Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(21) >>

ポラリス

 ( 恋愛小説投稿城 )
- アクセス(257) - ●メイン記事(21) / サブ記事 - いいね!(0)

★XQkEujVKFz_8gk


松友 雅 Matsutomo Miyabi
寛の幼馴染。中学三年生、3−5

佐々木 寛 Sasaki Hiro
雅の幼馴染。中学三年生、3−4

田中 詩 Tanaka Uta
寛と同じクラス。

霧崎 智哉 Kirisaki Tomoya
雅と同じクラス。寛とは親友。

関連リンク: My poetry 
ページ: 1


 
 

★SIP9iwppQP_8gk

雅side

あの日のことは、不思議だけど、今でも鮮明に覚えている。
まだ私たちは何も知らなくて、私はとてもきれいな目をしていたはずだ。
輝く未来を想像しては、まだ見ぬ世界に希望を持っていた。





「なんでさ、雅ちゃんて星が好きなの?」
二人でベランダで星を眺めていた夜のことだった。ぽつりと、寛が私に言った。
私たちのお母さんとお父さんは、みんなで楽しそうにしゃべっていた。
多分、なかなか仲のいい友達ができなかった私がこんなにも仲のいい男の子ができて、嬉しかったんだと思う。
「きれいだから。…いつも、変わらないから」
「ふーん」
思ったよりも間の抜けた返事だな…と、思った気がする。
きっとそれくらい寛にとっては、何の意味もない幾千とある会話の中の一つだったんだろう。
確かに今思えば、5,6歳のくせに星が好きだなんて変人だと思う。
一般的なイメージなら、みんなと公園で遊んで、遊ぶことが大好きだという年ごろなんだろうな。
「俺に教えてよ、星」
「え?」
「そしたら、もっとたくさん一緒にいられるでしょ」
月明りしかなくて、決してはっきりと寛が見えたわけじゃなかったのに、なぜか無性に惹きつけられた。

3ヶ月前 No.1

★SIP9iwppQP_8gk

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

3ヶ月前 No.2

★SIP9iwppQP_8gk

雅side

鍵を閉めて家を出た。
部活をさぼっている男子や、4.5人で道幅いっぱいに広がって歩く女子。女子はさすがに邪魔だろうな。
なんて思いながら、一人とぼとぼと歩く。別に、寂しいとかじゃないけど。
「雅おはよ」
「あぁ、おはよ。さぼったんだ」
私に声をかけてきたのは智哉だった。智哉と寛は陸上部に入ってて、智哉は長距離、寛は短距離をしているらしい。
部活はもう始まってるし、今から行っても間に合わないだろうな。
「いやまだ数回しか休んでないし。だって今日は朝から走るんだよ?無理だって」
「どれぐらい?」
「えー、一キロ? 俺行ったことないしよく知らない」
「その練習って、毎週?」
「うん」
え、数回じゃなくないか? 毎週ってことは、もう二桁は軽く超えてるぐらいじゃ…
そう思ったけど、何気に私もこの時間を楽しんではいるし、追及することはやめておいた。
「大変だね」
私にはその大変さはよく分からないけど、とりあえず言っておいた。
その後も、いろんなクラスメートの話とか、部活の話とかをして歩いた。
智哉との時間は、とても穏やかで過ごしやすかった。


「智哉くーん」
反対側の道路から、その声は聞こえた。見なくたって誰かくらい、容易に想像がつく。
智哉はそっちを見て、軽く笑い返していた。
「呼んでるじゃん、一緒に行けば?」

3ヶ月前 No.3

★SIP9iwppQP_8gk

雅side

「別に。雅といるほうが楽だしな」
「そりゃどーも」
あの子たちからいい風に思われていないことは十分に分かっている。
私も、智哉も。だけど、お互いすごく楽だから…。私は、智哉の優しさに甘えてしまっている。
「それにさ、田中さん寛と俺のこと狙ってるんだって」
「おぉ、ガツガツだね」
「うん、やばくない? 俺苦手」
いろんな意味を含んでいそうな苦笑だった。
私は何も言わずに小さくうなずいた。気付いてたかな?




「智哉は大丈夫なの?」
校門を通ったぐらいのときに、私が尋ねた。智哉は間抜けな顔をしていた。
「私といて、大丈夫? 私、よく思われてないし」
「あぁ、そういうこと。別に。何にもないから大丈夫だよ。それを言うなら雅のほうだよね」
「確かにね」
私が言うと、智哉は『そんなこと言うなよー』といって笑った。

3ヶ月前 No.4

★SIP9iwppQP_8gk

寛side

今日も、智哉は部活に来なかった。
本当の理由を知ってるのは、たぶん俺だけ。…だと思う。
みんなは、めんどくさいからだろうとか、寝坊だろうとか言ってるけど、
智哉はそんな奴じゃない。
すごいしっかりしてるし、どの行動にだって彼なりの理由が含まれているのは、
俺が一番よく知ってる。




「疲れたー、暑いー」
もう夏だ。部活終わりは流れる汗が止まらない。絶対汗臭いだろうな。
体操服も、背中なんか汗でビショビショ。
「太田さ、なんかどんどん練習つらくなってない?」
「中体連もうすぐだし、張り切ってるんじゃない?」
みんな、流れる汗を拭いながら話していた。
でも俺は上の空だった。智哉が休んだ日は、そんな感じだ。
「なぁ寛」
「え、あぁ。うん」

3ヶ月前 No.5

★SIP9iwppQP_8gk

寛side

「あ、智哉だ」
「女子としゃべってる」
「寛ー、松友さん」
え、なんで俺なんだよ。別に、俺に振る必要ないだろ…
「なんで俺?」
「え、寛って松友さん好きなんじゃないの?」
俺に振ってきた和樹が言った。
「え、マジで?」
「そうなの寛?」
面白いことでも聞いたと言わんばかりに、二人の顔は輝いた。
いや、汗のせいもあるかも。
「雅だろ?好きとかじゃないって。幼馴染だし」

3ヶ月前 No.6

★SIP9iwppQP_8gk

寛side

雅は、俺といるより、智哉といるほうがいつも楽しそうだった。
笑顔が絶えなかったし、口数も普段より増えていた。
逆に俺といれば、しゃべらないことのほうが多いし、雅も緊張しているように見えた。
幼馴染だからって、全部の幼馴染が漫画みたいに恋に落ちるわけじゃないし、仲がいいわけでもない。
それに、智哉と三角関係になるつもりもない。
「でも、松友さんってしゃべったことないから、どんな人か知らない」
和樹がつぶやくようにポツリとこぼした。
他の二人も、共感するように確かに…といった。
「どんなって、別に普通。てか、寛にきけば?」
「智哉と仲いいよね、松友さん」
「幼馴染とかなの?」
口々に疑問に思ったことを聞いてくる。質問が多い。
もともと、俺はそんなに話さないから疲れる。
「いや、智哉は違う」

3ヶ月前 No.7

★SIP9iwppQP_8gk

雅side

「雅ー、ごめんこの問題教えて?」
休み時間。智哉が私の席に来た。
「…あぁ、今日智哉が当たるんだ」
黒板に書かれた日付をみて、納得した。
「うん」
「数学かぁ…違ったらごめんね」
「雅だし、あってるでしょ」
笑いながら言ってきた。
時間ないから早くと、急かされて、あぁうんとノートを見せて教えた。


とりあえず答えはあってたし、安心した。
視線は、勘違ということにしておこう。

3ヶ月前 No.8

★SIP9iwppQP_8gk

雅side

「次音楽ー、みんな早く移動してよー」
学級委員の呼びかけに、それなりの人たちがすんなりと、従うように動く。
私も、席から立ち上がろうとした時だった。
「ねぇ、松友さん」
顔を上げると、5人。あ、面倒なタイプだ…。
とっさに気にしたのは、智哉だった。
いないことを確認してから、向き合った。
「何?」
「松友さんってさ、好きな人いるの?」
智哉のことを好きな女子だった。
この場面で、当たり障りのない回答なんて、たぶんない。
ま、あってもたぶん私は選ばない。
「いないけど」
それだけ言って、足早に教室を出た。あと3分。
ギリギリ間に合うかな。

3ヶ月前 No.9

★SIP9iwppQP_8gk

雅side

放課後を告げるチャイムが鳴った。
私は、いつも通り特にすることもないので足早に教室を出た。
「雅―」
声が後ろからして、振り返った。
「じゃあな」
騒ぐ生徒の声で、はっきりと聞こえたことは今まで一度もない。
なんで智哉が毎日欠かさずに私に挨拶をしてくれるのかもわからない。けど――
手だけを振る私を、智哉はどう思ってるんだろうか。
「松友さん」
振り返る前に、迷った。このまま、聞こえなかったふりをして、歩こうかと。
だけど、それは負けたみたいでいやだった。
「今度は何?」
「あんた、なんなの?」
それだけだった。周りに人が来たのもあるだろうし、彼女が言いたいことはそれだけだったんだろう。



“なんなの”
そう私に聞いた彼女こそ、どうなんだ。彼女は、智哉のなんだ?
考えるほうが馬鹿だ。そう思って、思い返すのをやめた。

3ヶ月前 No.10

★SIP9iwppQP_8gk

寛side

「寛ー行こー」
智哉が来た。智哉は放課後の部活は必ず来る。
他のやつは放課後来るなら朝も来いと言ってるけど、別に俺はそんな風に思わない。
別に好きなようにすればいいと思っているんだが…
「うん、待って」
鞄を背負って、水筒をもって、忘れ物がないか引き出しを見て、机のわきを見る。
「寛君バイバイ、また明日」
「うん」
返したことは一度もない。いつも懲りずに俺に贈られるその言葉に。
なんていうか、女子っていうのがよくわからない。今までの中で一番多く一緒に過ごしてきた女子は雅だ。
だから雅を中心に考えてしまう。それで、周りの子が少し違うとうまくできない。


「今日は何だろうなー練習」
智哉が言った。階段の踊り場にある大きな鏡に俺たち二人が映る。
何だろう、いつも見ているけれど、いつ見ても懐かしい感じがする。
「先生張り切ってるし、きついんじゃない?」
「うわー、嫌だー」

3ヶ月前 No.11

★SIP9iwppQP_8gk

雅side

家について、ふと机の上を見ると紙が置いてあった。
何か書いてある…

『しばらく私もお父さんも帰れそうにありません。ごめんなさい。
野菜を冷凍食品を買ってあるので、適当に食べてください。』

小さいころからあることだったから、何も思わなかった。
昔はおばあちゃんをその度に呼んでいたりしたけど、私がある時、一人でも大丈夫
といった時から、こうなった。お母さんの“しばらく”は結構長い。短くて4日ぐらいかな。
「あ、本当だ。冷蔵庫のなかめっちゃ入ってる」
それに、何気に私は一人の家も結構好きだったりする。



今日の夜は、オムライスとサラダを作って食べた。
テレビも何もつけてなかったから、スプーンと食器のあたる音だけが家に響いた。

3ヶ月前 No.12

★SIP9iwppQP_8gk

雅side

ピピピ――ピピピ――
「んー」
なんか、ぐっすりと眠れた気がした。目覚まし時計を止めて起き上がる。
カーテンを開けると、幾分か眠気がとんで行った気がした。
「雨か…」
だから朝、部屋が暗かったのか。今日は少し早く出ようかな。



「おはよ雅」
「あ、おはよ」
傘をさしていると、いつもはあまり感じない身長差が分かる。
傘で上は見えなくて、横を見ると腕が見える。
智哉って、意外に背高いよな…

3ヶ月前 No.13

★SIP9iwppQP_8gk

寛side

今日は雨だから部活がない。
制服を着てかばんを背負うと、家の前を二人が歩いているのが見えた。


「智哉ー」
どっちを呼ぼうか迷って、智哉にした。さすがに雅は…。
二人同時に振り返って俺を見た。
「寛…」
雅が遠慮がちに俯いて言ってきた。
折ったシャツから見える腕が、雨で濡れていた。
「何?」
「傘…赤だよ?」
「え?」
見上げたら、確かにそうだった。
なんで俺、姉ちゃんの持ってきてるんだ。
「かえてきたら?待ってるよ」
智哉がそう言ったから、俺は数メートル先の家まで戻った。
家に入ると、丁度姉ちゃんも出かけるところだった。
「あ、寛。あんた私の傘」
「間違えてた」
「どんだけ急いでたのよ」
姉ちゃんが笑いながら俺の手から傘をとる。
急いでた…?俺が…?なんで? 姉ちゃんの言葉がなぜか胸につかえる。

3ヶ月前 No.14

★SIP9iwppQP_8gk

雅side

寛の後ろ姿を二人で見ていた。
「あの赤い傘、誰のだろうね」
「お姉ちゃんのだよ、知らない?寛のお姉ちゃん」
智哉は少し俯いた。
「そういうのはあんま喋らないからなー。その日の話ばっかりで」
靴の先で、コンクリートの上の小さな石を転がしていた。
「すっごい美人でスタイルがいいの。美穂って名前なんだけど…」
僅かに見えた智哉の顔が、少し悔しそうで少し寂しそうで、
なんとも言い表せない顔だった。言い過ぎた…。そう思った。
「雅と寛って、やっぱ仲いいんだね」
「え、いや寛とはそんなに…」

3ヶ月前 No.15

★SIP9iwppQP_8gk

雅side

今まで智哉と話しててこんな雰囲気になったことなんて一度もなかったから
どうしたらいいのかがわからなくて、ただ寛が来るのを早く…早く…と、願っていた。
寛と智哉は仲良しだから、私はほとんどしゃべらず聞き役になる。
でもそれはそれで楽しい。


「ねぇあれ見てー」
「うわ、自慢?」
女子の声で、それは明らかに私に対するものだった。
雨音と車の走行音で、たぶん二人には届いてない。
二人が気付くときっと気をつかわせるから、それでいいけど。
「二人とも仕方なくいるだけなのに」
「今だってしゃべってないしね」
確かに、その可能性だって十分あるな…、聞きながら納得している自分もいる。
悲しいという感覚も、苦しいとかそういうつらい感覚は、もうとうに麻痺している。

3ヶ月前 No.16

★SIP9iwppQP_keJ

智哉side

寛を待ってた。
なんか、二人だということになぜかドキドキしてた。
いつもそうだったのに。
もしかしたら雅もなんて考えて少し横を見たら、雅はそのままずっと寛を見てた。
好きとか、そういうのじゃないだろうけど…。
あ、違うんだなって。
そのうえ俺が知らない寛の姉ちゃんの話までするから、
それがまた少し笑顔だから、気に入らなくて、冷たくなった。
ほんと、だめだよな。こんなの。

2ヶ月前 No.17

★SIP9iwppQP_keJ

雅side

今日の三限目は、学級組織決めだった。
何人かのリーダーの子は生徒会役員になってしまって、その子たちには
学級委員や学習長、議員と呼ばれるいわゆる三役はできないようになっていた。
だから必然的に三役になるのは生徒会役員の子以外となって、
女子なんてリーダーになる子がいなかった。これはたぶん、私に来るだろうな…。
窓の外を見ながら、そう思っていた時だった。
「じゃあ推薦にしましょうか」
先生が言ったとたんに、待っていたとばかりに一人の手が上がった。
この前、私のところに来た5人の中の一人だった。
5人の中の中心的な子、影木 美沙(えいき みさ)だった。
「影木さん」
「私は、松友さんがいいと思います。すごく真面目だし、今までも何回かやってきているので、
私はとても信頼できます」
よく思ってもないことが口から出るな…と、感心した。まぁ、いろいろを含んでの言葉か。
それを聞いた先生は、何も知らないんだろう、私を見て尋ねてきた。
「どう?松友さん?私もいいと思うんだけど…」

2ヶ月前 No.18

★SIP9iwppQP_keJ

雅side

「私でよければ。…頑張ります」
そういうと、先生はホッとして笑う。先生は何も知らない…と、こういう時つくづく思う。
学級委員なんて、だれがやりたがるんだ。少なくとも、このクラスにはいない。
「じゃあ次は男子を「俺、立候補します」…あ、じゃあ前に来て話してくれる?」
私がいるのに立候補なんて、変わってるな。そう思って顔を黒板の方に向けた。
「前期学級委員として、松友さんと頑張りたいと思います。宜しくお願いします」
智哉だった。
拍手とともに、女子たちの歯ぎしりが聞こえた気がした。
「じゃあ信任です。不信任の人はいますか?」
先生はしばらく教室を見渡した。そして笑顔で
「では、前期学級委員は松友さんと霧崎さんにお願いします」
再度拍手が起き、智哉は周りの子たちに笑顔で返した。

2ヶ月前 No.19

★SIP9iwppQP_keJ

雅side

なんで、立候補なんてしてくれてんだろう。
気が付けば、頬杖をつきながら皆に笑顔を振りまく智哉を見ていた。



「雅ー」
いつも通りの声だ、顔だ、全部がいつも通り。
「じゃあな」
なのにその中で一つだけ、手を振るんなんて“いつも通りではない”
ことを付け足したのは、なぜだったんだろう。
私が手を振るからかな。
智哉に再び背を向けて歩き出した。

2ヶ月前 No.20

★SIP9iwppQP_keJ

寛side

「5組の学級委員、智哉と松友さんだって」
組織決めの前の休み時間、先に決めた5組に訊きに行った慶太(けいた)が
喋ってた俺たちの間に突っ込んできた。
「仮は誰だったっけ?」
「んー、覚えてない。なんか大人しい子だったけど」
そんな会話を少しして、俺たちはそれぞれの席に散らばった。
一人になると、ふと慶太の言葉を思い出さずにはいられなかった。
『5組の学級委員、智哉と松友さんだって』
雅が学級委員なのか…。てか、智哉もやるのか…。あいつ、学級委員初めてだよな。


「学級委員立候補ー。誰かいますか」
先生のその言葉に、気付けば手を挙げていた。
それに気付いたのは、手を挙げてから3秒後だった。

2ヶ月前 No.21
ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…感想・コメントはこの記事ではなく、サブ記事に書き込んでください。(小説カテゴリでは必須です)