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あと少しだけ、もう少しだけ… (絶対完結させます)

 ( 恋愛小説投稿城 )
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麗華 ★PagO4twGHl_xKY

ありきたりな話かもしれないですけど、完結させます!! (;´▽`A``




「来年、引っ越すことになった」


そう告げられたのは、6月半ば。


何度も言われてたし、経験してたし、慣れてたはずなのに…。


何でだろう、何でこんなに心が苦しいんだろう。




あと少しだけ、もう少しだけ……ここに居たい。


メモ2017/09/12 17:51 : 麗華★lBext2OfxV_xKY

*佐伯 理月 Saeki Ritsuki

 父の仕事の都合で毎年のように引っ越しを繰り返す。

 誰とも友達をつくらず、いつも一人で居る。

 海の事をあまりよく思ってない。


*田辺 海 Tanabe Kai

 理月が引っ越すクラスの人気者。

 自然と人が集まってくるようなタイプ。理月の事を気にする。

関連リンク: ある小説家の物語。 
ページ: 1


 
 

麗華 ★lBext2OfxV_xKY

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2ヶ月前 No.1

麗華 ★lBext2OfxV_xKY

〔休み時間〕

「ねぇ佐伯さん、何が好き?」
「え…」
チャイムが鳴って早々、クルリと後ろを向いて話しかけてきた。
「何って…」
「んー、食べ物とか色とか――」
指折りしながら言ってくる彼に、なんか不信感が…。

2ヶ月前 No.2

麗華 ★Yp8eloDHld_xKY

「えぇと……、フルーツが好きかな。色は…明るい色。水色とか黄色とか」
適当な会話を交わしていると、私たちを遠くから見ていた何人かの子が近寄ってきた。
「理月ちゃんだよね、東京住んでたんでしょ?いいな〜」
このクラスのリーダーって感じ。スカートは膝ぎりぎりで靴下もかなり短くてくるぶしが見えそう。
“校則を守るのはダサい”とか、よく分かんないことを思ってるタイプかな。
「あぁ、うん。でも東京って言ってもそんな都会じゃない方に住んでたし」
「へ〜」
明らかに反応が変わった。やっぱ東京だし、渋谷とかだよね。
「編み込み、可愛いね」
取りあえず機嫌を取る為にパッと目に留まったのを褒めた。
髪は肩より少し短いくらいの長さで、両脇に編み込みをしてる。
別に特別綺麗でもないし、私だってできるけど、褒めてのせとくのが一番でしょ?
「ホント!!杏莉もね今日上手く出来たな〜って思ったの!!」
すごい上目遣いで私の事を見てきた。確かに私は160あるし、この子も150あるかどうかぐらいだけど…
この上目遣いは……ね。うん。
「私にも今度教えて!」
「うんうん。いいよ!!あ、杏莉って呼んでくれていいから」
「うん、ありがとう。私も、理月でいいよ」
取り合えず笑った。“笑っときゃ大抵のことは何とかなる”このばあちゃんの言葉、案外正しい。

2ヶ月前 No.3

麗華 ★v0fcMNifkm_xKY

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2ヶ月前 No.4

麗華 ★v0fcMNifkm_xKY

〔数日後〕

何となく学校にも慣れた。とりあえず、グループにも入れた(最初話し掛けてきた杏莉のグループ)。
取りあえずこのまま、あといくらか耐えればいいだけ。
でもやっぱ、そんな順調にいくわけがないよね――。


「理月ってさ――」
この前、人気が少ない階段の踊り場で話してるのを聞いた。

2ヶ月前 No.5

麗華 ★nWAyEsRhDC_xKY

「理月ってさ、絶対うちらの子と馬鹿にしてるよね。そう思わない?」
その言葉には、多くの嫉妬と悔しさが混ざっているように聞こえた。多分、杏莉だ。
「それ思ってた!絶対そうだよね」
「ちょっと色白くて可愛いからって、男子にチヤホヤされてさ」
続く様に美果と詩穂菜の声が聞こえた。
その後も、私の悪口をある事ない事喋っては、少しの間三人で私の事を蔑む様に笑う。
私はもう耐えきれなくなって、教室に戻った。




「あ、佐伯さん。一緒に図書館行かない?」
前の席の田辺君が話しかけてきた。今も彼は本を読んでいたらしい。
“人気者なのに、そこまで人と関わることを好まない” 彼はそういう人間だ。
私が今まで思ってた、人気者は皆と関わるのが大好き…という想像とは少し違っていた。
「いい、行かない。一人で行って来たら」
「何怒ってんの。なんか怖〜い」
「そういうの今、要らない」
「なんかあったの」
田辺君は最近仲良くなった。本の事で。
本音に近い事を離せる、唯一の子。

2ヶ月前 No.6

麗華 ★Tablet=Wt7Pr6gNjD

「別に、何でもない。機嫌悪いのわかるでしょ?」
ぶつける様に言うと、少しの沈黙ができた。
あ、言い過ぎた…。と、言ってしまったあとに気付いた。
「わかってるよ、そこまで馬鹿じゃないし」
冷静に返してくれた言葉にホッとする自分がいた。
そうだ、私は強がってるだけで、失うのがこれ以上ないくらいに怖いんだ。
「なら…、ほっといてよ。それに、迷惑なだけだよ。私といたって」
「別に、俺はそう思わないよ?」
その言葉に、何かが溢れてきそうになったから、抑えるように俯いた。
「思わなくたって、そうなんだよ」

2ヶ月前 No.7

麗華 ★xrYHHbQ9pa_xKY

好奇心なのか何なのか知らないけど、その視線はまだ私に向いていた。
別に何を思う必要だってないのに、居ても立ってもいられなくなって、私は教室を出た。



ふと、ある教室の時計が目に入った。
あと少しで授業が始まる。正確には……あと4分。でも、さぼる訳にはいかない。
戻らないといけないと頭ではわかっているし、自分を納得させようとするのに、体が言う事を聞かない。
あの3人の声が私の脳裏から離れない。
そう自分で理解したとき、私なりにもあの三人の事を大切には思っていたということを自覚してしまった。
今、自分は傷付いているということを自覚してしまった。裏切られたのだと、失望していた。




「あ、理月どこ行ってたの〜。早く行こうよ、遅れちゃう」
誰も居ないだろうと思っていた教室に戻ると、驚くことに杏莉たちが居た。
そりゃそうかもしれない、あんなのを聞かれたなんて夢にも思ってないんだろうから。
「うん、ごめんね待たせちゃって」
“一人になるのは嫌だ”その思いの方が圧倒的に大きくて、私はまた繕った笑いを見せた。

1ヶ月前 No.8

麗華 ★g2WDWNU1VS_xKY

「ねぇ理月、今度の日曜日遊べる?」
ついボーっとしてしまっていた。杏莉たちとの会話の時に、ボーっとしてるのはダメだ。
そう思っているけれど、どうもあの出来事から心の整理が出来ていないんだろうか。
心此処に在らずという状況が最近続いている。
「え、今週の?」
「うん。田辺君と岩田君と牧君を誘おうと思うんだよね。日曜なら部活ないって言ってたし」
あぁ、誰かを狙ってるんだな。と、その場に居た私以外の2人だって感じただろう。
多分…、牧君かな。最近よく喋ってるの見かけるし。
でも確か牧君は――。




〔放課後〕
私は部活に入ってなくて、外のテニスクラブに入ってる。だから登下校は制服。
今も丁度、制服に着替えてる所だった。
「佐伯さん、日曜行くの?」
「え…」
正直、本当は行きたくない気持ちが勝っていた。だけど杏莉にそんな事を言えるはずもなく、頷いていた。
「うん、行くと思うよ。行かないの?」
「ううん、行くかな。多分。行くって聞いたから」
「そうなんだ」
別に興味もなかったからそれで会話を終わろうとした。
鞄を背負って、皆よりも一足早く教室を出た。
「佐伯さーん」
後ろから、放課後のにぎやかさの中でも聞こえる透き通った声。
「また今度〜」
“今度” その言葉の意味は、言わなくたって分かる。

1ヶ月前 No.9

麗華 ★0i8gaYV1Q5_xKY

家まで20〜30分。
考え事の結果を出すには、私にとって曖昧すぎる時間。
結局、あの時田辺君に言われた“今度”という言葉が胸につかえたままだった。
色々と複雑なんだよ、言えないけどさ。ちょっとぐらい察してよね。




「ただいま…」
その場に留まったまま消えた。だって、その言葉を受け取ってくれる相手はいない…。
頼りなくその場に留まって、消えるだけ。
いつも通り、部屋に制服を脱ぎ捨てて鞄を適当に置いた。
下に着ていた体操服のまま下に行って、冷蔵庫の中を覗いた。
「何かあるかな…」
冷蔵庫の中は空っぽだった。あるのはジュースとお茶、あといくつかの調味料。
そりゃそうだよね、分かってんのに…。
普段、買った弁当しか食べないのに、あるはずが無いし。
ジュースだけ取って、食器棚からコップを持った。

1ヶ月前 No.10

麗華 ★lEJY92WSSo_xKY

机の上には、質素な弁当が置かれていた。
下には、メモが置いてある。

“今日中には帰る予定です”

読み終わり、手でぐしゃぐしゃにして捨てた。
いつものことだ、こんな手紙。だから、もう捨てた。
だって見ててもつらくなるだけじゃん、私は独りなんだって。
ひっそりと隠れるように自分の部屋に行った。
一通り宿題をして、風呂に入って、倒れるようにベッドで眠った。
いつもだ。いつもなんだか疲れててだるくて、こうやって誰とも喋らず何も見ずに眠る。
深く深く、深く深く眠る。

1ヶ月前 No.11
ページ: 1

 
 
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