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あの場所でいつもの時間に。

 ( 恋愛小説投稿城 )
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ユオリ ★cBhbYwk0Hp_xKY




「じゃあまた後で」


「うん」



あの時私たちには、お互いの存在以上に大切なものなんてなかった。


お互いの息遣い、言葉、頬をくすぐる様な声。


すべてをあの場所に、あの時間に閉じ込めた。


あの中で今も、私たちは時を刻んでいる。

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ユオリ ★rfvNBKWx5x_xKY

中学2年。
皆が手袋やネックウォーマーなんかをし始めた頃。3年生が、大きな岐路に立たされる頃。
私と佑介は、古びた街によく馴染んだ時計屋に居た。
店主のおじいさんはもう80を過ぎていて、一人で暮らし始めてもう数年がたっているらしい。
たれ目で白い髭からチラリと見える緩んだ口元が、全体的にあたたかくオレンジの様な雰囲気を出している。

私たちだって中2だ。
決して無関係とはいえない頃ではあるものの、それを考えさせない位に充実しすぎてしまっているような毎日に
私は包まれたままだった。別に何があるって訳じゃ無いけど、親友と優しく話を聞いてくれるおじいさんが居た。
「美佑」
「ん?」
穏やかにゆっくりと時が流れるように感じさせる不思議な場所。
あたたかい何かに包まれていて、ここだけは、いつも温かい。

8ヶ月前 No.1

ユオリ ★L5LObaPEtc_xKY

「この本の話どう思う?」
「現実感が無いからこそ面白い、みたいな話かな。」
「うん、そう思う」
こうやって本の話しをしたり、学校の話をしたり。話題は適当。
私たちが喋る話に、おじいさんは笑いながら耳を傾けてくれている。
カチカチとこの家にあるすべての時計が時を刻む音が聞こえる。



「そうそう、美羽がね、佑介の事カッコいいって言ってたんだよ。良かったね」
私が言うと、おじいさんが知っていた事かの様に言った。
「佑はモテるのか」
微笑みながら言ったおじいさんの言葉に、佑介が顔を赤くして否定した。
「違うって!!人気なのは優(すぐる)だよ。知ってんだろ、美佑だって!それに美羽好きじゃないし」
「なに、全力で否定してんのよ」
「うるさいな、俺にはかなり重要な事だ!」


がやがや騒いでいた内に、気付けば陽が消えてしまいそうだった。
窓の外を見て、ふと気付いた私は急いで佑介と家を出て、自宅へと急いだ。
自転車をこぐ度に速度が増して、頬を擦る冷気が増す。
この感じ、案外嫌いじゃない。

8ヶ月前 No.2
ページ: 1

 
 
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