ★uR2b7362lz_nHx

遥かな昔、大地の先が続いてた。
中つ国の南の地は、人を寄せ付けない瘴気のたまり場となっていた。

20年も前の出来事だった。

北と西には、鬼と言う存在に滅ぼされかけたそうだ。
霊験あらたかな山に人間たちが集い、その鬼を討つために精錬された部隊により、西と北の地は、鬼を退かせた。

鬼は、北と西から逃げるように南下して行ったことで、南の地は、人の住まう場所が全く無いために近づかないことにした。




それが、20年前の話だった。




そして、その南の地からある鬼の姿をした人間が、霊験あらたかな山に足を踏み入れたのは…一人の女性だった。


――――――――――――――

その詳細は、サブ記事にて。

ある程度のキャラ紹介とそのキャラクターの詳細

鈴鹿姫鬼(鬼の少女:主人公/宿のミヤタマ)

みやこ(神垣の巫女:ヒロイン/探のミヤタマ)

やどみ(通信・伝達部隊:主人公の友人/交のミヤタマ)

守屋悠斗(未来少年:途中参加した謎の少年/??)

狂鬼潦(元聖騎士:途中参加した謎の青年/雄のミヤタマ)


――――――――――――――――――

サブによる記載方法の掲示

その他にも参加したい者や参加させたいキャラをサブ記事にて募集を掛けています。そちらに、詳細を掲載してくれたら嬉しいです。

ただし、希望人数には制限があります。こぞってお願いします。最大募集人数は、既存しているキャラが5人いるので残り10人までにします。

よって、計15人の登場予定です。


(注意事項)某ゲーム会社の某ゲームに似ている部分がありますが、二次創作的な小説なため戦闘部分は、極力R指定にすることはないためご協力をお願いします。

メモ2016/10/04 19:30 : 魔夜(魔女の鬼)ナレーターもやってみる @maaya115★uR2b7362lz_nHx

登場人物の募集をかけて作成キャラクターを掲載


ただいま現在二人が投稿してくれました。


守屋悠斗(未来少年:途中参加した謎の少年/??)


年齢14 男 職業学生 能力被験者


能力 空間転移 (空間として操れる程度の能力)

詳細→触れたものを好きなとこに移動させることができる。


白と黒のチェック柄のブレザー 白色のネクタイ 黒のYシャツ 緑色のズボン 

胸ポケットにメガネをいつも掛けている(伊達メガネ) 所持しているのが、スマホと財布と腕時計(アナログ式)と携帯用小型ライト


狂鬼潦(元聖騎士:途中参加した謎の青年/雄のミヤタマ)


年齢19歳 男 176センチ 73キロ 元姫様護衛部隊隊長騎士 

放浪鬼人(グレイター)/反英雄(リバースオブヒーロー) 


左半身が鬼化している若人 南地の遥か彼方から来訪 

目深のローブを羽織り左目が赤く右目が翠のオッドアイズ 西洋の甲冑 1年前より村に住んでいる 騎士道の鏡となる人物 対鬼用アーマー装着(赤×黒)

切替: メイン記事(13) サブ記事 (1) ページ: 1


 
 

魔夜(魔女の鬼) @maaya115 ★uR2b7362lz_nHx

南の地からある鬼の姿をした人間が、霊験あらたかな山に足を踏み入れた。
部隊たちや本物の人間たちは、どよめき際立ってしまっているその者に釘づけのようで。

鬼の姿をした人間が大きな武器を手にし、身なりは、しっかりと戦に立つような装束している。
体つきは、女性の顔だちをしていながら身体は、筋肉質としているが、角も牙も無い者が街道を歩く。
脚通りも、人間としての二足歩行でしっかりと旅のような姿として南蛮靴のようなものを履いている。
いわゆる、海外から来たような視線を送る人間たちの中の一人が、その者に名を聞くことに。

「旅の者よ、何ゆえ…我が領地に参られたのですか?」

黙っているその者は、じっと人間に見返すことに。
そこには、小さな女の子を見かけて静かに近寄り腰を下ろすことになる。
同じ視線になるようにしゃがんだその者は、語り出すことに。

「……南の地から来た。我が名は、姫鬼(ひめき)。少女よ、鬼は怖くないか?」

少なからず多くなからず、語るその姫鬼と言う人鬼は、懐から3色団子を差し出す。
どうやら、道中の喫茶からお土産を貰ったのを女の子に渡そうとしているようで。
そこに大人の人間が近寄り、子供に危害を加えないことを知ったようで、感謝するようにお辞儀と挨拶をする。
蟠りが無くなったことで、姫鬼は、大人の人間の男性に聞くことに。

「此処に、神垣の巫女“みやこ”が居ると霊山の通達部隊の“やどみ”から聞いたのですが、居ますか?」

姫鬼は、事情を話して野菜を売っている男性に聞いてみることにしている。
その男性は、女性の声を聴いたのか、優しい言葉を掛けるように教える。

「本部に居るんじゃないかな?この本通りの先に鳥居が続いている階段があるんだ。
そこを抜けると本部はすぐそこだよ。そのあとで良いから、俺とお茶でも…。」

「あ、こら。僕ともお願いしたいところなんだぞ。」

「それなら、俺もお誘いをしたいな。」

そこに、女性達という怒り心頭な面持でずずいと、割り込んできたのである。

「「「ちょっとちょっと、あんたたち、下心ありすぎよ!!」」」

既婚者だったのだろうか、男性3人をそれぞれの女性3人が腕を引っ張ったり、耳を引っ張ったりして、撤収をかける。
旅の者が女性だと分かると群がっていた人たちも、集って来る。
それは、男女問わずにしても、子供にも囲まれてしまったようで。

「お姉ちゃん、角も牙も無いんだね。」

「不思議なお姉ちゃんだぁ。」

「綺麗な声をしているのね。羨ましいわ。」

「昔の婆さんにそっくりで、吃驚だねぇ。べっぴんさんだったんだよぉ。」

「おじいちゃん、またいつも女性に口説いて何してんの!?」

ガヤガヤと歩けない状況に陥ってしまった姫鬼は、慌てるしか無くてどうしようもない。
と、そこに、武士みたいな恰好をした人たち、紅蓮鬼部隊が通りを広げるように助けをしてくれている。

「そこの者よ、通達部隊隊長やどみ様から報告を受けている。こちらに御身通りを。」

案内されるかのように、本部へと姫鬼を送り届けるようにその場を後に…しようと思ったのだが、振り返る。

「この町の人たちは、興味深いです。是非とも、皆さまと飲み交わしたいものです。また、こちらに伺います。」

姫鬼は、声を掛けてくれた人たちに挨拶と感謝の気持ちを告げてから、本部へと歩み出す。
その物腰は、大きな体とは裏腹に軽やかで律儀な姿を醸し出している。
その風貌を見ていた人たちは、声をそろえて言葉を掛けたのである。

「「「「「いいえ、こちらこそ。ようこそ、ミナカタ霊山に。」」」」」

姫鬼の後姿を見送る人間たちは、心優しい気持ちを見せてくれて、良い気分に心からなれている。鬼としては、むず痒いというもの。
だけど、そんな自分を迎え入れてくれる人達とこれからも暮らせて行けるのであれば、人間も捨てがたいなと感じる姫鬼である。



11ヶ月前 No.1

魔夜(魔女の鬼)ナレーターでもある @maaya115 ★uR2b7362lz_nHx

姫鬼の後姿を見送る人間たちは、心優しい気持ちを見せてくれて、良い気分に心からなれている。鬼としては、むず痒いというもの。
だけど、そんな自分を迎え入れてくれる人達とこれからも暮らせて行けるのであれば、人間も捨てがたいなと感じる姫鬼である。

「姫鬼様をお呼びしました。」

神垣の巫女“みやこ”と霊山の通達部隊の“やどみ”の姿を見た姫鬼は、深々と礼儀正しくお辞儀をしている。
お初目にかかったことで緊張している神垣の巫女の“みやこ”と通達部隊の“やどみ”は、初めて目の前に居る自分をまじまじと眺めている。

「遥か南の地により、伺いに参りました。姫鬼と申します。鬼の代表としてご挨拶をしに来ました。」

人間の作法とも言うべき正座をしての礼儀作法を見た、衛兵部隊やら巫女の親衛隊、紅蓮鬼部隊の者たちは、驚きを見せている。
無理もないだろう、人間の言葉を発している上に人の前で微笑む人の顔をした表情。

「我が名は、みやこ。神垣の巫女である。その者は、この里に来たことを受け入れよう。宿よりかは、一等地の民家で住まうが良いでしょう。」

神垣の巫女である“みやこ”は、名を語り姫鬼に居住する場所を提供することにしたようで、姫鬼は、それを感謝の気持ちで懐から小さい袋を取り出す。

「神垣の巫女様、感謝の所存です。その気持ちとして、これを納めて貰えますか?」

小さい袋を取り出している紐をほどき、開けて見せるとそれは。

「そ、それは…かの有名なる、“鬼鋼石”ではないですか!?鬼の中では、希少価値として大きい鬼型を倒さないと出ないとされている貴重な鉱石!!それを、何故!?」

驚きを見せたのは、通達部隊である“やどみ”が声を発して全員が怯みざわつかせている。かなりの動揺を見せているようである。
鬼鋼石とは、鬼の目の部位により加工不可能とされる鉱石となっている。鬼の瘴気を取り込むと元の色である緋色から真紅色に染まることで、高純度や硬さの基準を決める。
相当の腕の立つ部隊でも鉱石を取るのは難しいとされているのと瘴気の濃い地でないと現れない鬼が出現されているため、中々出会えないとされる。

「我が家系の先祖により唯一の換金方法として、持って来ました。これによりーー」

その言葉を聞くより先に、みやこが言葉を遮って話しかける。

「安心するが良いと思います。その鉱石を媒介とさせる結界結晶として使わせていただきます。皆の者、彼女に新しい土地の住宅を建てるように迅速の力を注ぎなさい。」

どうやら、神垣の巫女様は、目の色を変えたのか…鬼姫に苦も不安も無く様に、安心と安全を確保させようとしているようである。
はてさて、この先の生活が始まるとするなら、何から始めようかと考えている姫鬼である。

11ヶ月前 No.2

魔夜(魔女の鬼)ナレーターでもある @maaya115 ★uR2b7362lz_nHx

どうやら、神垣の巫女様は、目の色を変えたのか…鬼姫に苦も不安も無く様に、安心と安全を確保させようとしているようである。
はてさて、この先の生活が始まるとするなら何から始めようかと考えている姫鬼である。

そんな気持ちを逸らせているせいか、大きな物音と揺れが起きた。

「みやこ様!!さ、里の…河川沿いで大きな岩屋戸が降って来ました!!」

顔が恐ろしい程の鬼の形相をした衛兵部隊が慌てふためく姿を姫鬼とみやこは事の事態を納めるべく足早に河川沿いの方へと走り出す。
姫鬼がみやこを階段の途中でお姫様抱っこをして片足だけで跳躍をするとあっという間に、岩屋戸のある場所に辿り着いたようだ。

「あの者の脚力と跳躍力…まさに鬼人…いや、鬼以上の身体能力だろう。鬼でもあんなに飛ぶものは居ないぞ!?」

30分ぐらいして現れる衛兵部隊に巫女の親衛隊、紅蓮鬼部隊の者たちが口々に息切れしながらみやこに近づく。
連れ去ったのかと思ったのか顔色が真っ赤になりながら姫鬼に近づく部隊の隊長。

さわっ。

鬼の弱点とも言える背中を3人の隊長が触れた。

「「「巫女様に何をするか、無礼者め!!」」」

べきっ、ごきっ、ぐきっ。

姫鬼にとっては巫女様の身体能力では間に合うまいと考えての行動だったのだが、それが余計なことだったようだ。
彼女は何も言わずに岩屋戸の方に指を向けさせてそのまま気絶した。

「もう、良かろう…私の身体を気遣ってくれたのでしょうから。それよりも…この岩屋戸から漂う瘴気…なのか?私の力で清めよう。」

神垣の巫女の力を使うみやこを一同は、固唾を飲んで見守ることにした。だが、まだ伸びている姫鬼は気付くべきだった。

「開くぞ。」

巫女の言葉を聞いた皆は、岩屋戸の方に見いる…その瞬間、閃光が走る。

(おっと、危ない危ない…対閃光用のさんぐらすを掛けないと…って、眩しすぎ!?)

みやこは懐からある人物に作らせていた「さんぐらす」というものを取り出して目の装着したおかげで目をやられずに済んだが。

「「「「うぎゃぁーーー。め、目がぁーーーー!?!?」」」」

どうやら目を開いて見てしまった者たちは、目くらましになってしまった。当然の如く阿鼻叫喚が周囲に木霊する。
みやこは閃光が収まると同時にさんぐらすを外して自分も目くらましされた素振りをする。どうやら嫌悪感に苛まれたのだろう。
その一部始終を見ていた姫鬼は、このことを黙っていることにした。

「うぅ、目が痛い…そして、人が岩屋戸の中から出て来たぞ!?一体、そなたは誰なのだ!?」

みやこが先行の中から人影を見えたのでその者に話しかける。その人物は、第一声にこう答えた。

「…我が名は…リョウ…狂鬼潦と言う。」

そして、静まる空気。


「こちゃ…コホン。此度は出迎えご苦労。我が力を使うが良い…皆の魂は不滅となろう。」

はい噛みましたね。痛い自己紹介はこれで終わろう。

夕餉の時間に里の皆は忙しく動き回っている。鍛冶屋は火を起こして隣近所の包丁を叩き直している。
食事処の看板娘と旦那は里の皆の食事を作り出している。出店のご主人はというと棚支度をしているようである。
衛兵部隊と親衛隊と紅蓮鬼部隊の皆は、各々で宿舎に戻り次の鬼退治の戦支度をしている。

「さて、姫鬼と言ったか…私の部屋で、談義でもせぬか?其方の地の話を聞かせて貰いたい。」

神垣の巫女のお誘いを受けた姫鬼は、幼き少女の興味深々な瞳に心を打たれあっけなく彼女の部屋に通された。
そして、姫鬼の背後から寂しがっている男性が付いて来る。

「頼む…無視しないで欲しい。」

どうやら打たれ弱いのかこの事態に慣れてない様子の子犬姿をした少年を見るような目で見つめられている。
姫鬼は可愛そうな気持ちをみやこに訴えてみた。

「ふむ…良かろう。一緒に談義を楽しもうか…其方の世界の話を聞かせてくれるのであれば、先ほどのことを水に流そう。」

神垣の巫女は無垢な少女なのである。その無垢なる少女のいたいげな言葉に傷ついたのかまた涙を流す狂鬼潦。
この人面倒くさい人なのかなと思う姫鬼は、彼と一緒に談義をすること3時間。夕食を共に過ごし話を肴に酒を今時刻で飲みかわしている。

神垣の巫女は無垢な少女なのである。その無垢なる少女のいたいげな言葉に傷ついたのかまた涙を流す狂鬼潦。
この人面倒くさい人なのかなと思う姫鬼は、彼と一緒に談義をすること3時間。夕食を共に過ごし話を肴に酒を今時刻で飲みかわしている。

−−(少女と鬼と男性の談義中)−−

「…という世界に居たのだ。姫様は、巫女様と同じくらいの少女ではあるが…政治に御強い理知的な女性として私は、そのそばに仕えていた騎士なのだ。」

延々と話を聞いていた姫鬼は、狂鬼潦の印象も打って変わったように興味を示しだしていた。
そして神垣の巫女のみやこはというと姫鬼の膝の上でスヤスヤと寝息を立てて眠っている。
こうして見ていると本当に可愛い少女だと姫鬼は思っていた。

「…さて、巫女様は寝てしまわれたな…あなた様はどうする?3時間ずっと私の話を聞いていたが何か不都合があったか?」

狂鬼潦は話し上手で神垣の巫女である少女をほとんど独占するように話し込んでいた。
その二人の姿を見ていた姫鬼はどことなく嬉しくなり楽しいと感じていた。

「……なんでもない……随分と楽しく話しておられた…明日は、皆の前で私の話を聞いてくれますか?…そして、その時に…私の素顔を見せましょう。」

その言葉を聞いた瞬間、狂鬼潦の身体は冷たい感覚を覚えどことなく異様な空気を覚えたようだ。
彼女の言葉を聞いてから数分後に、巫女の親衛隊が駆けつけて来た。

「巫女様、賊徒が…って、な…なななな…何をしておるか!?貴様ぁ!?羨まし…いや、ちが…私も膝枕をしてあげたいのにぃ!!」

狂鬼潦は親衛隊の女性を見てうわぁ!?と驚いて先ほどの警戒心がどこかに消え去った。

「…んぁ?…もう、朝ぁ?…まだ、寝てるぅー。」

(まだ寝る気かこの子は。)

と姫鬼はみやこを揺すって起こした時に事の説明をする。みやこは、はっと目が覚め起き上がってはその場で着替え始める。
まだ男性がその場にいることに気づかずに。

「…っと、巫女様…男性が居ますので御着替えは少々お待ちを!!」

親衛隊の女性は男性を廊下に追い出させて姫鬼と一緒に巫女様の服を着させている。
姫鬼が手慣れた手つきでみやこの巫女装束を着させていることには、その場にいる親衛隊とみやこは気付かなかったみたいだった。

−−(有して30分に居間にて)−−

「この者が里の門前で倒れてました…そして、巫女様…なぜ顔を赤らめているのでございますか?」

紅蓮鬼部隊の数名が一人の者を捕らえたことを報告すると同時にみやこが赤面をしている姿を見て疑問している。
何が起きたのかわからない紅蓮鬼部隊の皆さまに事情を説明するもう一人赤面している親衛隊の女性が小声で教える。

『実は…先ほど、寝間着姿から巫女装束に着替える時に…姫鬼様と一緒に着替えさせていたことに気づいて今に至るわけです。』

なんということでしょう。姫鬼と言えども巫女の着替えている姿を見せてしまった親衛隊の女性とみやこは着替え終わらせた時に気づいたのだ。
しかも手慣れた身支度をする姿を思い返しただけでも顔をさらに赤らめて両手で隠す巫女少女。

(((……あのしぐさ、可愛いんですが。)))

その場にいる紅蓮鬼部隊と巫女の親衛隊が集まっている皆が思い思いに呟いている。

「あの、大丈夫?…先ほどのこと、ごめんなさい…悪気はなかったから。」

神垣の巫女のみやこに謝る姫鬼はかなり落ち込んでいる。
廊下で待って居た狂鬼潦と共に巫女の親衛隊に縛られていながらも正座をして反省している鬼の姿。
まさに鬼の目にも涙とは言ったものだ。

「も、もぅ…良かろう。しかして…その者は?見たところ…狂鬼潦と似た男性と見えるが。」

神垣の巫女のスタンスを取り戻したみやこは平静を保とうと紅蓮鬼部隊に問いかけた。
一人の隊員が縛っている男性に何者か答えさせるように顔部分を神垣の巫女に向けさせた。

「…守屋悠斗。歳はわからん…学生の姿をしている…それ以外…何も思い出せん。」

名前だけを知っている姿を見る神垣の巫女は相手に笑顔を見せる。相手に安心感を与える方法の1つだ。

「ふむ、そうか…無理に思い出すことをしなくてよかろう…守屋悠斗と言ったか…狂鬼潦と共に一緒に住める場所と温かい食事を与えよ。」

さすがは巫女の恩恵といったところか。だが、彼は顔を背け続けている様子。

「あまり、こっちに…関わるな。女なんか大っ嫌いだ。」

どうやら何か訳ありのようだと感じた巫女と姫鬼は彼に何があったのか調べてみようと目を向け合って頷く。
これまたしばらくは、事態の急変を告げるような嵐が遠くから聞こえてくるように着実に忍び寄って来る。

11ヶ月前 No.3

魔夜(魔女の鬼)ナレーターもやってみる @maaya115 ★uR2b7362lz_nHx

どうやら何か訳ありのようだと感じた巫女と姫鬼は彼に何があったのか調べてみようと目を向け合って頷く。
これまたしばらくは、事態の急変を告げるような嵐が遠くから聞こえてくるように着実に忍び寄って来る。

それは、翌日の朝に起きた。

「神垣の巫女様、極刑を今すぐにでも。」

つい先日、守屋悠斗をもう一人の里に訪れた客人である狂鬼潦と共に住まいを渡した。
だが、その狂鬼潦と守屋悠斗の二人が神垣の巫女に相談をしたいと姿を見せた。

「ふむ…まずは、両者の言い分を。」

みやこは、巫女姿の格好で姫鬼を動物の乗り物ごっこをしていたのか、姫鬼の背中を椅子代わりにして座っていた。
足をパタつかせて。

「「…。」」

黙る二人の間が、親衛隊と紅蓮鬼部隊の微笑ましい表情をしているのがそれぞれ見て取れる。
まったくもって、可愛いことをしている子供の少女だと思っているであろう。

「…とにかく、この男と一緒に居たくはない。」

と、狂鬼潦が沈黙の空気を消させた。罵詈雑言とまでは言わないが、何やら赤面して不服を申し立てている。
それほどまでも野郎同士といるのが嫌のかと聞こえてくるが、そうでもないらしい。

「…こっちとしては…男二人同じ部屋に居ても良いだろうと言ったのだが…このありさまだ。」

どうやら男の友達が欲しかったのか一人で居るより同じ男性同士でなら砕いて話し合えるんじゃないかと考えている発言らしい。
そこまでは良いのだが、狂鬼潦はもう一言を付け足した。

「別に…友となるのは良いことだ……だがしかしだ…男同士で風呂に入ろうと言ったとたんに、貴様…顔を赤らめたであろう!?」

これには、周囲の者たちは


その二人から遠ざかった。


数時間後、改めて落ち着かせようと狂鬼潦をお茶を飲ませた。
もちろん、守屋悠斗にもお茶を出したが狂鬼潦の方をチラチラと見ながら飲んでいる。

「…すまないが…視線が気になる。落ち着いてくれまいか?」

狂鬼潦の発言により守屋悠斗は、視線をお茶の方を見ることにした。

「はてさて…先ほどはいささか誤解をしていたようだ。聞いた話によると…友を作る機会を間違えていた、ということで良いかな?」

みやこと姫鬼二人で整理をして事のいきさつの説明を受けて今ではお茶会を開いている。
やはり落ち着ける機会と友を作るとするならこういう行事が良いのではと考えた。

「…潦…すまなかった。ただ…純粋に…嬉しかったんだ。顔を赤らめるのは…人間である表現だから…さ。」

うつむく守屋悠斗の表情は、少し落ち込んではいるが落ち着いて話すことが出来たようだ。
理由を聞いている狂鬼潦の気持ちとしては、珍しかったようだ。

「いや…拒むつもりは無い。むしろ…男に興味を持っているのかと勘違いした我に責任がある。盟友になるなら…拳で語らおうではないか。」

と言って狂鬼潦の右手が拳を作り守屋悠斗の左手近くに構える。
男同士の友情を見せる意気込みある狂鬼潦の右手を見ている守屋悠斗。

「…ん、よろしく……これからは勘違いさせないようにする。すまなかった。」

守屋悠斗も同じく左手で拳を作り狂鬼潦の右手の拳に軽く当てるようにする。
たがいに無邪気な男の子の笑顔を見せあって眺めている姫鬼とみやこは、お互いに見つめ合って楽しそうに笑う。

「私たちも…これからもずっと仲良くしようか。姫鬼。」

みやこの言葉に嬉しく思ったのかみやこの頭を優しく撫でて微笑む姫鬼は、こう伝えた。

「…親友の…語り合う想い…美しきかな。」

みやこが聞いた姫鬼の言葉に嬉しさと楽しいという感情が沸き起こっている。
それは、姫鬼と分かり合えていると感じたからであろう。

これで一つの嵐は過ぎ去ったのかもしれない。まだ不安な気持ちは残るが友と過ごすことで安心な感情を埋めてくれるはずだ。
これからはきっと仲間増えていくだろう。その時は、姫鬼がこの里に来た本来の理由が明らかになるだろうとみやこは思っていた。

11ヶ月前 No.4

魔夜(魔女の鬼)ナレーターもやってみる @maaya115 ★uR2b7362lz_nHx

これで一つの嵐は過ぎ去ったのかもしれない。まだ不安な気持ちは残るが友と過ごすことで安心な感情を埋めてくれるはずだ。
これからはきっと仲間増えていくだろう。その時は、姫鬼がこの里に来た本来の理由が明らかになるだろうとみやこは思っていた。

だがそれもすぐに聞くことになるのだった。事の発端は……翌日の正午の事である。

「……里の皆に…南の地に伝わる昔話をしたい……良いだろうか?」

姫鬼は、朝の食事をいている神垣の巫女やその親衛隊達に問うていた。なぜとは言わずに里の方へ向かう親衛隊の者たち。
紅蓮鬼部隊をも使ってお昼頃には、食事会に称して姫鬼の過去の話を聞けると言う宴会行事のような雰囲気であった。

「これまた…妙な話だな。」

と狂鬼潦の言葉に守屋悠斗が続ける。なぜか、あれから意気投合をした二人が宴会の席で酒を進めている。

「……酒が飲めれば良い。」

守屋悠斗はそっけなく言うが、姫鬼の存在が気がかりなのかお酒を飲みながらも彼女の方をチラチラと見ている。
意外と気になる人がいると表建てはそっけない態度でいるが内心はちょっと気になって仕方がないと言ったところであろう。

「…さりとて…姫鬼よ。その話は長くなりそうか?皆も宴会の場で長く聞くのは…さすがに…。」

神垣の巫女であり宴会の席を作ってくれたみやこは、姫鬼に近寄り小声で宴会に集まった皆を横目で見ている。

「さほど長くはない……だが…これだけは聞いて欲しい…この話を聞いた者たちの心の奥にとどめて貰っても構わない
…“我ら生き抜いている鬼のモノノフが存在している”ということを。」

巫女の親衛隊、紅蓮鬼部隊、神垣の巫女、里の者たち…狂鬼潦…守屋悠斗……それぞれが驚きを見せる。
それは、どの世界でもどの時代でもあり得ない話だからだ。



鬼が人間と同じく、“モノノフ”として戦っている。



姫鬼は、語り出しをするように手に持っている酒の盃を口に運び一口だけ飲む。
その口が語る南の地に起きた過去の真実に里の皆が固唾を飲み耳を傾ける。

11ヶ月前 No.5

魔夜/神楽耶 @maaya115 ★uR2b7362lz_yFt

姫鬼は、語り出しをするように手に持っている酒の盃を口に運び一口だけ飲む。
その口が語る南の地に起きた過去の真実に里の皆が固唾を飲み耳を傾ける。

それは…姫鬼がまだ人間の幼き頃に鬼の世界に訪れたことから始まった。

彼女が南の地であるキガン里という場所に突如として姿を見せたようだ。
そこには、まだ人が住まう場所ではあったが南蛮人という南の地方では習慣のある文化があった。
南蛮人は、その知能や文化の象徴である寺院を建て呪いや法術に長けた民族であった。
その力を借りようと時たま西東の里から使者が神垣の巫女として輩出させたと言われている。
つまり、南蛮人のほとんどは、神垣の巫女の出生の地ともされていたのである。
だが、その力を恐れたのがモノノフの地とされている総本部霊山が南の地一帯を灼熱の炎の呪いを神垣の巫女の人に使わせた。
彼女にとっては、心苦しいと懇願したのだが総本山である霊山の長老たちは、彼女に欺かせたのだ。

『彼の地から…鬼の軍勢が出現した。』

とんでもない噂を彼女に聞かせ信じ込ませたことに良心の欠片さえも見失ってしまった霊山の長老たちは、何も事付けも無く夕餉を残し一晩絶たずに行方知れずとなった。
それからだった、南の地はいまだに絶えずに炎の壁によって近寄ることも出来ずになってしまい、南蛮の皆はその炎を見て人の姿から鬼に変貌をし出した。
当時の神垣の巫女は、かなりの力を持っていることに気づきある施しをした。その炎に“炎鬼変化”という呪いと“絶対炎門番”という封印を掛けた。
そして、その南の地から戻って来たその神垣の巫女の名を…“鬼の魔女”という二つ名を残して伝承記となり霊山付近の里の皆から昔話へと変えた。

だが、その当時の南の地にある一人の少女が生まれたと総本部霊山の伝達部署に伝わった。

『歳は…10歳未満であり、身ぐるみも布一枚で…かなり細身のある女子です。』

東西北の里の皆にこのことを伝達したが、辞退はさらに悪化の一途をたどって行った。
南の地の付近にある物見部隊の駐屯所からある報告を霊山に来たからだ。

『……部…本部…こちら、南の地付近の駐屯所にて、一報あり…しょ、少女の背後に……お……鬼が出現している模様。本部…要請もしくは、応援部隊、物資の……う、うわぁぁぁぁ!?』

物見部隊は鬼の強行だと思ってしまい壊滅必死になってしまった。
鬼の皆は、人の文化を尊重していた名残りがあったのか鬼や人の子供が生まれるたびに巡礼参りをする習慣や記憶が残っていたためそうしたかったのだろう。
そのことに物見部隊の何人かは怪我をしながらも全員生還を果たすことが出来たが、それ以降に南の地に物見部隊を置くことはなかった。
南の地は、孤立無援の地帯と化したのが今から10年前の話だった。

「その時の私は…当時、10歳の誕生日だった……そして、その鬼たちに……人間と鬼の生き方を学んだ……その少女が…今、皆の目の前に居る…この私。」

これで、当時の出来事を話した姫鬼は、その事実を語った。
語るにはその身体を、姿を…皆の前に甲冑と顔の仮面を外しその姿を見せた。

「……今まで…隠しておくことに辛い気持ちだった……みやこにやどみ…いいえ、神垣の巫女様や通達部隊の皆にも…ご存知であろう。」

彼女はそう言ってその姿を晒した。皆の目に映ったのは…右半身が鬼の女性の身体と化して…もう左半身は…皆も知っている顔であり身体だったのだ。
そう、何故なら…鬼との接触をした唯一の昔からの生き残った人物として報道されていたからだ。南の地の生存者の名を皆が知っていた………彼女の名は――鈴鹿姫鬼。

彼女の魂の中には、鈴鹿御前という名のある身を宿す魂…“ミヤタマ”が存在していることや声色が誰かに見ていると里の皆は薄々気付いていたのだろう。
知っているのも無理はない話だった。ミナカタの里の古株主であり、昔の初代長老兼神垣の巫女であったのだ。

まだ、彼女の話に続きがあるのだろうと里の皆は驚きをしながらも静かに黙って聞くことにした。
それもそうだろう。彼女がなぜ、この里に舞い戻って来たのかはまだ明かされていないのだから。
姫鬼は、重々しい気持ちを表情に出しながらも言葉を濁さずに話を再度し始めた。まだ、この話が続く夜は長い。
皆は、腰を据えて彼女の過去話に付き合うも…皆の目には、涙を流す人が多かった。それは、女性陣がほとんどだった。

10ヶ月前 No.6

魔夜/神楽耶 @maaya115 ★uR2b7362lz_yFt

姫鬼は、重々しい気持ちを表情に出しながらも言葉を濁さずに話を再度し始めた。まだ、この話が続く夜は長い。
皆は、腰を据えて彼女の過去話に付き合うも…皆の目には、涙を流す人が多かった。それは、女性陣がほとんどだったのだ。

姫鬼の苗字に知る者たちは、ミナカタの里に知らぬのも居ない。それは…“里の危機を救った英雄”だからだ。
だが、皆の疑問が三つ残っている。

『鈴鹿御前の苗字を持つ人物が鬼の子に与えた』のかということ。

『鈴鹿姫鬼の魂とも言えるミヤタマがいくつも存在している』のかということ。

『鈴鹿姫鬼はどういう人物』なのかということ。

言葉にするよりも早く姫鬼は、涙を流す女性達に安心させるように背中に背負っていた荷物からある物を取り出す。
それは、綺麗で色味が透き通るような青々しさの反物。

「それは、一体……何ですか?」

最初に声を掛けたのは、里の小さな少女が近づき姫鬼が差し出しているのを受け取る子だった。
不思議そうに首をかしげるつつ、涙をさらに流す大人の女性達。

「……鈴鹿御前様の……羽衣……ですね。」

「……まさしく…霊気と妖気が込められている反物…いえ、羽衣です。」

「……あのお方は……生きておられるのですか!?」

本来、羽衣とは…天女という天から使わされた女性が肩に羽織る神気の1つである。
霊気、妖気、神気…この気には、いくつものの丹精込めた職人でしか作れないのだが、鈴鹿御前の羽衣は、本人でしか作れないのである。
ミナカタの里の女性達のほとんどは、霊気と妖気を感じ取れるように反物や着物という繊細な作業に適しているため多く使われているのだろう。

「……その羽衣は……南の地に置かれた私が……羽織っていた。」

その一言で女性たちは、姫鬼の方に駆け寄りまるで…母親のような面持ちで、抱き締めた。
それもそうだろう。鈴鹿御前の命の次に羽衣を手放し、南の地に少女を置いて来たとしたら…涙を流すのも頷けるはずだ。

「よく…大きくなられましたね……もしやと思われてましたが……あの幼き頃の女の子が……あなた様だとは。」

感動の対面を果たしたと思われた時、お役所から一人の女性が出て来て声を掛ける。

「やっと、仕事が終わったのですよ……おや…皆さま……いったい………な…に……って、姫鬼様!?」

その声の主こそ、姫鬼をミナカタの里にお誘いを申し出て、みやこのところに押し付けた張本人…通達部隊隊長のやどみだった。
驚いた表情をしているに、誰にも彼女に教えていないのだなと思った姫鬼は、手を振って呼んでみた。

「……その…様は…やめて……恥ずかしい……じゃない。」(/←頬を赤らめながら照れている模様)

「いえいえ…何を言いますか……鈴鹿様から、申しつけられていたので…できま……せん…よ…って、うわわわわっ!?」

二人の会話を聞いていたミナカタの里の皆からの袋叩きに合っているやどみは、何が何だかわからない状況で助けを求めている。
里の男性たちは、参加するにも話の事情が上手く理解できていないため参加はしないで居たが、そちらにも助けを求めるやどみ。

「「「「自業自得だな。」」」」

男性一同、やどみに合掌をする。

これで、二つの問題は解決をしたと言える。だが、まだ…気になることが一つ残っている。
それは、『鈴鹿姫鬼の魂とも言えるミヤタマがいくつも存在している』のかということだ。

彼女のミヤタマには、鈴鹿御前が何らかの関わりがあってのことでやったに違いないのは確かだと里の皆は考えていた。
怒涛の話しは、まだ続くと感じているのは、蚊帳の外状態のみやこと悠斗と潦の3人だけであった。だが、その話は複雑な内容だった。

10ヶ月前 No.7

魔夜/神楽耶 @maaya115 ★uR2b7362lz_yFt

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

10ヶ月前 No.8

魔夜/神楽耶 @maaya115 ★vZhiyCrw2S_yFt

ズッシーンッ!!!!!

重い音と門番の数名が吹っ飛び、その少女の背後には…鬼達。血相を変えていたその少女は…凄くどでかい大声で叫んだ。耳の鼓膜が裂けるぐらいの大音量。

「はぁはぁ…お、お姉ちゃん…姫鬼お姉ちゃぁーーーん!!やっと…見つけた!!お、お母さんが…お母さんが!!」

ミナカタの里の門からいきなり大きく開いた音と同時に入って来た一人の少女と鬼達が役所を通り過ぎてのことで、門番がやっと追いついてその子と鬼達を取り押さえた。
小さい姿をした鬼の角らしきものがおでこから出ている少女の姿を見る里の女性達は、悲鳴を起こしている。
不穏な空気が漂う空気の中、姫鬼の近くに居るはずの男二人が…消えていた。
一体どこに行ったのかが気になる姫鬼…今度は、どんな災禍が起こるのだろうか、その時のみやこは知る由もなかった。

「何事……って、明日鬼!?」

その小さな女の子に目を向けた姫鬼は、見覚えがあるという表情を見せる。
だが、その後ろに居る鬼達に驚いている里の皆を親衛隊や紅蓮鬼部隊の者たちに社の方に避難させる。

「姐さん!!探しやしたよ!?早く我が里に帰って来てくだせぇ!!」

一人ともいうべきか…人間の姿をした顔の半分が鬼化しているその者が、姫鬼に呼びかける。
汗だくだくになりながら、一人の少女を肩に抱き上げて急いでいるようだ。

「……母上に何かあったのか!?…もしくは……父上が!?」

「お姉ちゃん……パパとママが……里の結界を解いてしまって…モノノフ達と……騒動が起きているの!!」

それは、最悪な状況だと判断したのか、ある二人の男の姿が消えていることに気づいた姫鬼であった。


その頃…狂鬼潦と守屋悠斗は、南の里へ一直線に向かっていた。

「おい、良いのか?彼女たちに言わなくてさ。」

悠斗は、隣で尋常な速度で走っている潦に問いかける。
何も言わずにミナカタの里から出ていき、“何かの気配を察知した”と言ってずっと5里(19km)ほど走っているようだ。

「構わん……だが、この胸騒ぎ……そして、この感覚…見の覚えがあるのだ。急ぐぞ!!」

潦の言葉には、不思議と鬼気迫る感じを醸し出している。
ただ事ではないと思った悠斗は、潦に何かあったのかと聞いたら、話しだした。

「…以前、あの里に降臨した時の事だった。南の方に悪しき禍々しく嫌な感覚が走ったのだ。
恐怖ともいえるだろう。だが、その時にどことなく懐かしい匂いを嗅いだのだ。
もしやと思い…ミナカタの里で情報を集めていたのだが、少女が現れた。
あの小さき子から、懐かしい匂いをかぎ取り……南の地に何かあると考え…ん、見えたぞ!!」

潦の説明を聞き終わると同時に悠斗は、潦の見ている方に目をやった。
そこには、姫鬼の故郷の地……キガンの里とツキヨムの里を隔たった道に到着した。

「なるほど…右が、ツキヨムの里…そして、左がキガンの里か……話したがらないわけだな。」

悠斗は、その光景を目にした………戦場だった。

(うぉぉぉぉぉ、鬼どもを倒せぇぇぇぇ!!)

(ウガァァァァァ、人間ニ…ヤラレンゾォォォォォ!!)

鬼の中には、血を流しキガンの里に戻る鬼が居る。
人間のモノノフは、ツキヨムの里から腕の立つ猛者を筆頭にケガを負いながらも血気盛んに攻め続けている。

「「……戦いってやつは……この時代でも……続いているのか!?」」

潦と悠斗の目に映っているのは、幾度となく戦い続けている鬼と人間の争いを見てしまっている。
そこにやっと、姫鬼と紅蓮鬼部隊と神垣の巫女と巫女の親衛隊を連れて…家族の鬼と一緒に里に着いた。

「……遅かった…鈴鹿様に……御目通りをさせてもらうように、行ってきまさぁ。おッ客様にはぁ…御殿に通しやすぜ。」

鬼の一人が悠斗と潦に声をかけて、キガンの里に迎え入れた。だが、姫鬼は…キガンの里に戻ることを拒んだ。
そう、規約があるからこそキガンの里に戻れないのだ。

「私は……仲間たちに……家族の皆に、顔を見せて来る……明日鬼、母と父のことを…頼む。」

明日鬼は、何も言わずに頷いてミナカタの里から来た者たちを、キガンの里に迎え入れた。
鬼の一人は、鬼の居住区とも言える街道を通らせて…鈴鹿御前の自宅へ招き、居間に客人を待たせることにした。

「あ…あの…明日鬼ちゃん……君は…姫鬼の妹さん…なのかな?」

みやこは、オドオドしながら明日鬼に声をかけた。
歳は、9歳とのこと。言葉もしっかりと人間の言葉を覚えているため、聞きならせている親御さんなのだと関心を抱いている。

「うん…お姉ちゃんは、私の他にも…もう一人いるよ。卑弥鬼って子……私の方が姉だよ。」

と、みやこの質問に答えて卑弥鬼を大声で呼ぶ。
引き戸を開ける音を聞いたみやこは、ビクっと怯えて引き戸の方を恐る恐る見る。そこには。

「…あ、お客様…どうも、鈴鹿御前でございます……まだ、持病の……み、みやこちゃん!?あなた…な、何故ここに!?って、み、みやこちゃん!?」

鈴鹿御前を目にしたみやこは、倒れてしまった。いや、鈴鹿御前の身体を見て気絶を起こしてしまったのだ。
それもそうだろう……鈴鹿御前の身体は、すでに………人間をやめた、鬼の姿に変わり果ててしまったのだから。

「…あ、あすお姉ちゃん……この人、誰?」

気絶する中、人間の姿をした少女がみやこに近づいて来た…微かに見えたその子の顔は、姫鬼とそっくりな顔つきだった。
外の争いの声、銃や刀の激戦している音…キガンの里とツクヨムの里に何が起こっているのか、みやこは、意識が薄らぐ中で夢だと信じて目を閉じた。
鈴鹿御前から話を聞いたみやこ以外の皆は、衝撃の真実という話を聞いて驚愕した。それは……ツクヨムの里からの要請書状が届いた日に起きていたのだった。

1ヶ月前 No.9

魔夜/神楽耶 @maaya115 ★vZhiyCrw2S_yFt

鈴鹿御前を目にしたみやこは、倒れてしまった。いや、鈴鹿御前の身体を見て気絶を起こしてしまったのだ。
それもそうだろう……鈴鹿御前の身体は、すでに………人間をやめた、鬼の姿に変わり果ててしまったのだから。

「…あ、あすお姉ちゃん……この人、誰?」

気絶する中、人間の姿をした少女がみやこに近づいて来た…微かに見えたその子の顔は、姫鬼とそっくりな顔つきだった。
外の争いの声、銃や刀の激戦している音…キガンの里とツクヨムの里に何が起こっているのか、みやこは、意識が薄らぐ中で夢だと信じて目を閉じた。
鈴鹿御前から話を聞いたみやこ以外の皆は、衝撃の真実という話を聞いて驚愕した。それは……ツクヨムの里からの要請書状が届いた日に起きていたのだった。

時は、遡ること姫鬼がキガンの里を出た後の事だった。
隣里のツクヨムの里からモノノフの一人が書状を手にして届けに来たのだ。

『此度は、姫神城主こと…姫神とばりの命式においてことを記しておきます。ツクヨムの里の隣相手方であるアマテラの里にて戦場の兆候ありとの情報を得ました。その際にて“鬼の姿あり”と我が里に向けて討伐隊約5千の部隊を霊山から出たとのこと。そちらの先住民の避難勧告、および、臨戦態勢をとるべし。』

その書状を目にした、キガンの里の次期長老であり、里の鬼頭……鍾鬼の元にあったのだ。
隣には、嫁である鈴鹿御前様が頭を抱えてよろけてしまい、旦那の腕に倒れてしまった。

「……蛮鬼…豪鬼…終鬼……お前らの部隊に通告する……鬼の住民たちの避難を即刻に勧めさせよ。そして、乱鬼…卑弥鬼と明日鬼をこちらに呼びよせよ。」

鍾鬼の声に応えるように、呼ばれた鬼の猛者たちが、動き始める。これも、人の記憶によってなのか昔なじみの習慣によって覚えているらしいようだ。
他に控えている鬼達も、蛮鬼と豪鬼と終鬼の命によってさらにことの事態を知らせるように他の皆にも的確にそして、冷静に動き出した。
鬼とも言えど冷静に動けるのは珍しいと言えるが、キガンの里の鬼達は……人間の身体能力より遥かに超えた状況判断を下せるようだ。

「…殿方……明日鬼をお呼びしました。」

「パパ…何か用事なの?」

緊急事態のさなか、娘の一言に……鬼の皆は、一斉に焦ってよろけてこけてしまう。
さすが、肝が据わった鍾鬼の娘だ。こんな最悪なる状況でもこの態度……将来が頼もしいとも言えようと、鬼の皆は、緊張感が解けて笑い出す。

「え!?な、なに!?何で、皆笑うのよ!?私、可笑しなこと言ってないのに!!」

鍾鬼は、娘の頭を撫でてから、姫鬼の居る里へ娘の鬼仲間を引き連れ急いで向かわせるように伝えた。
そして、明日鬼は……ミナカタの里の者たちをキガンの里に招き入れさせた。

そして、今に至り……鈴鹿御前を目にしたみやこは、倒れてしまったわけだ。
みやこが、気付いたのは……客間より先の明日鬼と卑弥鬼の部屋の布団の中に寝かせた。

「……パパ、ママ…連れて来たけど……お姉ちゃん…此処には、来ないって……外で仲間たちのことを見てるって言ってた。」

鍾鬼と鈴鹿御前は、ミナカタの里の者たちを畳の客間部屋に通して人数分の座布団に座らせるようにした。
どうやら、鬼の姿をして居ようともそれなりの礼儀、律儀を持っていると思ったようだ。

「…差し出がましいことにお邪魔することにしました。みやこ様の代わりとして…私からお話をすることにします。ミナカタの里の紅蓮鬼部隊隊長…素戔と申します。こちらで何かあったとご息女から伺いました。ミナカタの部隊から何かできることがございましたら、何なりと申してください。」

こればかりは、ミナカタの部隊たちでも未踏の地とも言えるかもしれない。
だが、難しく考えることで判断を鈍らせてしまっては、キガンの里の皆に動揺を持たせてしまうと踏んだ隊長は、一矢曇りなき瞳を見せていた。
その言葉を聞いて、鈴鹿御前がミナカタのみやこを気にしながらも、言葉を発した。

「それも、ありがたい戦力とも言えます…ですが、こちらからしては、鬼の集落地に人の手を借りるのは、些か…霊山との条約に反するものと言います。どうか、長旅のご足路を休めてください。蛮鬼…皆さまに、食事とお風呂を沸かして差し上げなさい。遠路はるばる来てくださった皆様に……そして、みやこ様にお食事を届けなさい。」

鈴鹿御前の気配りを受けてしまったミナカタの部隊全員は……鈴鹿御前の目論見を誰一人察知できる者はいなかった。
鈴鹿御前からもそのことに関しては、目を瞑り二つのうち一つの情報を当てようと口を開く。

「……さもながら…男性の二人の気配が、外で感知していますが……お連れの方たちでしょうか?」

その言葉を聞いた皆は、すぐに気付いた。
そう、今…客間に姿を見せない二人の者が…決死の救出作戦を企んでいた。

1ヶ月前 No.10

魔夜/神楽耶 @maaya115 ★vZhiyCrw2S_yFt

…狂鬼潦と守屋悠斗は、南の里へ一直線に向かっていた。

「おい、良いのか?彼女たちに言わなくてさ。」

悠斗は、隣で尋常な速度で走っている潦に問いかける。
何も言わずにミナカタの里から出ていき、“何かの気配を察知した”と言ってずっと5里(19km)ほど走っているようだ。

「構わん……だが、この胸騒ぎ……そして、この感覚…見の覚えがあるのだ。急ぐぞ!!」

潦の言葉には、不思議と鬼気迫る感じを醸し出している。
ただ事ではないと思った悠斗は、潦に何かあったのかと聞いたら、話しだした。

「…以前、あの里に降臨した時の事だった。南の方に悪しき禍々しく嫌な感覚が走ったのだ。
恐怖ともいえるだろう。だが、その時にどことなく懐かしい匂いを嗅いだのだ。
もしやと思い…ミナカタの里で情報を集めていたのだが、少女が現れた。
あの小さき子から、懐かしい匂いをかぎ取り……南の地に何かあると考え…ん、見えたぞ!!」

潦の説明を聞き終わると同時に悠斗は、潦の見ている方に目をやった。
そこには、姫鬼の故郷の地……キガンの里とツキヨムの里を隔たった道に到着した。

「なるほど…右が、ツキヨムの里…そして、左がキガンの里か……話したがらないわけだな。」

悠斗は、その光景を目にした………戦場だった。

(うぉぉぉぉぉ、鬼どもを倒せぇぇぇぇ!!)

(ウガァァァァァ、人間ニ…ヤラレンゾォォォォォ!!)

鬼の中には、血を流しキガンの里に戻る鬼が居る。
人間のモノノフは、ツキヨムの里から腕の立つ猛者を筆頭にケガを負いながらも血気盛んに攻め続けている。

「「……戦いってやつは……この時代でも……続いているのか!?」」

潦と悠斗の目に映っているのは、幾度となく戦い続けている鬼と人間の争いを見てしまっている。



前回Aパートのあらすじ
――――――――――――――――――――――――――――――――――


先に到着していた潦と悠斗は、ツキヨムの里の中心に存在する居城を見据えていた。
だが…二つ気になることを口にする悠斗。

「……時に…潦は、この世界に姫様が居るとさっき来る途中で言ってたが…間違いなく、あっちの里に居ると分かるんだよな?」

その言葉にしっかりと頷く潦ではあったが、言い方に妙な感覚を覚えた。
居るというよりかは、囚われているのか、先導しているのか…分からない感じではあった。

「…この状況ではよくわからないが……あの城に行けば分かることだろう。」

潦の言葉を聞いて、自分の能力を確認するかのように準備運動をしながらもう一つの気になったことを口にする。

「言わずもがな…その姫様に真意を聞くかと思うけどさ……俺の能力は、限度がある…“1日に2回まで”というジンクスがある…それでも、行くのか?」

悠斗の能力を身近で見ていた潦は、考えていた。
それもそうだろう、悠斗の空間移動という能力を鍛えるために共に身体を鍛え直させた。
さらには、彼の能力は…戦闘向きではないということを知り、戦闘要員のサポートとして動ける能力だと見抜いたのだ。
そんな彼の準備を終わるのを待って……姫鬼に声をかけた。

「…姫鬼…すまないが……ツキヨムの里に出向かう……数分で戻って来るから、此処で待っていて欲しい。」

その言葉を姫鬼に残して、悠斗は、潦の右肩を掴み空間移動の力を使った。
空間移動…いわゆる、人間の空間認識を自身の目に視覚化させ、ある場所や物を移動させるための作用力場を発生させる。
発生力場を空間ごと移動させるのではなく…発生力場の周囲に限界範囲があるのだが、その範囲部分を切り取り別の着地力場へと移動させるという能力である。
つまり…空間移動というのは、ほぼ間違いなく……瞬間移動と同じ意味で捉える。
だが、空間を切り取る移動と瞬間を切り取る移動とでは……時間と物体(人)の予測置換の違いでしかないということ。
これは、超科学世界の中では、人間業ではないということだ。

悠斗の空間を渡る速度や時間は、ゆっくりと動いている……そして、その世界は……いわば、立体映像を線状化させて、マス目がびっしりと白と黒で作られていた。
潦は、その世界に初めて未踏の地に足を踏み入れた感覚を覚えたらしく、あっという間に城の中にある…天守閣に到着したようだ。
悠斗は、能力を解除して…潦の姫様とご対面をした……だが、場所に問題があった。

「……此処って…牢屋だな。」

潦は、言葉を失っていたが、悠斗は、落ち着いてことの状況を把握すべく発してしまった。
姫様は…かなり驚きを隠せず、声を出してしまいかけた時、潦は、咄嗟に姫様の口を片手で塞ぎ耳元で言葉を語った。

「姫様…なぜあなた様が此処に……とにかく、逃げましょう!!」

牢屋の中に入っていることを潦に教えている悠斗に気づくのに5秒を要した。
どういった状況なのかは、もちろん……捕まっていることに気づいたのは1秒も経たなかった。

「…どうやって逃げ出すのだ!?貴様は、バカなのか!?」

何の計画もなく牢屋の中に入ったのだと思っている潦は、騒ぎ立てる。
するとそこに、人の声がして牢屋の入り口付近に通りかかろうとした人が見えた瞬間……悠斗は、能力を発動させた。
それは…まさしく、タイミングを考えてのことだった。

「……さて…事情は、後でかな……とりあえず……。」

姫様と潦を外に連れ出したが…その場所は、鬼とモノノフの戦闘のさなかだった。
どうやら、2人分だったことで距離感がつかめにくかったようだ。
だが、牢屋から救い出したのは良いのだが、潦と姫様がなぜこの世界に二人居るのか不思議でならなかった悠斗は、ある一つの仮説を立てていた。
もしかしたら……キガンの里に知り合いである友人がいるのではと、考えたのだ。果たして、その仮説が正しいのか彼は、キガンの里の方へと歩みを進めた。

1ヶ月前 No.11

魔夜/神楽耶 @maaya115 ★vZhiyCrw2S_yFt

だが、牢屋から救い出したのは良いのだが、潦と姫様がなぜこの世界に二人居るのか不思議でならなかった悠斗は、ある一つの仮説を立てていた。
もしかしたら……キガンの里に知り合いである友人がいるのではと、考えたのだ。果たして、その仮説が正しいのか彼は、キガンの里の方へと歩みを進めた。

――――――――――――――――――

その言葉を聞いた皆は、すぐに気付いた。
そう、今…客間に姿を見せない二人の者が…決死の救出作戦を企んでいた。

AパートとBパートの集合地点にて、前回のあらすじ

――――――――――――――――――


キガンの里の門前に、守屋悠斗を肩に抱えた狂鬼潦、そして、姫様が門の戸を叩いている。
その音を聞いた鬼の姿を門番が開いてくれた……その3人の後ろに居る姫鬼も、顔を背けている。
どうや、門の近くで倒れている家族仲間の強い姫鬼のことだ、自身の医療知識を行おうと肩に生きている鬼を抱えて、治療場を使わせてもらおうとしているようだ。

「姫鬼様……どうぞどうぞ…治療場は、門から入ってすぐ近くにあります……他の者たち…は…。」

「…構わない……御殿の方に招かせる……さぁ、疲れているであろう…中に入るが良い。」

門の中側にある楼閣の通路から出迎えてくれたのは…巫女の姿をしている卑弥鬼だった。
その近くには、みやこも苦笑いを浮かべながら歩いていた。

「……あはははは…気絶しちゃってた……あ、姫鬼は居らぬのか?」

表紙の抜けたことを言うみやこは、姫鬼の安否を気遣っていたようだが門番の鬼が親切に教えてくれた。
門の近くに治療場があると案内をすると卑弥鬼に説明してみやこを連れて行った。

「……小さい子の名は…卑弥鬼か……あのさ…此処に……人の姿をして、奇妙な格好をした女の子はいなかったかな?」

悠斗と潦と姫様は、卑弥鬼について行く…そして、悠斗は声をかけ問を掛けてみた。
先ほどから気になっていた仮説を紐解くように……すると、彼女はこう答えた。

「……これからそこへ向かう……黙って来ることを推奨する……その女性は、静かに眠っている……彼女がキガンの里の鈴鹿御前様の寝室に突然として現れた。だが……起きぬことのない姿で。」

悠斗は、そう聞くと安堵したように黙って卑弥鬼の後をついて行くように潦に感謝の言葉を掛けた。
そして、姫様と潦に小声であることを教えた。

『……頼みたいことがある……皆に耳を塞いでほしいと伝えて貰いたい…起きる頃合いだ。』

そして、まだ眠っているであろう悠斗の知り合いが客人の床の間へと残し、姫様と潦は…卑弥鬼の言うとおりにもう一つの客間に通された。
そこで、ミナカタの里の皆や鈴鹿御前に鍾鬼の前で潦とその姫様の紹介とこの世界に何故いるのかを潦と姫様が説明し始めた。

「…私の名は…グレシア…氷姫=グレシア。我が国は、聖なる王都とも言われている魔法を有する世界。そこには、英雄の騎士と呼ばれる人と妃が暮らしてた。私は、冬の時期に生まれ彼が私のお目付け役と世話をすることになった。他国の王子として我が城に迎え入れた時…空が赤く、黒い雲に覆われ…そして、魔物が所狭しと姿を現した。城の者たちは、魔物の手によって地下牢に閉じ込められてしまい私と彼は…自国から追い出され、迷いの狭間とも言える森の中に隠れた。その時だった…私は、魔物に襲われた時、この者が私を助けようとした瞬間に、強い白い光によってこの世界に飛ばされたのであろう。そして…気がついたら、キガンという里の門の前でだった。私が、気付いた時は…曲者だと思われ救われるまで、閉じ込められていた。」

潦とその場にいる皆は、黙り込んでしまった。
彼女の話を聞いてある程度察しがつくようになったようで潦から聞いた悠斗の知り合いも同じようなことがあったのだと考えた。
潦から聞いた悠斗の仮説とミナカタの里とキガンの里の鍾鬼と鈴鹿御前の仮説をまとめることにした。

「つまり…こういうことだな。」

鍾鬼は、皆の代表として話の整理をし始めた。
こういった突拍子の無い話を真に受けやすい鍾鬼は、彼自身の博識とも言える分かりやすい話をしだした。

「グレシアと悠斗君の知り合いは…多分、同じ状況でこの世界に飛ばされたということは…ミナカタの里に二人が現れたのと同じだったと推測しよう。そうすれば、この世界に四人が時間跳躍、もしくは、タイムパラドックス…パラレルワールドの渡航…ともしようか。それによってこの世界に来てしまったのなら、元の世界に帰れる手段がこの世界にある…ということだよな。それでだ…その仮説が正しいと言うのであれば…なぜ、この世界に君たちが迷い込んでしまい何をするのかもわからない状況でこんなことが起こってしまったのか…という解明は、如何したものか。」

鍾鬼のまとめた話を聞く皆は、その言葉で頭をうならせる。
それもそうだろう、何もこの世界の平和を取り戻すというような突飛のないストーリーが展開するのか可笑しいと思う。
だが、その考えている時に……キガンの里中に悲鳴が起こる。

いやぁぁぁぁ!!!!なぜなのぉぉぉぉぉぉ!?!?

明日鬼よりも甲高い叫びが、里中に響き渡り…その音響のせいなのかわからないが、キガンの里のみならず隣のツキヨムの里にまで、地震とも云える揺れが起こり始めた。
人の悲鳴でさえも揺れることはない…これは、まさかと思い…キガンの里の御殿に皆は、客人の床の間に急いで向かった。

「お、落ち着け……ほら、大丈夫だ……おい…落ち着けってば。」

悠斗が一生懸命に知り合いに向けて宥めさせるようにしているが、その子は…悲鳴をやめない。
それよりも、揺れが酷くなってきている…御殿の柱たちの木の破片がパラパラと震えながら砕けてきている。

「悠斗君……君の知り合いは…いったい、何者なん…うわぁ!?」

鍾鬼と皆が床の間の襖を開けると、ある少女が起き上がっていて頭を抱え……音波が鍾鬼に目掛けて当たる。
鬼とも言えどももとは、人間から化けたもの……どうやら、この音にかなり弱いらしく鬼達は、敏感すぎるのか……そこに来る途中、鬼の皆は、倒れて気絶していた。

「……仕方ない……すまない…未偉!!」

悠斗は、彼女の名を言ってから当て身を喰らわせた。
そのおかげで悲鳴は収まり、また彼女は、気絶2回目を味わった。
あの御乱心を見て聞いた皆は、悠斗に聞いてみた。すると、意外なことが分かった。

1ヶ月前 No.12

魔夜/神楽耶 @maaya115 ★vZhiyCrw2S_yFt

重い音がする方へ御殿の中に居る悠斗と気絶している彼女を残して他の皆は、門の外へ走って行った。
だが、そこに居たのは……姫鬼の姿とどでかい70メートルぐらいの鬼の姿があったのだが…彼女の左目と服装には……悠斗の格好をした姿だった。
彼女に一体何が起こったのか…皆は、固唾を飲みながらも姫鬼は、片腕を横に伸ばした……そしてその手に、ハンドガンらしき物が四角い小さなブロックで作り出された。
怯えている悠斗は、客人の床の間で彼女のそばから離れられないまま、外の方を気にしながらもそわそわして悩んでいた。

「なぜ、彼女の容姿が……それと…あの、姿……悠斗……まさか、姫鬼…お前は!?」

その言葉を聞いた姫鬼は、自身の姿が保っているもう片方の顔面を見せた。
そこには……鬼の目と鬼の角の左部位だけが、ひび割れていた。

「ハナレ…たほうが……イイ……怪我…スル…。」

彼女は、怒りを露にしているようだった。
目の前に居る70メートルぐらいの体躯をした鬼が、姫鬼を見て語り掛ける。

「我に挑むか……簡単には…壊されんぞ。」

鈍く、重圧のかかる声色をしているその鬼は、筋肉の腕を振り上げその勢いを利用して彼女の頭上に目掛けて手を握ることで拳へと変えて、直下の一撃を与える。
だが、姫鬼の身体は…相手の動作の癖を見切ろうとまだ交わす動きを見せない。

「姫鬼……何をする気だ!?」

父の鍾鬼は、皆を後退させて避難させるように里の門前のところまで下がり、大声で姫鬼に声をかける。
だが、どでかい鬼の腕っぷしが早くも姫鬼の頭に触れる…瞬間だった。

「ミヤタマ……解放…貫通銃弾(ガトリング)!!」

姫鬼の声が轟くように片手に持っているハンドガンの形が、またも、四角い小さなブロックによって変形を始めた。
そして、変形をしたその形は……ガトリングの重火器へとなっていた。その銃口を、鬼の拳にへと打ち込む。
すると、振り下ろした拳に激痛が走ったのか……大きな鬼は、もう片方の手で打ち抜かれた腕を抑えたのだ。

「嘘…だろ!?あの大きな鬼が……あの、姫鬼の持っている銃で…やられただと!?」

潦は、驚きが隠せないでいる。それはそうだろう…鬼からしたら小さな銃だと見える物に…耐えきれなかったのだ。
避難している皆が、姫鬼を眺めている最中……悠斗の姿をして戦っていることに驚きが激増しているのだ。

「姫鬼…まさか……ミヤタマの分霊をさせたのでしょうか……そうでなければ、あの力は引き出せないはずです。」

鈴鹿御前は、姫鬼が図体のでかい鬼の攻撃を何度も躱すにつれて、チャンスがある時にガトリングで反撃をしている姿を……まじまじと眺めている。
母である鈴鹿御前は、そのまま語り続ける。

「あの子は、特殊な力を引き出せる……闘魂解放術を持たせているのです。闘魂とは、ミヤタマの力を最大限に引き出せることで扱う武器によって魂を奮い起こすのです。鬼とはいえど、ミヤタマの持つモノノフならではの至難の業なのです。本来、交友関係で彼女への信頼によって分霊は出来ますが…なぜ、彼女の体内にあるミヤタマが、人の魂にまで具現化できるのか…不思議でなりません。奇跡の力というより…神の力に匹敵するかもしれません。」

みやこや潦、姫様に、ミナカタの里の部隊全員は、鈴鹿御前の説明によってすべての納得がいったようだ。
つまり…姫鬼こそが、ミヤタマを導く者だったということだ。

「ぐっ!?……時間が……セマッテ…いるか。」

図体のでかい鬼との戦闘中に姫鬼の右半身に悠斗の格好をしたのが、はじき出されるように動いている様だった。
その動きを見ていた鬼は、彼女の横腹を殴りつけた。
鬼の攻撃にカウンターも出来ず、もろに受けた姫鬼の横腹は……抉れるように内臓までもが、蒸発した。

「中々の者だ……骨があって良い戦闘感だ……だが、おしまいだ……ん、何だ?何を見て…い…る!?」

その言葉を聞いた皆は、姫鬼の方を見ていた。
振り切った鬼の腕の先を見る鬼は………たった今、ピンチに陥った。
姫鬼の横腹の腹部は、傷を負いながらもどでかい鬼の身体の一部に触れたことで、彼女自身も……大きくなったのだ。

「「「「「いや…規格外すぎる、だろ……これ。」」」」」

その場を見ていた、図体のでかい鬼とキガンの里の門前に居る皆が、一斉にハモる。
それもそうだろう……真紅な眼光、女性の人格な体躯、怒りを表すような白い吐息…図体のでかい鬼の頭を掴むぐらいの姫鬼の姿は、100メートル近かった。

「ミヤタマ…解放……疑似倍加(クローンテイカー)。」

姫鬼は、自分より少しばかり小さい鬼を片手で掴み上げ、人よりもどでかい70メートルの鬼を……一瞬にして握りしめて、蒸発させた。
その鬼の姿が消えた時、姫鬼は…元の姿に戻るが、傷が深かったため、キガンの里とツクヨムの里の境である道に倒れた。

「「姫鬼おねえちゃぁーん!!……今…治療するよー!!」」

卑弥鬼と明日鬼が姫鬼に近寄り、彼女の傷の手当てをその場でし始める。
かなりの戦闘による疲労と体力的にもミヤタマの解放技を2度による使用によって、傷の裂傷速度が上がっていた。
そして、キガンの里の隣のツクヨムの里の人間たちは……先ほどの光景を目の当たりにして、城主に報告をしに行った。

「これで、一応…命を取り留めておいたけど……お姉ちゃんの回復力次第かな。1か月もしたら治ると思うけど…気を付けて運んであげてね。」

卑弥鬼の力によって怪我の傷は、治まった。だが、傷を負っていたのが深くなっていたせいか、姫鬼は半分植物状態となっていた。
すでに、悠斗の格好は消えてしまっており、彼女の肌の色は……褐色仕掛けている。
日焼けしているように見えるが、鬼にとってその色は……危篤状態ともいえる物だった。

「明日…帰るとしよう。今日は…色々と姫鬼のことを知り得ることが出来た…だが、1つ分からないことがある。」

みやこは、キガンの里の鬼の皆に聞くことにした。
それは、鈴鹿御前や鍾鬼にとって過酷な決断をすることになるのだった。

「キガンの里とツクヨムの里の対立となった原因……裏で霊山が絡んでいると推測すると、今すぐにでも…ツクヨムの里に向かい、霊山へと使いを送らないと分からない。書状により事情と説明を貰ってから判断をすることにしようか。異論は、無かろうか…鈴鹿様。」

みやこの言葉により鈴鹿御前は、鍾鬼とキガンの里の鬼達ともに相談をしてから、頷いた。
そして、みやこと神垣の巫女の親衛隊をツクヨムの里へ向かわせ他の者たちは、ミナカタの里へ戻ることにした。
そこには、姫鬼、卑弥鬼、明日鬼を連れていた。

鈴鹿御前と鍾鬼は、娘3人をミナカタの里へ引き取って貰うように説得をしてみたが、みやこは了承をしたようだった。
みやこは、姫鬼の方へ視線を送りながら見送り…彼女自身は、ツクヨムの里へ足を進めた。
この後、みやこの躍起による説得を試みようとしている姿を眺める、悠斗は…黙って美偉を背負ってミナカタの里へと帰って行った。

1ヶ月前 No.13
切替: メイン記事(13) サブ記事 (1) ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…感想・コメントはこの記事ではなく、サブ記事に書き込んでください。(小説カテゴリでは必須です)