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苦しんでいる人たちの内の、たった二人の彼らの話。

 ( 恋愛小説投稿城 )
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夕凪 ★iPlMtAjhz9_rVM

 きっとこの世の全ての人たちが、大なり小なり悩みを抱えていて
 もがき苦しみ、嘆いている。


 そんな人たちの内の、たった二人の彼らのお話。




 夕凪(ゆうなぎ)でっす☆
 テンションMAXで頑張るので、ぜひ読んでってください


 恋愛+感動的なのを書きたいです

切替: メイン記事(7) サブ記事 (2) ページ: 1


 
 

夕凪 ★iPlMtAjhz9_rVM

 この世で一番愛した人間が、___________死んだ。




 『この世で一番』なんて、高校生の俺が言うのは少し生意気かもしれない。
 それでも。
 今でも目を閉じれば、瞼の裏によみがえるあいつの笑顔。
 失ったものはあまりにも大きすぎて、俺の心に空いた穴はそう簡単には埋まり
 そうになかった。

 まあ、そんなのは。
 こんなことをするいいわけにはならないだろうけど。


 「あいつはきっと俺のことを、許してはくれないだろうな」

4ヶ月前 No.1

夕凪 ★iPlMtAjhz9_rVM

 生まれて初めて、本当の意味で友達を失った。


 いつも一緒に居たから、あんたがいなくなってどうやって過ごせばいいのか、
 わからなくなっちゃったよ。

 …ごめんね。
 あいつを助けたいなんて綺麗事だ。
 本当は、心のどこかで自分の卑怯な気持ちに気づいてた。


 これはあの子に、
 日和に対する、____________裏切りだ。


 「あの子はきっと私のことを、許してはくれないだろうね」

4ヶ月前 No.2

夕凪 ★iPlMtAjhz9_rVM

 暑い。
 ああ、暑い。
 中庭のベンチは風がある日は心地いいけど、どうやら今日はハズレのようだ。
 じりじりと身を焼かれるような感覚に、頭がぐらぐらする。
 「…あつ」
 声に出すと、暑さが増した気がした。
 蝉がうるさい。日差しがうっとうしい。
 ああ、夏は嫌いだ。
 あいつが居ない夏は、もっと嫌いだ。
 「……」

 あいつと過ごす二度目の夏は、二度とやって来なかった。


 「昼休み、もう終わるよ」
 頭上から声が聞こえた。
 喋るのがだるくて、背を向けるように寝返りをうった。
 「……」
 「おーい、聞いてる?」
 俺は知っている。こいつに無視が通じないことを。
 「…なんだよ」
 背を向けたまま応える。
 「こんなとこで直射日光浴びてたら熱中症になるよ」
 おそらくもう手遅れだ。
 「……」
 黙っていると、背中からため息が聞こえた。
 「授業、出ないの?」
 「……」
 無言を肯定と受け取ったらしく、心配したような声色で言った。
 「…サボるのはいいけど、少しくらい授業出なよ」
 それだけ言うと、足音は遠ざかっていった。
 口うるさい奴だ。
 あいつに対してもそうだったな。
 思い出すと口元に笑みが浮かぶ。
 そしてその後、いつものように胸が締め付けられる感覚に
 襲われる。
 …ああ。
 夏の暑さが、憎くてたまらなくなった。

4ヶ月前 No.3

夕凪 ★iPlMtAjhz9_rVM

 もう、二ヶ月経つ。
 二ヶ月をこんなにも長く感じたのは初めてで、
 この先も続いていくのかと思うとやるせない気持ちになる。
 あいつも、なかなか立ち直らない。
 授業をよくサボるようになったし、春先よりも少し痩せたように見えるのは
 夏の暑さのせいだけじゃないだろう。
 「……」
 だからといって私にできることなんてたかが知れていた。
 それに、正直言って私も相当参っていた。
 今もまだ、学校であの子の姿を探してしまう。
 部活がない火曜日の放課後、あの子の教室に足が向いてしまう。
 …わからない。
 この現実を、どうやって受け止めればいいのかな。
 頭ではわかってる。わかってる、はずなのに。

 心が拒む。

 「授業、始まっちゃう」
 教室に向かう足を少し速める。
 今の私には、勉強や部活に打ち込む他に、気持ちの逃げ場を見つけられない。


 「あれ…」
 部活も終え家に帰ろうと中庭を通ると、ベンチの上に人がいるのが
 見えた。
 まさか…。
 近づいてみると案の定そこにいたのは、奏汰だった。
 「寝てるし…」
 あのときからずっとここにいたのだろうか。
 まったく。誰も通りかからなかったらどうするつもりだ。
 いや、さすがに見回りの人が気づくのかな。
 とりあえず起こさないと。
 「奏汰、奏汰、ねえちょっと、そーたってば」
 相変わらず、寝起き悪いなぁ。背中を揺すっても反応がない。
 叩き起こそうかと考えたとき、ゆっくりと体が起き上がった。
 まるでホラー映画だ。
 「やっと起きた?そろそろ帰らないと…」
 顔を覗き込むと、中庭の街頭に照らされる奏汰の顔。
 「っ…」
 瞼がかすかに煌いて見えた。
 その正体に気づいた途端、心が締め付けられる。
 さらに追い討ちをかけるように、彼は私のことを見て寝言のように呟いた。

 「__…?」


 「え…」
 心が凍りついたみたいに痛んで、頭が真っ白になって。
 気がつけば、私はその場から逃げていた。

4ヶ月前 No.4

夕凪 ★oi52bwd0wt_rVM

 夢を見ていた。
 もうこの世にいないはずのあいつが、俺の名前を呼んでいた気がした。
 「…−た、そーた」
 昔っからそーた、そーたってひっついてきて。
 いつも一緒で、俺と叶香がいないと何もできなくて。
 そのくせ、いつも俺たちの真ん中にいたのは…、
 「日和…」
 重い瞼を持ち上げると、すっかり暗くなった空が見えた。
 …やべ、寝てたのか。
 ゆっくり体を起こすと、関節やら背中があちこちが痛む。
 ベンチで長時間寝てたからか。次からは気をつけよう。
 誰かが走り去っていった気がしたが、気のせいだろうか。
 「あー、帰んねぇと」
 一度伸びをして、いまいち覚めきってない目をこする。
 ふと、違和感に気づく。
 濡れてる…?
 ああ、泣いたのか。
 あんな夢で泣くなんてな。いつまでも引きずっている自分に嫌気が差した。
 「帰るか」
 誰にともなく呟いたその声は、蒸し暑い夜空に消えていった。


3ヶ月前 No.5

夕凪 ★OGTEQlARL0_rVM

 「はあ…っ、はあ…っ」
 家に入りすぐさま自室に駆け込む。
 ドアに背中を預け、ずるずるとへたり込んだ。
 「…」
 わかっていたことだ。
 奏汰の日和への気持ちの大きさも、二人がどれだけ想い合っていたかも。
 わかっていたでしょう…?
 「ふ…っ、うぅっ…」
 なのに、どうしてこんなに胸が痛いんだろう。
 なんで、涙が止まらないんだろう。
 『日和…』
 日和が死んだというショックが大きくて、ずっと見えていなかった。
 ううん、見ないようにしていたんだ。
 汚い気持ちがふつふつと湧き上がってきて、私の心臓を蝕んでいるみたいだった。
 日和がいなくなって、私は、何かを期待した…?
 「最っ低…」
 奏汰と同じくらい、日和が大切で大好きだという自信があった。
 それは嘘じゃない。
 でも多分日和と同じくらい、奏汰のことを…。
 「っ…」
 いろんな気持ちが混ざり合って、どろどろとした何かとなって、
 涙として溢れていく。
 私を日和と間違えた?日和の夢を見ていたの?1人で、あの子を想って泣いていたの?
 いろんな疑問が浮かんで、頭の中を支配していく。
 ねえ、奏汰。
 私もね、全然受け入れられてないんだよ。あの子がいなくなったっていう現実を。
 だから、一緒に痛みを分け合おうよ。
 悲しみを共有しようよ。
 あんたのそんな姿、私も日和も見たくないよ。
 そう思うのは、日和も奏汰も大切だから…?
 その気持ちの中に、奏汰が好きだからという邪な感情は一体どれだけあるのだろうか。
 そんなこと考えたくもなくて、耳を塞いだ。
 あらゆるすべてのことを遮断したくて、ただ声を押し殺して
 泣いていた。

3ヶ月前 No.6

夕凪 ★KNsKV5MuMY_rVM

 「あー…、熱下がんねぇ…」
 夕日が差し込む誰も居ない自室で、一人呟く。
 昨日ベンチで昼寝したのがいけなかった。夏だからって油断した。
 親は朝早くに家を出ていて、おそらく今日俺が学校を休んだことには
 気づいてないだろう。
 おかげさまで朝からほとんど何も食べていない。
 食欲があるわけでもないが。
 そんなことを考えていると、無機質な電子音が耳に響いた。
 ピンポーン。
 「誰だよ…こんなときに」
 居留守を使おうと思ったが、昨日夕方に宅配がくると聞いていたのを
 思い出し、気だるげにベッドから体を起こした。
 「わ、思ったよりしんどそう?」
 「…なんでお前が…」
 やっとの思いで二階から降りてドアを開けたというのに、
 そこにいたのはレジ袋と鞄を持った、見るからに学校帰りの叶香だった。
 俺の労働力返せ。
 「今日学校で見かけなかったからあんたのクラスの男子に聞いたら、
  風邪だって聞いたから」
 そういえば、そんなことをクラスの奴にLINEで送ったような…。
 つか、立ってんのしんどい。
 そんな俺の気持ちを察したのか、なぜか複雑そうな表情で言った。
 「とりあえず、中入れてよ。食べられそうなの買ってきたから」
 「…ああ」
 部屋散らかってるし、怒られるかな。いや、いくらこいつでも病人相手に説教はしないか。
 そんな考えがぼんやりとした頭に浮かんだ。
 あつい。
 夏のせいか、熱のせいか。
 それとも…。

3ヶ月前 No.7
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