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「 惚れないわけがない 」 BL

 ( 恋愛小説投稿城 )
- アクセス(99) - ●メイン記事(13) / サブ記事 (8) - いいね!(8)

沙生 @tsk001 ★iPad=6ZmJxQAz9Q




おれ、早瀬 栗 ( はやせ りつ ) には、特異としか言いようのない体質があった。


「早瀬、ずっと好きだった。俺と付き合ってくれないか」


――――特異な体質。それは、


『やたらむやみに男にモテる』ことである。


_
初めまして、沙生 ( さお ) と申します。
この作品はBL、性的表現があります。苦手な方はご遠慮ください。

※文章も拙く至らぬ点がたくさんあると思われます。それでも生暖かい目で見守っいただけると幸いです。

メモ2016/11/28 01:33 : 沙生☆dRcnvQTxdsCN @tsk001★iPad-6ZmJxQAz9Q


早瀬 栗 ( はやせ りつ )

・マイペースで自由気まま。猫みたい。やたらむむやみに男からモテる。


速水 伊生 ( はやみ いお )

・栗のクラスメイト。なんでもオールマイティーにできるが勉強だけできない。特に数学。


和泉 魁 ( いずみ かい )

・飄々としていて掴みどころない性格。栗の部活の先輩で、栗が好き。

切替: メイン記事(13) サブ記事 (8) ページ: 1

 
 

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q




「……えっと、申し訳ないんだけど、おれは君の気持ちに応えることはできない。」

「なぜだ?!誰か好きな人がいるのか?!それとも恋人がいるとか……?!」


なぜだ、とはこちらが聞きたい。なぜおれは初対面に近い男に告白されている?
そもそもおれが通っているのは「桐泉学園(とうせんがくえん)」。列記とした「男子校」だ。


「……うん、そういうわけじゃなくて。よく考えてみなよ、おれは男で君も男。男同士で付き合うとかナイデショ」

「愛を育むのに性別は関係ないと思うが?」


ああ言えばこう言う、とはこのことだろうか。ハッキリ言ってこの状況はかなり面倒くさい。
確かにここは男子校で女っ気がない。だからといって好意が同性に向けられるものなのだろうか。
いや、現におれ自身が好意を伝えられてる訳だから可能性としてはあり得るのだろう。
おれは別に同性愛を否定したい訳じゃない。ただ、そういった感情を含んだ好意を自分に向けられることに未だに' 慣れない 'だけなのだ。


「あのさ、もう一度言うけどおれは君の気持ちに応えることはできない。それは好きな人がいるとか、恋人がいるとか関係ないから。じゃあね」

「待ってくれ早瀬!!せめて友達からでも……!!」

「しつこい人はキライだよ」


しつこく喰い下がってくる彼に冷ややかな眼差しを向けてそう言い、背中を向ける。
さすがにここまで言われたら彼も大人しく引き下がるだろう。



((ああ、何でおればかりこんな目に遭うんだ……?))


おれは歩きながら深い深いため息を吐く。
一体全体なんだって、自分で言うのもなんだがここまで男子にモテるのだろう。
男子に告白されるのはこれが初めてじゃない。過去にもう何十回と告白されてきた。同じヤツに「好きだ」と言われたこともあった。
本当に、なぜおれはここまで男子にモテることができるのか。
きっとこの謎は、一生解けることがないのかもしれない。

6ヶ月前 No.1

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



とりあえず、部室に向かおうと歩を進める。おれが所属しているのは写真部。
二人だけのこじんまりとした部活だ。与えられた部室は中学校校舎二階の一番端っこ。
今はもう使われていない、いわゆる空き教室だ。
普通、空き教室を部活動のために使うには、顧問の先生を通して理事長に使用許可証を発行してもらわなければならない。けれど、おれたちにそれは必要ない。
だって、写真部の部長で、部室を我が物顔で使う彼――――和泉 魁先輩は、
この桐泉学園理事長、和泉 宗一郎の孫だからだ。いつだったか先輩に許可証のことを聞いたら、
「本人に直接許可もらってるし大丈夫でしょ。他の先生方も何も言ってこないし」と言われた。
先輩がそう言うんだったら大丈夫、だと思いたい。
どうもあの人は飄々としていて掴めない。言っていることが本心なのか、冗談なのか全く分からないのだ。ここまでくれば一種の才能だと思うしかない。

きっと今頃、持ち込んだソファに足を組んで座り、優雅に紅茶でも飲んでいるのだろう。
その姿を想像した時、スラックスのポケットに入れていたスマホが揺れた。
通知を見てみると、普段滅多に連絡してこない先輩からだった。
画面をスライドさせて電話に出る。


「……先輩が電話してくるなんて珍しいですね」

『まぁね〜。それよりりっちゃん今どこにいるの』

「どこって、一階と二階の踊り場ですけど」

『あーじゃあもうつくね。ばいばい』


ブチっと切られる電話。
久しぶりに電話してきたと思ったら、用件を言うわけでもなく居場所を聞かれ、
自分の用が済んだら一方的に電話を切る。電話の仕方を知らないのかと言いたくなるほど雑な対応だ。


「……はぁ」


自然と口から零れたため息。今日だけで何回ため息を吐いただろうか、
なんてくだらないことを考えながら部室へと繋がるドアを開けた。

5ヶ月前 No.2

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



そっとドアを開けてみると、案の定先輩は優雅に紅茶を飲んでいた。
その姿を見て小さく「やっぱり」と呟く。
おれのそんな呟きが聞こえたのかどうかは分からないけれど、今まで背を向けて座っていた先輩は
静かにティーカップをテーブルに置き、無駄のない動作で立ち上がって振り向く。
……それはそれは綺麗な笑顔で。


「やぁりっちゃん。よく来たねぇ」


独特の、間延びした喋り方。この喋り方を嫌がる人もいるらしいけど、
おれはそこまで嫌じゃない。というより、一緒にいる時間が長すぎて慣れた。


「よく来たも何もいつもここに来てるでしょ」

「それでも、やっぱりお出迎えは大事かなって思ってね」

「……胡散臭いですよ」


大事も何もあったものか。こうやって今みたいに出迎えたのは今日が初めてのくせに、と思うけどめんどくさいから口にしない。


「そんなことよりさっきの電話は何ですか」

「ありゃ?今日のりっちゃんはご機嫌ななめだねぇ」


ふざけたことを言う先輩を軽く睨むと「冗談だってぇ」と返される。
なんかもう、先輩と話すだけで疲れる。

5ヶ月前 No.3

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



「ほら、そんなところに突っ立ってないで早く座りなよ」

「……っわ」


不意に引かれる手。そのまま流れに逆らわないでポスンと先輩の隣に座らされる。
なんていうか、距離がものすごく近い。肩と肩が触れ合う程に。


「距離、近くないですか」

「んー?普通じゃなぁい?」


ヘラヘラ笑ってみせる先輩。全くもってこの近さは普通ではない。
恋人同士とかなら分かる。でもおれたちはただの先輩後輩で、恋人とかそれ以前に男同士。
ほら、やっぱり普通なんかじゃない。
内心ぶつぶつ文句を言ってると「お疲れのようだね」と言われる。

え、と思って横を向くと先輩と目が合った。
光の加減で緑にも見える碧色の瞳は、とても綺麗だった。
そういえば、ずっと前に亡くなられたおばあちゃんがロシア人だったと言っていたような。
ってことは先輩は日本とロシアのクォーターなのか、とどこか日本人離れした美しさを持つことに心の中で納得する。


「りっちゃん」


合った目を逸らさないでいると、先輩がおれの名前を呼ぶ。
そして慣れた手付きでおれの髪を梳く。梳いたと思ったらその指先は頬へと移動し、顔の輪郭をなぞるようにつぅ、と撫でる。
くすぐったくてその手を掴むと、強い力で引っ張られる。
先輩に抱きつくようにして倒れこむと体が反転する。
今、おれの目に映るのは、天井。そして無駄に整った先輩の顔だけ。

5ヶ月前 No.4

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



……この状況はなんだろう。
おれの考えが間違いじゃなかったら、おれは今、先輩に押し倒されている。
何がどうなってこうなった。どうして甘い雰囲気になっているんだ。


「あの、早く退いてくれませんか」

「どうしようかなぁ……」


先輩はそう言うとクスクス笑うだけで、退けてくれる気はないらしい。
スキンシップが過剰なほうだとは思っていたけれど、押し倒されるのは初めてだ。


「……何をしたいんですか」

「んー?強いて言うなら甘やかしたいかなぁ。ほら、口開けて」


甘やかしたい。なんてバカなことを言ってるんだと思ったら口を開けろと言う先輩。
本当に何がしたいのか分からないし、どうすることも出来ないおれは言われた通り口を開ける。
そうすると「いい子だね」なんて言いながら、いつの間にか手にしていた何かを口に突っ込まれる。


「っ、」


突然ことにむせそうになったけど、それを堪えて口に突っ込まれた物の正体を確かめようと舌の上で転がしてみる。
丸い形をしてるであろう物の正体は、いちご味の飴だった。

5ヶ月前 No.5

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



「疲れてるときにはやっぱ甘い物だよねぇ」


そう言いながらやっとおれの上から退いてくれる先輩。
飴をくれる、ということは嬉しいが、渡し方ってものがあると思う。
何で普通に手渡し出来ないんだろうか。もしかして先輩には ' 普通 ' という概念がないのだろうか。
なんて疑問に思うけれど口にするのはやっぱりめんどくさい。


「ありがとう、ございます」


ひとまず礼を言って起き上がる。


「どういたしまして」


ふわっという効果音が付きそうな笑顔で言われる。
たぶん、この笑顔を女子が見たら黄色い悲鳴が飛ぶんだろうな、なんて思う。
同じ男のおれでも、目を見張ることがたまにあるのだから。
それくらい、先輩の顔は整っている。芸能人として雑誌とかテレビに出ても違和感を感じない程に。
プラス、頭も良くて金持ちときたものだ。天は二物を与えずと言うが、二物どころか三物も四物も与えられている。
なんだろうこの差は。あまりにも不公平すぎやしないか神よ。


「……はぁ」


思わず口から出たのは、今日何度目かにして最大のため息だった。

5ヶ月前 No.6

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



「さて、それじゃあ何でりっちゃんがそんなにお疲れなのか聞こうか」

「……別に、いつものことです」


いつものこと、というのは疲れていることじゃない。
名前もクラスも知らない男子に告白されたことだ。


「ほんっと男子にモテるねぇ」

「先輩も人のこと言えないと思いますけど」

「いや、りっちゃんには負けるよ」


そう言って苦笑する先輩。おれには負ける、なんて口では言ってるけど、実際のところは先輩の方がモテている。
現にこの学校には ' 和泉 魁親衛隊 ' なるものが存在する。活動内容は先輩を変な輩から護るための護衛が主だ。
そしてこの親衛隊の絶対的ルールは、 ' 抜け駆けをしないこと ' 、つまり告白をするな、ということ。
このルールを破った者には見るも無惨な制裁が与えられる、らしい。
たかが男子高校生相手に大袈裟な、なんて思うけど、それ程までにこの学校での先輩人気は凄まじい。

普通じゃない渡され方をした飴を転がしながら先輩を盗み見る。
当の本人は優雅に紅茶を飲んでいる。一つ一つの所作が洗礼されていて、とても絵になる。
そしてこんなことからでも育ちの良さを感じる。
比べることじゃないことは分かっているけど、無意識に自分と比べてしまう。
おれだったらこんな優雅に紅茶を飲めない、だとか絵にならない、だとか。

改めて、おれと先輩は住む世界が違うんだと思った。

4ヶ月前 No.7

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



そうこうしているうちに、部活動の終了を告げるチャイムが鳴る。
今日も今日とて、写真部らしい活動はしなかった。
甘い物、と言っても普通じゃない渡され方をした飴を食べ、先輩が理事長の孫という権限をフル活用して設けた冷蔵庫の中にストックされたいちごミルクを飲み、先輩とたわいもない会話をする。
いたっていつも通りの部活。でも、一つだけイレギュラーなことを挙げるとしたら、先輩に押し倒されたこと。
それ以外は、何もない。

毎日毎日、辟易するような日常を過ごしてる中で、今日みたいにイレギュラーなことが起こるのはいつ以来か。
前回起きたイレギュラーも、先輩が絡んでいたような気がする。


「……さぁて、チャイムも鳴ったことだしお茶会もお開きだねぇ」


そう言って使っていたティーカップをシンクに持っていく先輩。
なんでシンクがあるのか、ということはその内説明することにする。


というか、さっきお茶会て言ったよな、先輩。
仮にも ' 写真部 ' の部長である先輩が、写真部らしい活動をしていないとはいえ、
お茶会と断言してしまうのはどうなんだろう。


((……考えるだけ、めんどくさい。))


そう判断したおれは考えることを放棄する。
もともと深く物事を考えるタイプじゃない。
どちらかと言うと、直感で、本能で動くタイプの人間だ。
そんなおれが考え事をするのは、無駄な労力と言える。

ただ、そんなおれでも一つだけ言えることがある。
それは、' 写真部 ' から ' 何もしない部 ' に改名すべきだ、ということ。

4ヶ月前 No.8

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



「それじゃあ鍵閉めるよ〜。りっちゃん、忘れ物はない?」

「ないです。先輩こそ忘れ物してません?」

「オレもしてないよ、多分。」


そう言いながら鍵を閉める先輩。
引き抜いた鍵を指で突きながらおれと並んで歩く。
窓から射し込む夕陽で伸びた影がゆらゆらと揺れる。
おれたち以外に誰もいない中学校校舎は、しんと静まりかえっていて、そんな静寂がおれたちを包む。


高校校舎の生徒玄関に着くまで、お互い何も喋らなかった。
別に、何か気まずいことがある訳じゃない。
いつもは先輩が勝手にベラベラと喋り出し、おれがそれに適当な相槌を打ったするだけ。
おれから先輩に喋りかける、なんてことは滅多にない。
騒がしいよりは静かなほうが好きだ。
でも、何か違和感を感じて自身より少し高い位置にある顔を盗み見る。


――――綺麗、だと思った。


夕陽に照らされる亜麻色の髪も、日本人にしては白い肌も、ずっと遠くを見つめるような憂いを帯びた碧色の瞳も、
何もかもが綺麗だと思った。

4ヶ月前 No.9

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



先輩が、普段他人に見せないような顔をしていたからだろうか。
見てはいけないモノを見てしまった感覚に陥いった。
勝手に気まずくなり校門に目をやると、そこには黒光する一台の車が停まっていた。
見慣れたそれは、先輩の送迎用の車。
側に立っていた橘さん(魁の付き人)は、おれ達に気付くと恭しく一礼して車のドアを開けた。


「りっちゃん、一緒に乗っていかない?家まで送るよ」


まるでおれが何て答えるのか分かりきっているような笑顔で言われる。
いつのまにか通常運転に戻っていた先輩におれが言うのは、「大丈夫です」という断りの言葉。

それを聞いた先輩は心底残念、という顔をした。そんな顔をされたら良心が少しばかり痛む。
でも、この後おれには予定があるし、何よりおれの家は学校から徒歩10分の場所にある。
車で送ってもらうほどの距離じゃない。


「それじゃあオレは失礼するよ。気を付けて帰るんだよ?変な人に声かけられても付いて行っちゃダメだからね?」

「……おれを何だと思ってるんですか先輩。」

「何って、かわいい後輩だよ?」


そう答えた先輩に思いっきり白けた目を向けると、悪戯っぽい笑顔をかえされる。


「それじゃあ、また明日ね」

「はい、また明日」


別れの挨拶をすると、橘さんがドアを閉める。
そしておれに一礼すると運転席に乗り込んだ。


先輩を乗せた車が、静かに走り出す。
おれはそれを見えなくなるまで見送る。
程なくして、おれの視界から車は姿を消した。

4ヶ月前 No.10

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



* 魁side


頬杖をつきながら窓の外、流れ過ぎ去っていく景色をぼうっと眺める。

今日もまた、断られた、というよりは断られることが分かっていた。
毎日同じことを聞いているわけじゃない。部活がある時だけ、一緒に乗っていかないかと聞く。
それに答えてくれる時もあれば、今日みたいに断られることもある。
そしてその中でオレは一つだけ気付いたことがある。
それは、' 水曜日は必ず断る ' ということである。
月曜日と金曜日は答えたり断られたり、おそらく彼の気分次第なのだろうけど、
水曜日だけは、答えてくれたことは一度もない。

そして今日は水曜日。絶対に断られる日。それが分かっていても聞かずにはいられない。もしかしたら、今週の水曜日は答えてくれるかもしれないという淡い期待があるから。そんな期待も彼の一言で呆気なく散るのだけれど。


「……はぁ」


窓の外の景色に向かって小さめの、それでいて長めのため息をつく。
いつだったか「ため息をした分だけ幸せが逃げますよ」と彼に言われたことがある。
そう言う彼も、一日に何度もため息をつくことがある。


それが、今日みたいに知らない男子から告白をされた日。

4ヶ月前 No.11

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



自由主義者の彼は奔放で、縛られることをとにかく嫌う。
何かする時は常に直感、本能に忠実に従い、行動を起こす。
かなりのめんどくさがりやで、尚且つ気分屋で、長い時間一定の場所にとどまることはない。
そしてあまり他人と関わりを持とうとしない、というよりは他人に興味を示さない。
そのくせ、お菓子や甘いものをくれる人には懐き、興味を示すようになる。
そんな猫みたいな彼にはいつしかこんなあだ名がついた。


『野良』


揶揄しているわけでも、嫌味を込めて付けられた訳ではない。
いつもフラフラとしていて誰にも懐かないのに、餌をくれる人には関心を持つようになる野良猫みたい、という意味から付けられたあだ名。

きっと彼は自分が陰でそう呼ばれていることを知らない。


そんな彼だからこそ、今日みたいに知らない男子から告白されるのは億劫なのだろうとオレは思う。

4ヶ月前 No.12

沙生 @tsk001☆dRcnvQTxdsCN ★iPad=6ZmJxQAz9Q



彼は好意を向けられるのに慣れていない、と言っていた。
この学園に来て4年、両手では数え切れないほどの回数の告白をされている彼。
欲求が溜まっているのか、男色家が多いのかは分からない。

どちらにせよ、彼の容姿は男子校では目の毒だ。
母親に似たのだろうか女顔で、目鼻立ちが整っている。
その体は華奢で、抱きしめたら折れてしまうんじゃないかと心配になる。
そして極め付けは、あの溢れ出る色気。
きっと本人は気付いていないし、無自覚に出されている色気。
それは男の色気とはまた違うくて、どこか女性的で男を惑わせる色気。


本人が気付かない色気が、無意識に男を寄せ付けているんだと思う。


だから、名前も知らない男子から告白されたりするんだ。
今はまだ聞いたことないけど、その内誰かに襲われたりするんじゃないだろうか。


危なっかしくて、一瞬たりとも目を離したくない。
首輪を付けて、鎖で繋いで、一生オレの側から離れられないように出来たらいいのに、なんて思うオレはきっと異常だ。

4ヶ月前 No.13
切替: メイン記事(13) サブ記事 (8) ページ: 1

 
 
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