Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(2) >>

 君と放課後、図書室で。

 ( 恋愛小説投稿城 )
- アクセス(141) - ●メイン記事(2) / サブ記事 - いいね!(2)

胡桃。 ★XGXgQW1HPW_mgE






 夏休みが明けた2学期、私は図書委員になった。
 同じクラスからもう一人選ばれたのは、中学時代は不良だったと噂されている不思議な男子。

 そんな彼に悩みを知られた私は放課後、図書室で彼に相談事をするようになって。

 絶対好きにならないと思ってた。思ってたはずだったのに。


 「  俺がお前を救ってやるよ。 」


 その言葉に、眼に、声に惹かれてしまった私はなんて馬鹿なんだろう。






  → 2018. 1. 18 / 胡桃VKomomo





関連リンク:  うしろすがた。 
ページ: 1


 
 

胡桃。 ★XGXgQW1HPW_mgE





  〈 01 V 二人きりの図書室。 〉





 放課後の図書室って、ほんとに静かだ。みんな部活に行ってて本を借りに来る人なんていないし、
 おまけにこの図書室はグラウンドから離れた別校舎にあるから部活の声も聞こえてこない。


 放課後が担当の図書委員は意外と暇なんだな。っていうのは今まで知らなかった。

 まあ、もう一人の図書委員が話しにくいっていうのも、沈黙が広がる一つの原因なんだろうけどさ。



 「 高宮、これ終わった? 」

 「 うわっ、あ! 」



 いつの間にかとなりにちょうど考えていた香坂くん本人が立ってて、私はびっくりしてつい整理していた本を落としてしまった。

 やばいやばい、図書室の本落としたなんて司書の先生に知られたら怒られる。


 慌てて拾おうとすると、先に伸びてきた香坂くんの手が本を拾い上げた。そのままはい、と手渡される。



 「 … ありがと。 」

 「 ん。ああ、この本あっちだから持ってくわ 」



 そう言って数十冊も本が入った段ボール箱をひょいっと軽々しく持ち上げると、香坂くんは部屋の奥の棚にしまい始めた。

 その姿をぼーっと見てて、あれ?と思う。
 女子と話さないし、元不良なんて噂があるから誤解してたけど、もしかして香坂くんって実はいい人?


 すると次の瞬間、香坂くんがバサバサーって数冊の本を落とした。落ちた本を見てため息を溢す香坂くんを見てると何故か笑えてしまった。



 「 はい、 」

 「 どーも。って、さっきと立場逆じゃん 」



 私が差し出した本を受け取りながら、香坂くんは微かに笑う。
 そんな香坂くんの笑顔を初めて見てしまった私は、みんなの知らない香坂くんを知れたような気がして、ちょっとだけ「 図書委員で良かった 」なんて思ってしまった。







29日前 No.1

胡桃。 ★XGXgQW1HPW_mgE








 香坂くんの初笑顔を見れて以来、私は香坂くんと普通に話せるようになった。
 …… っていうのは私が勝手に思ってるだけで、あっちはどう思ってるかなんて知らないけど。



  「 あ、来た。ねえ香坂くん聞いてきいて、 」

  「 今日は何? 」



 香坂くんが図書室にやってくると、私は一日の嬉しかったことなんかを話す。私は意外とお喋りで、それを聞いてもらうのが最近の習慣になった。

 家族なんかは「 はいはい 」って感じで私の話を流すけど、香坂くんは無口ながらも話をきちんと聞いてくれる。
 それも含めて、私は香坂くんとの心の距離が縮まったような気がするわけ。



  「 今日はですね、購買の限定メロンパンが食べられたの! 」

  「 ふうん。… ああ、そういえば高宮、4月の自己紹介でメロンパン好きって言ってたな 」

  「 え、そんなこと言ったっけ? よく覚えてるね 」



 何気なく返したけど、さらっと放たれた香坂くんのセリフに私は笑みそうになった。だって香坂くんが私の自己紹介聞いてて、しかも好きなものまで覚えてくれてるとか。女子に興味がないと言われているあの香坂くんが!


 そこまで思ってから、私は自分にビックリした。なんで、こんなに嬉しいんだろう。

 だってたまたま好きなもの覚えてただけじゃん。香坂くんにとってはちょっと記憶の片隅に残ってただけの話だろう。

 でも何気ない一言でこんなに浮かれるのは初めてで。
 私、まさか香坂くんのこと気になってるとか? … いや、まさかまさか。だって私には ___



  「 高宮? 」

  「 …… あ、ううん。なんでもない 」



 他に人がいても一人の世界に入っていっちゃうのが私の悪いクセ。

 誤魔化すように笑うと、香坂くんの手が伸びてきて私の額に触れた。顔を逸らす間もないほどの、自然な動きで。


 え … っと、どうすればいいんだろう。


 香坂くんは「 熱はないっぽいけど 」なんて呟いてるから、きっとこの行動は私を心配して自然に出た行動だと思う。
 こんな行動無意識にしちゃうとか香坂くん、もしかしなくても天然なの!? .. なんてこんな時でさえ意外な一面に驚いてしまう自分は馬鹿だ。
 というわけで無暗にその手を払えなかったし、何より香坂くんの瞳に見つめられて、私は身動きも出来なかった。


 しばらくその状態で見つめ合いが続いていたら、下校放送が鳴って、私たちは我に返った。

 香坂くんの手が離れて行って、額のぬくもりもすっと消えた。… それを一瞬 V寂しいV と感じてしまったのはなぜだろう。


 帰らなければいけない。なのに、動けない。香坂くんの顔がゆっくりと近づいてきた、そのとき。



  「  ゆーづ、帰ろ。 」



 ガラガラガラッ ___ と大きな音で図書室のドアが開け放たれた。










28日前 No.2
ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…感想・コメントはこの記事ではなく、サブ記事に書き込んでください。(小説カテゴリでは必須です)