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  恋人まであと数センチ。

 ( 恋愛小説投稿城 )
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ゆず . @true00 ★XGXgQW1HPW_mgE




 下の名前で呼んでもらって、登下校はいつもいっしょで、お互いの秘密を知っていて。
 そういうのって、恋人じゃなくても出来ること。幼馴染だってそのくらい可能。
 幼馴染ってだけでその特権を持てるのは「 楽 」だと思う人はきっとたくさんいるんだろう。

 でも幼馴染じゃできないこともいっぱいあって。
 デートに行ったり、抱き合ったり、キスをしたり、それ以上だって。

 幼馴染だからこそ、幸せで楽な毎日を壊す勇気が出なくて。
 恋人まであと数センチ。その数センチを埋めるために必要なものをわたしは手に入れられない。





   【 恋人まであと数センチ。 】 / ゆず .



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メモ2017/12/04 18:03 : ゆず . @true00★XGXgQW1HPW_mgE



 有村 栗 / Arimura Kuru

 笹倉 柊色 / Sasakura Hi-ro


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ページ: 1


 
 

ゆず . @true00 ★XGXgQW1HPW_mgE


    ( 01 : 心地よい関係。 )



 「 あ、くーる! 待ってて、いっしょに帰ろ 」
 「 うん 」

 友だちの冬香といっしょに校門に向かって歩いていると、同じバスケ部の子と体育館から出てきた柊色とバッタリ会った。
 頷くと、柊色はふっと笑みを浮かべてから靴箱に向かって歩き出す。

 「 あららー、相変わらず仲が良いことで 」

 ぼーっと柊色の後ろ姿を見つめていると、突然、耳元で声がした。小さく叫び声をあげて振り向くと、にやにやと冬香が笑っている。
 …… 冬香がいるの忘れてた。
 心の中で謝りつつも、「 そんなんじゃないし 」と目を逸らすと冬香はすべてわかっているようにまた笑った。

 言ってないけど、冬香にはたぶんもうバレているだろう。
 わたしは柊色のことが好きだ。保育園のときから高1の今まで、ずっと。

 「 ごめん、おまたせ 」

 ハッとするともう柊色は靴に履き替え、鞄を持って戻ってきていた。そのとなりには、柊色の友だちの陽くん。

 「 ちょっと、なんで陽までいるわけ 」
 「 えー、別によくない? 俺、冬香ちゃんと帰りたかったし 」
 「 意味わかんない 」

 陽くんの軽いせりふに冬香ちゃんが顔をしかめる。… ああ、せっかくの美人顔が台無し。
 いつも陽くんはなにかと冬香ちゃんに構ってもらいに来ては流されている。

 「 冬香ちゃん相変わらず冷たいけど、そこが好き 」
 「 はいはい 」

 スタスタと歩き始めた冬香ちゃんを追いかける陽くんを見て、わたしと柊色は笑いあった。そして、わたしたちも並んで夕日に照らされた道を歩き始める。

 「 栗、今日はなんか悲しいことでもあった? 」

 しばらく歩きながらわたしの顔を見つめてた柊色が、ふいに問いかけてきた。

 「 え、なんで? 」
 「 いや、なんとなく。ちょっと暗い顔してた 」

 ああ、柊色はやっぱりすごい。隠しててもわたしの心の変化にいっつも気づくんだから。
 微かに笑ってから、わたしは話し出す。

 「 んーっと、学校で飼ってた金魚が1匹死んじゃってたの。ちょっとしたことなんだけど、でもね 」

 入学してから生物委員会に入って半年。その間ずっと可愛がってたから、やっぱりショックだった。
 そんなわたしの頭に触れた、暖かい手。

 「 悲しいなら笑うなよ。幼馴染の前でくらい我慢すんな 」

 そう言って柊色はわたしの頭を優しく撫でてくれた。

 … やっぱりわたしには、この関係を変える勇気ははない。今のままで充分なんだ。

 「 ありがとう 」と零しつつわたしはそんなことを思った。




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1ヶ月前 No.1
ページ: 1

 
 
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