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「ん…」
今日も私はキスをする。
彼氏でもないこの男と。
ただ、私はこの人が心の支えなのだ。
好きか、どうかはわからない。
一つ言えるのは、私には彼氏がいて、でもその彼氏より大きな存在にこの人はなってしまったこと。
そしてこの人は…きっと私に本気ではないこと。
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『まもなく〜△△駅 △△駅です 』
その電車のアナウンスを聞いて私はゆっくりと止まる電車の中からまもなく着く駅を横目で見た。
あぁ。一緒になっちゃった。
停車した電車に人が次々と入ってくる。
スマホを見つつもその人混みをチラッと確認すると私が今会いたくて会いたくて1番会いたくない人がいることを改めて把握した。
私には中三の頃から半年以上つきあっている彼氏がいる。彼は優しく申し分のない容姿、また仲がとても良かったので彼の恋人でいられることには満足していた。
ただ、ただ一つ欠点を言えば…こいつはとてつもなくチキンなのだ。だから、中学の時から手を繋ぐ以上のことは何も進んでない。デートだって私から誘って1回行っただけ。電話なんて1度もしたことがなかった。
私はそんな関係が嫌だった、
高校が離れてますます話さなくなった。付き合う前はすれ違う度にはなしていたのに、あの頃の私達にはもう戻れそうにない。
唯一会う時が電車の時なのに…
チキンな彼は、私の姿を見てあからさまな態度で無視をする。そして後ろを向いてしまう。
手を振ってもくれないんだ…
会う度に電車の中でこんな気持ちの繰り返しだった。
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彼氏、慧真とは相変わらず何の進展もなく、電車で偶然あってはお互い無視を繰り返しラインも彼の既読が遅いせいで1日2回ほどしか返信が来ない毎日を繰り返していた。
そして高校が離れてから1ヶ月の月日が経つ。
否が応でも避けられない中間テストの日が近づいてくるのであった。
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「ピコンッ」
中間テスト2週間前。
勉強してる最中、
部屋の中でLINEの音が響いた。
「んー、、?誰だ、?」
もちろん慧真ではないとわかってはいるがなんとなく期待をしてみる。
スマホの画面には珍しい人からのメッセージが表示された。
「中沢くん、、?!」
一瞬目を疑った。
メッセージを送ってきた主、中沢春遠とは同じクラスだが関わりが全く無かったからだ。印象はとりあえずなんかモテそう。
そんなやつが何故私に。というか今追加されたよね?え、なんで?
思わず彼からのラインを開いてみる。
春遠『いきなり追加してごめん!よろしく!』
えっと、、なぜこのタイミング。。。?
内容それだけ??
とりあえず返信をする私。
『よろしくね^^*なんでいきなり追加?笑笑』
『クラスのグルにいたからとりあえずなんとなく笑笑』
理由薄すぎかよ…
だが、私はあることを思い出した。
私と中沢くんは、とある関係があるのだ。
『中沢くん、、前々から聞きたかったんだけど、桜宮幼稚園だった?』
『え、!うん、なんで?!』
そう、私と彼は同じ幼稚園だったのだ。
幼稚園の時は同じ組にもなったことがなく関わりがなかったが卒園アルバムに名前と写真が載っており、高校の入学式の呼名の際にどこか聞き覚えのある名前だと感じた。
『やっぱり!私も同じ幼稚園だったんさ!お互い覚えてないと思うけど笑笑』
『まじか!!俺、卒園してすぐ隣の市に引 っ越したから幼稚園の記憶全く無いんだけど同じ幼稚園の人今まで周りにいなかったからうれなんか嬉しい爆笑』
私もなんとなく嬉しかった。中沢くんの言
葉を聞いて更に嬉しく感じた。
『よろしくな!』
『おん!』
それから、私と春遠が仲良くなるのに時間はかからなかった。それと同時に少しずつ少しずつ歯車が噛み合わなくなっていくのだった。
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中間テストの勉強期間に入ったところだった。
春遠と私はかなり距離が縮まり
飲み物の回し飲みなどもよくしていた。
正直間接キスには抵抗があった。
慧真がいたし、
でも春遠は女慣れしていて、意識なんてしてないようだったし何より他の女の子とも間接キスなどはよくしていた。
勝手に飲み物飲まれることだって多々あったわけで、いいことではないとわかっていたがもう気にしなくなっていた。
ある時の帰り道だった
スマホを開くと春遠からLINEがきている
『 みり、、助けて』
『なにがあったん 』
『 テスト勉強の教科書全部忘れた』
『ばかじゃん? 』
『見せてお願い 』
『 わかった、写真送るわ』
『 いや、俺がそっち行くからいいよ』
え、、春遠こっちくんの?
なんか放課後会うって緊張するな、、
しかもこっちで一緒に勉強するってことだよね、、?ええどうしよう。
慧真には言えない。。
でも勉強してるだけだし、、今日だけなら、
いっかな、、?
『 わかった駅前のカフェにいるから来て』
『 さんきゅ!』
こんな軽い考えがこの後どんどんと
私を嘘で固めていくのであった。
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「よっ」
「おっそい。。」
「ゆーて10分で来たけど」
私の目の前の席に春遠が座った。
「はい」
私は明日のテストの教科書を渡した。
「さんきゅ」
そしてもくもくと勉強を始める。
やばい。なんか全然集中できない。。
慧真とはまともに二人でどこかで待ち合わせして出かけたことなんてないしましてや二人で勉強なんて、かなり久しぶりだった。
気づけば3時間経っている。
5時になっていた。
それまで静かに勉強していた春遠が口を開いた。
「もう疲れた。どっか気分転換行こうぜ。」
「どっかってどこ」
「ゆっくり座ったりできるとこ」
「賛成」
私は荷物をまとめて春遠についていった。
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「うあああ疲れたぁぁぁ」
ドカッと春遠がソファーに座った。
「ええ、、こんな所にこんな場所あるんだ、」
私と春遠が来たのはショッピングモール。
そこの6階にある人があまり来ない通路の奥を行くとソファーが2つ並んである。
人通りがほんとに少なくてまるで2人だけの空間になったようだった。
私は春遠の隣にちょこんと座った。
お互いスマホをいじり始める。
その時だった。
「みりってさ、、」
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「くすぐりきく??www」
あんまりにも突然の言葉に思わず拍子抜けした。
「へ?」
え、、これなんて答えるのが正解?
昔からくすぐりには弱いわたし。それだけは絶対にバレたくない。
「き、きくわけない。」
「じゃぁくすぐってもいいよな??」
「え、いや、だめ。」
何を企んでるのだこの男は。
春遠は意地悪そうな笑みをうかべている。
暇つぶしに私で遊ぼうとでもしているのだろうか。
そう思った時にはもう春遠が攻撃し始めていた。
「いや、ちょ、まて!待ってって!」
呼吸ができなくなりそうだった。
「やめない□」
彼はとても楽しそうにしている。
しばらく攻撃してやっとやめてくれたころには
私はソファーにぐったりとよりかかった状態だった。
こ、こうなったらやり返してやる。絶対に。
「春遠、、?」
「ん?」
私は春遠に向けて大きく手を伸ばした
「こっちおいで」
この言葉がいけなかったのだ。
私はすでに攻撃されてぐったりと乱れてソファーに軽く横になった状態になっているというのに。その体勢からのこの言葉が彼に火をつけた。
「…」
ギシッとソファーが音を鳴らして
春遠が私に近づき床ドンのような状態になってしまった。
ぼそっと彼は言った。
「やべ、、止まんなくなりそ、、、」
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はるとおが何かボソッと言ったが疲れ切ってぼーっとしてる私の耳には届いてこなかった。
「ん?なんか言った?」
「なんでもねぇよ」
「何よ!こちょこちょしてやる!!」
私が身体を起こしてはるとおに近づいた瞬間だった。
グイッと身体を引っ張られてそのままはるとおの顔が近づいてきた。
「?!」
あまりにも驚いて状況を理解できなかった。
私の唇には生温かい温度と柔らかい感触があった。
ちゅう、、されてる、、?
我に返って離れようとするも力が強くて抱きしめられたまま離れられない。
口の中に舌が入ってくるのがわかった。
その間色んなことが頭の中でぐるぐると回った
はるとおは今なんでこんなことしてるんだろう。私の事が好きなわけじゃないだろうし、、
遊ばれてんだろうなぁ、、
慧真、、言えるわけない。
キスされたって言ったらどんな顔するだろう。
あ、もう私の事なんてどーでもいいのかな、
だったら何も言わずに許してくれるだろうな、
これを気に別れちゃおうかな。
正直もう私の慧真に対して心は冷え切っていた
サイテーだな。私も。春遠も。
もう、私は、春遠を拒めなくなっていた。
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その日から春遠と私の関係は続いた。
毎日勉強を口実に会ってはキスを繰り返した。
正直春遠の気持ちは私にはわからなかった。
春遠は私に彼氏がいることを知っている。彼氏の事で悩んでいるのも知っている。
そんな私につけこんできただけなのか。
そこには愛なんてないのだとわかっていた。
ただ私で遊んでいるだけ。暇つぶししてるだけ。自分の欲求を満たしてるだけ。
でもいつの間にか私も自ら春遠を求めるようになっていた。春遠のそばにいる時だけは慧真のことを忘れられた。本当なら今すぐ別れるべきだっていうのはわかっていたけど。タイミングを逃していた。別れたとして事実を伝えた方がいいのか。
そんな悩みがぐるぐるとして
もちろん定期テストの点は悪かった。