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  キミを想う.

 ( 恋愛小説投稿城 )
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かっちゃん ★D7dkPEMSM7_Xrr










  私たちの距離はいつも、ほんのちょっぴりだけ隙間があった



  それでも、手の届く場所にいた














  キミを想う. / かっちゃん








メモ2018/02/10 17:29 : かっちゃん @yui88★D7dkPEMSM7_Xrr

[Key person]

・フジサワ ショウ

・ヤトウ ナナコ

※ この作品は一部、作者の実話に基づくフィクションです。

[story]

Prologue      >>1

(中学2年生編)

1.キミの隣     >>2  〜 >>20

2.走るキミの姿   >>21 〜 >>35

3.キミの横顔    >>36 〜

ページ: 1


 
 

かっちゃん ★D7dkPEMSM7_Xrr










  Prologue





  私は今日、久しぶりに中学校のアルバムを広げた。


  懐かしい顔が並ぶ中で
  私が1番最初に見つけた人。











  私の、初恋の人。











13日前 No.1

かっちゃん ★D7dkPEMSM7_Xrr










 ( 中学2年生編 )



  1.キミの隣








  君に出会ったのは、中学2年生の春。




  ・




  4月。




  クラス替えの紙をまじまじと見る間もなく自分の名前とクラスを探し、
  始業式早々遅行寸前の教室に走り込んだ。

  私の着席と同時に鳴ったチャイムに ホッ と心を落ち着かせる。



  「 セ、セーフ 」

  「 ナナコ危なかったね 」

  「 ふぅ〜、間に合った間に合った 」



  友達にはいつも、危なっかしくて
  見てられないと呆れられていた私。







13日前 No.2

かっちゃん ★D7dkPEMSM7_Xrr














  私の席は窓際から2列目の一番うしろの席。
  左隣は仲のいいサエで、列を挟んで右隣は…



  「 ぷっ 」



  右隣の人を確認しようと見たのと同時に彼と目が合い、なぜか笑われた。


  第一印象は、くしゃっと眉間や鼻筋にシワを寄せて笑う顔がかわいい人。




  そして、人の顔を見て笑う失礼な人。












13日前 No.3

かっちゃん ★D7dkPEMSM7_Xrr

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13日前 No.4

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr















  名前は、フジサワ ショウ。



  私の頭の中に、何度も何度も繰り返される彼の笑った顔。

  この時すでに、








  私の中の何かが動き始めた気がした。












13日前 No.5

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr















  始業式が終わり、再びクラスに戻ってきた。




  「 おら、お前ら席つけー係決めるぞー 」




  帰ってくるなりすぐに、担任の山本先生。通称“やまもっちゃん”が声を張る。





  「 えーめんどくさいーい 」

  「 はいはい俺サボリ係□ 」

  「 おら、つべこべ言わずに決めっぞー 」





  先生を茶化す声に耳すら傾けないやまもっちゃんにつられ、渋々係決めが始まる。















13日前 No.6

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr
















  私が手をあげたラクチンの係にはことごとくジャンケンで負け、
  決まった係は " 黒板係 " 。



  “ 黒板係 ” は名前の通り、
  授業終わりに毎回黒板を消すめんどくさい仕事。

  そして一緒に決まった不幸者はショウだった。





  「 よりによってお前と一緒かよ… 」

  「 いやいや、こっちのセリフだよ 」

  「 小学生かよ 」

  「 うるさい! 」

  「 ハハハっ 」

  「 ほらまた笑う 」





  その笑いにつられて、私も笑った。











13日前 No.7

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr


















  さっそく授業が終わるなり、黒板係の出番。




  「 ショウー頼んだー 」

  「 は?ナナコがやれよ 」




  私がショウにに頼んだら、ショウはジャンケンを求めた。





  「 じゃーんけーん ポン 」パーであいこ。

  「 じゃーんけーん ポン 」グーであいこ。

  「 じゃーんけーん ポン 」チョキであいこ。





  いくらやっても決まらない。

  めんどくさくなったショウに、手を無理やり引っ張られて黒板に連れていかれた。





  「 じゃあお前そっち半分な 」





  そう言って託された右側は、手の届かなそうな高い位置に書かれた文字達。

  絶対背が低いからと言ってバカにされた。


  腹が立ってきたので意地でも消そうとぴょんぴょんジャンプを繰り返すが、
  150cmの私には綺麗に消せない。




  「 俺が消してやろうか? 」




  そんな私を見兼ねて、発されたこの言葉。
  悔しい。悔しい。悔しい。




  「 よろしくノッポ 」

  「 は?なんだとチビ 」




  その言葉と同時に目の前で黒板消しをパンパンされ、
  私の制服や髪には色とりどりのチョークの粉。


  悔しいのでやり返す。

  もう、粉の掛け合い。


  ちょうどこのタイミングで、
  次の授業の先生が入ってきて見つかった。





  「 2人とも、昼休みに職員室に来なさい 」

  「 せんせーナナコが悪いんでーす 」

  「 え、いや、ショウが先にやってきて、 」

  「 いいから2人で来なさい。 」





  ショウのせいで怒られてしまった。











13日前 No.8

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr










  呼び出しを食らった私たちは昼休み、
  給食を食べ終わったあとに職員室に渋々向かった。





  「 ちぇ、ナナコのせいでこんな羽目に 」

  「 なによ、ショウがやったんじゃん 」





  怒られに行く私たちの足取りは重く、
  その分言葉の言い合いがエスカレートする。

  さっきのは絶対、ショウが悪い。





  「 ごめんな 」





  そんな時に発された “ ごめん ” という言葉は
  素直にすんなりと私には入って来なかった。





  「 絶対思ってない 」

  「 なんだよ人がせっかく謝ってんのに 」

  「 棒読みだった 」

  「 んなわけねーだろ 」


  止まらない言葉達。
  私たちは完璧に小学生並み喧嘩かもしれない。








13日前 No.9

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr












  職員室に入ると教室を汚すなとひたすら怒られて、
  罰として今日から1ヶ月間の“ 週1草むしり ”が命じられた。


  放課後部活には遅れるわで、ショウのせいで飛んだ災難にあった。






  それから何日かが経った。


  相変わらず私たちは放課後、校庭の草むしり。そして、花壇への水やり。
  先生の雑用まで頼まれるようになった。


  あともう少しの辛抱だと自分に言い聞かせる。





  「 ナナコーちょっと休憩しよーぜ 」





  汗ばんだ軍手を外しながら
  私の顔を見るショウ。





  「 そうだね、そうしよう 」





  私もそれに応えた。











13日前 No.10

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr












  水道で水を飲み、ショウがサッカー部の冷蔵庫から
  こっそり取ってきた2つのアイスの片方を渡してくれた。





  「 ほらよ。 」

  「 ありがとう 」





  それから私たちは無言でアイスを頬張った。
  でもその無言は決して苦ではない静かさ。





  「 これ食ってラストスパート頑張っぞ 」

  「 だね 」





  こないだの小学生みたいな言い合いが嘘みたいに
  私たちの会話は落ち着きを取り戻した・・・





  「 じゃあショウあとは頑張ってね□ 」

  「 はい? 」

  「 私、応援するね、ファイト! 」

  「 おいコラ待てー! 」





  ・・・はずもなく。


  出会って1週間ちょっと。
  相変わらずな私たち。





  私にとってショウという存在が日々、
  だんだんと大きくなって行くのを感じて行く。











13日前 No.11

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr












  なんだかんだでこんな日々が続き、
  罰としての居残りも今日で最後となった。





  「 じゃあ今日は資料留めよろしくな。 」

  「「 はーい 」」





  明日渡される保護者用のプリントをホチキスで留める。
  ノルマは2人で300部。





  「 あー、だりーな 」

  「 でも今日で最後だね 」

  「 だな 」





  2人でひたすらホチキスでパチパチしながら
  減らない紙を見てため息が止まらない。











13日前 No.12

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr

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13日前 No.13

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr

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13日前 No.14

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr









  そんな話をしている間に、
  資料留めの終わりが近づいてきた。





  「 よし、これやったら終わりだ 」

  「 ふう〜、お疲れ 」

  「 ナナコもお疲れ 」





  その言葉と同時に頭をポンポンされた。
  驚きを隠せずに、思わずショウを見た。

  頬がだんだん熱を持ち始める。



  胸の鼓動がどんどん加速するのが分かる。



  夕日のせいかももしれないが、
  ショウの顔も少し赤らみ、手を放した。





  「 わり。 」

  「 ううん、大丈夫。ありがとう 」

  「 おう 」





  そのまま俺らは300部を2つに分けて、
  俺が200とナナコが100ずつ持って職員室に向かう。





  「 お、お疲れ。今日で終わりな。 」

  「「 はい、お疲れ様でした 」」





  今日で、ショウとの罰の仕事は終わり。

  私の中で、何かがホッ としたような
  悲しいような、そんな変な感じがした。



  何かが私の中で動き始めた気がした。








13日前 No.15

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr















  教室に部活の用意とカバンを取りに戻ると、
  黒板には “ 明日席替え!!!! ” の文字。


  その時、すぐに思った。












  “ やだな ” って。
















13日前 No.16

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr















  変な意味なんか無くて、ただ楽しかったなと思った。

  会話を重ねればすぐに犬猿の仲のようなそんな関係が楽しかった。
  隣の席がいいなと思った。また、列を挟んでの隣の席でもいいなと思った。


  でもそんな言葉は言えない。





  「 やっと席替えかー! 」





  ショウが口を開くと、
  私も負けまいと言い返す。





  「 よかったうるさい人と離れられる 」

  「 なんだとテメー!こっちのセリフだし 」

  「 私は静かでおしとやかですーだ。 」

  「 ふははっ、ナナコのどこが! 」

  「 はい?どーみてもおしとやか! 」

  「 また隣になってやってもいーよ? 」

  「 やだね、そんな上から目線な人 」





  やっぱり私たちはどこか素直になれないが、
  この関係が1番しっくりくる。


  そんな気がする。









13日前 No.17

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr










  次の日。





  「 おらー、席替えだ。クジ引けクジー 」





  山本っちゃんは教室に入ってくるなり
  大きなクジの箱を抱えて大声を出した。


  みんな「 ここがいい 」とか
  「 隣がいいね 」とかつべこべ言いながら、
  順番にクジを引いていく。





  「 つぎー、ヤトウー 」





  私の順番がきた。


  お願いします、いい席を。
  そう祈りながらクジを引く。

  廊下側から2列めの一番後ろ、10番。
  サエとは少し離れてしまった。





  「 ナナコ何番? 」





  私のクジを ひょいっ と後ろから覗き込む
  ショウに問われた。





  「 10番。ショウは? 」

  「 15。お前どこ? 」









  そう言って黒板に書かれた番号を見ると、
  ショウの15番は私の10番の列を挟んでの左隣だった。












13日前 No.18

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr











  また、隣。








  嬉しいような、嬉しくないような、そんなハッキリとしない感情が
  私の中でグルグルと行ったり来たりしている。


  でも決して嫌ではない。





  「 ちぇ、またお前と隣かよ 」

  「 本当は嬉しくてたまんないくせに〜 」

  「 そんなわけあるか! 」

  「 私は嬉しいけど? 」

  「 え?まあ、俺も? 」

  「 あ、ほら嬉しいんじゃん! 」

  「 前言撤回。 」





  やっぱり私の隣の席は、
  ショウがいいみたい。











13日前 No.19

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr











  2.走るキミの姿









  今日はあと2週間後に控えている運動会の
  リレーの走順を決めるため、スポーツテストの50m走のタイム計測日。


  私は中学に入ったら陸上部に入りたいと思っていたくらい走ることが好きだが、
  私の進学した地元の中学校には陸上部がなかったので

  好きだが、自信はこれっぽっちも無い。




  その上、小6の時のタイムは8'56と
  とても微妙なタイムだった。


  女子中学生の速い方の人のタイムは
  7秒台なので、それと比べてしまったら私は遅い方になる。












13日前 No.20

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr














  とにかく、全力で頑張りたい。

  そんなことを考えていると、男子の計測が始まった





「 ショウー!ハルトに絶対勝てよ! 」

「 ハルトも負けんな! 」





  一発目からショウとハルトのライバル対決。
  クラスのみんなも固唾をのんで見守る。





  「 よーい 」パン!





  その合図と共に50m先だけを真剣に見つめて
  走り出して行く2人。





  " あ、ショウの走り方かっこいいな… "

  気づけばそんな事を無意識に考えていた。






  出だしは同じくらいのスピードで入って行く。

  ザッザッと力強く蹴られた土が
  後方に送り出される。速い。


  2人はほぼ同時にゴールしたように見えた。












13日前 No.21

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr














2人の息切れは止まらない。
タイムは、どうだっただろうか。





「 ハルト、6"01 」

「 ショウ、5"99 」





ショウが、少しの差で勝ったみたいだった。
すごい嬉しそうな満面の笑み。





「 うおー、負けちったなー悔しいー 」

「 また来年、勝負な。 」

「 おう。ぜってー勝ったるかんな! 」

「 かかってこいや 」





  悔しそうにするハルトくんは、
  その場にしゃがみ込む。


  頭をゴシゴシかいて、地面に少しだけ八つ当たり。
  それを見兼ねたショウが、例のあの頭ポンポンをやる。





  「 なんだよそれ、キモチワルイ 」

  「 はあ?慰めてやってんだよ 」

  「 やめろやめろやめろ! 」

  「 やーだねー 」




  嫌がってるけど楽しそうだった。



  でも、そっか。

  あの頭ポンポンは誰にでもやるのか。
  ドキッ として損した気分。







13日前 No.22

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr












  男子の計測がぼちぼち終わり、
  女子の計測が始まる。

  順番を待っている時ショウに声をかけられた。






  「 ナナコ10秒台? 」

  「 そんなわけあるかい 」

  「 へえー 」

  「 見とけよこの野郎 」






  10秒台?なんて悔しいことを言われてしまったので、
  見返してやりたい。

  ちなみに去年は8’06



  見返すとまでは行かなくてもとにかく自己タイムを超えるタイムを出す。
  今の私の全力を走りにぶつける。













13日前 No.23

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr









  「 ま、せいぜい頑張れよ 」

  「 よし 」




  ショウからの珍しい言葉で一層やる気が出てきた。

  よーいの掛け声とともに、気持ちを入れ替える。




  「 がんばれ 」



  みんなからの声援の中にショウの声を探す私がいた。
  よし、ラストスパート。良いタイムが出そうだ。

  結果は、









  「 ナナコ、7’60 」




  見事に自己ベストを更新するという快挙を成し遂げた。
  そして、目標でもあった7秒台を出すことができて、私は大満足だった。



  これらの結果を踏まえ、全員リレーとはまた別に、
  タイムの速い順に選抜リレーのメンバーが決まる。

  きっとショウは早かったから、選ばれる。

  一緒に走りたいという気持ちが高まる。




  「 よし、じゃあ明日発表すっから 」




  やまもっちゃんはそう言い残し、この日の授業は終わりを告げた。




13日前 No.24

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr






  ・






  私は陸上部に入ろうと思っていたが、
  私の地元の中学校には無かったことがショックだった。


  なんだかんだあって、
  たくさん見学に行って、私は剣道部に入部した。

  剣道部は地味なイメージで最初は頭には無かったが、
  そんなイメージとは打って変わり、先輩方が面白くて楽しくて優しくて
  入ることに決めた。



  今思うと、この時から陸上を始めることができていたら、
  とも思うことがあるが、

  剣道部での経験も、今となっては無駄ではなかったのかも知れないと思う。






  ・








  走りがメインの部活ではないが、
  リレーのメンバーに選ばれることを願う。







12日前 No.25

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr








  翌日、


  運動会の選抜リレーの走者が発表される。






  「 はい、じゃあタイム早い順なー 」

  「 男子はショウと、ハルトと、・・・ 」






  選抜リレー、通称クラス対抗リレーは全員リレーの他に行われる種目で、
  クラスの男女各3人ずつ早い人が選ばれるというもの。


  やっぱりショウは選ばれた。







  「 次に女子は・・・ 」






  次々に名前が呼ばれていったが、私の名前が呼ばれることはなかった、が、






  「 ・・・補欠、ヤトウナナコ 」






  補欠となった。
  ケガとかでもし本番走れない人の代わりのポジション。

  あくまでもほぼ当日走ることが無いポジション。



  素直には喜ぶことができなかった。









12日前 No.26

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr















  ふと横を見ると、
  こっちを見ていたショウと目が合った。





  「 お前なんつー顔してんだよ 」

  「 なんもしてないよ。 」

  「 そんなことないだろ? 」

  「 大丈夫だよ 」






  なにかいつもと違うと勘づいたのか心配そうに声を掛けてきた。
  悔しかったから大丈夫だという言葉と同時に笑った顔を見せた。







12日前 No.27

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr











  運動会まで残り5日。

  部活の朝練後と昼休みにクラス対抗リレーの
  メンバーのバトンパスの練習が始まった。


  補欠の私も一応練習するとのことだったが、
  なんだか勝手に疎外感を感じてしっまった。

  疎外感と言うよりも羨ましいという言葉の方が合うかもしれない。






  「 、はいっ! 」

  「 ・・・もうちょい遅く出た方いいかな 」

  「 それでもう1回やってみよう! 」

  「 おう 」





  ショウ達が練習しているのを見て、なおさら悔しさが込み上げてくる。


  そうこうしている間に当日を迎えた。

  午前中は各学年ごとの種目が行われ、
  午後にリレー種目が行われる。







12日前 No.28

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr










  午前の種目が始まった。


  「 ちょ、付き合って 」


  いきなり隣にいたショウに手肩を叩かれた。







  「 え、なに、どこいくの? 」

  「 ミハル見に行く 」

  「 ・・・あ、彼女さん? 」

  「 そそ 」

  「 なんで私連れてかれてるの? 」

  「 暇そうだったから。 」

  「 ・・・おい。 」






  違うクラスの彼女さんが大玉転がしに出るというので、
  つべこべい言いながらも付いていった。

  なんで私なんだろうか、





  そんなことを考えているうちに競技が始まった。





  彼女さんのクラスは2位だった。
  競技を終えた彼女さんが、ショウを見つけた。





  「 あ、ショーちゃーん 」

  「 ミハル、お疲れ 」




  おっとっと、これは私邪魔かな?と感じ
  自分のクラスの席に戻ることにした。





  「 あ、じゃあ私行くね 」

  「 おう。サンキューな。 」





  2人に後ろ姿を向けて歩いて行く。
  そんな時にかすかに聞こえる2人の声。





  「 あの子、こないだの・・・? 」

  「 そそ、クラスメイトだよ 」

  「 仲いいね 」

  「 そうか?まあ隣の席で同じ黒板係りだからな 」

  「 なにそれ〜嫉妬しちゃうな 」

  「 ハハハッ、かわいいな、ただの友達だから 」






  惚気まくりのショウの照れた笑い声が聞こえる。

  彼女さんは、かわいい。






12日前 No.29

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr














  午前の競技が終わり、
  私たちのクラスの得点は250点で第2位。


  ここまで来たら1位を取りたい。

  全てはリレーにかかっている。ここで、点差を縮めてくれることを願う。






  「 ナナコ! 」

  「 ん?どうしたのショウ 」

  「 やる気出すために1人抜いたらうまい棒おごって 」

  「 なんでよ私メリットない 」

  「 えー、じゃあ抜かせなかったらおごる 」

  「 それならいいよ!頑張れ〜 」






  おごるという言葉に思わず目をキラキラさせてしまった。
  そんな私を見て、ショウは頭をポンポンしてくれた。





  「 がんばって 」と言う言葉でショウを送り出す。

  「 おう 」と言う言葉でショウは返した。








12日前 No.30

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr












  お昼も食べ終わり、
  最後のバトンパスの確認も終えたらしく、いよいよ本番。

  ラスト競技なのでクラス全員で円陣を組み、
  ハルトが気合を入れた。



  「 よっしゃー頑張っぞ、いくぞー!!! 」

  「「 おーーーーー!!!! 」」




  クラス全体に熱気が走った。
  ショウは1走なので、1番最初に走る。





  「 よーい 」



  ショウが構える。
  観客が静まり、みながスタートを待ちわびる。



  パンッ



  スタートを知らせるピストルの音と共に
  一斉にスタートを切る。

  第一カーブに差し掛かる手前ではショウが、トップだ。
  隣のレーンの人も必死に食らいついて来ている。











  がんばれ、ショウ。









12日前 No.31

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr















  ショウから次にバトンが渡った。
  ハアハアと自分の息が上がっている。
  クラスのみんなが必至に名前を叫ぶ。





  頑張れ、頑張れ、頑張れ。





  4走で1人抜かされた。
  でも次はハルトだ。

  大丈夫。勝てる。抜かしてくれる。


  バトンはハルトに渡った。
  1位との距離をみるみる詰めていく。





  そして、抜かした。





  続くアンカーも順位をキープする。
















  パンパンパンッ



  ゴールテープを切ると同時に
  1位を知らせるピストルの音。








  「「 やったーーーーーーー!!! 」」



  クラスから ドッ と歓声が湧いた。














12日前 No.32

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr















  クラスの総合順位は惜しくも点届かず2位だった。
  優勝こそ逃したものの、絆は深まった。








  「 お前らおめでとーー!! 」

  「 おっやまもっちゃんなんかくれるの!? 」

  「 なんもないで 」

  「 ちぇー相変わらずケッチいなー 」

  「 じゃーお前にはあげん 」








  やまもっちゃんは、ハルトとの会話をしつつ
  教卓のしたに隠してあったビニール袋をガサゴソと取り出して私達に見せた。







  「「 やまもっちゃん!! 」」





  クラスメイトが声を揃えて言ったもんだから
  やまもっちゃんも思わず笑顔がこぼれた。





  「 ほーら、奮発したぞアイスだ1人1個な 」





  小さな小袋に入れられた一口サイズのアイス。
  少しだけ余った分もじゃんけんでもらう人を決めた。






12日前 No.33

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr












  運動会が終わって放課後、
  片付けのあといつも通りの部活が始まった。

  基礎練習のあと、
  今日は校庭の周りを見ると今日は外周の日だった。



  学校を出て、横から校庭が見え始めた。
  サッカー部でボールを追いかけているショウを見かけた。











  なんだか頑張ろうと思えた。








12日前 No.34

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr














  来年こそ一緒にリレーに出たいと思った。

  まあクラスが一緒になるという保証はないけれど。














12日前 No.35

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr












  3.キミの横顔






  あれから数ヶ月が経ち、季節は秋になった。

  2年生の行事として地域の仕事を体験するという職場体験が始まった。




  「 ナナコ職場体験先どこになった?」




  サエの問いかけに、“ カフェ ” と答えた。
  サエはスポーツ用品店に行くらしい。

  別々になってしまって少し寂しい。




  「 ナナコがカフェってなんか似合わないな 」

  「 なによ、じゃあショウはどこ?」

  「 ラーメン屋 」

  「 んーまあ、それはショウっぽいね 」

  「 そうか? 」

  「 油ギッシュな感じ? 」

  「 ばかにしてんだろ 」




  カフェをバカにされたから、言い返してやろうと思ったけど
  似合っているなと素直に感じた。







12日前 No.36

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr










  沢山のお店があるため、
  ショウとも同じお店になれるはずないと諦めていた。

  案の定違うお店であった。















  かと思ったが、

  次の時間の職場体験の打ち合わせの時、
  私のカフェと、ショウのラーメン屋が同じテーブルに座るようにセッティングされていた。


  まさか、と期待せざるおえない自分がいた。









12日前 No.37

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr










  そのまさか、は、“ まさか ”だった。


  担当の先生によると、
  このカフェとラーメン屋は隣に建っていて、
  同じ経営者が経営しているものだと知らされた。

  カフェ組は女子2人、ラーメン屋組は男子2人であった。





  「 ということでお前らには、特別に2つのお店を経験してもらうことになる 」





  まさかまさかの、まさか過ぎる展開であった。
  ショウと奇跡的に同じお店に行くことになったのだ。

  素直に嬉しかった。














  3日間の職場体験は、楽しいものになりそうな予感。
















12日前 No.38

かっちゃん @yui88 ★D7dkPEMSM7_Xrr













  その予感は的中、


















  ではなかった。


















  それを知ることになるのは、職場体験の当日になる。
  それまではこの後何が起こるかも知らずに、ウキウキしながら打ち合わせを進めていた。



  まさかのどんでん返しが起こるなんて。















  この時の私は知らなかった。











12日前 No.39
ページ: 1

 
 
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