Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(1) >>

拝啓、婚約者様へ。

 ( 恋愛小説投稿城 )
- アクセス(73) - ●メイン記事(1) / サブ記事 - いいね!(1)

白き箱庭 ★Android=W2tzw3VSSy

私が15の誕生日。
それは突然起きました。


ニコニコと不気味なぐらいの笑顔を浮かべながら、両親は私に告げた。


「朱莉ちゃんに、婚約者がいるって言ったら怒る?」



……は?
どういうことですか。





どうやら私が生まれる前に、先方の両親と約束をしていたらしい。
互いの子供が異性だったなら、婚約させよう。と。





15歳で会ったこともない婚約者を持つことになり、私はその顔も知らない相手に手紙を書いた。



拝啓、婚約者様へ。


貴方と結婚する気はないので、解消してください。





短い文面。


数週間後に私の前に現れたのは……。

3日前 No.0
メモ2017/11/15 14:02 : 白き箱庭★Android-W2tzw3VSSy

宮本朱莉(みやもとあかり)

15歳中学三年生

主人公。自分の意見はしっかり持っており、嫌なものは嫌だとハッキリと言える。また面倒見もよく、お人好しのところもある。今回の婚約の話は納得できていない。むしろ破棄したい。マイペースな両親に不満たっぷり。


宇佐海陽樹(うさみはるき)

27歳社会人

朱莉の婚約者。外面は好青年だが、腹黒。利用できるものはなんであろうとも利用する利己的主義。自分のなかでの筋書き通りにいかないと不機嫌になる面倒臭いタイプ。


大前夏生(おおまえなつき)

17歳高校三年生

朱莉の幼馴染み。朱莉に好意を抱いているも態度に示せないヘタレ。そんななかで陽樹の登場で気が気でない。


伴佳奈子(ばんかなこ)

25歳OL

陽樹の後輩。陽樹に好意を抱きいろいろアピールをしているが伝わった様子は今のところはない。朱莉の存在を知り、どうにかして排除しようと画策中。陽樹の本性には気づいていない。

ページ: 1


 
 

白き箱庭 ★Android=W2tzw3VSSy

【1】

 朱莉は目の前に立つ長身の男を見上げた。
 ビシッとしたスーツを身に纏い、銀フレームの眼鏡をかけた大人の男性。彼の名は宇佐海陽樹。御年27歳のサラリーマン。


ーーて、おっさんじゃん!


 朱莉と一回り年の離れたこの男が例の婚約者だという。先日両親から告げられた婚約者の存在に、朱莉はその日に相手に向けて便箋、俗に言う茶封筒を送りつけた。


《貴方と結婚する気はないので、解消してください》


 ごくごくシンプルな一行で済まされた文面。



 その数週間後に彼は朱莉の家にやってきたのである。
 突然の来訪に謝罪をした彼は、手土産を持参してきた。紙袋の店の名前を見るかぎり、かなり有名な並ばないと買えないような洋菓子店。めったに家では買わないような高級菓子に気分を良くした両親は、あっさりと家にあげたのである。


 そしてなにを考えたのか両親は、二人で話したいこともあるだろうと言い出して、婚約者である見知らぬ男と一緒に自室に押し込められた。



ーー気まずい、めっちゃ気まずいんですけど!



 二人で突っ立ったままの状態で、微妙な空気が流れる。そんな空気を最初にぶった切ったのは、陽樹のほうだった。


「突然押し掛けてごめんね、朱莉ちゃん」


 眼鏡の奥の瞳が申し訳なさそうにしているのを見て、朱莉はキッと相手を睨み付けた。


「朱莉ちゃんとか馴れ馴れしすぎだし、気持ち悪いからやめて。てか、なんで来んの。意味分かんない。あんたもこんなガキと婚約なんかしたくないはずでしょ。さっさと婚約解消したら済む話じゃん」


 思ったことを全部ぶちまけてみたものの、相手は大人。朱莉よりも一回りも年上である。しかも密室での二人きり、なにかされようものなら朱莉に勝ち目はない。


「そうだけど、一度はやっぱりどんな子なのか見てみたかったから……」


 陽樹は視線を逸らしてそう言った。その瞬間、部屋の外の廊下で物音が聞こえて、瞬時に両親が聞き耳立てていることに気づく。怒り肩で移動する朱莉に道を譲るように彼は少し移動し、朱莉は力一杯に部屋のドアを開けた。


「……なにやってんの?」


 娘の出現に両親は誤魔化すように空笑いをして、そそくさと一階へと移動して行った。その姿を確認してから部屋に戻ると、陽樹が困ったような笑みを浮かべていた。「キミも大変だね」そう言っているように見えた。


「とにかく、もうこうして顔も見て満足したでしょ。さっさと婚約解消してよ」


 ハッキリと言い切ると、その瞬間ドンッと音を立てて何かが朱莉の横を通った。部屋のドアを背にした朱莉の真横に伸びたのは、紛れもなくサラリーマンの男の右手。



ーーえ?



 朱莉が状況を把握するよりも前に、頭一つ分高いはずの婚約者の顔が目の前にあった。眼鏡の奥から覗く瞳は、先程のような申し訳なさは一切なく、冷ややかな色に染められていた。


「人が下手に出ていれば、なに偉そうに語ってんだよ。まだ中学生のクソガキのくせに、大人相手に敬語も使えねーのか。あ?」



ーーこの人、誰。



 朱莉の婚約者は、思っていたよりも二面性があったようです。

3日前 No.1
ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…感想・コメントはこの記事ではなく、サブ記事に書き込んでください。(小説カテゴリでは必須です)