4ヶ月前 No.0
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4ヶ月前 No.0
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東華。 @stroll ★Android=of4bo4Xs7Y
別に刺激が欲しい訳じゃあなかった。成績以外すべて平々凡々なわたしにはあまりにも遠い存在だったし何より貴方には余りにも綺麗な彼女がいたから。貴方はどちらかと言うと みんなのあこがれ ≠ナわたし以外にもわたしの様な想いを抱いている子は幾多だろう。何か関わりが欲しいわけじゃなくて硝子の向こうにいるような、掴みたいけど掴むことの出来ない、それが丁度良かった。
「 ねぇ、アレ、創太くんだよね。やっぱいつ見ても爽やか〜〜 」
――親友である瑞生は教室から廊下にいる人気者 和泉創太くん。うちの学年のミーハー女子にとっての憧れ。勿論私も瑞生も例外ではない。私は一応クールな私を貫き通すためにそれは口には出さない。
「 そう、?瑞生はミーハー過ぎだよ 」
そう突き放すように言うと瑞生は不満げに口を尖らせる。口ではそんなこと言いつつもやっぱ目で追ってしまう。はっきり言って創太くんは所謂少女漫画に出て来る学校のアイドル的なタイプではない。特別アイドルの様に整った外見という訳でも無い。いや、勿論、爽やかな好青年ではあるが。
外見以上に、彼は完璧なのだ。この学校の特進クラスは中々難関と世間では言われているし実際私もこの高校の特進クラスに入るために寝る間も惜しみ努力した。その特進クラスにトップ合格してしまうのだからやはり彼は特別に優秀なのだ。それだけではない、勿論運動においても空手で全国準優勝してしまうのだからやはり特別に秀でているのだ。
その上あの屈託の無い笑顔に誰にでも分け隔てなく接する態度。非の打ち所がない。それで憧れ無い女子などいるのかと思えるほど。
「でも、やっぱり素敵だよね…」
うっとりした表情を浮かべる瑞生に心の中で同調しながら創太くんを目で追った。創太くんとの接点なんて何も無い高校生活がきっと三年間続くのだと思うと少し寂しくも感じられた。
▼ prologue
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