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魔人ジークと魔法の腕輪

 ( 小説投稿城 )
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シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

魔法の腕輪とは、全ての願いを叶え世界を支配する秘宝だった。
ジークは空を見上げた、空は澄み渡っていた。
突然、ジークの頭に鞄がぶち当たった。
「あんた学校は?一応クラスメイトなんだからね!」
「エウリル…、」
ジークはカケル町を眼下に眺めた。
カケル町は何の変哲もなかった。
そう…いつものように…、
【キャラクター紹介】
【ジーク】(魔人とあだ名される少年、赤い髪に黒い目)

【セフィー】(魔女と呼ばれる女性、黒髪に黒い目の美人)

【エウリル】(黒髪に黒い目の少女、結構かわいく、男子に人気がある)

2年前 No.0
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シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

第一話【魔法の腕輪】
「てい!」

シウ部長は情け容赦無い、この緑髪、黒目の大男は、ジークを柔術で投げ落とした。

「いてえ!いてえ!」

ジークは転げ回った。

「時に貴様、噂を聞いたことがあるか?」

「なあんだ!」
ジークはぶちぎれた。

「この【学校】の中に、神が作った腕輪が今有るという話だ」

「それ、なあに?美味しいの?シウちゃん」

「黙って聞け、よしんば本物だったら貴様どうする」
ジークは自信満々に答えた。

「そりゃ、普段から生意気なシウ、てめえやエウリル、それにセフィーをかしずかせるのさ!」

ジークは言わない方がいいことを宣った。

「ジーク、貴様という奴は、なんて気持ちの悪い発想なんだ、」

シウは機嫌を害した。

ジークは校庭を走っていた。

校庭十周、たまに部活をさぼったりするジークへの罰だ。

ジークは見た。
女性が腕輪を嵌めていた。
「にゃんでも願いが叶う魔法の腕輪あ!」

ジークは腕輪に噛み付いた。

「にするのよ!」

それはセフィーが付けていた買ったばかりの腕輪だった。

「これが今噂の魔法の腕輪に見える?だいたい魔法の腕輪だなんてこの科学の時代に有ると思う?」

「あ、セフィーの罰は重過ぎるからジークは本当に要らない感じかなあ…」

後にはジークの死体が残った。

2年前 No.1

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

「ねえねえ、セフィーはさあ、ジーク君が明日にでも死ぬって言ったらどしるの?」

ジークが尋ねてセフィーが答えた。

「それがあなたの(運命)なら」

「しょれほんき?」

ジークは泣いた。

「シウ部長が竹刀が足りないってぼやいてたなあ」

ジークは体育倉庫に入った。

暗がりに何かが光っている、

「ん…、腕輪あ?」

ジークが気が付いたら、倉庫の鍵は閉まった。

「こんなことが本当にあるんですか」

出れねえし…、この世界では、魔法の道具は人の居なくなった暗がりにひとりでにあらわれる、と言った。
「使用者を確かめてるんだ、魔法の腕輪」

ジークが言った。

勿論そんなものが本当にあるとはどの本にも書いてない、

ジークは言った。

「嵌めるのはやめとこう、なんか他人を操る魔力なんかこええし」

ジークの頭にセフィーの声が響いた。

(「それがあなたの運命なら」)

「皆俺のことなんかどーでもいいんだ」
ジークが言った。

2年前 No.2

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

よくよく近づいて確かめてみると、それは確かに金色の腕輪だった。

「ほええ…魔法の腕輪、」
ジークは更に手に取ろうとしたが…、

「やめておこう」

やめておいた、そんな事をして(支配)してもきっと何の意味もない、この魔法の腕輪はそういうものだ。
その時はそう感じた。

「あら…、ジーク…どうしたの、難しい表情で」

外に出るとセフィーが尋ねた。

「何でもない」
ジークは答えた。

2年前 No.3

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

第二話【ゾンビパニック】
「休校?」

ジークは首を傾げた。

「しばらく…、」

エウリルが答えた。

そこはジークの家だった。
ジークの家には刀や盾が置いてある、ジークが武術をやる為だ。

「あ、あの事件か…、」

ジーク達の学校で、生徒の一人が暴れ回って、職員や生徒が怪我をした。
その生徒は発狂したように叫び暴れ、物凄い力でドアをけやぶって逃走した。

「そう、それ、学級連絡、確かにジークに回したからね、その事件原因不明なのよ、それが判明するまで休校ってわけ」

「原因不明?…ふぁいよ」

ジークは答えた。
この間の魔法の腕輪といいおかしな事ばかり二つ目だ。

エウリルは帰った。

ジークが外に出てみると怪しいトラックが道端に止まっていた。

「強化兵士ウイルスが漏れちまったのか!」

「やばいやばい、このカケル町は明日にでもパニックになるぞ」

ジークは聞き耳を立てた。
「強化兵士ウイルス?なんだそりゃあ、」

「だから強化兵士ウイルスってのがばらまかれてしまった可能性があんだって」
ジークは電話でシウに話した。

「そんな話を信用しろと?」
シウが言った。

「大人達に言っても信用しねーだろ、ここは協力しましょうよシウ部長、俺は確かに聞いたんだ」

「そんな嘘みたいな話がまともに聞けるか…、しかし万が一お前がそれを本当に聞いたのだとしたら、…うむ、とにかく、明日話そう」

シウはそれで電話を切った。

2年前 No.4

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

安堂カケルは見た。
「おい、おまえ、何してる!」

カケルは木刀を背負いながら、男が女を殴ろうとする所を目撃して声をかけた。
カケル町の路地裏だ。

男がカケルの方を向いた。
歯を剥き出した男はカケルに飛び掛かってきた。
カケルは木刀で応戦した。
「うらあっ!」

木刀は男の飛び掛かりを相殺し、男の胸部に食い込んだ。

しかし、「何だお前、痛みを感じないのかよ」

男は悲鳴もあげず、只逃げていった。

話を聞き終えて、ジークとシウは一息ついた。

「びっくりしたぜ」

安堂カケルは言った。

安堂カケルは日本人ぽい、黒髪黒目の少年である、
「そりゃあよ、やっぱりゾンビだぜ、ゾンビ」

ジークが言って安堂カケルがぼやいた。

「ジーク、てめえは疲れてんだ、ゾンビなんて居るわけねえって」

カケルがぼやくとジークは言った。

「…この国の軍隊が、痛みを感じないソルジャーを開発していたが失敗し、何らかの形で事故が起こり、それがこのカケル町で、病として発症するようになった」

「疲れているというより重症だな、ジークよ」

シウが言った。

「信じてくださいよ、俺は確かに怪しいトラックのそばで怪しい奴が話してるのを聞いたんだ」

ジークは言い張った。

2年前 No.5

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

男3人の集会は、朝から昼に成った。
すると突然テレビが映らなくなる、
「ん?テレビ局がゾンビに襲来されたか、」
ジークが言ってカケルとシウが呆れた。
「私は少し抜ける」
シウは一人抜け出しどこかへ向かった。

…、…、「シウおせえな」
ジークが30分後に言った。

「ぐ…、なんて数なんだ」
シウは大勢の敵に取り囲まれていた。
蹴り、殴るが相手はすごい力でひるまない、
さらに、「ガルル…」
噛み付こうとしてくる、

シウは決死の脱出を試みた。
そこからジーク達の居る広場までは約一キロ、抜けるにはそれしかない、

「たかだか三十人程の敵に遅れを取るとは…」

シウは突撃した。
襟首を捕まれ、引き倒された。
「ぐあっ!」
噛み付かれる、もうだめだ!

「…退きなさい!」

セフィーのキツい攻撃が、敵に入った。



「魔女…」
シウが言った。
さすがに二人になればたかだか三十人くらいの敵に遅れは取らない連中だ。

「どうして…此処へ」

すごい勢いで相手を蹴り倒しながらシウが言った。

「お茶を入れてたら校長に襲われて」

「噛まれたか」
シウが言った。

「いいえ、」

「そうか…」

2年前 No.6

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

「いったい何これ…ふざけているわ…」

セフィーが言った。
倒しても倒しても復活する敵、流石に殺すわけには行かない、

「これはどう見ても、普通の」

シウの言うとおり、襲い掛かって来たのは普通の人達だ。

「おい、やはりゾンビか、となると問題はそいつらが治るかどうかだなあ」

シウが遅いので探しに来たジークとカケルが傍にいた。

「襲われたのか?噛まれては、居ないようだな、さっき見たんだが、そいつらは普通の人間を襲って引っ掻いたり噛んだりすると、それをされた奴も同じように理性が無くなり凶暴になった」

カケルが言った。

セフィーは何かを心配そうにしていた。
傍ではジークとシウがゾンビを素手で撃退している、
「ジーク、エウリル、あの子どうしましょう、弱い子よ、今日は町に買い物に、近くに居るはずだわ…」

「え…、心配だ探しに行こう、」

ジークが言った。

2年前 No.7

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

「やれ、壊せ、破壊しろ」
ヒュームガダルが言った。
「あんたなんか何にもできやしないわよ」

エウリルが言った。

「そうだ、だからゾンビが町を壊す、私は指揮をする」

「だからそれができないって言ってるのよ、現に自分だけ安全なところに逃げてるじゃない」

ヒュームガダルは学校の近くに住む老人だ、皆彼を奇人扱いしている、

エウリルとヒュームガダルは協力してデパートの屋上に逃げていた。

まだ見つかっていない、
ヒュームガダルがうわごとのようにつぶやいた。
「破壊せよ、破壊せよ、破壊せよ」

ゾンビが一匹、屋上の柵を乗り越えて入ってきた。
エウリルが悲鳴に近い声を上げた。
「あ、あいつは、」

エウリルが隠れたがヒュームガダルはうまく隠れられなかった。

「ひい…ゾンビ、ワクチンを…無い…」

ヒュームガダルが言って、
「ワクチン?何か知ってるの?」

エウリルが言った。

ヒュームガダルにゾンビが詰め寄る、

「ぐ…くう…、ゾンビ風情が甘く見たか!」

ヒュームガダルはゾンビを本気でぶん殴った。

「ぐがあっ!」

ゾンビは気絶して倒れた。

「うわ…年寄りのくせに物凄い力…、」

エウリルが言った。

しかし一匹のゾンビが悲鳴をあげると、他のゾンビもエウリルとヒュームガダルに気が付いたようだった。
詰め寄る、そしていつのまにか二人は囲まれていた。
「ぐ…」
「い…いや…」

ヤバイ…と思った瞬間、誰かの声が聞こえた。

「二人とも大丈夫?」

セフィーだった、ゾンビを倒しながら、皆が助けに向かっていた。

「ワシは貴様等に助けてなど要らぬ」

ヒュームガダルが叫んだ。

「まあそう言うなってじいさん」

ジークはゾンビ達を素手で倒しながら言った。

2年前 No.8

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

「はあ…はあ」

ゾンビは殺すわけには行かないので散々にバラして道を作り、

6人はデパートの一室までやっと逃げおおせた。

「さっきね」

エウリルが切り出した。

「ヒュームガダルがワクチンがどうとかって言ってたわよ」

ジークが怪訝そうに眉をひそめる、

「ワクチンてそんなのあんのか?それで皆人間に戻るわけ?」

カケルが怒って言った。

「おい答えろよじいさん」

カケルの問いにヒュームガダルは答えない、

「おい?」

シウが尋ねた。

ヒュームガダルは言った。
「人がどれだけ死のうがワシは知らん、死ぬ奴は死んだ方がよいからな」

「なるほど…」

セフィーが言った。

「教えなさい!」

セフィーはヒュームガダルをひっぱたいた。

「いてえ!」

ジークが言った。

セフィーはジークを一旦一瞥してからヒュームガダルに問いただした。

「ゾンビになった人達を助ける方法があるなら早く教えなさい」

ヒュームガダルは青い顔になった。
「…、む…むう」


「あのトラックの中にワクチンが?一見何の変哲もないトラックだよ」

カケルが言った。

ヒュームガダルはゾンビ化が起こるのを知っていたらしい、知っていて、放置していた。
そしてそのトラックの中にワクチンが山ほど有るのを知っているらしかった。

「開かねえぞ、シウ…、何とかならねえか?おめえのとくいの【高速剣】でこじ開けてくれよ」

ジークが言った。

「刀は?」

シウが言った。

「これ使うか?」

カケルがバッグから刀を取り出した。

「あんたたちやだ、刀とか武術とかそんなのばかり、男臭い!」

エウリルが言った。

「高速剣!」(ガパア…)

トラックの荷台は一応開いた。

2年前 No.9

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

元通りになった町でジークはあくびをした。
あの後どちらかと言えば弱いエウリルと何もしないを決め込んでいるヒュームガダルのじいさんはさておき、
他のジークとシウとカケルとセフィーは住人にワクチンを打ち捲った。
そのかいあり、皆人間に戻っていた。

「それにしても、本当に(強化兵士)を作る実験に失敗して、町一つゾンビでうめつくされてしまったとはな…、ヒュームガダルは政府の奴らがそう話すのを聞いていたんだ、おまけにそいつらが(自分達だけに射つ気だった)ワクチンの事も知っていたんだな」

シウが言った。

「人間のやりそうな事さ、元に戻せて良かったよ、戻らなかったら…」

ジークが言ってシウが尋ねた。

「戻らなかったら?」

ジークが言った。

「この世の終わりだ」

2年前 No.10

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

第三話【日常】
「さて…と、」
ジークは荷物を持った。
「さあ…行くわよ…」

「ゲ…、」

セフィーが言ってカケルが言った。

「まさかとは思うが…、セフィー先生が運転するつもりなんですか、このワゴン車…」

カケルは引いた。
今日はジーク達は部活の【打ち上げ】の日だ。

「早く行きましょうよ」

エウリルが急かした。

「う…うむ…、我が総合武術部の祝い事だからな、ところで車は別の人に…」

シウが引いていた。

「なあに、みんな、あなたたちと違って先生は何でも出来るの、何でもね、車の運転くらい簡単よ?」

「それがこええんだよ!」
ジークが恐怖の表情で叫んだ。
後にはジークが倒れていた。

2年前 No.11

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

行く手の海は只静かに揺れていた。

「おい、ジーク…貴様死にたいのか…、」

シウが小声でジークに言った。

まだセフィーの運転の事を言っている、

「黙っとけって、シウ、てめえは身体も声も普通よりでけえんだから、悪口言ったら聞こえる!」

そしてカケルが神妙な面持ちで言った。

「それより、此処から先は、カケル町のミステリーゾーンだぞう」

セフィーが言った。

「ミステリーゾーンて、そんなの嘘に決まっているでしょう?」

ジークが言った「そうとも言いきれない、魔の三角地帯だからな、」

シウが言った。

「この先の道路を通って、行方不明になった人間が数知れず居るんだ」

エウリルが震えだした…、

「こええ、引き返しましょう、今すぐに、総合運が悪い第一位の、魔人ジークと俺たちは一緒なんですよ、」

2年前 No.12

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

魔の三角地帯、行方不明になった人々、そんな噂が本当か嘘か、ジーク、セフィー等を乗せた車は海添いの道を進んでいった。

「うん、なんか霧が出てきたな、」

カケルが言った。

「止まってくれ」

シウが言った。

「悪いけど、俺も」

ジークが言った。

「どうしたの」
セフィーが怪訝な顔で尋ねた。

「刀の打ち合いの音がする」

カケルが言った。

そこは霧の掛かった廃工業地帯だ。
誰も居ない、筈だが、

いや、居る、髪も目も黒い少年が一人、刀で何かと戦っていた。

ガッ、キンッ!

と言う音は凄まじい戦いを物語っていた。

「なかなか修行が成った動きだ」

カケルが言った。

「大丈夫だろう、見ていろ、すぐに終わる」

シウが言って、ザシュッ、少年が敵を斬り付けて止めを差して終わった。

「…」

こちらを見た少年は話し掛けに来た。

「ここは化け物が出るんだ、一般人は来ちゃ駄目だ」

「そう言うあなたは何者?、どう見ても一般人の服装だけれど」

セフィーが尋ねた。

「…俺はいいんだ」

少年は言うと去ろうとした。

「いや…、お前何処かで聞いた事がある、」

ジークが制止しながら言う。

「人間でありながら、潜在能力を覚醒させた少年剣士、名前はたしか」

「ブラックキャット」

ジークが言ったが少年は既に居なかった。

2年前 No.13

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

「ブラックキャット?そんな名前の奴、カケル町に居たか?」

シウが言って、

「ああ、でもあいつの顔なら見たこと有る、うちの学校の奴だな」

カケルが言った。

今まで黙っていたエウリルが言った。

「あの人なんか変な人ね」

「そーだな、でも必要な奴だよ…」

ジークが言って、カケルが言った。

「どおだかな、女しか見てねえ男の目だなあの目はまさに…、誰かと同じありえねえ目だぜ、」

シウが言った。

「若いな…、」

そして皆がジークを睨んでいた。

エウリルの目に涙が滲んだ。

「泣かせたわね」

ジークにセフィーが言った。

「なんでそんな話に成るんだよ、」

ジークが言った。

「何故慌てる、魔人ジーク、」

シウの手は震えていた。

2年前 No.14

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

ジークをぼこぼこにしてから一行はやっと真面目に車に帰ろうとしたのだが、

「ていうより、俺達この霧の中から出れなくないですか?」

カケルが言った。
霧の中を一行は車へと引き返すのだが、一向に車は見えない、

「これは霧に化かされたか、」

ジークが言った。

「…ジーク、あそこの木陰、何か居る、」

エウリルが言ってジークが視線を移した時、鎌を携えた化け物がエウリルに襲い掛かってきた。

ギイィイン!

ジークは背負っていた棍棒で鎌を止める、

「あぶねえ!何なんだ!」
叫んでジークは回転しながら右横に移動し棍棒を振るった。

強力な一撃は敵にヒットし、敵は倒れた。

セフィーが視線を向かっていた反対方向に向けると、山道の入口にブラックキャットが立っていた。

ブラックキャットは言った。

「抜けられなくなったか、いいよ、出口まで案内してやるよ」

そう言ったブラックキャットにセフィーが訪ねた。

「この霧は何?私達は何故迷ったの?」

ブラックキャットは言った。

「ここは、異界とこの【セカイ】の狭間に近い場所、故にたまに化け物が出る時期がある、」

シウが言った。

「そういう場所ならカケル町にはいくつか、伝えられているが、それくらいではあんな化け物に襲われたりはしないはずだが?」


ブラックキャットが言った。

「大方の話、人間が先にあいつらに手を出したんだろ、それで怒ってるんだ」

カケルが心底呆れた声を出した。

「かー、アホが居るもんだな、何処の奴だよ」

ジークが言った。

「じゃあ、とにかくブラックキャット、出口まで案内してくれ」

ブラックキャットが言うには、出口まで抜けるには、山を周り込む必要が有るらしい、

途中でエウリルが転んだ。

「おいおい、大丈夫かよ、」

ジークが言った。

「うるさいなあほっといてよ、」

エウリルが言った。

2年前 No.15

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

「なんだ…ここは」

先頭を行っていたシウの眼前には一軒のボロ屋があった。

「入ってみるか?」

ブラックキャットが言った。

他の奴はともかく、エウリルは疲れはてていた、歩き通しは難しいだろう。

カケルが戸を叩くと中から誰かが出てきた。

「じいちゃん!?」

安堂カケルは声を上げた。

そこにいたのはカケルの祖父だった。

「なるほど、ブラックキャット1人で魔物退治は危ないと、この小屋に居られたわけですな」

ジークが言ってカケルの祖父は答えた。

「いかにも」

小屋の中には囲炉裏が灯され、とても暖かい、エウリルは疲れてうとうとしている、

「日も暮れた、今日は此処に泊まらせてもらおう」

シウが言った。

2年前 No.16

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

「ふう…」

ジークが小屋の外で一息ついていると、カケルの祖父がやってきた。

「あんた…あの腕輪を見ましたか、扉の奥で」

何の話だ、とジークは思って、思い出した。

「ああ、あの魔法の腕輪の事か、カケルに聞きましたか?」

「言ったのは私よ」

セフィーがいつのまにか傍に居て答えた。

「腕輪には人間が触れてはならぬ力が有るのじゃ、よいな、触れてはならぬぞ」
カケルの祖父は言った。

(何か知ってるのか)とジークは聞こうとして聞けなかった。

「変だと思わないかね、」

カケルの祖父が尋ねた。

「このカケル町では、普通は起こらない事が起こる、魔物が出る、魔法がある、」

「確かにそりゃ変だ、妙な事が起こりすぎる」

「全てが夢だったとしたらどうかね、魔法はない、カケル町は無い、ただ現実のセカイがある」

「うーん」

「いずれ、解る時が来る」

そう言ってカケルの祖父は小屋に引き返していった。

2年前 No.17

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

「寝たか…」

エウリルを見てカケルが言った。

小屋に置いてあった食料を片っ端から召し上がった6人、は眠くなってきていた。

「セフィー先生、大丈夫なんですか、生徒6人を外泊させたりして」

ジークが尋ねた。

セフィーがジークに指を差しながら言う。

「ジーク、セフィー先生と呼ぶのはやめて、あなたはセフィーでいいの」

「え?そうなの?じゃあセフィー!」

軽いビンタの音がした。

「今、呼ばなくていいのよ?」

「ごめんなさい、」

そしてシウが言った。

「おまえらの会話はまったくもってくだらん」

セフィーは何も言わず布団に潜ってしまった。

6人は電気を消し、その晩はもう休んだ。

2年前 No.18

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

夜中、布団の中でごそごそ言う者があった。

「ジーク、少しいいか…」
布団に潜ってカケルがジークに話し掛けていた。

「なんだよー、寝られないよー、」

カケルが真顔で言った。

「性格はまあ置いといて、顔は学校でトップを争うクラスの、エウリルとセフィー先生、」

「ああ、それで?」

ジークは何故かうんざりしてきていた…、

「ジーク、てめえ何とか食わぬは男の恥って知ってるか?」

ジークはカケルにそう言われて言った。

「そんなことして嫌われるよりも、同じ部活なんだから、何も言わず只鑑賞する、それが俺の美学」

シウが言った。

「大体何が男の恥なんだ?犯罪か…」

「犯罪ではない、男は仕方ないのだ」

電気が付いた。

セフィーがほうきを持ち、エウリルは泣いていた。

「気持ち悪いよ二人ともサイテー、」

エウリルが睨みながら言って、ジークが言った。

「あー、泣かした、カケル、てめえはガキか?え?二人?」

「外で寝ろ!」

シウがジークとカケルを小屋から引っ張りだした。

2年前 No.19

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

ジークはその日夢を見た。
男が世を儚んだ。

世界という奴は、今は男の周りは平和でもいつかはそれは悪夢に変わるものだ。
人間とは弱い、人の世の平和とは愛とは脆いのだ。
景色が移り変わった。
たまに男が見る夢、家畜化された人間、過ぎた科学に狂気に、支配される世界、
男は、何も出来ぬ、只それを見ているだけである、
夢に見るだけでなく、男は本当にそのような考え方の人間だった。
そのような考え方は男は殆ど生涯変える事がなかった。

ある日男が何気なく扉を開くと、そこにはジークも見たあの魔法の腕輪が有った。

「これは本当に願いを叶えてくれるのか、叶えてくれ、世を儚む事しかない、私の願いを」

男は魔法の腕輪に願った。

(運命を変えてくれ)

そして絶大な魔力は、その願いを叶えた。

ジークは目を覚ました。
外は流石に魔物が出るからと、小屋の玄関でカケルと並んで寝ていた。

「…おはようジーク」

傍らにセフィーが居て言った。

「夢を見たんだ、聞いてくれ」

そしてジークはセフィーに今見た夢のすべてを話した。

「…その夢なら私も前に見たわ、偶然ね」

セフィーが言った。

「え?見た?見てどうした?」

ジークが尋ねた。

「そこにいらっしゃる(カナタ様)に話したわ…」

「え?そこにいるって…」
そこにはカケルの祖父が立っていた。

カナタと呼ばれたカケルの祖父は言った。

「あんたも見ましたか、その夢を、その夢の男、若い頃の私によく似ておりますわ、頭の中が」

カケルの祖父が言って、セフィーが言った。

「そしてカナタ様は願いを掛けたのよ、ジークが見た夢はカナタ様の事なのよ」

(またセフィーの悪ふざけが始まった)と思ってジークは聞いた。

「へえ…それで、何て願ったの?」

セフィーは言った。

「それを言ったら、ジーク、つまらないでしょう…」
「じゃあ、それが本当だとして、セフィーなら何を願う?」

ジークに聞かれてセフィーは少し考えて答えた。

「…幸せはずっと続けばいいわ」

ジークは尋ねた。

「幸せ?幸せって何だよ」
セフィーは憤慨した感じで話を打ち切った。

「…うるさいわね、何でもいいのよ」

「よいかな?」

カケルの祖父が話出した。
「話から言って男が願ったのは男の恐怖が現実にならない事でしょうな…、つまり、平和で楽しい世の中がずっと続く事じゃ」

ジークが言った。

「普通に考えれば確かに、そうなるな」

セフィーが言った。

「でも困った事も起こったわ、魔法は気まぐれなの、魔物が出たり、普通では起こらない困り事が起こったり」

え?ジークは怪訝に思った、(まさかセフィーはこのカケル町が夢に出てきた男が願った事で出現したとでも言うのか?)

「セフィー、まさかこのカケル町がそいつが願って現れた町だと言いたいのか?」

ジークはセフィーに尋ねた。

セフィーは微笑を浮かべたまま何も言わず向こうにいってしまった。

(これだ、セフィーの悪ふざけだ)
ジークは思った。

2年前 No.20

シン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

「此処って海が見えるんですね」

小屋の外でジークが言った。

「うん…、あれ?なあに?」

エウリルが海を指差し言った。

「船だよ」

ジークが言った。

海に浮いている、漁船だろう。

セフィーが出てきて言った。

「見ちゃダメ!まったくガキなんだから!」

光景は一瞬で霧に飲まれて消え去った。

「この霧の中で、船なんか出てるわけないわ、」

セフィーが言った。

朝だからか化け物は居なかった。

「じゃあまた何処かで」

ジーク達はカケルの祖父とそしてブラックキャットとも別れた。

「ここから先は一本道だから、迷わないよ」

ブラックキャットはそう言い残し、山の中に消えていった。

2年前 No.21

魔人ムシン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

ジーク達は山の中に歩き出した。
合宿は一泊二日なので、帰路につかなくてはならない、車に戻らなくては、
海だ…。

「あ、あれさっきの船じゃねえか…」

ジークが言った。

確かに一向の目の前にはさっき見た船が有った。

「こんな霧の中を、何処に…、」

シウが言った。

「おい、今中で何か動いたぞ?」

カケルが何かを目撃したかのように言った。

「ジーク…魔人」

船の中から声が聞こえる、

「誰だ、何か用か!」

シウが叫ぶと船はジーク達の目の前まで移動してきた。

「よっと、」

あろうことかジークは船にジャンプして乗っかってしまった。

「何やってるの!」

セフィーが叫ぶ、

「わ、解らねえ、体が勝手に…」

ジークが言った。

「うわ、俺もだ」

カケルが言った。

なんとジーク達は何かに操られるかのように全員で船に乗り込んでしまった。

1年前 No.22

魔人ムシン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

「さて、魔人ジーク、私は君をずっと待っていた、ずっとずっとね」

誰も居ない船の中からなぜ声が聞こえるのか誰にも解らない、

「では…」

声が言う、

「死んでもらう」

声のメッセージが終わった。

「え?な、何か起こったか?」

ジークが赤い髪を乱して尋ねた。

「解らないわ、とにかく此処から出ましょう」

セフィーが言った。

だがドアは閉まって開かない、ジーク達は船室に閉じ込められている、

バンっ!

霧で白く染まった外から血に塗れた腕が船のガラス窓を叩いた。

「ひっ!」

シウが小さく悲鳴を上げた。

「あーこまった、こりゃあ」

カケルが小声で言った。

「悪霊の仕業ですわ…」

1年前 No.23

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「ありゃ簡単には抜け出せないね」

言ったブラックキャットの隣に少女が居た。

長めの黒髪で黒目の15歳の少女が着ているのは巫女の服であろう。

少女、リョウカは両手で十の印を作った。

「火の霊よ、悪霊を封じたまえ…、」

リョウカの放った火の魔法は、ジーク達の居る船を取り囲んだ。

「うわっ、なんだこれ、火、火!」

カケルが慌てて叫びだした。

窓にはべったり血塗れの腕が張り付き、その外側は炎でもはや、それ以外はなにも見えない、

ジークはドアを開けようともがいていた。

その後ろから血塗れの手が迫る、船の中にも手が生えてきたのだ。

ブラックキャットが船の外からリョウカに言った。

「リョウカ、何とかできそうか?」

リョウカは言った。

「これで、とどめよ」

火は腕の形になり、船を掴んだ。

ジークを血塗れの腕が掴んだ。
物凄い力だ、逃れるのは不可能だろう。

船が一瞬物凄い光を発した。

1年前 No.24

魔人ムシン ★DOCOMO-DPhifs0QrB

終わった後には船の外には誰も居なかった。

「助かったな、あの火の腕はなんだったんだ?」

ジークが皆に尋ねた。

脅えたエウリルが言った。
「さあ…?」

ジークが八つ裂きにされる寸前に光によって、血塗れの腕、そして炎の腕は跡形もなく消えていた。

セフィーが言った。

「今の血塗れの腕は物凄い力を持つゆえにあの炎の腕、即ち特定の魔術に弱いようだったわ」

シウが言う。

「なるほどな、」

カケルが言う。

「で…」

「何が起こって俺たちはこんな目に?何が起こってるんだカケル町で…、」

カケルが言った。

ブラックキャットと共に居るリョウカが言った。

「怖かった、セフィー先生も、魔人ジークも死んでしまうかと思った」

ブラックキャットが言う。

「でも死ななかった、それに君はまだまだ関わらないといけない」

ブラックキャットは踵を返すと言う。

「カケル町は異常事態だ」
「解ってます」

リョウカは言うとブラックキャットと共に歩いていった。

1年前 No.25

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第四話【少女リョウカ】

リョウカは巫女衣装のまま調査文章に目を通した。

(ここ数ヶ月でのカケル町の事件)

「おかしい、怪異が多過ぎるわ」
ココアを飲み干したリョウカはつぶやいた。

リョウカの家は怪異事件の調査を生業としている、

「魔人ジーク、あなたが関わっているというの?」

リョウカが呟いた。

ここは総合武術部、シウが部長として、みんなをまとめあげている部活だ。

「ジーク、女ばかり見てないで、剣の練習だ」

シュッ、バシッ!
と竹刀が舞う。

「うわっ、シウ部長やめてくださいよ、今気分じゃないので」

ジークは練習を突っぱねていた。

とはいえこの間のともあれば倒されていた事件以来、練習には熱が入る、

「悪霊退散!」

シウが叫びながら竹刀を振るっていた。

「うわっ、うわっ、おれをねらわないでくださいよ!」

ジークとカケルがシウから逃げていた。

ジークが叫んだ。

「マネージャーたすけてー」

マネージャーと呼ばれたエウリルはジークを無視してそっぽを向いている、

シウが怒鳴る、

「やる気が無いなら何故この場に居る、ジーク、それからカケル!」

入り口から女が一人入ってきた。

「ごめんなさい、ここにジークという人が居ますか?」

巫女衣装に身を包んだリョウカはジーク達の前に姿を現した。

1年前 No.26

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部室の椅子に腰を下ろしたリョウカは鞄から資料を取り出した。

「これはここ一年のカケル町の怪異の件数と前年比です」

資料を見てシウが呟いた。

「なんだこれは、前の年の三倍に増えているではないか」

リョウカは頷いた。

「ところで君は?」

ジークが尋ねた。

リョウカは答えた。

「私はリョウカ、怪異を調べるのを生業にしている者です」

カケルが驚いて言った。

「怪異を調べるのを生業にするなんかあるの?」

リョウカが言った。

「このカケル町では不思議な事が起こるのです、不思議な事には【裏】が対処しています」

カケルが言った。

「そういえば昔じいちゃんからそんな話を聞いたような…気もするな」

ジークが言った。

「冗談じゃねえ話だな、俺は先日それで死にかけた」

「そうです、そう聞いています、ですから」

リョウカが言った。

掻い摘んで言うと、リョウカが言ったのは、怪異に巻き込まれたジーク達にもついでに怪異の調査を頼みたいとの事だった。

「え?俺たちが?言っておくけど、俺たちには大した霊能力なんかないぜ?」

ジークが言った。

1年前 No.27

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「随分それは困った事になったじゃない」

オレンジジュースを飲みながら喫茶店でセフィーがシウに言った。

「確かに霊能力なんか無いのにそんな事の手伝いを頼まれてもな」

カケルが言った。

この喫茶店は顧問のセフィーもジーク達もよく立ち寄る喫茶店だ。

「では…」

シウが言う。

「鍛練項目に霊能力を加える、これで解決だな」

ジークがぼやいた。

「シウ、ちゃんは怪異が怖いもんな、この間悲鳴あげてなかったっけ?」

シウの肩が震える、

「いや、ああいう不確かな存在は、少しだけ苦手ではあるが…」

「ほらー、部長がこんな調子ではそんなの無理無理ー、」
ジークが言った。
しかしカケルが言う。

「しかしじいちゃんに聞いたんだが、【裏】が頼み事をするくらいなんだから、しっかりやらないと俺たちすら危ないんじゃないか…」

オレンジジュースを飲みながらセフィーが言った。

「じゃあしっかりやりましょう、私も頼まれたし、」

1年前 No.28

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ジーク達の居るカケル学校は小中高大一貫と成っている、
今日もまた退屈な一日が始まろうとしていた。

シウは既に成人なのだが、大学生の為、このカケル学校に来ている、

「シウちゃん、」

幼い少女がシウに話し掛けている、この少女の名はセレーネ、金髪に青い目が特徴の少女でシウに懐いている、

「どうしたセレーネ」

「なんでもない、エヘヘ…」

休み時間、とりとめのない会話をしていた。

するとリョウカが突然シウ達の目の前に飛び出した。

「悪霊退散ー!」

リョウカは叫ぶと何か白いものを捕まえていた。

ひょいっとシウがリョウカをつまみあげてしまった。

リョウカの手の間に居たのはケサランパサランという妖怪だ。

「こいつは珍しい妖怪だな」

シウが言った。

「もうっ、離してください!」

リョウカは言うと逃れて立った。

1年前 No.29

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「このケサランパサランをどうするんだ?」

シウが尋ねた。

「今は非常時です、見つけた妖怪は裏の取り決めにより処分します」

リョウカが答えた。

ケサランパサランは「くぅ…」と鳴くと動かない、

「え!処分てそんなのかわいそうだよ!」

セレーネが言った。

シウとリョウカは目を見合わせた。

「こんな明らかに無害そうなのに処分なのか?」

シウが尋ねた。

「えー、そんなの持ち込まないで下さいよ」

ジークが言った。

総合武術部の部室に穴の空いた木の箱があり、中におしろいが入っており、ケサランパサランも入っている、

「仕方がなかろう、処分はやりすぎだと私がリョウカに言ったら、なら自分で面倒を見ろと当て付けられた」

ジークは箱のふたを開けてケサランパサランを見ている、

「で、これは何かの役に立つの?」

ジークが尋ねてセフィーが答えた。

「ケサランパサランは持ち主に幸福を呼ぶのよ」

ジークが言う。

「幸福…かあ、ほんのりあったかだね」

1年前 No.30

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「怪異って言えばさあ、」

ジークがシウに切り出した。

「電話ボックスに出るの知ってる?」


カケルが生やしたてる、

「あーそれ、知ってる、そこのコンビニの近くの電話ボックス、電話ボックスのけいらさん」

「昔一回出たけど最近また出るって噂だぜ」

ジークが言った。

セフィーが言った。

「そんな若者のノリで怪異を調べていいの?」

「しかし俺たちは頼まれたからな」

シウが言った。

「いいですね、放課後に調べてやりましょう」

カケルが言った。

放課後、学生服のまま、ジーク、カケル、シウ、はそぞろあるいた。

「この電話ボックスですか…」

噂の電話ボックスにたどり着いてジークが言った。

電話ボックスの前には他にも黒ずくめの二人が居た。
その二人はジークやシウを見つけると話し掛けてきた。

「やあやあ、ジークどの、シウどの、安堂カケルどのまで」

この黒ずくめの後ろに女の子らしい同じく黒ずくめの人影もある、

「拙者達でござる」

黒ずくめの二人はフードを後ろにずらした。

「なんだ、ジンにセレスじゃねえか」

ジークが言った。

青い髪に黒い目をした彼等は兄弟でセレスは女の子だ。

ジンは総合武術部だが近頃は欠席だった。

シウが尋ねた。

「ジン、何をしておるかと思えば、」

1年前 No.31

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「まあまあ、拙者部活を休んでおりますのは事情がある手前」

ジンがシウに言い訳する、

カケルが割って入った。

「それで、ジンとセレスは何故こんなところへ?」

ジンが答えた。

「ここだけの話、この電話ボックスは出る、でござる!」

「だから優秀な(裏)であるお兄様が調査を…」

セレスが言った。

「なんだ、じゃあ俺たちと同じじゃねえか」

ジークが言った。

肝心の電話ボックスは只静かに黙って立っている、

「しかしこれ、何をどう調べればいいんでしょうね」

カケルが電話ボックスをあちこち調べながら言う。

「それは簡単で御座る」

ジンが自信たっぷりに答えた。

「何か起こるまで、近くで見ている、でござるよ!」

「あのー、本当に何か起こるんでしょうか」

ジークが質問した。

ジンが答える、

「先日もカケル学校の生徒がこの電話ボックスから行方不明になっているでござる」

シウが言う、

「成る程、何かは起こった後とも言える訳だ」

ジンが言う、

「拙者セレスは今晩は帰ってしまうし、一人は心細かったところでござるよ、ジーク殿は…」

何となく逃げようとしていたジークは皆に睨まれた。

「今夜は空いてお有りか」
ジンが言った。

1年前 No.32

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結局その日そのまま、ジークとジンはそこで電話ボックスを見張ることとなった。


「泣くな、ジーク、しるこ買ってきてやったぜ、百円な」

カケルがジークに言った。

あのあと成り行きでカケルも一緒に電話ボックスを見張る事になった。

今は午前0時を回っただろうか…、 辺りは真っ暗だった。
深々とした中で怪異の起こった所に居ると言うのはなかなかくるものがある、

ジンはずっと真面目に遠くから電話ボックスを見張っている、

「さて…電話ボックスのけいらさん、はたして今夜は出るのでしょうか」

カケルが言っていた。

いつのまにかジークの傍らに幼い少女が立っていた。

麦わら帽子に白いワンピースの少女だ。

「お兄ちゃん…」

ジークは困って言った。

「子供がこんな時間まで外でどうした?親は?」

「私ね、静かな闇の中から来たの」

少女の白い手がジークに伸びる、

「そうでござるか…家に帰ろうな…」

ジンが少女の手を掴んで言った。

「いやっ!はなしてっ!」
バンッ!

少女はものすごい力でジンを突き放した!

気絶したジンが唸る、

少女はこの世の者ではなかった…。

カケルが叫んだ。

「で、」

「でたー!」

少女は人の姿から巨大な影のような姿に変わり、
ジークとカケルとジンに襲い掛かってきた。
この間の血に塗れた腕の比ではない、とても勝てる気がしない化け物だ。

影に三人とも覆われた所でジークとカケルは気を失った。

1年前 No.33

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ジークは暗い所で目を覚ました。

「ここは…」

辺りは真っ暗闇だが何処かの町の中のようだ。

「目を覚ましたか、人間」

老婆がジークの傍らに居て話し掛けた。

「ここはのう、おぬしが居た世界とは次元の違う世界じゃ、そして」

老婆は今まで研いでいて、研ぎ終わった包丁をジークに向けた。

「わしらのような妖怪は人を食う」

老婆は包丁をジークに突き刺そうとした。

「ぐわっ」

すんでいのところでジークは身を躱した。

「武器っ、武器が要る」

ジークが言った。

その場には無かったので走って逃げ出す。

後には老婆が悔しそうに睨んでいた。

「なんなんだここは」


ジークが言って悪態を吐いた。

「やっぱり俺たちだけで怪異の調査なんてやり過ぎだったんだ」

今更その事に気が付いたジークだが事態は既に遅かった。

1年前 No.34

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「あら…」

総合武術部に置いてあるジークのコップにヒビが入った。

セフィーがそれを見ていた。

ジークがいくら素手で振り払っても妖怪共はいくらでもわいてくるようだった。

「魔人ジーク、お前はシヌ」

そう言った妖怪の一撃をジークはかわす。
しかしかわし続けるのはそろそろ限界に近かった。

ジークが見ると、大きめの妖怪が刀を下げている、あの刀を奪わなければならない、

「力はあまり使いたくなかったが…」

ジークが念じると空中から炎が現れた。

いきなり闇の中から現れた炎に妖怪共は恐れおののいた。

「あちっ!」

刀を掴んでいた妖怪は手放してしまった。

その刀をジークが奪い取った。
ジークは(滅びの炎)の能力者と言われていた。

ギイイン!

刀をすごいスピードでジークが鞘から解き放った。

「貴様等人間さえ」

妖怪がそれでも迫ってくる、

「いなければっ!」

妖怪の爪をジークが刀で止めた。

「残念でした」

ジークが言って、峰打ちを受けた妖怪は気絶した。
妖怪も刀を持ったジークの強さに散っていったが、
強くて狂暴な個体は追い掛けてくるだろう。

そのすべてを斬るのは無理だ。

「カケル、ジン」

二人を探して此処から脱出しなくては成らなかった。

1年前 No.35

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「はあー、もう疲れちゃったヨ」

そこを歩いているのは一人の少女だ。
8歳くらいだろうか、長めの黒髪の黒い目の少女は、名を【マグマ】という、

「無限砂丘第8層から抜け出したまでは良かったんだヨ」

少女は耐熱性のバケツを肩から下げており、そのバケツの中には煮えたぎる溶岩が入っていた。

「デモその途中でまさかけいらさん、なんていう人に連れ去られるなんて、ん?」

マグマの行く手に赤い髪の少年が立っていた。

マグマははっとするとその少年目掛けて走り出す。

「この、○リコン!」

マグマはバケツの中の溶岩を魔人ジークにぶっかけた。

「あち、うわ、あちちちち!」

すんでいのところで身を交わしたジークだったが、当たらなくても熱いものは熱い!

「なぜこんなことを?」

「身を守るためダよ」

1年前 No.36

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ジークの目の前に古びた電話ボックスが有った。

「あれ?なんだこれ、マグマちゃん、これ…」

電話ボックスには【死の電話ボックス】と赤いペンキで書かれていた。

気が付くと辺りには白い手が無数にジーク達を取り囲んでいた。

「やべー、何とかしねえと」

ジークが言った。

ふと、ジークの目の前に何かがある、これは、

「あ、魔法の腕輪だ」

ジークが言った。

ジークが魔法の腕輪を掴んで願う。

(此処を出たい、シウやエウリルやセフィーの所に帰りたい)

魔法の腕輪から、テレパシーの様なものがなだれ込んできた。

(その代償に、全てを知っても良いですか)

ジークは是と言った。

(カケル町、元はベレニと呼ばれていた地、カケル町が始まったのは無限界が、カナタの意思を汲んだイベントに過ぎず、いつかは此処はベレニに戻る)

魔人ジークは全てを思い出した。

2ヶ月前 No.37

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元居た電話ボックスの前で、カケルとシウとジークは倒れていた。

そして翌日、三人は事の次第をシウとセフィーとエウリル、そしてリョウカに話した。

ジークは、自分が魔人ジークだと気が付いた事は皆には言わなかった。

ジークが言う。

「やっぱり俺達だけで、怪異の調査なんて無謀だ」

リョウカが頷きつつも言う。

「ところがですねえ、怪異に皆さんは既に巻き込まれていますよねえ、自分が巻き込まれた以上、助かるかどうかは皆さん次第ですよ、もう少し怪異を調べて抜け出すやり方を探さないと、」

エウリルが尋ねる、

「探さないと、どうだって言うの?」

リョウカは答えた。

「死にます」

エウリルが悲鳴を上げた、死にたくはないのだろう。

リョウカが言う。

「手っ取り早い方法はですねえ、今回の怪異を引き起こした原因である、けいらさんを倒す事ですね、でわでわ」

そう言ってリョウカは総合武術部から出ていった。

2ヶ月前 No.38

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夜の公園をジークは歩いていた。
ふと目の前を少女が横切る、マグマだった。

ジークは事の次第をマグマに話してみた。

マグマが言う。

「それってバさ、マグマちゃんもけいらさんに狙われてんだよね」

ジークが頷く、

「そりゃそうだ」

マグマが少し考えた後提案した。

「じゃあさ、けいらさんにマグマぶっかけてあげるよ!」

ジークが少し引く、

「え?…」

マグマはジークの鼻に人差し指を当てて更に言った。

「何よう、一番攻撃力のある攻撃じゃん、」

翌朝、マグマは総合武術部に居た。

シウとセフィー、それにエウリルとカケルが頷いた。

何とかしてけいらさんに隙を作り、刀やらマグマやら、魔法でダメージを与える、

決行日は今日だった。

シウとセフィー付き添いのもと、カケルとジークとエウリルとマグマはけいらさんを部室で呼び出す事にした。

「けいらさんのバー□!」

ジークが叫んだ。

その瞬間部室の冷蔵庫から、緑色の液体が漏れだし、冷蔵庫が開いた。

冷蔵庫の隙間からは小さな手が出ていた。

2ヶ月前 No.39

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「…あたしを呼び出したのはあんたたちか」

冷蔵庫から出てきたけいらさんが言った。

けいらさんは6歳程の少女で、白いワンピースと麦わら帽子を被っている、黒髪に黒目の悪霊だ。

ジンがけいらさんを刀で斬りつけた。

ガキッ!

だがその攻撃は、けいらさんの唾付きのナイフで止められた。

けいらさんの左手が一瞬でエウリルに伸びた。

マグマが叫んだ。

「マグマぶっかけてあげるよ!」

ブジャアー!

と音をたててけいらさんにマグマがぶっかかった。

一瞬で溶けるけいらさん、血も骨も全て溶けてしまった。

ジークが叫んだ。

「勝った勝った!」

だがその瞬間、学校のブレーカーが全て落ち、停電になった。

改めて探ると、有るのはマグマだけでけいらさんの姿は何処にもない、

「何だこの停電、けいらさんは溶けて消えたのか?」

ジークが言った。

2ヶ月前 No.40

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時刻は18時を回っているだろうか、学校は薄闇に包まれた。
ジークが部室のドアを開ける、するとまたけいらさんが居た。

「ひっひい」

ジークが叫んだ。

だがけいらさんは言った。

「殺す価値もない、面白い人達、今回は多目に見てあげる、」

シウが言った。

「あっけなかったが、一応終わりか、これに懲りたら、怪異なぞに関わらない事だ」

けいらさんが言う。

「終わりじゃないよ、この拍子に有象無象の悪霊どもがこの学校やこの部室を狙ってる、電気が消えたのはそのせい…」

2ヶ月前 No.41

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学校の至るところにゾンビや実体化した幽霊が現れた。

ジークとマグマ達は部室から逃げ出した。
明かりがなくライトもない、それでもカケルやジンは実体化した幽霊やゾンビを切り捨てて、皆はグラウンドに出た。

グラウンドの奥で何かが光っている、魔法の腕輪だった。

ジークが言う。

「魔法の腕輪だ、なんて明るい光なんだ」

皆が気が付くと魔法の腕輪を有象無象の悪霊の1体が手にしていた。

「げはは、酒、女、全て、全てをよこせ」

悪霊は魔法の腕輪にそう願った。

その悪霊はブクブクと巨大化し、実体化し、20メートルは越える怪物に成った。

その怪物は学校中の悪霊やゾンビを吸収し、つまりは触手で、口に運び食した。

「なんだ、これは」

ジークが言った。

1ヶ月前 No.42

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その怪物にエウリルが捕まった。

皆が唖然とするなかジークは覚醒し、怪物に刀で攻撃した。

ズバッ!

怪物は覚醒したジークに勝つことはなく、死んだ。

シウが言う。

「何なのだ今のは、魔法の腕輪とは何なのだ」

けいらさんが言った。

「魔法の腕輪は人間が手にしちゃダメだよ」

【一旦終わり】

1ヶ月前 No.43

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第五話【魔法の腕輪2】

けいらさんは何故かシウが気に入ったらしく…、最近総合武術部の押し入れに住みだした。

シウはというと、シウは怪異が怖いのでおっかなびっくりしている、
あの魔人ジークはと言うと、いつものようにだらだらした日常を繰り返していた。

あの怪異から、学校中がパニックだった。

「ゾンビを見た」

と言う生徒、

「幽霊を見た」

「けいらさんを見た」

挙げ句には、

「魔法の腕輪は実在する」

と答えた生徒までが居た。

けいらさんはあの後言った。

「魔法の腕輪はね、魔法の腕輪の力加減で得てして不適当に願いを叶えるの…、魔法の腕輪、自体はこんな小さな魔法だけど、魔法である事には違いないからね、過去には適当な願いを叶えた事も有ったけど、なぜかは解らないわ」





28日前 No.44

ムシン ★Android=zZdgF3cyKK

「あの魔法の腕輪、学校の皆が血まなこになって探し求めてるヨ」

マグマがジークに言った。

ジークが言う。

「魔法の腕輪か、俺はいいや、俺は魔人ジークで、マグマやカケルやセフィーが居る、俺の願いはそんだけだ」

マグマが言う。

「相変わらず気持ち悪いね、ジークは、そんなに皆が大切?」

ジークは目を丸くして言う。

「何でって当たり前だ、俺には仲間が大切だ」

うすら寒い風が拭いてけいらさんが姿を表した。

「あの魔法の腕輪、ブラックキャットの手に渡ったよ」

けいらさんが言い、ジークが問う。

「で?ブラックキャット、何に使うって?」

けいらさんが笑いながら言った。

「彼女が欲しいって願ったよ、年頃だねえ、…でも付いたのは幽霊だけど」

ジークが言う。

「へえ…、」

28日前 No.45
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