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ひ だ ま り

 ( 恋愛小説投稿城 )
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は る @woo ★LR7JUsQBBe_M0e




風 み た い に す れ 違 い 、


雨 み た い に 冷 た く 、


ひ だ ま り み た い に 優 し い




君 と い う 世 界 に 連 れ て っ て


き っ と そ こ は 楽 園


き っ と 永 遠 に 幸 せ






ひだまり。 3 / 18



メモ2018/03/18 15:05 : は る @woo★LR7JUsQBBe_M0e



日守 永遠 [ ひのもり とわ / 高1 ]


支倉 蓮太郎 [ はせくら れんたろう / 高1 ]

ページ: 1


 
 

は る @woo ★sgrRYCTpPw_M0e




水泳部は、学校のすぐ傍にある海に来ていた。
今日はいつもより気温が高く、太陽に照らされているだけで汗が噴き出る。


「今日はいつも頑張ってるご褒美ってことだ。クラゲには気を付けるようにー」


そう。練習じゃなくて、ご褒美として遊びに来たのだ。
冷たい海に足を浸すと、火照った身体が一瞬ゾクッとなる。
気温は高いのに、水温は低かった。


「永遠ー!沖の方行ってみようー?」


「いいよ!」


幼なじみの鈴は、もう全身まで浸かっていた。


「鈴まってー」


私も急いで沖の方へと泳いでいく。
透き通るような水色で、砂浜も綺麗なこの海は、この街の自慢である。
地域の人たちがゴミ拾いをしているので、生き物が気づ付くこともない。

下に足を付けると、水面が頭の高さまであった。
鈴と2人で魚を見つける。


「ねぇ、永遠、船だよ」


遠くに一隻の船があった。港に向かっていて、気笛がなる。


「…夏休みだから、みんな遊びに来てるのかな」


「そうだねー。ここの海水浴場、明日から混むかもね」


去年の夏を思い出した。
確か、同じ年くらいの男子と海で遊んだような…
今年も来るかなー。名前、なんだったっけ。話が面白くて、別れるとき、少し寂しかった。


「永遠?」


「あ、ごめんごめんー」


「そんなにボーってしてると溺れるよ」


そう言って鈴はいきなり水飛沫をあげた。


「わぁーっ!?ちょっと鈴ー」


泳いで逃げる鈴を追いかける。
このあと、沖に行き過ぎた私たちは、顧問に叱られることになった。







1ヶ月前 No.1

は る @woo ★sgrRYCTpPw_M0e





「ただいまー」


家に帰ると、小学生の妹がアイスを食べながら「おかえりー」と言った。
ちなみに、妹も水泳をしている。


「お姉ちゃん、髪しっかり拭きなよー。ポタポタしてんじゃん」


足元を見ると、床に海水が滴り落ちていた。
慌てて肩に掛けていたタオルで髪を拭く。


「ねぇ、今日海行ってたでしょ?下校中に見た」


「うん。いつも練習頑張ってるご褒美だって」


「いいなー、未来も行きたい」


「明日から海水浴場開くよ」


「ほんと?じゃあ行こーっと」


私は髪をしっかり拭いて家に上がり、部屋に向かう。
部屋からは海が見える。ベッドに座り込み、しばらく海を眺めていた。








どのくらい経ったのだろうか。いつのまにか寝ていた。
起き上がり、スマホを見ると、何通かLINEが来ていた。


「…鈴たちからだ」



『明日部活休みじゃん?』

『海行こーよー』

『いいねー』

『いっぱい来るから、賑やかだろーねー』


また海だが、私の癒しだから何回でも行ける。小学校の頃なんか、妹と2人で何回も言って、
真っ黒焦げになった。

1階に降り、妹の未来とリビングで宿題をした。


「明日、鈴たちと海行くんだけど、未来は友達と行くの?」


「んー、まだ誘ってないけど」


「一緒行こうよ」


「いいよ」


そう言うと、未来は台所からスイカを持ってきた。
え?1人分?


「ねぇ、私のは?」


「え?食べたいの?」


「うわー。可愛くないなー」


「うるさいなー」





このあと私は、妹の倍の大きさのスイカを食べた。

1ヶ月前 No.2

は る @woo ★sgrRYCTpPw_M0e





翌日の土曜日。


やっぱり海水浴場にはたくさんの人が来ていた。
昨日の船に乗って来た人がほとんどだろう。


「わー、混んでんね」


未来はおばさんみたいに言った。
そのとき、鈴たちの声が聞こえた。


「永遠ー!」


「あ、おーい!!」


「あ、未来ちゃんだ!」


「こんにちわー」


未来が特に仲がいい裕菜が、嬉しそうにハイタッチする。


「めっちゃ混んでるね。やっぱ昨日の船?」


「そうかもね」


私はなんとなく、あの男の子を探した。もしかしたら今年も来ているかもしれない。
みんながパラソルを立てている間も、ずっと探した。


「お姉ちゃんも手伝ってよー」


「あ、ごめん」


私は浮輪に空気を入れながら探すことにした。
が、こんなにいっぱい人がいるのでは、なかなか見つけだすことが出来ない。
諦めるか……




と、




そのとき、




「あっ!永遠あぶない!!」


「えっ?!」


目の前にビーチボールが迫って来ていた。
慌ててキャッチ。


「おぉ、さすが永遠ー」


「あっぶなー…」


男の子がこっちへ走って来た。


「ごめん!大丈夫?」


「あ、うん平気…」









……




あれ?



「ん?お前…あれ?」


「あ…見つけた……」


こいつだーー!!
探してた男の子!見つけたー!!


「お前、去年オレと一緒に遊んだやつだろ?」


「そーだよ。久しぶり」


嬉しい。また会えた。


「…永遠、誰?」


「え、お姉ちゃん、去年この人と遊んだの?」


ポカーンとする鈴たちと未来。
私は去年のことを話す。


「へぇー、お母さんの実家なんだ」


「そ。毎年来てるよ。冬休みも」


「そーだったんだ…」


今年はいとこと来ていて、さっきはビーチバレーをしていたらしい。


「じゃ、オレ行くから。またあとでな」


「じゃあねー」


男の子は行ってしまった。
あ、名前聞きそびれた…あとで聞いておこう。


「永遠、あんな友達いたんだね」


「うん。名前忘れたけど」





今年も、いい思い出が出来そうだ。

炎天下、私は彼の姿を眺めつつけた。




1ヶ月前 No.3

は る @woo ★sgrRYCTpPw_M0e




「じゃあ、またね。遅くなんないようにね」


「お姉ちゃん、不良にならないように」


「おぼれたりしないでねー」


昼になり、鈴たちと妹は帰るらしい。
私はあの男の子のところへ行くため、近所の料亭でご飯を食べる。


「うん。じゃーね」


みんなと別れ、料亭『いっちゃん堂』へ。
小さい頃からここのおばさん達と仲がよく、今もよく食べに行っている。


「あらー永遠ちゃん。いらっしゃい。1人?」


「うん。あとで友達に会うんだー」


「そうなのね。何食べる?」


「いつものかなー」


「はーい、いつものね」


おばさんは厨房に向かって、「水餃子いっちょーー!!」と叫び、厨房からは「あいよー」と声が挙がった。
水餃子が出されると、私は早速水餃子を口にする。うん、美味しい。
この味は小さい頃から大好きだ。私の大好物は水餃子になった。



「あー、美味しかった!ごちそうさま!!」


500円玉をおばさんに私、急いで海へ向かった。



男の子は岩陰に座っていた。
いとこ達はいなさそうだ。


「ごめんね。待った?」


「おぉ。いや、そんなに待ってない」


そいつは、座っているところをポンポンとし、私を座るように促した。


「なぁ、お前の名前なんだったっけ?」


「永遠。日守永遠だよ。私にも教えてよ。忘れちゃった」


「支倉蓮太郎。去年は遊んでくれてありがとな」


「いえいえ。こちらこそ」


蓮太郎くんかー。名前聞けてよかった。完全に忘れてたな。


「ねぇ、蓮ちゃんて呼んでいー?」


「いいよ」


蓮ちゃん。こっちの方が友達観ある笑。
聞きたいこと、いっぱいある。何から話そうかな。


「永遠、高校生だよな?」


「あ、うん。そうだよ。蓮ちゃんもだよね?」


「うん。都会の方に住んでる」


「都会かぁー。楽しそう」


「そうか?オレ田舎がいい」


「そうなの?」


「…ここの海、きれいだよな。こっちに住みたい」


蓮ちゃんは海を眺めながら言った。
ここ、いっぱいいいとこあるよ。みんな優しいし、学校も人数少ない方だけど楽しいよ。
こっち住みたいなら、おいでよ…


「蓮ちゃ…「永遠、」


…かぶった笑


「いいよ、蓮ちゃんから」


「遊ばねー?去年みたいに」


「…私も言おうとした」






1ヶ月前 No.4

は る @woo ★sgrRYCTpPw_M0e




ねぇ蓮ちゃん、
去年はどんなことして遊んだんだっけ。
何で名前忘れたんだろうね。そんなにたくさん遊んでなかったからかな。
それにしてもさ…


「蓮ちゃぁぁぁぁぁああああん!!どこまで行ってんのーーー!!?」


遠くの沖に蓮ちゃんがプカプカ浮いている。
クラゲに刺されるよ。


「永遠も来いよーーー!!!!!」


…仕方ないなー。


私はものすごい勢いで沖へ泳いでいく。
水中は冷たく、静かだ。
…もう蓮ちゃんに近づいたかな。


「ぷはぁっ___!」


「はやっ」


「…すごいでしょ」


「……こんな泳ぐの得意だった?」


「私、水泳部」


「そーなんだ」


…そうだよ。蓮ちゃんに追いつくなんて、簡単だよ。


「こんなに遠いのに、まだ透き通ってるな」


「きれいだよね」


「永遠」


「ん…?」


「岸まで競争な。どっちが早く着くか」


「マジで言ってる?私勝つに決まってんじゃん」


「言ったな」


蓮ちゃんの、「よーい、はい!」の合図で始まった。
一気に潜り込み、魚のような速さで進む。蓮ちゃんは見えない。
よく勝負打って出たな…笑

岸までたどり着き、大きく深呼吸した。
蓮ちゃんまだかなー。


「おぉ、なかなか速かったな」


「でしょー?やーっぱ蓮ちゃんには無理………って」


あれ、蓮ちゃん??


あれ?


「俺の方が速かったな」


笑いながらそう言った蓮ちゃんだが、私は何も言えなかった。
口が動かない。

うそ…私負けたの……?!



「えぇぇぇぇぇ?!」







1ヶ月前 No.5

は る @woo ★sgrRYCTpPw_M0e




「えー、何で?!蓮ちゃんも水泳部なの?」


「違うけど」


「え、え、速くない?!」


まさかこの私が負けるなんて…え、蓮ちゃんて泳ぐのこんなに得意だったんだ?!


「永遠は女の子で、オレが男子だからってのもあるかな」


「え、関係ある?笑」


「オレ、小さい頃から海好きだからさー。泳ぐのも好きなわけ」


「それにしても速いよ…」


「まぁ、そんな落ち込むなよ。アイス食べようよ」


…じゃあ立ち直ろう。アイス大好き。

私たちは海水浴場を出て、近くの駄菓子屋に寄った。
ちょうど3時くらいか。


「うわぁ、美味しそうー。何にしよっかな」


アイスボックスには色んな種類のアイスがあった。
いつもはスーパーで買うから、ここのアイスを食べるのは久しぶりのような気がする。


「これにしよーっと」


みかん味のアイス。


「じゃあオレはこれー」


蓮ちゃんはぶどう味のアイスにした。

店を出て、ベンチでアイスを食べる。
厚さで少し溶けている。食べると、冷たくて頭がキンキンした。


「どこに住んでんの?永遠は」


「私はこの近くだよ。あ、蓮ちゃんは?」


「松木。ほら、こっから真っ直ぐ船で行けば着くよ。2時間くらいで」


「あー、知ってる。観覧車あるよね。港に」


「あるな」


「今度乗ろうよ。観覧車」


「夏休みの間に行くか」


嬉しい!!ずっと乗りたかった観覧車に乗れる!!
小さい頃も乗りたいって思ってたけど、なかなか乗れなかった。
っていうか、松木にもあまり行ったことがなかった。




「…明日行く?」


「え…?」


1ヶ月前 No.6

は る @woo ★NLTiE9lkHl_M0e





…来てしまった。

いや、親にはちゃんと許可取って来たけど、まさか松木に来たとは…


「す、すごい…」


何年ぶりに来ただろう。8年じゃなかったかな…?
8年ぶりの松木の景色は、すごく変わっていた。
何もなかったところに大きなショッピングセンターが建っている。
映画館や図書館まである。

観覧車は、変わらずターミナルの屋上にあった。


「行くぞ」


蓮ちゃんの後ろに着いて行きながら、キョロキョロする。
「あれなに?これなに?」と聞きながら歩く。


「お前、ずっと来てなかったんだなー」


「うん。8年ぶりだよ」


「そんな?笑」


「うん」


それにしても、蓮ちゃんのお出かけ服、かっこいいなー。
私もおしゃれは好きだから負けていないけど、蓮ちゃんは有名人が着るような服を着ている。
服のブランドを見てみると、人気なものだった。


「蓮ちゃん、自分で服選んでる?」


「うん」


「おしゃれだねぇ」


そう言うと、いきなり蓮ちゃんが振り向いた。
びっくりして立ち止まる。


「だろ」








いやいや、ドヤるな笑





「永遠は?」


あ、私?


「自分で選んでるよ」


「へぇ。かわいいじゃんか」


「ほんと?ありがとー」


蓮ちゃん、女の子に「かわいい」って言うんだー。かわいい。

港町を歩き、ショッピングモールに入った。
ここでお昼ご飯なのだろうか…


「永遠なに食べたい?」


「え、えー…っと」


急に言われて慌てて考えるが、実際、めちゃ腹ぺこ。
すると、ハンバーガーのお店の看板が目に飛び込んできた。


「ハンバーガー食べたい」



1ヶ月前 No.7

は る @woo ★NLTiE9lkHl_M0e






「ねぇ、ハンバーガーてこんなデカいっけ?笑」


「それが普通のサイズだよ。お前んとこハンバーガーないの?」


「ないよ」


久しぶりのハンバーガーを食べてみた。うん、美味しい。
小さい頃も食べたチーズバーガー。
蓮ちゃんはフィッシュバーガー食べてる…


「永遠、携帯持ってんの?」


「持ってるよ」


「連絡先教えて」


「いいよ!」


そっか、連絡先交換しておけば、蓮ちゃんが帰っても話せる。
スマホを取りだした蓮ちゃんは、私の隣に座ったかと思うと、いきなり写真を撮った。
れ、蓮ちゃんとツーショット…!!


「これホーム画面にしていー?笑」


「どーぞ。ってかびっくりしたじゃん!私も撮る!」


「はいはい」


もう一回、ツーショット。
…蓮ちゃん顔映りいいなー。


「ありがと」


…私もホーム画面にしよーかな笑


「はい。連絡先」


いつの間に書いたのか、連絡先の書いてある紙を渡された。
早速入れてみると、『蓮太郎』とあった。


「おぉ。私のは?」


「永遠の、あるよ」


連絡先交換、完了。


「いつでも連絡できるなー」


「うん!」


なんか、嬉しい。他校の人と仲良くなるって、結構楽しい。


「蓮ちゃん、この後観覧車乗ろうよ」


「そうだね」


わくわくしながらチーズバーガーを食べた。





1ヶ月前 No.8

は る @woo ★zqiXBws71y_M0e




夏休みだけど、観覧車に乗りに来る人は意外と少なかった。
おかげで並ぶ必要もないし、人目を気にすることがない。


「蓮ちゃん、乗ったことある?」


「んー、俺も小さい時にしか乗ってないなー」


「だよねー」


そっか、じゃあ2人とも久しぶりに乗るんだな。



ゴンドラの中に入ると、窓はほぼ全部透明で、なかなか解放感があった。


「わ、下も透明だよー」


「なんか怖くね?これで頂上行ったらやばいぞ。なかなか」


「しかも屋上の上だからねー。相当高いよ」


ゆっくりと、上に行く。遠くには私の島が見えた。
足元を見ると、分厚いガラスから、観覧車の複雑な骨組みが見える。


「久々に乗ったしさ。こうやってみると、この街も変わったな」


「やっぱり?なんか大きい建物いっぱい出来たよね」


「うん。賑やかになった」


一番高いところまできた。
松木の街全体を見降ろすことができる。
…でも、やっぱほぼ透明ガラスっていうのは、ちょっと怖い。

あ、そう言えば私、蓮ちゃんに聞きたいことがあったんだ。
いや、でも何で今思いだしたんだろ笑


「蓮ちゃん、部活何してんの?」


水泳部じゃないんだよね。


「ダンス」





……




…ダンス。







………ダンス!!





「意外ー…」


え、ダンス!?


「そー?5歳の頃からダンスやってる」


え、え、まじか。


「え、なんか意外…!サッカー部とかバスケ部とかかなって思った」


「まじで笑」


ダンスかー。
なんかかっこいいな。


「今度、大会ある」


「え!見たい!!」


「8月12日。ほら、あの広場」


蓮ちゃんは、観覧車の斜め下に見える、大きい広場を指差した。
舞台らしきものが置いてある。


「あそこで躍るから。見に来てよ」


「うん!約束ー」


「おー」



蓮ちゃんと、約束。

27日前 No.9

は る @woo ★zqiXBws71y_M0e

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26日前 No.10

は る @woo ★ll5K8MpLdJ_M0e




翌朝、1人で海水浴場に行った。
白く霞んでいる空と海。まだ誰も来ていなかった。


「あ、あった」


小さい頃から続けている、桜貝拾い。
どこも欠けていない綺麗な桜貝を見つけた。
ティッシュを何枚も敷いた箱の中にそっと置く。


「もうあんまり無いかな。私が拾い過ぎて」


それか、島に来た人たちが持って帰ったのかも。
…今日は蓮ちゃんとは会わないかな。連絡も無いし。
そう言えば、蓮ちゃんはあと一週間いるんだよね。登校日休むのか。





…あとで西側の海水浴場行ってみようかな。
あそこなら人少ないし、桜貝いっぱいありそう……










「あ、やっぱ永遠じゃん」


背後から声が聞こえた。
この声は、、




「蓮ちゃん?」


振り向くと、昨日とは少し違う、ラフな格好をした蓮ちゃんがいた。
でも、Tシャツめっちゃおしゃれー。


「何してんの?1人で」


「いや、それ俺のセリフ。俺はゴミ捨てに来ただけで、たまたまお前見かけた」


そう言って蓮ちゃんは親指で、海水浴場の隣のごみ収集所を指した。


「そーなんだ。私、桜貝探してる」


「桜貝?あんま無いんじゃねーの?」


「毎日来ても無いね。だから週に一回程度」


「ふーん。じゃあ、タイミング良かったんだな笑」


「そーだねー」


蓮ちゃんは石段を下り、一緒に桜貝を探し始めた。


「欠けたやつしかねぇなー」


「そーなんだよね。桜貝、薄いから」


「欠けないでここまで打ちあがって来た桜貝はすごいよなー」


「たしかに」


私は、蓮ちゃんに箱の中の桜貝を見せた。


「今まで集めて来たやつ。全部綺麗なままだよ」


蓮ちゃんは、そっと1つを取りだした。
朝日にそれを翳し、眩しそうな表情で見つめる。


「綺麗だなー」


「それ、あげる」


「え?いいの?」


「はい、ティッシュ。これに包んで」


蓮ちゃんはティッシュに桜貝をそっと包んだ。


「ありがとな」


真っ直ぐ、私の方を向いてそう言った。

その姿を見て思った。





…クラスの男子より全然いい子だ。



24日前 No.11
ページ: 1

 
 
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