、 1年前 No.0
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第二回 私にとってあの人は
「ってことがあったの。」
私は、莉奈に相談した。
このままじゃ、奏とはもう遊べないから。
「私がいない間に・・・?やば。完全なるリア充じゃん。」
莉奈は、リア充、リア充といって聞き耳を持ってくれない。
「ねぇ、うちら三人が、もう遊べなくなったら嫌じゃない?」
すると、おっ、というように莉奈がこちらを向き直った。
「うん。それは嫌。でも、私は二人の邪魔をしたくないから、遊ばなくてもいいと思ってる気持ちもあるよ。」
「え・・・?!」
莉奈は、改まったように私の目を見た。
「あのね、私は奏のことは好きじゃない。友達だと思ってる。でもね、夜空。あんたが奏と私と、三人で遊ぶときにね、二人でいちゃつくのはやめてほしい。だって、もう知ってたんだよ。私、奏の好きな人を知ってたんだよ。だから、キスしたって知っても、あんまり驚かない。」
「好きな人を知ってるの?」
私は、莉奈の目を見返した。
「・・・夜空よ。」
莉奈は目を伏せた。
そして、バッグの中からスマホを取り出して、ラインを開く。
【rina. かなで】
莉奈と奏のグループだろう。
私は、何?といってスマホの画面をのぞき込む。
そこにあった会話。
【奏 おれ、やっぱり夜空のことが好きだわ。
rina. 知ってるけど。
奏 知ってたの?
rina. あんた見てたらバレバレです。】
「昨日、ラインやってたら、こんな感じになったの。もう、わかったでしょ?両想いおめでと。」
そんな風に言っている莉奈の目が、なんだか悲しそうに見えた。
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