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 キミの声__

 ( 恋愛小説投稿城 )
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aozora。 @baritone ★Android=FkBjQeA7uX





“ こうちゃん、助けて! “






俺の夢ではかつて幼なじみであった美琴が俺の名前を呼んでいた。

そして『 助けて 』と確かにそう言っていたのだ。

とても苦しそうな顔が今も脳裏に焼き付いている。

しかし、所詮俺の夢なのだから深く考える必要はないとこの時、俺は思った。

今思えば、俺は最悪だ。

あの時に気づいてやれなかった俺に生きる資格があるのか___?

いや、ない。

夢を見たその次の日にいじめという理由で美琴はこの世を自ら去ってしまったのだから……。

メモ2017/01/15 23:32 : aozora。 @baritone★Android-FkBjQeA7uX


First. 《 ユメノコエ 》>>0


Second.《 あの声をもう一度___》>>6

関連リンク: Bitter Drop・*_ 
ページ: 1


 
 

aozora。 @baritone ★Android=FkBjQeA7uX


『 ユメノコエ。 』





第一章  おかしな夢




あの夢を見た次の日、俺は私立の高校入試だった。

俺の滑り止めで受ける広陵高校は面接があるから本番の日は必ず時事問題をチェックする為に新聞、テレビ見とけよと先生にも親にもこっぴどく言われた。

その日の新聞には一面に書かれていた。

テレビにもその話がほとんどだった。

俺は目を疑った。

だって、昨日見た夢に出てきた美琴がいじめが理由で学校の屋上から飛び降りたというニュースばかりだった。

意識不明の重体らしいが……__

お母さんはそのニュースを見て泣いているし、お父さんは唖然としていた。

俺もその場に立ち尽くすしかなかった。

美琴は幼馴染で家が隣でいつも遊んでいた。

美琴のうちとは家族で仲が良かったからよく美琴の家族と俺の家族で色々なところに行った。

しかし、小学校を卒業すると同時に美琴の家族は離婚し、美琴はお母さんに引き取られ関西に引っ越していったのだ。

だから、俺はそのニュースが信じられなかった。

あの美琴が…本当に__?

昨日俺の夢で美琴が助けてと言ったのもなにか理由があるのか?

俺は、結局入試でも集中できず面接もダメで私立は落ちてしまった。

その一ヶ月後には公立の入試も控えていたのだが何とか親に頼み込んで俺は関西に行くことになった。

2ヶ月前 No.1

aozora。 @baritone ★Android=FkBjQeA7uX





第二章  再会





「もしかして…こうちゃん??

来るの遅いよ。

私死んじゃうじゃん。

もしかして…こうちゃんは私の姿が見えるの?

私の声、聞こえるの?」


俺は目を凝らした。

思考回路が止まる。

なぜ_____?











「 まぁ、こうちゃんも知ってる通り私は意識不明の状態なわけ。

でも、奇跡が起こってとるのよ。

自殺する前にね、私ね神社で願ってんよ。

こうちゃん、助けてって。

そしたら、なんか自分でもよく分からないけどこうちゃんにだけ見える幽霊となってしもうたんよ。多分。

私の思いが強かったってわけね。」

俺の思考が追いつかない。

今俺の前で喋ってるのは間違いなく美琴だ。

でも、今朝病院で見てきた、包帯をぐるぐる巻かれていたのも間違いなく美琴だ。

やはり、俺が今見ている美琴は幽霊と信じるしかないみたいだ。

「こうちゃんさ、ちょっと私の話聞いてくれる?」

「うん。」

「私ね、2年前に交通事故に遭って全部記憶がとんだんよ。

それで、私は日記を書いてたからそれを全部読み漁ったんよ。

そしたら、こうちゃんっていう幼馴染がいたって記されてたから…だから、私こうちゃんとの思い出なんて全然わからんのよ。

でもずっと、こうちゃんに会いたいなと思っててん。

それで、駅でこうちゃんみたいな人が立ち尽くしてるから思わず喋りかけちゃったんよ。

この声が誰にも届くはずはないと思ってたから…。

神様ってすごいわぁ。

これって運命よねぇ。

それで私ね、こうちゃんのことが好きやったみたい。」

俺は、思いがけない言葉に赤面してマフラーに思わず顔を埋めた。

「美琴さ…一つ聞いてもいい?」

「うん、何?」

「来るの遅い、私死んじゃうって言ったじゃん?

あれ、どういうこと?」

「あぁ、私ねこの身体になってから一回こうちゃんに会いに行ったんよ。

こうちゃん、面接ダメダメやったねー。

全部見てたんよ。

こうちゃん、面接で言ってたでしょ?」









「では、最近の気になるニュースを教えてください。えっと、河野さんからどうぞ。」

「はい、…俺はいじめで自殺してしまった美琴さんのニュースです。」

「それは、どうしてですか?」

「…夢で美琴さんが俺に助けてと訴えていたんです。」

俺は震える声で言った。

そして、俺の手にひと粒の水が当たった。

「そう…ですか、では次の方どうぞ。」

「はい。私も………」










「自殺する前の日の夜、こうちゃんの写真を見て私こうちゃんに助けてってね泣いたんよ。

そんな助けてくれるはずもないのにね。

でも、こうちゃんにすがるしかなかったんよ。

そしたら、こうちゃんの夢に私が出てきたって聞いてめっちゃ嬉しかったんやけど…夢で私は必死に訴えたのになのに助けに来てくれなかったんだと思うとがっかりした。

記憶をなくす前の美琴があんなに良い人だって日記に綴ってたから、私はきっと助けてくれると思っ…ごめん、今思ったけどこうちゃんからしたら私の勝手な思いあがりやんね、こんなん。

言われても困るよね。

ごめん…なさい。」

美琴の声はだんだん小さくなっていき、美琴の目からは既に大粒の涙があふれていた。

「そんなことない」って言葉が喉の奥につっかえた。

受験があったなんて言い訳だ。

俺は、受験がなくてもここには来ていないと思うから___。

2ヶ月前 No.2

aozora。 @baritone ★Android=FkBjQeA7uX





第三章  最後のデート






「こうちゃんさ、一つだけ最後にお願いしていい??」

さっきから続いていた長い沈黙を破ったのは美琴だった。

美琴はどこか吹っ切れたような顔で俺を見つめてくる。

あぁ、透き通った目で吸い込まれそう。

俺は不覚にもそんなことを思ってしまった。

俺にそんなこと思える資格なんてない。

俺のこの手で助けられなかったのに…。

「うん、いいよ。」

「ありがと。

あと一日だよね?

こうちゃんがこっちにいるの。」

「あぁ。」

「私ね、一回でいいからUSJ行きたい!」

「そんなことでいいのか?」

「うん、めっちゃ行きたかったんだよね!」

「いくらでも連れてってやるよ。」

「え?いいの?こうちゃんは周りの人から見たら一人ユニバだよ??」

「そんなの関係ねぇよ。俺のそばには美琴がいる。」

俺は、美琴の頭を肩に引き寄せた。

触れない美琴の体を精一杯に触ろうとした。

美琴もそのままもたれかかろうと必死に探してた、俺の肩を。

そしてひとつぶの涙が俺のズボンに落ちていった。

それでも、美琴の体は幽霊だから何事もなかったかのようにズボンは乾ききっている。










「何名様でしょうか?」

「二人…一人です。」

「はい、お一人さまですと7400円となります。」

「これで。」

「8000円ですね。

お釣りは600円となります。

ご確認ください。」

「はい。」

「では、どうぞごゆっくりお楽しみください。」

「うわーーーーーーーー、ユニバだ。

夢みたい。」

美琴は昔のようにはしゃいでいた。

「ねぇ、こうちゃんあれ乗ろっ!」

「うん、そうだな。」

「何あれ?あの人一人で会話してる。」

通りすがった人たちが俺を変な目で見ながら言う。

「ごめん、こうちゃん。

あまり喋らないよう…」

「何言ってんだよ、美琴が楽しかったら俺はそれでいいんだよ。」

「うん、ありがとう!」

俺がしてやれることはこれくらいしかないから…。









「はぁ…楽しかったね。

最後はジョーズ乗ろ!」

「うん。」

「こうちゃん、あのな私は記憶をなくす前めっちゃ学校が楽しかったみたいなんよな。

でも、事故に遭って記憶をなくしたことを利用されてクラスでいじめられてた子が私がいじめのターゲットになるように仕向けたらしいねん。

そっからいじめが始まってな…。

めっちゃ辛かった。

苦しかった。

こんな汚い世界から逃げたかってん。

もう生きていく勇気がなかってん。

ごめんな、こうちゃん。

こうちゃんを悲しませたかったわけじゃないねん。

こうちゃんは優しいから俺はもう生きる資格ないと思うとるやろ?

そんなこと絶対思わんとって。

こうちゃんにはな私のこれからのぶんも楽しく生きてもらわんとアカンのやから。」

「そんな死ぬみたいに言うなよ…。」

「ごめん、こうちゃん。」

「お一人ですか?こちらへどうぞ。」

「はい。」

一個分開けて座る。

そこには美琴がいるから___。

「こうちゃん、タイムリミットや。」

「え?美琴?」

「あかんなぁ。

ほんまに。

こうちゃんのこと好きになってもうたやんか。」

美琴は今にも泣きそうな顔で言う。

「俺も美琴が好き。」

美琴の涙があふれた。

そして絶対に感じることのできない涙が俺のズボンに落ち濡れた。

まさに奇跡だった。

美琴はもう俺のそばにはいなくて、たった一つ分開けた席だけが残っている。

でも、さっきのは夢じゃないと濡れたズボンがそれを証明してる。

こんな短期間で人は人を好きになるものなのか。

俺は好きになってはいけない人を好きになってしまった。

だけど…最後は確かに思いが通じあったのに…

「クソぉ。」

俺は泣き叫んだ。

そして電話の着信音がなる。

もう大体想像はついている。

「こうちゃん、美琴ちゃん…息を引き取ったみたいよ。」

俺は呼吸もできなくり、苦しくなった。

俺のとなりでさっきまであんなに楽しそうにしていたのに…なぁ、神様って意地悪だよな。

美琴…。

もう届くことのない君の声がもう一度聞きたい…。





2ヶ月前 No.3

aozora。 @baritone ★Android=FkBjQeA7uX




最終章  忘れない





「美琴、今日であの不思議な出来事から15年経ったな。

早いよなぁ。

俺は結婚して子供も一人生まれて幸せだよ。

そして俺は今、美琴がいたクラスで担任してるよ。

元気な奴らばっかりだ。

もう、二度と同じことは繰り返さないよ。

俺が天に誓う。

だから心配するなよ。」

そして、俺は美琴の頭を撫でるようにお墓を撫でた。

そして帰りにケーキと花束を家族に買って帰った。

「ただいま。」

「おかえりー。遅かったね。」

「ケーキと花束を買ってきたんだ。」

「え?何?どうしたの?」

「今日は大切な人の命日だから。」

「へー、琴ちゃんパパがケーキを買ってくれたよ。」

「やったー。パパありがと。」

俺はこんな温かい家族に迎えてもらってとても幸せだ。

美琴の分もちゃんと幸せになってるから…だからいつか、天国で会うその時まで美琴も頑張れよ。

2ヶ月前 No.4

aozora。 @baritone ★Android=FkBjQeA7uX





アクセス 33 イイネ 3


ありがとうございます。
こんな駄作を読んでくださってる方、本当に感謝しきれないほどです。
また、感想などがありましたらぜひ書いてくださればなと思います。






次は、『あの声をもう一度__』です!

2ヶ月前 No.5
ページ: 1

 
 
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