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  恋の境界線、

 ( 恋愛小説投稿城 )
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日和. @yurin0910 ★NJVrywqipr_ZFe


 W友だちW と W好きな人W の境界線って、

 __どこなんだろう。



  −


→ Start.

切替: メイン記事(6) サブ記事 (1) ページ: 1


 
 

日和. @yurin0910 ★XGXgQW1HPW_mgE

 ○Character.*


・成瀬 蓮歌 / Naruse Renka  >>  絶世の美女まではいかないが、整った顔立ち。
                    真面目そうと言われるが、仲の良い人には明るく優しい面を見せる。
                    初恋がまだで、W好きWという感情がいまいち理解できていない。


・朝宮 伊織 / Asamiya Iori  >>  男子にも女子にも好かれる、いわゆるモテ男子。けれど、彼女ができた事がない。
                    文武両道で、性格は途轍もなく明るく心遣いができる。
                    蓮歌の隣のクラスで、野球部所属。


・櫻木 笑梨 / Sakuragi Eri  >>  蓮歌の幼馴染で大親友。
                    姉御肌で、蓮歌のぬけてる部分をカバーしてくれる。
                    蓮歌と同クラで、陸上部所属。


・楢ア 春樹 / Narazaki Haruki  >> 何かと人の恋路に顔を出してくる人。
                     悪者ではなく、どちらかと言えば恋のキューピッドかも。
                     一応、この中学校の生徒会長。

3ヶ月前 No.1

日和. @yurin0910 ★qGM1BQodgm_ZFe

 雲一つない、真っ青な空。その青に差し込むキラキラした太陽の光。
 爽やかな空中から地上に目線を下ろすと、そこでは白と紺の体操服に身を包んだ生徒たちが、トラックを走る選手に声援を送っている。


 そう、今日はW星咲中学校Wの体育大会。
 そして今は、私たち2年も出場する種目、200m走が行われている。


 「 青組頑張れーっ! 」


 「 赤ーっ、抜かせ!一位目指せ、一位っ!! 」


 などと、それぞれの応援団が声を張り上げて応援している。


 そんな活気溢れる皆の中、私は保健委員会専用テントで、怪我人の手当て係として笑梨と座っていた。


 「 いいなぁ、あたしらもあっちで応援したくない? 」


 青いハチマキを巻いた笑梨が、頬を膨らませながら絆創膏の入った箱を放って言う。


 「 仕方がないじゃん、先生に頼まれちゃったんだから 」


 横からその箱をキャッチし、私は苦笑しながらそう返した。


 そう、私たちは保健委員会でも何でもない。
 人数が足りなかったために呼ばれた、ただのお手伝いさん。
 だから、私と笑梨だけ、青組のテントから離れたこのテントに居るのだ。


 「 あーあっ、あたしの出る100m走は午後の部だしさ。暇だぁー…… 」


 そう言って笑梨がごろーんと地面に転がる。


 「 えーり、背中汚れるから起きなよ。ほら、男子200m走始まるよ? 」


 ぐい、と手を引っ張ってみても笑梨は「 男子にキョーミないし 」と寝返りを打つ。


 ( やれやれ、……ダメだこりゃ )


 私は息をつくと、トラックに目を戻す。


 「 位置について、よーい 」


 パンっ、とピストルの音が鳴り響き、第一走者がスタートした。
 クラウチングスタートの構えから徐々にみんなが体を起こしていく。


 __すごい、みんなめちゃめちゃ速いっ。

3ヶ月前 No.2

日和. @yurin0910 ★qGM1BQodgm_ZFe

 走者はみんな、運動部に入ってる子。
 だから、これ以上ない大接戦で、見てる人もどんどんヒートアップしていく。


 「 笑梨、笑梨!見て、みんな速いよ。あと50mくらいっ!! 」


 笑梨の体をゆさゆさ揺らして叫んだ、その瞬間。
 どんっ、と黄組走者が赤組走者にぶつかった。


 ( あぶな……っ、 )


 私がひゅ、と息を飲み込むと同時に、赤組テントからも悲鳴が聞こえてくる。
 けれど、その赤組走者はすぐに体勢を立て直し、そのままトップでゴールテープを切った。
 悲鳴が歓声に代わり、その走者の男子は同じチームの子に背中や肩を叩かれ、笑みを浮かべた。


 「 あの子、隣のクラスの子じゃん。意外に速いね 」


 起き上がって一部始終を見ていたらしい笑梨の言葉に、私は頷きかけ――、


 「 ねえ、あの子!足捻ってない!? 」


 そう、その子はひょこひょこと足を引きずっていた。
 周りの子に気づかれないように、さり気なく。


 でも、多分あってる。ぶつかったときに捻っちゃったんだ。
 確信すると同時に、私は思わず救急箱を引っ掴んで、トラックの中心に向かって走り出した。
 笑梨の「 ちょっと、蓮歌!? 」と言う焦った声が後ろから追いかけてきたけど、私はそんなのお構いなしにその男子のもとへ走る。


 「 あの……っ! 」


 トラックの中心に辿り着いて、彼の袖をグイッと引っ張ると、驚いたような顔で振り返られた。


 「 なに? 」


 眉をひそめながら聞いてくる彼や周りの男子の目に、私は一瞬怯みながらも、声を振り絞った。


 「 足、捻ってますよね。手当てするんで、そこ座ってください 」


 救急箱を差し出して見せながら、トラックの外のパイプ椅子を指差す。
 途端に、男子たちが「 マジ、捻ってんの? 」と騒ぎ出し、速く手当てして貰って来いとパイプ椅子の方に引きずり出した。
 それでようやく、走者の子も座って足を見せてくれた。
 遠巻きにしているみんなの視線を感じながら、私は湿布と保冷剤を取り出した。


 「 よいしょ…、はい、いいよ。多分これで大丈夫 」


 手当てを完了させ、その男子の顔を見上げる。


 「 ありがと。…てか、よく気付いたな、怪我してんの 」


 お礼を言いつつも首を傾げる彼に、私は「 そりゃ、圧倒的に速かったんだもん、君 」笑みを浮かべて見せた。
 違うグループなのに褒めて良いんだろうか、という思いが頭を過ったけど、まあそんなことは気にせずに立ち上がると、ふいに手首をぐっと引っ張られた。
 「 へっ? 」と自分でも可愛げがないと思う声を出してしまう。


 彼はごめん、と気まずそうに目を逸らし、そのあと「 伊織! 」と叫んだ。


 ( 伊織……?なんのこと? )


 ぽかん、と間抜け面をする私に、彼はふと笑みを溢しながらも、立ち上がって言った。


 「 俺の名前。W君Wじゃなくて、W朝宮伊織W。名前で呼んで 」


 ――突然の自己紹介。
 私は困惑しつつも「 伊織くんね、 」と希望通り名前で呼んでみた。
 彼、じゃなくて伊織くんは満足気に笑むと、「 じゃあねっ! 」と叫んで友達のところへ駆けて行った。
 その後ろ姿を見て、私は自分が名前を名乗ってなかったことに気づく。


 「 伊織くん! 」


 大声で呼ぶと、伊織くんは足を停めてくるりと振り向いた。
 「 なにーっ? 」というよくとおる爽やかな声が返ってくる。


 「 私の名前、言ってなかったから!成瀬蓮歌って言います、私も名前でいいよーっ!! 」


 自分史上最高の大声を腹の底から思い切り出すと、伊織くんは「 わかったー! 」と叫んで手を振ってくれた。


 ( 新しい友だち、出来たかもっ! )


 手を振り返しながら、私はそんなことを思って顔を綻ばせた。

3ヶ月前 No.3

日和. @yurin0910 ★XGXgQW1HPW_mgE


 賑やかな体育大会もあっという間に終わり。
 残るは、生徒会が毎年計画してくれる、後夜祭だけ。


 体育大会は結局、運動部が多く集まってる赤組が優勝した。
 でも、いいもんっ。
 私たち青組は、応援部門で優勝できたから。


 テントなどを片付け終わった子たちが戻ってきたのを確認し、生徒会長が朝礼台に立った。
 ざわめいていた生徒たちも皆、会長の方に視線を向ける。


 会長は満足げに頷くと、ぐるりと皆を見回し、マイクを手に取った。


 「 諸君!体育大会を全力でやりきったかーっ!? 」


 校庭中に響き渡る叫びに、こちらもつられて「 おーっ! 」と叫び返す。


 「 今から午後7時半まで、打ち上げを兼ねた後夜祭だーっ!みんな楽しめよー!! 」


 その言葉に、生徒たちはさっきよりボルテージを上げなら「 うおーっ! 」と応えた。
 そして、それを合図にフォークダンス用の曲が流され、グラウンドの真ん中に設置されていた木の束に火がつけられる。


 そう、ここからがうちの学校の楽しいところ。
 皆でキャンプファイアーの周りで、フォークダンスを踊るんだ。
 好きな人といっしょに!


 だから、生徒たちはさっきから告白のタイミングを今か今かと待ち構えている。
 もう、必死の形相で恐いったらありゃしないよ。


 ( でも、いいなぁ。私も告白とかされてみたい、かも…… )


 そう、私には好きな人がいないから、後夜祭はあまりW胸キュンWとはならない。
 はああ……。
 何処かの王子様が、私を迎えに来てくれないかな。


 そんな馬鹿なことを半ば本気で思っているうちに、告白タイムがスタートした。

3ヶ月前 No.4

日和. @yurin0910 ★p4Ne5cDHeM_ZFe


 みんなが好きな人のところへ一目散に駆けていくのを、私はぼんやりと見詰めていた。
 それぞれが顔を赤くしながら想いを伝えている。


 ( あ、あの子。成功したんだろうなぁ.. )


 ふと目の前の人を見てそんなことを思う。だって、明らかに顔が喜びで緩んでるんだもん。
 でも、逆に表情が沈んでて、ああフラれちゃったんだな…って思う子もいた。
 それでも私は、たとえフラれた子でも本気で恋をしてて、うらやましいと感じた。


 ( ダメだ……、暇すぎる )


 私はついに限界が来ちゃって、校舎に戻ろうと向きを変えた。
 すると、「 おーい、成瀬! 」と誰かに名前を呼ばれる。


 誰だろう、と首を傾げつつ振り向くと、段ボール箱を抱えた先生が立っていた。
 ……なんか嫌な予感がする。


 「 なんですか、先生 」


 一応尋ね返すと、「 いやー、悪いな 」と前置きしてから、先生が段ボール箱を差し出してきた。


 「 これ、美術室まで運んでおいてくれないか?先生この後会議があってね 」


 苦笑しつつ押し付けてくる先生に、私は頷かざるを得なかった。
 たぶん私が暇そうに見えたんだよね。…実際そうなんだけど。
 私は溜息をつくと、「 いいですよ 」と箱を受け取った。


 と、そのとき。


 「 先生、青春しようとしてる生徒に雑用なんか頼んじゃダメですって 」


 いつの間にかそばに来ていた会長が、先生にそんなことを言った。
 え……、と私は絶句。
 そのあと、慌てて会長に向かって、


 「 えと、わたし暇なんで大丈夫ですよ? 」


 と笑ってみせる。
 でも、会長は首を縦に振ろうとはせず。


 「 それは、俺が運んでおいてやるから。……あ、いいところに! 」


 私から箱を奪い取った後、会長はある方向に目を向けて顔を輝かせる。
 不思議に思って、私もそっちに目を向けると。


 ( あれって、伊織くん!? )


 そう、伊織くんがめちゃめちゃ暇そうに歩いていた。
 会長に気づいて、伊織くんは「 なんすか、春樹先輩 」と此方に近寄ってくる。


 「 この子が暇だっていうからさ、一緒に踊ってあげて? 」


 いきなりの会長の爆弾発言。
 伊織くんもぽかんとした後、困惑したような表情を見せる。


 「 あの、会長。やっぱり私それ運びま―― 」


 「 あれ、蓮歌じゃん 」


 私の言葉を遮って、ビックリしたように伊織くんが言う。
 どんな顔をすればいいのかわからなくて曖昧に笑っていると、「 蓮歌なら一緒に踊るわ、 」と彼は私の手を引いてフォークダンスの輪へすたすたと歩いていく。


 ( え、えええ……っ! )


 会長を見ると、いってらっしゃいとでも言わんばかりに、笑みを浮かべて手を振っている。
 急展開に頭がついていかず、私は思考停止の状態で伊織くんに引きずられていった。






3ヶ月前 No.5

日和. @yurin0910 ★XGXgQW1HPW_mgE

 一曲目を踊り終わっても、私はまだ状況理解できてなかった。
 いや、だって…急すぎるじゃん。


 ちらり、と伊織くんを見ると、此方の視線に気づいて「 なに? 」と笑い掛けてきた。
 不覚にもどきっとしちゃった私は、慌てて視線をそらす。


 「 べつに、何でもないよ… 」
 「 ふは、ほんとに? 」


 揶揄うように言うと、伊織くんは可笑しそうに笑みを深める。
 これ以上この会話を続けると、私が負けちゃいそうな気がして。って、何に負けるのかは分かんないけど。
 私は、話題を変えることにした。


 「 そういえば、伊織くんって野球部だよね? 」


 顔を上げて尋ねると、「 そうだよー 」と緩い答えが返ってきた。
 たぶん、ポジションはショート…だったかな。でも、そこまで見てるなんてなんだかストーカーみたいだから、黙っておくことにした。


 「 蓮歌は、何部なの? 」


 不意打ちの質問に、えっと…と口籠ると、「 待って、俺が当てる! 」と伊織くんがストップをかけた。
 文化部でしょ、といきなり当てられる。頷いて見せると、


 「 わかった、演劇部じゃね!? 」


 顔を輝かせて叫ばれた。
 すごい、何でわかっちゃったんだろう。


 「 正解です… 」


 唖然としながら呟くと、嬉しそうに笑みを浮かべた。


 ( …うわっ、 )


 その笑顔に一瞬見惚れちゃったのは、気のせいだろう。
 心臓が早鐘を打ち出したのだって、きっと何かの間違いだ__。


3ヶ月前 No.6
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